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東京国際映画祭 審査員特別賞 受賞作品。これまでにテオドラ・アナ・ミハイ監督の市民や、アンドリー・リマルークが出演するアトランティス、氷の季節などが受賞しています。
原題/別名:FIXING THE TAEGEUKGI
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 80分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.0 |
監督 | コン・ジャグァン |
脚本 | ジョン・フン |
出演者
ハ・ソヨン、ジョンユン、ウナ、パク・ジンウィ
原題/別名:범죄소년/Juvenile Offender
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 107分 |
スコア | 3.5 |
監督 | カン・イグァン |
脚本 | カン・イグァン、パク・ジュヨン |
出演者
ソ・ヨンジュ、イ・ジョンヒョン、チョン・イェジン
原題/別名:송어/Rainbow Trout
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 98分 |
スコア | - |
監督 | パク・チョンウォン |
脚本 | キム・デウ |
出演者
カン・スヨン、ファン・インソン、ソル・ギョング、キム・イングォン、キム・レハ、キム・セドン
原題/別名:BENDING THE RULES
製作国 | イラン |
上映時間 | 98分 |
ジャンル: | ドラマ |
スコア | 3.0 |
監督 | ベーナム・ベーザディ |
脚本 | ベーナム・ベーザディ |
出演者
アミル・ジャファリ、アシュカン・ハティビ、バハラン・バニ・アハマディ
感想・評価
1.手持ちのカメラによる長回しが特徴的で、カットを割ることなく展開していくストーリーに加え、絵になる構図を作り出せていることに感嘆。作品自体が演劇的でありながらその要素を感じさせない脚色。イランの女性視点などの論点を少し掘り下げればと思うけど膨らみ過ぎるか。
2.2年前くらいの東京国際映画祭にて。2カ国語字幕で。上映後監督とヒロインのお話をききました。大人達のルール曲げて青年達が生きる感じの話だったよーな。うまくまとまらないグループの感じとか共感できるんだけどなんか難しい。
3.イラン映画らしからぬ青春映画、でもやっぱりイラン映画だなあていう独特の感じはありました(まだちょっと苦手かな)
原題/別名:UNDER THE MOONLIGHT
製作国 | イラン |
上映時間 | 96分 |
スコア | 5.0 |
監督 | レザ・ミル・キャリミ |
出演者
ホセイン・パラスタル、ハメド・ラジャブアリ、メーラン・ラジャビ
原題/別名:NOUS TROIS OU RIEN/All Three of Us
製作国 | フランス |
上映時間 | 102分 |
スコア | 3.7 |
監督 | ケイロン |
脚本 | ケイロン |
あらすじ
イラン南部の小さな村。大家族の中の大勢の兄弟のひとりとしてヒバットは産まれた。兄弟たちはみなそれぞれの道を歩むが、ヒバットは反政府運動に関心を持つようになる。弾圧的な政府により逮捕され、長期に渡り投獄されてしまうヒバットであるが、彼はそんなことでひるむ男ではなかった…。
出演者
ケイロン、レイラ・ベクティ、ジェラール・ダルモン、ザブー・ブライトマン、アレクサンドル・アスティエ、カイヤン・コジャンディ
感想・評価
1.テーマは重いがテンポ良く軽いタッチで物語が進む。イランで反政府運動をし、長期投獄中の警察からの暴行にも耐え、政権交代で救われたと思いきや…紆余曲折経て、最後はフランスへ。持ち前の不屈の精神で居住区(無法地帯)を変えていく。内容はとても良いのに、盛り上がりに欠けるのが残念。エンドロールで本人たちの写真がたくさん出てくる。盛り上がりに欠けたのは、きっと話を盛っていないんだと思った。
2.シリアスな内容のはずなんだけど深刻すぎないようにスタイリッシュに仕立てられててあんまり落ち込まないで観られる。イランに限らず、中東イスラム圏の問題は複雑でちゃんと理解してないけど、とっかかりとしていいかも。最近の日本の政治のアレコレがよぎる。多少のデフォルメはあるんだろうけど、監督の両親へのリスペクトがよかったなぁ。イランの女性って意外とハッキリ物言うタイプが多いのかな。人権と革命の国フランス??のプロパガンダではない…よね…?
3.イラン反政府運動奥さん強いなぁイランの女性って勝手におしとやかで男の言いなりになってるイメージだったけど…エンドロールの写真みんな本人に寄せてる
4.フランスの人気コメディアン、ケイロンが自分の父の波乱に満ちた人生を描いた自伝的家族映画。イランからフランスへの亡命に至るまで、亡命してからフランスで移民としてどう生きてきたのか、時に過酷なシーンでさえ軽快かつポジティブに描かれており、不思議と元気をもらえて心温まった。演出もとてもポップかつスタイリッシュ。
5.評価が難しい作品だった歴史が変わる時代に生きる人たちがいて、悲劇に翻弄される人がいるそれだけは事実
原題/別名:DAUN DI ATAS BANTAL
製作国 | インドネシア |
上映時間 | 83分 |
スコア | 3.0 |
監督 | ガリン・ヌグロホ |
出演者
クリスティン・ハキム、ヘル、スグン、カンチル
感想・評価
1.インドネシアの国民的女優、クリスティン・ハキム。経験の長い女優さん特有の花がある。舞台はジョグジャカルタかな?王の住む古都。ストリートチルドレンの過酷な生活。映画撮影後に出演の子供たちを養子に迎えたそうだが家出してしまったとのこと。そういうものだ。
原題/別名:Thirteen Princess Trees/十三棵泡桐
製作国 | 中国 |
上映時間 | 100分 |
スコア | 3.5 |
監督 | リュイ・ユエ |
脚本 | リュイ・ユエ、リウ・イン |
出演者
リウ・シン、チャオ・メンチャオ、トゥアン・ポーウェン
感想・評価
1.2006年の東京国際映画祭で見た。主人公の女の子がイケメンだった。
原題/別名:Før frosten/Before the Frost/Et bedre liv
製作国 | デンマーク |
上映時間 | 104分 |
ジャンル | サスペンス、ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | マイケル・ノアー |
あらすじ
19世紀デンマークの農村地。極貧にあえぐ農家の主は、娘を裕福な地主と結婚させて貧困からの脱却を図るが、思惑と運命が残酷に交差する。現代に通じる格差社会を描き、リアリズムに裏付けされた硬質のドラマ。
出演者
イェスパー・クリステンセン、グスタフ・デュキャ・ギース、マグヌス・クレッペル
感想・評価
1.東京国際映画祭 コンペティションにて(審査委員特別賞受賞)。映画には、一筋でも未来に光を感じさせるものであって欲しいとの期待があるが、本作は真逆。厳しい現実をとことん突きつけられる、見ていて本当に辛い辛い内容。貧しくとも協力し合い生きてきた家族。貧困から抜け出そうとするのだが...人の心も変えてしまって悲しい。最後まで救いがなく、暗くて重すぎる分だけ、やるせない気持ちがいつまでも心に引っかかる。心まで寒くなりそうな冬の映像が印象的。#東京国際映画祭#デンマーク
2.スカンジナビア航空機内で見られたから鑑賞。見逃していた映画だから嬉しかった。北欧の凍てつく大地の厳しさとイェンスの内心描写がマッチしていて、凄味がある映像世界になっている。タルベーラ程淡々としていないが、彼の作品が好きな人には刺さりそう。
3.東京国際映画祭最優秀男優賞&審査員特別賞受賞&友達の猛プッシュもあって鑑賞。こんな場所住みたくないと思える程寒々としたデンマークを舞台に、描かれるのは人間の業。裕福さとプライドを引き換えに、地主には何度か選択する場面を突きつけられるんだけど、全て欲に従ってしまったが故に…という感じ。これは一種の寓話だと感じた。娘と父親の心境と立場が逆転していく展開も面白いし、ラスト、あの場面で終わらせてる所も痺れた。地主の今後を考えずにいられなかったし、自分が同じ立場だったらどうしただろうか、とも考えた。なかなかに後を引く作品、素晴らしかった。
4.爆睡系かと一抹の不安があったけど、幕が開けてみれば傑作でした。みすぼらしい爺さんが主人公の映画で4.5以上つけるの初めてです。絶対悪さえも必要悪に呼び替えてしまえる、人間の自己正当化の性質が顔を出し、それがスパークするときの鈍い光が目に見えるようでした。
5.人間、目の前にチラついた富と、一度あげた生活水準は落とせない、守りたい、そういう生き物なんだろうなと思わされる。覚えた喜びを、なかなか手放せない。かぶる帽子が変わること。日曜の教会で席があること、その席がより前方であること。気がつけば、自分で自分の首を締めて、もう戻れない。メス、スペルはMADS。
原題/別名:La Civil
製作国 | ベルギー、ルーマニア、メキシコ |
上映時間 | 135分 |
ジャンル: | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | テオドラ・アナ・ミハイ |
出演者
アルセリア・ラミレス、アルバロ・ゲレロ、アジェレン・ムソ
感想・評価
1.誘拐事件の多発するメキシコ。身代金目的で娘を誘拐された母親の執念を描く。心理士を同伴した警官が、娘の肋骨1本が見つかったとして「引き際ですよ」と母親に告げる。性被害を「忘れろ」と言うのに似た雑さ加減が、社会全体に蔓延しているのがつらい。公が機能せず、信じられるのは家族とごく小さなコミュニティの知り合いのみ。闘うために時には暴力の側にも立たざるをえない、残酷な世界が現実にあった。
2.ベルギールーマニア制作でダルデンヌがプロデュース。箱からのこの作品だったから、メキシコの誘拐ビジネスと麻薬カルテルのことで頭いっぱいになった。メキシコはやっぱり闇深すぎる…
3.TIFF2021★鑑賞作品11本目今年のTIFFの締めくくりはこちら!個人的にとても楽しみにしていた作品期待していましたが裏切られることはありませんでした実際に今でも起きているメキシコでの問題を映画を通してとてもリアルに知ることができました シエロという主人公の女性のモデルとなった方の記事が出ていたので読みましたが、びっくりしましたさらに現実はひどく、決して映画が誇張されたものではなかったのです貧富の差などもなく不自由ない生活ができているならこんな犯罪をする必要もないのかなとも思いましたが、そんな単純ではない社会や文化が根付いているのでしょうね映画としても良かったです!冒頭からとても引き込まれ、最後まで緊張感が続き、集中して観ることができました主人公役の女優さんはもちろん、娘や元夫、誘拐した青年など他の俳優さんも演技がよかったです本当にいそうで全く違和感がなかったそれにしても肋骨1本は信用できない明らかに肋骨1本だけなんておかしい鑑定が間違っていたのか死んだと納得させようと骨が見つかったことにしたのかどちらにしても闇映画らしく最後は少し希望を持たせてくれて、好きなラストでした
4.これは凄かった!!リアルな演技、映像、展開に終始圧倒されっぱなし!凶悪犯罪件数が世界でも顕著なメキシコ。地元警察はあてにならず、娘の安否を願う母親の焦燥が痛いくらい伝わって来る。娘を助けるために取る母親の行動一つ一つに共感。この作品にはダルデンヌ兄弟が制作に関わっているんだとか。確かにそのエッセンスは感じられたものの、メッセージ性については根幹から異なるかと。寧ろハネケの『ファニーゲーム』のような理不尽さが強く印象に残った。ところで、つい最近東北へ出張に行った時、高速を下り市道に出た所で警察に止められました。一時停止違反。日本の警察、優秀だわ…。《東京国際映画祭2021》
5.『市民』は犯罪が多発する町で娘を誘拐された母親シエロの物語である。彼女の顔がしばしば赤く照らし出されるのが印象的だ。そのとき顔は恐ろしい事態に直面してすっかり凍りついているのだが、その内側に不安や覚悟や、その他筆舌に尽くしがたい思念の嵐を察知することができる。ペットのカメレオンのケージが開けられ、保温用の赤外線ライトの光が彼女の顔に反射するのは、娘の身を案じながら何もできず家にとどまっているときだ。また、犯罪組織によって自宅を銃撃され、自家用車から立ち上る激しい炎の前で駆けつけた兵隊を見つめる彼女の顔は、彼女自身と映画を次のフェーズへ移行させる、ある決定的な顔である。そういえば冒頭で、シエロが運転する自動車の前に誘拐犯たちの車が突然割り込んできたとき、その車のサイドミラーに夕日が一瞬鋭く反射したのも、彼女の闘いの始まりを告げる合図だったのかもしれない。
シエロはなりふり構わぬ戦闘的な人物に変身し、軍に協力してまるで内戦のような暴力の現場にも赴く(アクションシーンは迫力がある)。未知の領域に飛び込み、真実に接近する高揚があることは否定できないだろう。ところが、結局は何の収穫もなく帰宅する羽目になる。シエロも観客も追い返されたような気分だ。家では何も知らない元夫が呑気に朝食を作ったりしていて、世界はどんどんぐらついていく。娘にはいっこうにたどり着けず、ましてや組織の全容などは皆目わからない。行動的な映画だが、決して安直な解決には向かわない不全や不如意の感覚こそが醍醐味であることがわかってくる。徐々に疲弊する彼女の顔は最後にはどんな風に変わるだろうか。
原題/別名:Urok/The Lesson
製作国 | ブルガリア、ギリシャ |
上映時間 | 105分 |
スコア | 3.5 |
監督 | クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ |
脚本 | クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ |
出演者
マルギタ・ゴシェヴァ、イヴァン・バルネフ、イヴァン・サヴォフ、イヴァンカ・ブラトエヴァ、デヤ・トドロヴァ、ステファン・デノリュボフ
感想・評価
1.「グローリー消えた腕時計」の運輸省の超嫌な女が主人公。夫の滞納の返済に追われる極貧教師役、運輸省役とはまるで別人、可哀想な女性。しかもツァンコが彼女に金貸す嫌な悪オヤジ役!(ツァンコ→「グローリー」主役)ツァンコびいきの私からしたら(「グローリー」観た人はきっと全員?)あのクソ女に嫌がらせしても全く胸糞にならない、逆にスカッとしてしまう前作引きずり感。(映画としてはこちらが先です。)これはある意味かなり面白く、分単位で焦る返済ドキドキハラハラ映画、中盤で既に心臓持たない、、まだ続くの⁉︎と思ってしまう。良い映画!是非グローリーと合わせてオススメしたくなる!終わり方は他二作品には敵わない、え⁈それ大丈夫なの⁉︎と、ちょっとモヤモヤ残ってしまった。。それにしても邦題が失礼過ぎる、、グローリーもそうだけど、この監督作品にもっと魅力的な邦題付けるべき。いつか誰かと喧嘩したら言ってみたいセリフ、「私のチャクラを潰されたっ!」観れる三作品観て完全にファンになった〜!
2.鑑賞日2017.2.18【当時の感想メモ】少額の金と多額の金の問題が同時進行で互いに深刻に描かれている。無駄なBGMや余計な会話もなく好きな雰囲気だった。これからどうなるの?というところでのエンディングには戸惑ったが、「金の返済方法」より「先生としてどう振る舞うか」に重きをおいたエンディングだと理解した。
3.ブルガリアのある小さな町。小学校の教室で生徒のお金が盗まれた。クラス担任の潔癖な女教師ナデは、盗んだ生徒に申し出るよう執拗に促すが犯人は名乗り出ない。家に帰ると家のローン返済の多額の金を夫が使い込んで借金していたことが発覚。期日までに返済しないと家は競売にかけられ小さな娘とともに路頭に迷うことになる。ナデは金策に奔走するのだが次から次へと裏目に出てしまい状況は悪化するばかり。生徒たちの模倣となるべきナデは、どう行動するのか?果たして、借金は完済できるのか?というお話。面白かった!次々と起こるアクシデントに、最後までハラハラしっぱなしでした?ただ、邦題がダサ過ぎる。日活ロマンポルノを彷彿とさせるようなこの古臭いタイトルはどうにかならなかったのか。それにしても、勝手に借金作って家のローンにまで手を付けたロクでもないダンナなのに文句も言わずに金策に奔走してて、なんて優しい妻なんだろうか。無職のくせに家事は一切手伝わないし。奥さんが一人で頑張ってるのをアホみたいな顔してただ見てるだけ。私なら「オマエのせいだろーが?」と5、6発はぶん殴るに違いない。
4.題名が怪しげで不安だったけど全然違った。父親の再婚相手がウケる。グローリー繋がりで見たけどこっちを先に見ればもっと楽しめたかも。
製作国 | 日本 |
上映時間 | 114分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.4 |
監督 | 新藤兼人 |
脚本 | 新藤兼人 |
出演者
豊川悦司、大竹しのぶ、六平直政、大杉漣、柄本明、倍賞美津子、津川雅彦、川上麻衣子、絵沢萠子、大地泰仁、渡辺大、麿赤兒
感想・評価
1.鑑賞日2019.2.2【当時の感想メモ】原作小説のほうが人物の過去が掘り下げられていて面白かった。大竹しのぶの演技が煩く、結構ストレス。全体的にも演技がクサい。
2.大竹しのぶさんも豊川悦司さんも芝居上手いのに棒読みな感じであぁ舞台っぽく見せたいのかな?と感じた。戦争は終わってからもずっとずっと続いていたんだろうな。
3.戦争で旦那を亡くした女とくじ運だけで生き残った男が戦後、再出発をする話で日本映画界に燦然と輝く新藤兼人の遺作。ファーストカットが新兵訓練――指導教官の訓示で、そこで状況や設定なんかを詳しく説明してくれるのでわかりやすいというか、えやばくねこれ大丈夫なのと心配になるも、続けて見てると全然大丈夫でお年を召してもやっぱりシナリオが巧みで転がりがいい。変にひねらない直球のストーリーは、見ている者がテーマについて考えるのにもってこい。さすが新藤兼人だった。そこに演技のうまい大竹しのぶと、存在感のえぐいトヨエツを配した結果、万全の横綱相撲となっている。邦画のテンプレクライマックス燃えさかる家屋もやってくれて、いよいよもって、いい時代の邦画――その最後の輝きを拝んでいるようだった。役者さんの歳行き過ぎ問題があるにはあるけど、吉永小百合もののことを思えば、これくらいぜんぜん許せる。吉永小百合にはない演技力が大竹しのぶにはあるのが大きい。
くじ引きという視点で切り取った戦争ものはシンプルなようでかなりのハイコンセプトだし、なにより結婚をくじに見立てるオチがいい。新藤兼人の脚本作品、監督作品は未見がいっぱいで、これからの出会いも楽しみにしている。余談。この映画でも、ジッポーライター使ってた。「STAR SAND 星砂物語(2017)」で日本の脱走兵がジッポー使ってて、鹵獲品じゃなければ時代考証ミスってんじゃないかと思ったんだけど、新藤組の映画でも採用してるんなら本当に使ってたのかな?革ジャン白マフラーの特攻隊ルックでおしゃれに決めてた「麻雀放浪記」のドサ健はブルーチップマッチだった。いやぁ、ジッポーはないよね? 闇成金ならワンチャンありえるくらいだと思うんだけど、実際のところどうなんだろうね。
4.広島が生んだ巨匠 新藤兼人監督が、日本最高齢映画監督として98歳で撮った遺作【戦友に託された一枚のハガキ】戦争に翻弄された人々の、戦後の生き様夫が戦死し、その弟と結婚してまた戦死され、独りぼっちになった女復員したら、嫁と自分の父親が駆け落ちして逃げられていた男泣くに泣けない踏んだり蹴ったり生き延びたのは[運]が良かっただけ死んだのは[くじ運]が悪かっただけ人の運命は紙切れ一枚分の軽さなのか?「生きんさい!」踏まれて強く育つ[麦]になれ。[やり切れなさ]の中に光るユーモアの温かさ。ハングリーな時代を生き抜いた[昭和の説得力]が息づいている。監督自身の従軍時代の貴重なエピソードを交えて語られる[ラストメッセージ]は、残された人々の[再生への願い]を込めた渾身の一作!有田神楽団の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)などご当地の伝統芸能も登場?郷土愛にあふれてる!
5.2012.7.29(日曜)14時上映土岐市文化プラザ・サンホール前売協力券 1000円を知人から紹介され購入したもののどうにも鑑賞意欲が湧かず結局当日映画鑑賞せずに今日まで持ち続けていた・・やっと?で鑑賞出来たのでこの前売り券は破棄する事に決めた。監督・脚本・原作は当時99歳の巨匠、新藤兼人である・・映画人生最後の作品である。監督自らの実体験を元にして製作された作品であり、さぞや暗い映像だろうと思い鑑賞を躊躇していた。戦争末期、中年兵として徴集され戦地を籤引きで決められると云う理不尽な軍隊・・そんな戦争の愚かしさと全てを失っても逞しく生きていく人々を描いた作品です。戦争の暗さよりコメディ感あるストーリー展開に以外性がありまた定点カメラで撮ったようなまるで舞台劇を観ているような錯覚に陥った。大竹しのぶはやっぱり凄い女優だと思わせるが豊川悦司は下手過ぎる(わざとなのか⁉︎ 演出なんだろうか⁉︎)『生きていく』映画がここにある。
原題/別名:KEKEXILI: MOUNTAIN PATROL
製作国 | 中国、香港 |
上映時間 | 88分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | ルー・チュアン |
脚本 | ルー・チュアン |
出演者
デュオ・ブジエ、チャン・レイ、キィ・リャン、チャオ・シュエジェン
感想・評価
1.【チベットカモシカの密猟者VSココシリ山岳隊】海抜4700mの無人地帯ココシリ。北京から取材に来た記者(歯並び最高の妻夫木聡似)が見たものとは…こないだ観た『U-ボート』と同じく、記者の「来るんじゃなかった…」な表情が全てを物語る。怖いのは密猟者だけじゃない。自然も容赦なく牙を剥いてくる。凄いなぁ…こんなのとても真似出来ないよ(º̩̩́₀̑º̩̩̀)最後のテロップに光が見えて本当に良かった。
2.いろいろ厳しい現実と展開。途中で仲間と別れるたびに泣きながら抱擁するのはなんでだろうと思ってたら別れ=死の可能性なんだね。そりゃあ別れの一つ一つが覚悟と重さが必要になるよなあ…。気候や環境の厳しさと、物資の手に入りにくい状況、流砂、敵の存在などなど怖いものが多すぎる…。ホラーやバイオレンス映画と違ってまたリアルな命の危機を感じる怖さ…。そして密猟者から守るはずのカモシカの毛皮を売るしかない無給で働く山岳隊や、環境が変わって仕事がなくなって仕方なく毛皮はぎをするしかない老人などのやりきれない現実。実際にこれが起きた事件だとは…。自費と命をかけてカモシカを守ろうと彼らが思ったきっかけはなんだったのかそういうところも知りたくなった。
3.中国??の秘境チベットのココシリにはたくさんのチベットカモシカがいたが密猟者たちが毛皮を求め100万頭から1万頭まで減ってしまった。そこでパトロール隊が結成されリーダーのリータイ。メディアが注目する中パトロール隊が何者かに射殺される。その取材に北京から来た記者ガイ。見てよかった。
4.中国の秘境と呼ばれたチベット高原北部の「ココシリ」。ここに生息するチベットカモシカは、毛皮目的の密猟で以前の100万頭から1万頭にまで数を減らしていた。これを守るために地元の人間が自警団を結成。無給でカモシカを守る日々を送っていた。そこへ、中国中部から自警団の活動を取材するために主人公のガイがやってくる。密猟者を追う隊員に同行するも、そこでは様々な葛藤や問題が浮かび上がっていた・・・的な物語。終始物静かな展開で自警団が密猟者を追い詰めていく。だけどここまで壮大で過酷な撮影地で、BGM的やSEが必要ないことは理解できる。それほどまでにカメラが捉える俳優(地元の人・・?)の眼差しや、ファンタジーの世界でも見ているかのようなチベット高原北部は鋭かった。毛皮を守るための自警団も無給で働いている。北部の砂漠化により、毛皮を売らなければ生活できない農民や、元医者。その元医者のおじいちゃんが密猟中に自警団に捕まり「車の燃料ないから200kmを歩いて帰れ、死んだらスマソ。」と言われた時のせつない眼差しは忘れられない。普段なかなか知り得ない、世界自然遺産登録地での生活がリアルに伺えるルー・チュアン監督による静かな名作であった。よく映画で見る過酷な地で男たちが強い酒を飲みながら歌うシーン。あれいいよな。一度でいいから体験してみたいよな。
5.チベット高原北部のココシリ山岳隊と、チベットカモシカの密猟者の攻防(追走劇)を描く実話に基づいた中国映画。アマプラの配信期限ギリギリだったので鑑賞。カモシカの皮剥職人の老人マーも、もとはヤクなどの放牧を生業にしていたが、草地が荒野に変わり生きるために仕方なく、密猟の片棒を担いだという背景があり、「人間よりカモシカの方が大切か?」という密猟者のボスの言葉に「うるさい」としか返せなかったリータイの、無鉄砲なまでに密猟者を追うその執念の動機がいまいちハッキリしなかった。でも確かに自然の秩序を乱して富める人間の屁理屈には「うるさい」以外にないかも。マーとボスでは利害が一緒でも、違う。密猟者から取り上げた毛皮を売っちゃったら、それはもう密猟者から見れば正義の名を騙った強奪者に見えても仕方ない。大自然を前にして人間はあまりにも無力。流砂こわい。チベットにもキャバクラあるんだ。世界一高いところにあるキャバクラじゃない?
原題/別名:Sami Blood/Sameblod
上映日 | 2017年09月16日 |
製作国 | スウェーデン、デンマーク、ノルウェー |
上映時間 | 112分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | アマンダ・ケンネル |
あらすじ
1930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望んだが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げる。そんなある日、エレはスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出た――。
出演者
レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、Julius Fleischanderl、オッレ・サッリ、ハンナ・アルストロム、マリン・クレピン、アンドレアス・クンドレル、イルヴァ・グスタフソン
感想・評価
1.2021年に記録しておかなきゃだった。スカンジナヴィアのサーミ民族。こんな残客な過去があったなんて。実際にサーミの少女の圧巻の演技、自分の民族の残酷な過去を演じてどんなに辛かっただろうか。あんなに移民などを受け入れている寛容な国だけど、そんな過去もあったのか。事実を知り続けたい。
2.静かに映画は進んでいくけど、起こってる事はとんでもなく激しい。音楽、セリフも少なく、表情の寄りが多く、察することが得意な日本人には見やすい。いや、この民族意識が良くないのか。監督は民族の話しをしたいのではなく、1人の女性を描きたいと語っている。自分の世界を変える為に故郷を捨てる。捨てる理由が悲しすぎる。自由な選択が出来る時代に生まれた自分の立場からすると、主人公の選択は多感な時期によくある外の世界を見たいというありふれた選択だと思うが、外に出たい理由が悲しい。老女になり、華やかなナイトクラブの音楽と、回想シーンのヨークの音楽。感じるよね。
3.タイトルとジャケットの女の子の強い眼差しが印象的でずっと気になっていたけど、影響されやすい私はあらすじを読んで気持ちが重たくなりそうだな…と思い、避けてしまっていた作品。思っていた通り心に何かがずんとのしかかる感じがして、何も知らないのに知っているかのように苦しくなった。だけど、観て良かったと思える作品でした。性別や人種、セクシュアリティに関する差別をテーマにした作品はいくつも観てきましたが、民族への差別がテーマの作品を観たのは今作が初めて。知るべきことを知り、色んなことに気づきました。もちろん今作を観ただけで全てを知った気になった訳ではありません。日本にもアイヌ民族などの少数民族が存在するのは知っていたのに、民族を意識したことはこれまでなかった。そんな自分の無関心に気づくことができて、良かったです。少数民族だからと言って人権を無視され、民族が絶滅してはいけないからと街にさえ出してもらえず、同じ民族の相手との間に子を産み、伝統を守っていくことを強いられる。彼らの意思とは関係なしに。どれほど辛いかなんて私には分からないからこそ、想像して、考えることが大切なんじゃないかと思いました。家族か自分か、まるでそう聞かれているように見えた。違う道を歩むことを決めたエレもそんな彼女を切り離した母も、それを黙って見つめていた妹も、皆んな怒りと悲しみと愛を抱えていた。
4.民族問題あつかってるけど、誰の人生にも起こるであろう葛藤が本質っぽい。めっちゃくちゃ人生。自分に降りかかる理不尽には怒らないといけないし、自分の非は真摯に受け止めて謝らないといけない。
5.世界中にある悲しい現実。思春期の女の子が抱える違和感とその中で生きる家族の姿が切なかった。勇気と行動力が人生を変えるのだと実感させられた。
製作国 | 日本 |
上映時間 | 92分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | 中江裕司 |
脚本 | 中江裕司、中江素子 |
あらすじ
仲宗根みいこの同名漫画を原作に、中江裕司監督がメガホンをとったファミリー映画。沖縄にある“ホテル・ハイビスカス”を舞台に、ホテルを経営する個性的な一家のにぎやかな日常や新しい出会いを描く。
出演者
蔵下穂波、照屋政雄、余貴美子、平良とみ、ネスミス、亀島奈津樹、和田聰宏、登川誠仁、大城美佐子
感想・評価
1.沖縄に旅行したような気分にさせてくれるとてもハッピーな映画 美恵子が一晩越して帰ってきてもあまり心配しないところは沖縄らしくてよかった なんくるないさー
2.記録25年以上ほぼ毎年行く、沖縄を愛してやまない私、中江監督の沖縄愛もヒシヒシと感じる。ウチナーグチ(沖縄の方言)も楽しく、特にお気に入りは「まぶやー」と、オジイが英語をコテコテに絡めて話す様だ(笑)
3.高校の修学旅行の事前学習で観て以来久々に見つけて視聴とにかく変な家族が出てきて、100%元気が出る映画、主人公の女ガキ大将、美恵子(この子がのちにあまちゃんで喜屋武ちゃんとして出て来たときはびっくりした)のキャラが本当愛せる、とにかく全力全開の子供、随所にある大人と子供の交流が本当観てて微笑ましい。友達のガッパイ、ミンタマーを連れて沖縄の妖怪キジムナーを探して米軍軍用地に入り込んでジョージと知り合ったり、洗濯機で泡だらけになったり、化け物みたいな化粧したりと本当見てて愉快で楽しい、家族も個性全開、余貴美子さん演じる明るいお母さん、三線とカツラが印象的なお父さん、白人のハーフのサチコねぇねぇとジョージの息子で黒人ハーフのケンジにぃにぃ、タバコくわえのおばぁ、行き倒れて美恵子に救われてからホテルハイビスカスにいる能登島くん、みんな楽しくやってて本当この世界観好き、全体的に見たらジュブナイル色の強い作品で、ファミリームービーとしてもうってつけなので子供と安心して見れる(ちょっと美恵子のオナラとか言葉使いが汚いかもしれないが…真面目過ぎか)沖縄の方言うちなーぐちが結構使われているがちゃんと標準語離れして理解し難い部分は字幕が出るので普通に楽しめます。面白変な歌や沖縄民謡も見所、沖縄を味わうって点においては少し物足りなさを感じるんだけど(そうでもないかな)具志堅さんのパイナップル畑など意外に自然の景色はやっぱり沖縄だなって思う。今のご時世沖縄旅行なんぞに行けない夏休みの一本にぜひ観てみては
4.ほっこりしたアットホームなホテル物語で、きれいな海もたくさんでてくるのかなと思ってたら違った。虫取り網で黒人の大人を捕まえ叫ぶ母?ホステス母を真似て今日も稼いでくるわ??おばあのおしゃべりしてくるってなんてかわいいんだ!ビリヤードうま!優しいーキジムナーの蛍みたいなラプンツェルのランタンみたいなシーンきれいだった☺️歳を80くらい?っていうおじいさん。人に石や棒を投げるな、それが大きくなったら戦争になるは重みがあった。
5.沖縄が舞台というだけでまず好き。ホテルハイビスカスに泊まりたい。美恵子のある夏の日々の大冒険。ナヴィの恋にも出てたおじいが出てた。年齢性別問わず愛嬌というスキルを持ち合わせた者は最強。かわいい。
上映日 | 2012年02月11日 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 129分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | 沖田修一 |
脚本 | 沖田修一、守屋文雄 |
主題歌/挿入歌 | 星野源 |
あらすじ
ある日、山村に現れたのはなんと映画の撮影隊!迷惑も顧みず、我が物顔で村人を巻き込んでゆく撮影隊に村はとまどい気味。ひょんなことから撮影に巻き込まれ、無理やり手伝わされる羽目になった、きこりの克彦。一方、新人監督の幸一は、持ち前の気の弱さで、現場をまとめきれずにパニック寸前。森の中で出会った、きこり60歳と新人映画監督25歳。映画の撮影を通して、克彦は映画の面白さに引き込まれ、持ち前の機動力で生き生きと活躍を始め、幸一は克彦と接することで成長していく。そして二人のふれあいは、村と撮影隊の奇妙なコラボレーションを生み出してゆく・・・。
出演者
役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、古舘寛治、黒田大輔、森下能幸、高橋努、嶋田久作、平田満、伊武雅刀、山崎努
感想・評価
1.役所広司の田舎のおっさんっぷりと、小栗旬の覇気のない若造っぷりがよい。多くを語らないが、じんわりとする物語。
2.全部のシーンで心を鷲掴んでくる箇所がある。ゆるく良い力具合で一切手を抜かない。こちらは無理なく釘付けになる。これが沖田監督のすごいところ。ファーストシーンの掴みも絶妙。あ、力抜いて楽しんで良いんだなって思わせてくれる。そして山崎努はすごい。ひたすら巨匠。スナックでのシーンは頭からカット際まで最高。また何年かしたら観るだろなって思う映画。
3.弁当を食いながら松の木を見て会話するシーンが印象的です。監督をそんなつもりは無かったのかも知れないが、結果的に支えていた木こり、いつしか広がっていた、人と人との繋がりに心が温まりました。あの監督は、あの撮影のこと忘れないでしょうね!役所康二が死ぬほど可愛い
4.沖田修一監督×役所広司さんをはじめとする魅力的な役者陣により、人と人とのつながりが愛おしくなる作品。きこりの克彦と、静かな村の人々が、いつしかやってきたゾンビ映画の撮影隊に戸惑い、翻弄されながらも、いつしか不思議な共同作業へ。克彦が、小栗旬演じる新人監督・幸一を下っ端の見習いと勘違いするところから、あれやこれやのうちに撮影に参加することになり、新人監督の素性を知るに至った後の、なんともいえない愛情深い距離の詰め方が好きだ。切株に刻んだ名前が、息子の浩一から、監督の幸一になっていったり、幸一の父親が買ったカメラのエピソードを聴いてその父の気持ちを慮るところなど、克彦の不器用な優しさと、いつしかそれに救われて力強くなっていくような幸一の姿に、じわじわ心温まる。無知ゆえに時系列できちんと鑑賞できているわけではないが、沖田修一監督の作品の温かさは、なんというか、クセになる。疲れた心にグッとくるので、今後も重宝しそうだ。
5.4本目おばあちゃんの家に帰った時の安心感と優しさ。みんな優しい。それだけ。。それだけでこんな優しい気持ちになれる。。(怒るのも相手を思った優しさで。。)苦手な上司やあいつやこいつにもこの映画見せてやりてぇぜ〜〜!!!色々あった仕事終わりに見てプラマイゼロ。むしろプラスに。ありがとうございました。こういう残る映画観れた時は本間幸せっす。
原題/別名:오!수정/Oh! Soo-jung/VIRGIN STRIPPED BARE BY HER BACHELORS
上映日 | 2003年01月25日 |
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 126分 |
ジャンル | 恋愛 |
スコア | 3.7 |
監督 | ホン・サンス |
脚本 | ホン・サンス |
出演者
イ・ウンジュ、チョン・ボソク、ムン・ソングン、ハン・ミョング、キム・ソンギョン
感想・評価
1.“フォークですね”が要らんセリフすぎて謎だったけど見事な「反復」と「差異」を見せつけられて圧倒しました。ホンサンスしか勝たん‼️
2.特集上映『作家主義 ホン・サンス』の1本として鑑賞。ホン・サンスの映画に出てくる男はみんなクズなんだけど、この作品のあいつはクズ過ぎた。ほかの作品では、またやってんな、って可愛げを感じることもあるんだけれど、あいつはダメ。処女だと知って喜ぶところとかキモすぎる。映像美とか演技とか構成とかが吹っ飛ぶくらいあいつに我慢できないので評価は低め。#2021#映画館
3.同じ物語を2回繰り返しながらも、動線やカメラポジションを変えることで些細な差異で繋ぎ止める。それにより、男女の恋の形のみならず、私達の日常も反復に溢れているという静かな感動を呼び寄せる。喧嘩しながらも人との交流を断ち切れない人間臭さも魅力的。
4.時間を二周する編集のうまさ、シンプルなカット、どうしようもなくダメな男と女。自分のダメさ加減を自分の映画に徹底的に反映させるホンサンス。ホンサンス初期の傑作。
原題/別名:Atlantis
製作国 | ウクライナ |
上映時間 | 108分 |
スコア | 3.5 |
監督 | ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ |
あらすじ
2025年、戦争直後の世界。深いトラウマを抱えた元兵士の男は、身元不明の遺体発掘に携わる女性と出会い、自らの過去と向き合う。荒廃した土地を硬質な映像美で描き、驚異のワンシーン・ワンショットに圧倒されるディストピア異色作。
出演者
アンドリー・リマルーク、リュドミラ・ビレカ、ワシール・アントニャック
感想・評価
1.ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督曰く“まだ戦争が終わっておらず、環境破壊問題も未解決のウクライナの現実”を知ってもらうために作られたという作品。ウクライナ人にとって、ウクライナ東部=失われた土地(≒ Atlantis / 一夜にして海に沈んだとされる伝説の大陸)の現実をワンシーン・ワンショット(ほぼフィックス)の長回しで静かに伝えていく。俳優ではなく、実際に戦争を経験した元兵士のアンドリー・リマルークを、主役の元兵士セルヒー役に起用。PTSDに苦しむセルヒーは、元兵士仲間の自殺や、勤めていた鉄工所の閉鎖など辛い状況を経て、給水車のドライバーの仕事を始める。立ち往生していたバンに乗っていた女性に助けを求められ、車を牽引したのをきっかけに、彼女らがボランティアで行っている戦死者の死骸を回収・検体・埋葬するという活動を手伝う。再び、土砂降りの中、セルヒーと彼女が乗るバンが故障し、二人は回収した死骸が並ぶ荷室で激しく結ばれる・・相棒との危険すぎる射撃訓練、寂しい部屋、屋上から見える工場群、ぬかるみ荒れた道路、掘り起こされたミイラ化した遺体、淡々と状況を口述筆記していく検体、終わらない地雷撤去作業・・暗く重いシーンが続く中、最初と最後のサーモグラフィ映像(ジャケ写)が伝える人間の体温・熱が印象的。パワーシャベルのバケット部分を見つけたセルヒーが給水車から水を溜め焚き火で温めて入浴するシーンだけがちょっとほっこり。
2.2019東京国際映画祭にて鑑賞ウクライナとロシアの戦争if2025年の世界。ワンシーン・ワンショットの威力。サーモグラフィーが示す生命の儚さと滅びゆく大地で生きることを選ぶ人々
3.東京国際映画祭での観賞。2025年の近未来という設定で描かれるウクライナの映画。戦争が終わり、死体処理に従事する男女の話。一種のディストピア映画で、画面の色調は全体的に暗い。それと対比的に描かれるのは、最初と最後に登場するサーモグラフィーのような映像(ポスターにもこの映像が使用されている)。「熱」をとらえたその映像は、モノトーンに近い作品のなかでは、とくに意味を持つシーンだ。ワンシーン、ワンカットで撮られた本編の映像は、ドキュメンタリー作品に近く(監督もドキュメンタリー出身らしい)、それだけに映像処理を施された、サーモグラフィー的映像が印象深い。現在もロシアとの戦争を戦っているウクライナの作品だけに、そこに盛り込まれたテーマは重い。死と隣り合わせた愛を描くことで、現在のウクライナの状況に対するメッセージも含まれている。ショベルカーのシャベルの部分にお湯を入れて、風呂にするシーンが結構、長々と撮られているが、これもまた人間の日常を描くうえで、監督が拘ったシーンであろう。「アトランティス」がどんな意味を持っているのか、ずっと考えながら観ていたが、最後まで思い当たるシーンや考えは浮かんでこなかった。少々あざといやり方かもしれないが、最後の死体のなかで、男女が抱き合うシーンは、自分としては好きな箇所だ。
4.今起きている戦争が終わった後の話と言う設定がまず凄いずっと画面の中央で物語が進むのが興味深いあまりにも辛い世の中で人の温かみに触れる時のなんとも言えない幸せを感じる
5.東京国際映画祭にて。ウクライナの映画は初めて見たけど、画の捉え方が面白かったな。主人公の目線と、主人公が画角に入ってくるのを定点カメラみたいに固定した目線で捉えている画の二択なの。だから傍観者のような当事者のような不思議な気分で見ていて、そう盛り上がりがある映画じゃないけどずっと見ちゃう感じだった。近未来のウクライナ、という設定らしいけどスチームパンクのような作り込んだ小物は出てこない。ただ単純に戦争が終わったあとの人々の生活はどうなっているのか?みたいなものを淡々と描いていて、モキュメンタリーちっくなんだよね。ウクライナではこういうのが普通なのかなぁ。
原題/別名:Crater/Il Cratere
製作国 | イタリア |
上映時間 | 93分 |
スコア | 2.5 |
監督 | シルヴィア・ルーツィ、ルカ・ベッリーノ |
脚本 | シルヴィア・ルーツィ、ルカ・ベッリーノ |
あらすじ
治安の悪さで揺れるナポリ。ぬいぐるみの露天商で家族を養う男は、娘の歌の才能に希望を見出し、歌手として売り出そうと懸命になるが…。
出演者
シャロン・カロッチャ、ロザリオ・カロッチャ、ティナ・アマリュテイ、アッスンタ・アルチェッラ、イッマ・ベンヴェヌート、エロス・カッロッチァ
感想・評価
1.あんまり覚えてないんですが、独特な作品でした。物語を演出するというよりはリアリズムを強く意識して作られた映画だそうで、撮影も編集も画面から映像を作るのではなく登場人物をなんとなく追っている用な形が多いです。それは良いんですが、カメラ近すぎ!!ミドルショット?ークローズアップが圧倒的に多くすごく観にくい。終始一番後ろの席に座りに行きたくなる衝動を抱えながらの鑑賞でした。他の方も仰られてますが酔いました。ジェイソンボーンで酔う私にはきつかった。しかも素人の方々を使ってまで徹底してリアリズムを意識したわりにBGM入ります。そこはええんかい。ただ演技の経験がない親子の演技が凄いし歌上手です。
2.東京国際映画祭にて。ナポリの輝きの陰で低所得にあえぐ親子が娘の才能を利用して貧困から抜け出そうとする。娘が歌上手すぎて歌手かと思ったら、あの親子、実の父娘でしかも実際に露店やってた素人らしい。お父さんのあまりの言動にイラっとしたが、もう抜け出すのに必死なんだな。現実つきつけた
3.ちょっと驚いたのは、この作品に主演している父親と娘さんは実際の親子で、しかも演技はほとんど初めての素人だということだ。作品の原題は「Il Cratere」、英語表記だと「Crater」で、天体衝突でできる隕石孔の意味だが、この作品ではもちろんその意味で使われているわけではない。ナポリ近郊の低所得者が住む地域を指す名称として、この作品では使用されている。その「クレーター」に実際に暮らす父と娘を主人公として作品はつくられている。といってもいわゆるドキュメンタリーではない。彼らの日々の生活を参考にして脚本づくりをしたフィクションなのだ。ちょっと複雑な成り立ちになる。監督はドキュメンタリーの出身なのだが、フィクションとノンフィクションのあわいでうまくバランスをとりながら、リアリズムに裏打ちされた物語をつくりあげていく。脚本には父役を演じた人も参加して、実歳のクレーターの生活に裏打ちされた物語をつくりあげている。役者が演技の覚束ない素人も同然ということがあるのかもしれないが、人物を捉える映像はかなりアップが多い、というかほとんどが顔のショットだ。
それが妙に画面に息苦しさを醸し出していて、この物語の基調としては、好き嫌いは別にして、まことに当を得ているとは思う。物語は、現実でも露天商を営む父親が、歌に才能がある娘をなんとか歌手として売り出そうとするもので、この父と娘はそのことでかなりの確執を抱え、いつも口論ばかりしている。実際の生活ではふたりは仲が良いそうだが、この父と娘のひっきりなしの確執がドラマの主筋だ。いつも怒っているばかりの父親はついには家庭内に監視カメラを置いて、家族の行動を監視しようとする。とにかく意図的にではあろうが、全編にノイズが充満しており、観る者にストレスがかかる作品であることは確かだ。邦題の「ナポリ、輝きの陰で」に惹かれて観たのだが、内容は正直言って、そんな叙情的なものではない。娘を歌手として売り出すことで、下町の苦しい生活から抜け出そうとする父親の妄執と、それに反発を覚え父親との口論が絶えない娘の脱出願望を描いている。いやが応でもクレーターでの現実が押し寄せてくるので、内容はシリアスなものにならざるを得ない。この物語が苦しいか、否苦しくても直視しなければならないかは人によって分かれるところだと思うが、自分は直視するほうに1票ほ投じる。そしてフィクションのなかにノンフィクションを取り入れるこの監督の手法にも。主演の父親役の人間が、自分の知り合いの焼肉屋の主人に似ていたことも多少の親近感を増した。第30会東京国際映画祭コンペティション部門で、審査委員特別賞を受賞した作品。
4.治安の悪さで揺れるナポリ。ぬいぐるみの露天商で家族を養う男は、娘の歌の才能に希望を見出し、歌手として売り出そうと試みるヒューマンドラマ作。全体的にアップが多く、全体像は掴みにくいが、斬新さはある。ドキュメンタリーのような雰囲気で、全体的な物語の地味さがあるので、アップの多様さが悪くもあるのは残念。主体は歌の上手い娘だが、フューチャーしてるのは父親なのが良くも悪くも印象的ではある。実際の娘と父親の出演なのも味わい深い。結末は進むべき道を辿り、予定調和で斬新さはないが、相応しい終え方で納得できる。
5.皆さん触れられていますが作品の大半がエキストリームアップでぼやけまくり、手持ちカメラでブルブル。幸いスクリーン9で見たからよかったけどEXの前の方で見てたら絶対酔うわ。新人監督にありがちな、極端な撮影方法にこだわり作家性を出したつもりになる。観客不在の自己満足の典型みたいな作品。そもそも、ダメ父ちゃんが一発当てようと家族を巻き込み崩壊していくって、何年か前の東京国際映画祭で上映された「リアリティー」マッティオ・ガローネ監督 と同じテーマ。 因みに「リアリティー」は2002年のカンヌグランプリ受賞してます。 イタリアのDQN父ちゃんは皆さんこういう方向に走るんでしょうか?商売が露天商なもんで、黄色いクマさんとかモノアイとか某巨大企業のバッタモンぬいぐるみが随所に映りますが米国上映大丈夫なのか?実際の父娘とのことらしいけど、娘さんがもう少し美少女だったら・・・イロイロと残念な作品でした。#東京国際映画祭
原題/別名:Cztery noce z Anną
製作国 | ポーランド、フランス |
上映時間 | 94分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | イエジー・スコリモフスキ |
脚本 | イエジー・スコリモフスキ、エヴァ・ピャスコフスカ |
出演者
アルトゥール・ステランコ、キンガ・プレイス、イエジー・フェドロヴィチ、バルバラ・コウォジェイスカ
感想・評価
1.モテない男が好きな女を遠くで、そして近くで、ただ見守るだけの話。
2.ストーカー体験型作品自分も忍び込んでいるかのようなハラハラドキドキ感が味わえます忍び込んでボタン縫ったり床磨いたり毛布かけたり誕生日パーティの後で指輪置いたり…いじらしいにも程がある…自分の幸せなんかなんにもないじゃないか妖精みたいなオサーンいや、狂ってんのかな私も歪だから分からんやでもいいよいいよ私は認めるよそれも愛だって三面記事に書かれた事だけで判断してはいけないその裏には人の想いがあるから
3.主人公の落ち着かない、神経症な心理描写が、素晴らしい。繊細な演出に監督の力を感じる。褒められたストーリーではないが、構成が素晴らしく、最後までひきつける。
4.いくら睡眠薬を飲ませたからってあれだけ起きないと最早気もしなくもないが…まぁそこは恐らく本質の部分ではないから置いておいて。この主人公は何かと「損」な人生を歩んできているのだと思う。だから、覗いても部屋に侵入してもベッドの下に隠れても嫌悪感は一切抱かないし、それが罪って意識を持たずにいれる。静かな狂気をはらんでいる主人公の描き方が上手かったしちょっとした表情の違いの作り出し方も上手だった。忍び込んでボタンを直してあげるのは慎ましくて優しくて微かに怖い。
5.『早春』でお馴染みなんとかフスキ監督(この名前絶対一生覚えれない)の作品。孤独で貧しく不器用な男が、想い人のアンナと(勝手に)過ごした4日間を描いたお話。やっぱ映像が最高ですよね。2008年の作品と知って愕きましたが、クラシックのような説得力や重みのある映像美。全てのカットがポスターにして部屋に飾りたくなるような美しさ。汚いものや所帯じみたものが映っていても神聖ささえ感じてしまいます。ロケーションがまた、日本とはもちろん違うしアメリカでもイギリスでもないポーランド(?)のロケーションの異国情緒がやべえ。美しい家々の合間の雪の積もる道を行く葬列とか、やばい。セリフもほとんどなく、ストーリーの起伏もそんなにない退屈な映画ですが、この美しい映像を見てるだけでご飯50杯はいけるね。それと、常に主人公のストーカー野郎に寄った視点で描かれるので、彼と一緒に見つからないかとビクビクしながら観てしまいます。そしてビクビクしながら観ることで不本意ながら気持ちまで主人公に寄っていってしまって、美しい純愛の映画みたいな気がしてしまうから恐ろしいですね。いやしかし童貞の気持ちを忘れない!マンとしては『早春』からのこれで、もうすっかりファンになってしまったので他の作品も見たいっすね。
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