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東京国際映画祭 グランプリ 受賞作品。これまでにカルトリナ・クラスニチ監督のヴェラは海の夢を見るや、イェデ・スナゴーが出演するわたしの叔父さん、アマンダと僕などが受賞しています。
原題/別名:Broken Wings/Knafayim Shvurot
製作国 | イスラエル |
上映時間 | 87分 |
スコア | - |
監督 | ニル・ベルグマン |
脚本 | ニル・ベルグマン |
原題/別名:SLOGAN
製作国 | フランス |
上映時間 | 93分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.4 |
監督 | ピエール・グランブラ |
脚本 | ピエール・グランブラ、メルヴィン・ヴァン・ピーブルズ |
あらすじ
40歳の鬼才CM監督セルジュ(ゲンズブール)は、ヴェネチアのCM映画祭で最高賞を獲得。ホテルのエレベータで23歳の英国美女エヴリン(バーキン)に出会う。彼は激しく一目惚れしてしまい、妊娠中の魅力的な妻フランソワと離婚しようとする。しかし、飽くことなき燃えるような情熱をもつ若い女性を恋人にするとそれはそれでいろいろな問題が沸き起こる...
出演者
セルジュ・ゲンスブール、ジェーン・バーキン、アンドレシア・パリシー、ジュリエット・ベルト、アンリ=ジャック・ユエ
感想・評価
1.最高。ただのオシャレ映画かと思いきや実際かなり変な映画だった。そういうシーンは特に無いのになぜかすごくエッチな映画を観たような気持ちになっている。深夜に郊外の寂れた映画館で、1ミリもオシャレなものを期待していないおっさん達と一緒に観たい。「ジュテーム」だけで会話が成立する。「いつの間にか"待ってくれる"男が好きになったのか」。犬は抱えて歩く。
2.セルジュ・ゲンスブールとジェーン・バーキンが出会った映画❣️ 映画の中では、二人は不倫関係で出会うが、実際は結婚して、お似合いカップルだったので、観ていて安心感がありました♪ 役の中では歳の差カップル、あるある!!!って話で…(笑) 若いエブリン(ジェーン・バーキン)はパワーありすぎ!!40男セルジュ(セルジュ・ゲンスブール)からは刺激がなさすぎて…(汗) 若いエブリンは若い男の子に移ってしまう…(涙) 失恋したセルジュは、また次の若い女の子と恋に落ちるのでした…(汗)
なんだか途中からセルジュの顔が、「不倫は文化だ!」と言った、靴下を履かないで靴を履く、石○純○氏に見えてしょうがなかったのですが…(笑) フランスでの公開は1968年でしたが、日本での初公開は1995年でした? この1995年、私は映画館で観ました?パンフレットも今だに持っています! 私はこの頃、1番好きな映画にこの『スローガン』をあげており、セルジュ・ゲンスブールとジェーン・バーキンのファンだったのですが…。 途中、セルジュの顔が石○純○氏に見えた時は、ちょっと昔の自分にガッカリ(笑) でもでも、ポップでおしゃれで、まだまだ大好きです❣️ 若かりし頃のジェーン・バーキン、すごくかわいいです! ヴェネチアCM映画祭での出会いのお話、美しいヴェネチアの街並みを楽しめました! #フランス#恋愛映画#映画レビュー#スローガン#セルジュ・ゲンスブール#ジェーンバーキン#不倫#失恋#フランス映画#ヴェネチア
3.#51これの何がいいのかを教えて欲しい…普通にロリコンDV親父にしか見えないし、女の子の方も喚き散らしてうるっさいったらない本当に何がいいんだ…
4.結果ジェーン・バーキンを観に行きました。って映画。うんも〜可愛すぎんの。全て。ファッションもインテリアもたまらない60年代。タイムスリップできたら60年代に行ってみたいわ。クソ親父なのに魅力的なゲンズブール。ヴェネチア行きたくなるよね〜。
5.おもしろ映画だた。ジェーン・バーキンかわいい。セルジュゲンズブールの演技がいい
原題/別名:VI AR BAST!/We Are The Best!
上映日 | 2016年08月01日 |
製作国 | スウェーデン |
上映時間 | 102分 |
ジャンル | ドラマ、音楽、青春 |
スコア | 3.7 |
監督 | ルーカス・ムーディソン |
脚本 | ルーカス・ムーディソン |
あらすじ
ガールズバンドって呼ばないで。アタシたち、パンクだもん!2013 年の東京国際映画祭でサクラグランプリ(最高賞)に輝いた、思春期の一 瞬を瑞々しく切り取った青春グラフィティ。
出演者
ミーラ・バルクハンマル、ミーラ・グロシン、リーヴ・ルモイン
感想・評価
1.授業にて真新しさはないが、ドキュメンタリータッチなカメラワークと、子役の素晴らしい演技によって説得力十分の青春映画。
2.パンクの魅力の一側面を確実に捉えた青春映画。僕たちは如何にしてパンクスになったのか。
3.ケンカした二人の仲を、真剣に取り持つ女の子の姿、なんか良かった。
4.ルーカスムーディソン、もしかしてわたしのために映画作ってる⁇と思っちゃうくらい好きです。この先他にお気に入りの映画/監督ちゃんと現れる⁇、と映画人生が思いやられるくらい好きです。パンクバンド始めようかなって頭よぎるくらい好きです。それは嘘ですが暫くパンクしか聞けません。そろそろノーザンライツ関西お願いします。年末アップリンク吉祥寺で上映してたが流石に行けず観たいすぎて海外版dvdポチッた。国内版、ていうかちゃんとした商品になってない、そういうとこ日本のダメなところだよーて偉い人に言いたい。
5.2019最後の映画。ヘヴィ・トリップを前日に観ちゃったので、それで評価下がっちゃった…これはこれ、それはそれなんだけども…出てくる子のファッションが超キュートだし、全くできないのにでかい音鳴らさせろおおおおっていうのがバンドの始まりとか超良いなと思いました。喧嘩した時のヘドヴィッグの仲直りのさせ方、強引でかなり良いので真似したいと思います。
原題/別名:Nise: O Coração da Loucura/Nise - The Heart of Madness
上映日 | 2016年12月17日 |
製作国 | ブラジル |
上映時間 | 109分 |
スコア | 3.9 |
監督 | ホベルト・ベリネール |
脚本 | ホベルト・ベリネール |
あらすじ
「患者は《クライエント》よ。彼らのために私たちは働くの」心理療法の常識に屈することなく、愛と芸術で人を癒した伝説の女医、ニーゼ・ダ・シルヴェイラの気高き魂の記録。1940年代、ブラジル。ひとりの女医が精神病院の門をたたく。彼女の名はニーゼ。そこでは毎日のようにショック療法などの暴力的な治療が行われていた。患者を人扱いしない光景を目の当たりにし、ニーゼは言葉を失う。男性医ばかりの院内で彼女が身を置けるのはナースが運営する作業療法部門だけだった。そこでニーゼは、患者を病院の支配から解き放ち、彼らに絵の具と筆を与えて心を自由に表現する場を与えようと試みる。 実在の女医ニーゼに扮するのは、地元ブラジルにおいて数多のTVドラマや映画に出演する大女優、グロリア・ピレス。構想に13年、撮影期間4年をかけて作り上げた、ドキュメンタリー出身のホベルト・ベリネ監督が放つ渾身の一作です。
出演者
グロリア・ピレス、アウグスト・マデイラ、シモーネ・マゼール、フェリッペ・ホッシャ、ジュリオ・アドリアォン、クラウジオ・ジャボランジー、ファブリシオ・ボリヴェイラ、ホネイ・ヴィレラ
感想・評価
1.アートは抽象的な言葉だ…仕上がった関係や世界の中で、観察することと歩み寄ること、怖がらずに1人で率先して行動すること、大いに勇気が要ることだと思う。
2.1940年代のブラジル。精神病院で働く事になった医師・ニーゼは病院の行うロボトミーや電気ショック療法などの暴力的な医療行為に強い反発心を抱く。彼女は患者たちに寄り添う内に彼らに自由と絵を描く為の筆を与える。実在の医師ニーゼ・ダ・シルヴェイラを描いた事実を基にした作品。もしかしたら精神疾患っていうのは、心のバランスを崩し論理的な整合性を脳が失っている状態なのかも。だから、他人とのコミュニケーションがスムーズにいかない。そして人と上手く繋がる事が出来ずに孤独になり、より精神のバランスを崩していく。でもそれは円滑なコミュニケーションが出来ないというだけで、精神活動そのものが失われている訳ではない。
だから彼らは言葉ではなく、人間のもっと原始的で無意識的な心の表現として絵を描くのかも。絵を描く事によって自分を表現し、自己を認識する。そしてそれをもってして他人と繋がる。そうする事でバランスを崩しカオスに陥った精神に安定と整合性を取り戻す。人の心の扉を開けようと思ったら、激しくノックをし強引に開けてもらうのではなく、チャイムを鳴らし相手が開けてくれるのを扉の前でゆっくり待つ方がきっと良い。
3.この時期にこういう映画を見まくっていた。大きな起承転結がある訳じゃないけどじんわり長く残ると思った。
4.「道は一万通りもある自分の人生をどう生きるか時代のためにどう闘うかゴミのように扱われた人々の為に私たちは取り戻そうとした社会的に意味のある人生をねそして以前より豊かな人生を送って欲しかった」これ実話なんだね。精神病患者たちを、“無意識を恐れない勇敢な人々”と呼んだニーゼカッコいいです#ファッション通信
原題/別名:The Bloom of Yesterday/Die Blumen von Gestern
上映日 | 2017年09月30日 |
製作国 | ドイツ、オーストリア |
上映時間 | 126分 |
ジャンル | 恋愛 |
スコア | 3.2 |
監督 | クリス・クラウス |
脚本 | クリス・クラウス |
あらすじ
時は、現代。ナチスの戦犯を祖父に持ち、家族の罪と向き合うためにホロコーストの研究に人生を捧げる研究者のトト。そして、ナチスの犠牲者となったユダヤ人の祖母を持ち、親族の無念を晴らすために、やはりホロコーストの研究に青春を捧げるインターンのザジ。スタート地点は真逆だが、同じ目標のためにアウシュビッツ会議を企画することになった二人。人付き合いが苦手なトトは、フランスからやってきたザジに最初は激しく反発するが、彼女の型破りなユーモアにいつの間にか生きる力をもらう。やがて二人は、自分にない何かを求め合うように強く惹かれていく。だが、実は二人の出会いは、偶然ではなかった。ドイツ、ウィーン、ラトビアへと過去を追いかける旅路の途中で、ザジが隠していた驚くべき“事実”が明かされるのだが。
出演者
ラース・アイディンガー、アデル・エネル、ハンナー・ヘルツシュプルング、ヤン・ヨーゼフ・リーファース
感想・評価
1.アデル・エネル出演なので観賞。恋愛映画として観るも良し、史実を踏まえ数奇な運命を持つ2人のシリアス系ヒューマンドラマとして観るも良しな作品最後のシーンはとても良かった
2.動画配信サービス『Hulu』にて視聴しました。映画のテーマは、かなり重苦しい内容の作品だったけれど...男女間の人間関係を描き方は良かった。自殺願望のある女。インポテンツの男。ラストは、少しびっくり...終わり方は、良かった。動画配信サービス『Hulu』の会員の方でまだ観てない方は、9月6日までしか視聴出来ないのでお早めに!
3.被害者と加害者の孫世代恋愛理論知りたすぎる、ストックホルム症候群とは別なのか?久々にイカれたキャラクターばかりで満足。
4.終始 躁鬱的な彼女の激情に疲労困憊歴史を背負って今を生きることとか国や民族の数だけ重みがあるヒステリックすぎてアレルギー反応が出かかるも、ラストは良い
5.ナチス戦犯の祖父×犠牲者ユダヤ人の祖母ホロコーストの研究をするそんな2人が出会い…という話。女性が突拍子もない行動をとったり、これ以外にも複雑な状況だったり…と、家系の歴史に苦しんでいることが薄れてしまってわかりにくかった。
原題/別名:THE BAND'S VISIT
製作国 | イスラエル、フランス |
上映時間 | 87分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | エラン・コリリン |
脚本 | エラン・コリリン |
出演者
サッソン・ガーベイ、ロニ・エルカベッツ、サーレフ・バクリ、カリファ・ナトゥール
感想・評価
1.しっぽりした映画。色んな過去を抱えつつ釣りをシンフォニー感覚で楽しむ団長と、色男の人生の楽しみ方の違いが面白い。
2.エジプト人とイスラエル人の会話は英語で行われるので、(訛りはすごいが。)やはり英語は世界の公用語だなぁ、と思った。田舎町の人でもある程度の英語ができて、お互い母国語じゃないけど意思疎通ができるのがいいですね。映画は淡々と哀愁漂い時にクスッと笑える感じです。あまり小難しいこと考えたくなくゆるっと見てなんとなく癒されたい時にいいかも。
3.エジプトからイスラエルに招かれてやって来た、8人のアレクサンドリア警察音楽隊が迷子になるお話。タイトルからコメディテイストは予想していたが、それ以上に愛情と慈しみに溢れた内容でした。団長をはじめとする何人かの団員と、寂れた町に住む人達との人間ドラマ。哀愁の感じる雰囲気は意外性に溢れていました。チャラそうな若い団員が若者達と一緒に遊びに出掛けた際、恋愛未経験の男性にレクチャーしてあげるシーンが好き。めっちゃいい奴で好感持てた。それぞれがどんな過去を乗り越えてきたのか、導入からではとても想像できないドラマを展開。心温まる素敵な物語でした。#⭐️中東#⭐️フランス
4.間違いで目的地とは違う寂れた町で一晩を過ごすことになった音楽隊。その音楽隊も解散目前か、という風采の上がらない体。ユーモアが散りばめられているが哀愁漂うBGM。一言で言うとしたら楽しくも悲しくもない深い寂しさを感じる。(そのまま協奏曲のアドバイスの下りだが。)たった一晩だけれど団長や女主人、他のメンバーの長い人生を見せられたような、だからこそ感じる哀愁。迷子の警察音楽隊という設定自体がある意味人生の縮図だなぁ。文化の違いか、不器用な優しさも感じた。相手の思いを傷つけてしまう、受け入れないNoも、団長なりの優しさなのかと思う。イケメン隊員の恋愛指南や女主人との別れでにやけて手をふるなど、ちょっとしたスパイスもあり。派手さはないけれど、良い映画ってこのようなものを言うのだろうなぁ。
5.あれはおそらくDJってやつでここはおそらくデートスポットで冴えない男女の一部始終には笑える
原題/別名:Източнипиеси/EASTERN PLAYS
製作国 | ブルガリア |
上映時間 | 89分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | カメン・カレフ |
脚本 | カメン・カレフ |
あらすじ
自分の居場所を見つけられず孤独に生きる芸術家イツォ。ドラッグとアルコールに溺れ、何の希望も見出せない彼の人生は、家族と共にベルリンへ向かう途中にネオナチに襲撃されて足止めを食らったトルコ女性ウシュルと出会うことによって少しずつ変わっていく…。
出演者
フリスト・フリストフ、オヴァネス・ドゥロシャン、サーデット・アクソイ、ニコリナ・ヤンチェヴァ、ハティジェ・アスラン
感想・評価
1.頭を丸刈りにした少年のカットから始まる。その不満と不安が入り混じる目で遠くを眺めている。一気に作品の世界に引き込まれていく。どうぞご覧ください。映画館で観て以来の鑑賞だったけど、ほとんどのシーンを覚えていた。それくらい印象と衝撃を残す作品。ただ、観るには覚悟がいると身体が覚えていたんだなと。最後まで現実社会が霞んで見える主人公達は彷徨うしかない。
2.東京国際映画祭で観客賞取ってたやつ。監督の昔からの友人でドラッグ依存に苦しんだフリスト・フリストフにドラッグ依存症の役をやってもらうという。そしてフリスト・フリストフ(俳優名と役名同じ)は撮影後に薬物過剰摂取で亡くなったそうだ。それを知った上で観ると現実と映画の世界の距離が近すぎてつらい。ドラッグ依存の男がなんとかそこから抜け出そうともがく話。希望はもちながらもとにかく不器用で自暴自棄さも感じられる、静かながら生々しい話。全編にわたる気だるさ。親にも冷たくあしらわれ、歳の離れた弟はギャングの端くれのようなことをしてる、フリストフは芸術の才能はあるのに活かすことが出来ずドラッグ依存からもなかなか抜け出せない。ドラッグやめるために酒に走ろうとしたり、根本的に依存癖があったのかもしれない。人助けをしたり、それまで女性といい関係を築こうとしなかったがあるきっかけから良い仲になったりして、そこから少しずつ変わっていく。ラストも希望が持てる終わり方だったが直前のあのシーンを観ると……フリスト・フリストフの演技が演技に見えないのは、事前に彼がキャスティングされた事情とその後を知って見たからっていうのももちろんあるが、うますぎるというかリアルだな。コメント欄にメモあり?
3.音楽が良い感じ芸術家らしいが覇気がないロシア映画かと思いきやブルガリア!雰囲気はいいけど、やや取り留めがない印象も、、。夜明けに爺→子どもの表現面白かった。。
4.記録2021「俺は水晶みたいになりたい 明るい光を放ちすべての人を愛したいんだ 人々を抱きしめたい なのに まるでダメなんだよ」時と共に良くなるって言っていたのに。
5.ちょっと昔、趣味でブルガリア語の勉強をしていたとき(程なく挫折しましたが)に、レンタル落ちの本作を買っていたことを思い出して、鑑賞しました。日本に住んでいる人にとって、ブルガリアがどんな国なのかほとんど情報を得る機会がないと思うので、そういう意味ではブルガリアの実情を理解するための良いきっかけになる貴重な作品ではあると思います。ブルガリアは首都のソフィアでさえも旧共産圏の名残が強くあり、街も寂れてて英語が併記されていない看板も多くあるそうです。若者は出稼ぎや豊かな暮らしを求めて国を出てしまう人も多いと聞きます。この作品をみても、ブルガリアが未だにあまり豊かな国とはいえないと思ってしまう描写が多くあります。トルコ系やジプシーなどの移民問題にも触れられていました。ストーリーとして面白みがあったわけではないですが、このような自分の見聞が広がる映画は好きです。主人公の弟のゲオルギ役を演じた役者さんがイケメンで好きでした。
原題/別名:NUAN
製作国 | 中国 |
上映時間 | 109分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | フォ・ジェンチイ |
脚本 | チウ・シー |
出演者
グオ・シャオトン、リー・ジア、香川照之(市川中車)
感想・評価
1.中国の山奥で起こる小さなラブストーリーを描いた中国映画。この映画の注目すべきはなんといっても香川照之!なんと彼自身は中国語が喋れるというわけではないのに聾唖の中国人役を演じていて、気難しくも徐々に主人公に心を開いていく中国人役を好演しています。まあストーリーは退屈でそれほど面白くはなかったけど、香川照之は中国人役でも上手で演技力があるのが伝わったし中国の広大な自然が見れたのはよかったです。
2.中国映画に香川照之はびっくり!どこに行っても演技は上手だ!!当たり前やけど村の人々の楽しみがブランコというのもびっくりそんな村人が都会に出たら楽しすぎて、約束忘れちゃうよね…ずっとその恋に縛られてた主人公香川照之演じる男は耳の聞こえない村の嫌われ者彼女はある事故で足が不自由になってしまったもちろん、そんな女の子は嫁に行くところは難しく仕方なく彼女は香川照之と結婚したという話あんな男とかわいそうに・・・かというて今更俺ができることといえばってうじうじしている。男はしゃーないやつやなぁと思った女の方はとっくに終わっているのに…彼女は今の夫と子供との暮らしを楽しんでいる(はず)
3.香川照之が出てきた時は本当にびっくりしました。けれど、観ていくうちに役にはまっていてすごく良かったです。正直、中国の地域格差に驚きました。映画鑑賞後色々調べてみると、中国は産まれた地域で戸籍が違うようで、都市戸籍と農村戸籍があることを知りました。農村で生まれ、農村戸籍の人々は出稼ぎに都市に行かないと生活していけないそうです。戸籍によって福利なども違うみたいでした。また上海や北京など大都市の戸籍取得は難しいとも記事で見ました。ネットでざっと読んだだけなので現在のことや真実は分かりませんが、中国の地方をフォーカスしている映画を初めて見たこともあり、自分がもし中国に生まれてたら今と全く違う生活をしているかもしれないのかな、ということを考えてしまいました。
4.2020年 166本目の作品一途なヤーバに心打たれる。香川照之が本作に出演に至った経緯があまりにも気になるが、おそらく「鬼が来た!」なんだろうな。手話と嗚咽だけの芝居なのに、ここまで心にグッとくるのは、本当に凄い。なんかこの男女のラブストーリーに関しては、そうなんかってぐらいしか思わなかったが、ヤーバがいるからこそハートフルな映画に仕上がったんだな。結局、旅立って忘れたのを環境のせいにしてる主人公より、なんか可愛げのあるヤーバの方が、人間幸せになれるのよ。
5.村唯一の娯楽ブランコ京劇団からの便り革靴と折りたたみ傘※田舎の閉塞感と郭小冬
製作国 | 日本 |
上映時間 | 112分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | 根岸吉太郎 |
脚本 | 加藤正人 |
原作 | 鳴海章 |
出演者
伊勢谷友介、佐藤浩市、小泉今日子、吹石一恵、香川照之(市川中車)、小澤征悦、椎名桔平、津川雅彦、でんでん、山本浩司、岡本竜汰、出口哲也、草笛光子、山崎努
感想・評価
1.アクシデントで予定の映画を観損ねて唯一観ることが可能だったこの映画を見ました。思いがけず良かったです。本当に淡々とした地味な作りなんですが素材と役者と脚本が良ければそれでも充分にみごたえのある映画になるんですね。映画館で観て良かったと思いました。訳ありの登場人物が多い中で、伊勢谷さんの個性がこの映画を引き立てていました。アップでとらなくても充分に表情が分かる、というのはこの人の天性でしょう。実際に都会で挫折して家に帰ってきた人につきまとうような陰りが彼には全くないところも映画を観やすくしていたと思いました。(初公開時劇場鑑賞)
2.競馬場にくるのは最後の有り金を賭ける時..ばん馬の白い湯気帰る場所がある、ことは同時に、向かう場所がある、ということ近々ばんえい競馬に行くことにしました..
3.起業した会社が倒産し、逃げるように故郷の帯広に戻ってきた主人公の学(まなぶ)。気がついたら兄や母に会いに来ていたと学は言いましたが、確かにそんな風に見えました。逃げてきたと言うことも嘘ではないでしょうが、会社の倒産、借金苦、離婚等々悪いことが重なりにっちもさっちも行かなくなれば、自然と故郷に足が向うのではないでしょうか。この作品を観てまず思ったことは、人間にとって帰れる場所がある事は、すごく大切なことだと思いました。現代社会は都市部と地方の格差が広がり、みんな挙って都市部に出ていこうとします。それは致し方無いことかもしれませんが、故郷が自分の拠り所になっていることにはほとんど気づいていないのかもしれません。恐らく学もこのまま事業が軌道に乗っていれば、そのことに気づかずにいたはずです。自分の大切なものを失った時、自分がピンチになった時、初めて思い出させてくれるのかもしれません。
一方で、帰る故郷すら失ってしまい、貧困が重なると一気に生活が破綻する人も多いです。学は一流国立大学卒業で能力も高く、帯広に兄と母がいて帰る場所があったのは幸運でした。人間は一人では生きていけないし、成長できないです。子供は親だけでなく、周囲の人間や地域が育てていきます。人間が社会性を持った生き物故のことです。学は一文無しになったので、取り敢えず兄の厩舎で馬の世話をする仕事につきます。だいぶ板についてきて、正式に働くかと兄から誘われますが、学は断ります。それは、学が自分の頑張るフィールドは東京にあると深いところで気づいたからです。まずは「須藤にあやまる」と言う台詞が、学の覚悟を物語っています。威夫もそのことに気づきました。少し安心したのかもしれません。兄威夫にも葛藤があり、馬のウンリュウは勝たないと処分されて馬刺しにされるし、みんなそれぞれの事情を抱えながら、毎日一生懸命生活している。学は帯広での生活でそのことに気付かされたのです。威夫も学のそんな心境の変化に気づきました。この兄弟の遣り取りに、台詞は思いの外少なかったように思います。
しかし、その少ない台詞の間から言葉が溢れているように思いました。口では罵声を浴びせながらも、学のことを気にかける威夫とぶれないで生きる兄に尊敬の念を抱いている学は生活を共にすることで、少しずつ互いのことを理解していったのでは無いでしょうか。学にとって帯広での生活は、リセットの場ではなかったでしょうか。もちろん今まで築き上げたものを全部失うと言うきっかけが大きいのですが。ここまで大きなリセットでは無いにしても、リセットする機会はみんなあっていいのでは無いかと思いました。そして、日本ではリセットする機会は転職みたいな大きなものしかないと思いました。一度立ち止まって少し休んでみる、今までの生活を少し振り返ってみて少し生活の軌道修正をする。こんな事がなかなかしづらい社会と思いました。そんな余裕がないぐらいあくせく生活しているのではないでしょうか。俳優陣が豪華で、冬の帯広の寒さが少し和むような錯覚を受けました。その分、リアリティが少し色褪せた感は否めなかっですが、もちろん演技は申し分なく素晴らしいので、それで作品の値打ちが下がるわけではありません。転勤で関西から地方都市の生活が始まって約10年、故郷への郷愁と都会への憧れの両方を考えさせられた作品でした。
4.北海道の極寒を感じた映画で、馬の吐く息からそれを感じさせられた。屋根の上の場面が印象的だった。佐藤浩市の熱演が光る。
5.好きな映画なのでDVD購入して何年振りに再鑑賞。冒頭から惹きつけられる、北海道の厳しい自然、ばんえい競馬場、厩舎、そこで生きる人たちの描写、どのシーンも静かだけど痺れる風景と俳優陣。静かだけど熱くもお互いも思いやる気持ちが溢れる。観たかったのはこれだ。最高。
原題/別名:TULPAN
製作国 | ドイツ、カザフスタン、ポーランド、ロシア、スイス |
上映時間 | 100分 |
スコア | 3.3 |
監督 | セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ |
出演者
アスハット・クチンチレコフ、サマル・イェスリャーモワ、オンダスン・ベシクバーソフ
感想・評価
1.カザフスタンの草原で、姉夫婦一家とテントで起居をともにしながら遊牧民生活を送る青年のアサ。一人前の羊飼いになるには、嫁をもらって結婚するのが第一条件と言われた彼は、人の少ない草原地域で唯一の嫁候補トルパンに結婚を申し込むも、耳が大きすぎると相手から嫌われてしまう…。それでもなお、明るい未来を夢見る彼の姿を、遊牧民の生活風景を織り交ぜながら、おおらかに描いて世界各地の映画祭で幅広い共感と支持を集め、第21回東京国際映画祭では東京サクラグランプリに加えて最優秀監督賞にも輝いた。2008年・第21回東京国際映画祭で東京サクラグランプリ、最優秀監督賞の2部門を受賞。同年の第61回カンヌ国際映画祭でも「ある視点」部門の作品賞を受賞している。
2.[ヘタレはどこまで行ってもヘタレである] 80点最新作「アイカ」が嵌ったのでドヴォルツェヴォイのデビュー作である本作品も観てみる。監督本人の発言で知ったが、アイカ役の疲れ果てた谷村美月…じゃないサマル・イェスリャーモヴァは本作品にも登場していたのだ。うむ、確かに24歳にして肝っ玉母さん感が厳ついな…アッサ本人も柄本時生に似てるから凄い兄妹であるに違いない。ロシア海軍からカザフスタンのど田舎に出戻ってきたアッサは妹サマルとその夫オンダスのユルトに居候している。そんな彼の夢は羊の群れを所有して自分の住まいを持つことだが、羊の扱い方はいまいちパッとしないし、第一結婚していないからオンダスが羊をくれない。近くにいるユルトは三つしか無く、唯一結婚していない娘トルパンはアッサを"デカ耳"と呼んで全く興味を示さない。そりゃお見合いの場で"タコを見た"とか言われても困るよね。手持ちカメラの長回しで構成されているが、ベーラ・タルやラヴ・ディアスのように画面に拘っている感じはそこまでしない。
本作品の"カザフステップの情景がなんもないだだっ広い空間でそもそも美しいからそれを掬い取りました"みたいなスタンスなのはどう評価すべきなのか。空間が広いので勿論ロングショットは光るし、長回し故の緊張感もいい方向に仕事をしている。生活が厳しいのは一瞬で分かるので、画に魅せきる力もある。気に入った点としては風の撮り方が実に美しいということ。カメラの位置がちょうど目線のとこにあるので、確かにそこに私がいたという感覚があって「アイカ」と同じく大好き。カメラマン同じ人やし。ただ、会話の切り返しが存在せず、手持ちのカメラごと振り返って話者を見る、を繰り返すのはあんまり好きじゃない。佐藤二朗か。全然仕事をせずに夢ばかり語るという完全にアイカと真逆な存在であるアッサ。オンダスからもトルパンからも軽蔑される有様。末は偶然羊の出産に立ち会ったことから調子に乗ってトルパンに会いに行くが彼女は消えた後だった。オンダスがステップから引き上げる日、彼もまた夢を諦め、行くあてのない旅を開始するのだ…と思いきや一瞬で止める。どこまでもヘタレだった。羊を乗せたくない馬が微妙な速度で逃げてるとことラクダに追われてる医師には笑えた。あと、サマルさん歌うますぎ&可愛すぎ。10年後に雪のモスクワを這いずり回ってるとは思えない。
3.2015/9/10鑑賞(鑑賞メーターより転載)東京国際映画祭でグランプリを獲得したカザフスタンの映画。カザフ関連と言えば死ぬほどおバカで不謹慎な「ボラット」しかなかったので(笑)新鮮な気持ちで鑑賞...したが、正直言って眠気を押さえるのに必死。カザフの草原のゲルに住む無気力な青年がお見合いでこれはという女性に出会ったが断られ、それを取り返すべく頑張る、というかが彼なりに答えを見つけ出そうとする過程。全く説明がなく傍観する形で進む映像からは、イメージでしか知らなかった草原の牧畜生活が覗けたこと以上には印象に残るものはなかった。
4.ケッキョクのところ、都会暮らし (?) を経験してしまった青年が馴染めないまま田舎に戻り、都会で見た幻想を抱きながら生活する……という物語。主人公であるアサの生活に現実味はなく、むしろ後姿だけしか登場しなかったトルパンの方がそんなアサのコトを察しているという一貫性が面白い。カザフスタンの草原 (むしろ荒地) の決して優しくない環境と姉夫婦の堅実な生活ぶり、そして生き物を相手にする厳しさと喜びが伝わってくる、そんな一作。ソレにしても……トルパン、やっぱりアナタの顔を一目でいいから見たかった (笑)。
5.生活インフラ無い土地での過酷さ亀をミニカーのように握って歩く甥っ子アサが一人で対応する羊の出産がリアルで強烈産声を聞くまで観る側も緊迫に引っ張られるラクダ親子の別れシーンも切ない動物のナイーブな映像は懐くまで大変だったと思う
原題/別名:WHISKY
製作国 | ウルグアイ、アルゼンチン、ドイツ、スペイン |
上映時間 | 94分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール |
脚本 | フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール、ゴンサロ・デルガド・ガリアーナ |
あらすじ
カンヌ映画祭など各国の映画祭で話題になったウルグアイの作品。靴下工場の経営者・ハコボのもとへ弟のエルマンが来ることになり、ハコボのところで働くマルタに夫婦のふりをしてもらうことからはじまるコメディ。
出演者
アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル、ホルヘ・ボラーニ、ダニエル・エンドレール、アナ・カッツ、アルフォンソ・トール
感想・評価
1.設定面白かったのに、ストーリーは結構普通。弟はウザすぎるから禿げたんだと思ったら笑える。なんだかんだマルタは得しかしてない。
2.嘘で固めた偽夫婦と作り笑い。多くを語らない間と表情。ラストの微細な変化に余韻が残る。監督は2006年に32歳で自殺してる。
3.親から引き継いだ靴下工場を長らく経営する男が、亡き母の墓石建立に際しブラジルから帰省する弟を迎えるに当たり、従業員の女に妻役を頼む。その理由は語られない。だが、女は何やら事情を知っている様な素振りを見せる。妻役を頼んだものの、夫婦らしく装うことに関心の無い男と違い、女は口裏合わせや飾る写真のことなど、気遣いを見せる。工場の始業の様子を何度も見せる。それは毎朝、何年も同じことの繰り返し。男はシャッターを開け、機械を始動し、女はお茶を淹れる。これはつまり、同じ場面の僅かな違いに気付いて欲しい、という作り手の意図だ。生来かブラジルに感化されたか陽気な弟に対し、寡黙な兄と地味な女。見ていく滞在の日々に会話は少なく、心情も読み取りにくい。だが、この監督は見逃せない仕掛けを施す。遡って、偽装妻が決まった後のマルタの帰宅場面。思い耽っている顔を撮り続けるが、その内、彼女はほんの僅か口角を上げる。決して偶然では無い。
もう少し後の同じ様な場面でも同様の仕草がある。おそらく彼女は妻役をこなす自分を思い浮かべ楽しくなったのだろう。弟が帰り、また今までと何も変わらない日常が始まると思いきや、そこに女の姿は無かった。一人でシャッターをくぐり、自分でお茶を淹れる。話はここで終わる。女がどうなったのか分からない。勤めを辞めたのか、そしてブラジルへ行ったのか、はたまた病欠なのか…エンドロールを見ながら思い返す。写真を撮る時、腕を組むよう促される。撮り終わり、振り解くように腕を離す男、それを僅かに気にする女。夫婦の偽装工作に熱心だったのは、部屋を念入りに掃除したのは、ただ、弟に疑われない為だったのか。ここで監督の仕掛けを思い出す。マルタは妻役を喜んでいた。妻役も済み、用意されたタクシーで帰宅する。車窓から外を眺める女の目は潤んでいる。フロントガラスから見える街の灯りは滲んでいる。自分には弟に手渡した手紙の文言が分かる気がした。この素晴らしい物語を書いて撮った監督コンビが、この時、三十歳だったのに驚く。そして監督の一人、フアン・パブロ・レベージャはこの二年後に自らこの世を去った。たった三十数年の人生に何があったのか、と全く余計な心配をしてみる。とにかく見事な作品だった。
4.嘘な笑顔も、笑顔は笑顔。アクション起こせば、まさかの展開で、当たり前のようにそこに居てくれた人は、消えた。中年な哀愁たっぷり、ウイスキーではなく、靴下愛。
5.淡々と過ぎて行く日々。なんか無言ってやっぱ考えちゃう。でも、おかしさもあって絶妙なバランスの映画だなぁ。
原題/別名:Grain/Buğday
製作国 | フランス、ドイツ、スウェーデン、トルコ、カタール |
上映時間 | 127分 |
スコア | 3.6 |
監督 | セミフ・カプランオール |
脚本 | セミフ・カプランオール |
あらすじ
いつとも知れない近未来。種子遺伝学者であるエロールは、移民の侵入を防ぐ磁気壁が囲む都市に暮らしている。その都市の農地が原因不明の遺伝子不全に見舞われ、エロールは同僚研究者アクマンの噂を耳にする。アクマンは遺伝子改良に関する重要な論文を書いていたが、失踪していた。エロールはアクマンを探す旅に出る…。
出演者
ジャン=マルク・バール、エルミン・ブラヴォ、グリゴリー・ドブリギン、クリスティーナ・フルトゥル
感想・評価
1.「チ。」を読んだ息子が「あのマンガ、面白いね。早く続きが読みたい」と言ってきた。あえて息子の目のつく所に置いたのは私なのだが、こうも簡単に思い通りにいくとは思ってもみなかった。真の主人公は他の誰でもない。ノヴァクさんだ。と教えてやると、驚きを隠せない様子だった。まだまだ幼いと思っていた我が子が、このマンガの面白さを理解できるようになったかと思うと、いささか感慨深いものがある。この映画『グレイン』の主人公もまた「知」に取り憑かれた人間だったモノクロの近未来見えない壁によって隔てられた選別されるの世界そこには死に絶えた土地が広がり無機質な人の死はあまりにも軽いグレインとは穀物の意遺伝子操作された穀物が引き起こすカオス遺伝子カオスそして万物に宿るチカラフォースか!?フォースが出てくるんじゃないのもしかして?期待はどんどん膨らんでいきましたがすぐにしぼみました(フォースではなかった)土を愛でるシーンは共感できなかったし、ラスト付近のどんでん返しは哲学的すぎて難しいってこれそれは果たして義務感か、はたまた世界を救うためなのか、人は知りたいという欲求を止めることなどできない。
真理を求めて、後戻りできない領域に足を踏み出すといった内容なのですが、しがないおじさんが主人公だからかな。なんていうか…そのう…華が無いアクションも無ければロマンスも無い(サスペンスはありました)。予想はしていたけれど、この映画は決して娯楽作品ではなかった。かすかにタルコフスキーの匂いすらする。実に好みが分かれる映画だ。しかし世界各地でロケを行ったという大自然の迫力はすごかった。荒廃した世界を描いているので、だいたいが荒廃しているように見えるのだけれど、目の前に広がる空、生命の息吹きを感じさせないほどの風景、荒々しい岩、岩、岩。存在が圧倒的なリアリティをもって迫ってくる。トルコのセミフ・カプランオール監督。独特の世界観を創り出す監督ですね。
2.モノクロの対称的な画でwktkしてみていたけど、NO!GMO!色強くてもう少しどうにかしてほしい気も。ロケ地探しすごいなーってぼんやり観られる景色とタルコフスキーっぽさとで目にはとても良かった。穀物大事。
3.土足厳禁映画。セミフ・カプランオールって誰だっけと思ったら、ユスフ三部作の人か。ちょっとヌルい感じのディストピアでやるヨハネの一粒の麦の話みたいな話。やらんとしてる事は分かるけど、あっちこっちでよくある色んなネタと説教くさいのとでちょっと眠くなっちゃった。ストーカー的映像美と進撃の巨人になりがちなやつを回避する壁表現はなかなか。
4.映像は申し分なく素晴らしいが、人間は地球の異物という文明批判はあまりにも陳腐で子供っぽい。映像が際立って良いだけに思想の陳腐さや薄っぺらさが目立つ。2017年時点の作品で、作物の遺伝子操作で人類が滅びるとは繊細過ぎて恥ずかしい。もっとも、勝手に発芽し出して取り敢えず解決ということらしいが。最後に蟻が集めた種で喜んでいるが、土嚢を地面に付けただけでも駄目になる程、土壌は汚染されているらしいから、それは使い物にならないぞ。
5.モノクロなのすごくよかった(全然世界観違うけどショーン・タンをなぜか思い出した…芸術作品のような絵本のようなそんな感じ)内容がなかなか入り込めなくて空腹時に巻いてたやつしか覚えてない
原題/別名:Heaven Knows What
上映日 | 2015年12月26日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 94分 |
スコア | 3.1 |
監督 | ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ |
脚本 | ロナルド・ブロンスタイン |
出演者
アリエル・ホームズ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
感想・評価
1.サフディ兄弟の観るNYホームレスでジャンキーな少女ハーリーの話アリエル・ホームズが実体験書いた原作を自ら演じてます一人の男追いかけるも相手にされたりされなかったり。クスリ手に入るからか売人の男と一緒にいたり面白い映画ではないかも破滅的な愛の物語的なドラマ性は低く自分が書いたものを自分で演じてるのでNYのホームレスでヤク中の少女のリアルな生活ぶりと思われるのを感情込めずにそのまま撮ってる感じこの種の人達に特別な興味が有る訳でもないけどこういう生活なのね~と思いながらの90分があっという間なので何か感じるモノが有ったのでしょうねアリエル・ホームズのインパクトは結構なモノが有り、また観てもいいかな~と思ったりもしてます面白い映画ではないですけど
2.? 2022年 17 作品目 ‼️ホームレスで、シャブ中?の若者たちの話〜⁉️ダメな男を好きになったからしょうがないよねぇ〜?実際のドキュメンタリー的な作品❗️中々、面白かった?♂️
3.ハーリーを演じたアリエル自身が経験したNYでのホームレスジャンキー生活をサフディ兄弟が再現。ハーリーは家もない、お金もない、でも大好きなイリヤというボーイフレンドだけはいる。イリヤはハーリーのことをゴミ扱いし、俺が好きなら目の前で死んでみろ!という。ハーリーはカミソリで手首を切って見せると死ねと言ったイリヤ自身が怯えて救急車を呼ぶクズっぷり。この作品に登場するすべての人間が、先のことを気にする余裕もなく、今その瞬間のことしか考えておらず、他人に頼り頼られ生きているため、毎日常に誰かに何か問題が起きている。その渦中にいるのがハーリーで、そんなハーリー自身も周りの男を利用しうまく立ち回り生きているが、何が起きてもイリヤが好きで好きでたまらない。そんな彼らの生き様を描く本作。通行人や周りの人々は何が起きていても誰も見向きもせず、通り過ぎていく。それでも今を生きようと必死に乗り越える人間がいることがリアルに伝わってくる作品だった。ハーリーが針に糸を通す場面で彼女の心の動揺を表しつつジャンキー視点での"震え" を表現している様や、要所要所で不穏な大きな音を用いてジャンキーな世界観を表現しつつも映像への没入度を上げていた。『アンカットダイヤモンド』同様に"クズ"の演出が素晴らしかった。
4.ホームレスの若者の日常をまるでそのまま切り取ったかのようなドキュメンタリー風な映画。そこに普通の人の世界はなく、視野狭窄でその日暮らしのジャンキーな彼らの世界が違和感だらけのハードな音楽と共に描かれている。彼らがどんなに叫ぼうと動こうがフレームの中の普通の人はただ通過して去っていく存在でしかない。ジャンキーがいる街も日常なのだろう。生きている実感がないから、誰かに全てを委ねる。きっと彼女は死んでと、望んでくれる彼が救いであり、彼は、自分の望み通りに死のうとしてくれる彼女が救いだったのかもしれない。自分の存在が、自分だけでは証明できない。だからこそ、麻薬という唯一の現実逃避できる世界に酔倒していき、依存という形で溺れて落ちていくのだろう。
5.まず邦題よ...。Heaven knows whatが何故こうなったかが知りたい。ニューヨークで路上生活を営む登場人物らの等身大の生活が印象に残った。ハリーは何で自分をぞんざいに扱うイリヤみたいな男に執着するのだろう。イリヤ以外にもマイクや他の男性に頼る様やドラッグに依存する様に"寄生"のようなものを感じ、あまり共感性を得られなかった。1つの恋愛のピークとドン底の両方を描く様はとてもリアルだと思う。中でもイリヤがハリーのケータイを投げ捨てて花火に変わるシーンがロマンチックだった。映像美と音楽のセンスの良さが光る作品だと感じた。
原題/別名:Le fils de l'Autre/The Other Son
製作国 | フランス |
上映時間 | 101分 |
スコア | 3.7 |
監督 | ロレーヌ・レビ |
脚本 | ロレーヌ・レビ |
あらすじ
"テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族。ある日、18歳になった息子が兵役検査を受ける。そして残酷にも、その結果が証明したのは、息子が実の子ではないという信じ難い事実。18年前、湾岸戦争の混乱の中、出生時の病院で別の赤ん坊と取り違えられていたのだ。やがてその事実が相手側の家族に伝えられ、2つの家族は、それが“壁”で隔てられたイスラエルとパレスチナの子の取り違えだったと知る・・・・・・。アイデンティティを揺さぶられ、家族とは何か、愛情とは何か、という問いに直面する2つの家族。はたして、彼らは最後にどんな選択をするのだろう。"
出演者
エマニュエル・ドゥヴォス、パスカル・エルベ、ジュール・シトリュク、マハディ・ダハビ、アリン・オマリ、カリファ・ナトゥール
感想・評価
1.なんとなくつけてそのまま釘付けで観てしまった。「そして父になる」に近いんだけど、イスラエルとパレスチナの家族という人種的にも政治的にもとても複雑な関係性。真実が明らかになり自分自身のアイデンティティが激しく揺らぎ、家族も動揺する。戸惑うのだけれど家族として築き上げてきた愛と絆は揺るがない。しかしまた同時に葛藤の中で新たな愛情が芽生え育まれていく関係性が優しく暖かく描かれていたと思います。
2.子供の取り違え問題というよくある題材だが、民族・宗教的な問題が絡み合っていて、血よりも過ごした時間だよね!みたいな"一つの国"日本の映画とは異なり、いろんな視点を得られる映画だった。反省。
3.いかに人種や民族が虚構であるかがわかる作品。と同時に実は父親の素質をよく引き継いでいたり、事実として民族対立の結果が現在であると考えると人種や民族は関係ない!とかいう頭ハッピーな発言はできません。イスラエルとパレスチナの問題について改めて調べた、同じ国なのにあんなに格差があるのか。自由な出入りも禁じられていてガザ民は海を見たこともないとか。ていうかこの手の映画で毎回思うけど、諸悪の根源はこんな映画を呑気にとってるお前ら欧米だからな?と言いたい。当事者二人が人間的に出来すぎていたために物語は丸く収まる、あの兄貴みたいにならんくてよかった。ヨセフがガザ自治区のホンマの家族と歌うシーンは泣いた。。実はこれが本当の日常だったかもしれないと思うとね。。ユダヤ人の父親の方、心の奥底では優秀な息子が良かった…と思っていそうである。
4.凄くいい映画だと思う。子供の取り違えの話なんだけど、単なる取り違えではなく、パレスチナ人とユダヤ人なのでさらに複雑。本来なら重苦しい作品になるのだろうけど、この映画は、紆余曲折あっても希望あるラストに繋げて行く。人種間だとどうしても解決出来ない問題なのに人間同士、家族同士なら解決出来る。こんな素敵な結末になるとは、思わなかった。何かキラキラするラストで良かった。ラビのジジイが、腹立ったわ。ユダヤ教は、ユダヤ人しか救わないのは、解るけど傷付いた青年に塩を刷り込むな?
原題/別名:Intimate Grammar
製作国 | イスラエル |
上映時間 | 110分 |
スコア | 3.6 |
監督 | ニル・ベルグマン |
脚本 | ニル・ベルグマン |
原題/別名:Amanda
上映日 | 2019年06月22日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 107分 |
ジャンル | ドラマ、青春 |
スコア | 3.8 |
監督 | ミカエル・アース |
脚本 | ミカエル・アース |
あらすじ
夏の日差し溢れるパリ。便利屋業として働く青年ダヴィッドは、パリにやってきた美しい女性レナと出会い、恋に落ちる。穏やかで幸せな生活を送っていたが―突然の悲劇で大切な姉が亡くなり、ダヴィッドは悲しみに暮れる。彼は、身寄りがなくひとりぼっちになってしまった姪アマンダの世話を任されることに…。若いダヴィッドには親代わりになるのは荷が重く、アマンダは母親の死を理解できずにいた。しかし、消えない悲しみを抱えながらも二人の間に少しづつ絆が芽生えはじめる―。
出演者
ヴァンサン・ラコスト、イゾール・ミュルトゥリエ、ステイシー・マーティン、オフェリア・コルブ、マリアンヌ・バスレール、ジョナタン・コエン、グレタ・スカッキ
感想・評価
1.ほっこり系の話かと思ったらめっちゃ重かった…。悲しみや辛さがパリの街並みを通してリアルで良い映画でした。
2.★突然の悲劇で姉を亡くした男性は、姉の7歳の娘 アマンダを預かることに。大切な人を突然失っても変わらず流れ続ける時間はあまりにも残酷。あんな悲劇が起きたとは信じ難いほど今日もパリの街並みは美しい。そんな中で周りの人たちとの絆を深め、喪失から再生していく遺された人々の姿がリアルで希望を感じた。何か大きなことが起こるわけじゃない、苦しみを抱えながらもただ前へと進む。大きな愛と優しさに包まれた作品。
3.姉の急死を受け止める時間もないままにダヴィッド(24)(ヴァンサン・ラコスト)が姉の遺児アマンダ(7)(イゾール・ミュルトリエ)との生活を始めて...な人生ドラマin夏のパリ,ロンドン??・遺された家族の死の受容、喪失と再生をテーマにしながらも押し付けがましさがなく全体的にカラッとしてる・日差し煌めく夏のパリの美しさの中で 見た目には分からない人の悲しみや不安が時折垣間見えるのがなんかよかった・アマンダの複雑さ(感情を制御し大人びた振る舞いをする、強くて繊細で無邪気な、身体の小さい子ども)や人との距離の取り方、感情吐露を第一の目的にしないコミュニケーションが良い意味でフランスっぽい・テニス観戦をする終盤のシーンで、私の心のどこかが救われた気がする映像綺麗 オレンジジュース コーヒー ビール ワイン 木苺のお酒 スイカ シュークリーム パン ポテチ 犬 鳩 ?キャラメル ?ジャンマルコ 猫 アパート管理 テニス観戦 泣く=素直に悲しみを表現すること、1つの能力 後見人と監督人 ユルト(モンゴルの住居)のあるフランスの児童養護施設見れる 『ブレードランナー2045』のポスター フランス語で林檎が落ちる=気絶するElvis has left the building:(英語の慣用句)エルヴィスは建物を出た→ショーはもうおしまい、もう帰ってほしい、楽しいことは終わった
4.新年1本目はなぜかPSVRで観ようと思ってしまって、あまり動きが多い映画だとしんどいかな〜と、そんな目線で選んだのがこの映画でした。なぜかカナダが舞台と思い込んでてしばらくはバンクーバーかどこかかなて思っていたけど本作の舞台はパリで、有名な街角はほとんど映らないけど逆にそこがいい。「ファーザー」のときもそうだったけど、境遇が変わってしまってからの街角や空の何気ないカットがとてもよく効いてる気がします。もはや風景ウォッチャーだな。こういうのでよくあるパターンだと、わりとワルめの主人公が急に子どもと一緒に住むことになってだんだん更生していって、みたいなのが多い気がするけど、主人公は初めからいいヤツだし、7歳の娘もとても大人(たまに理不尽な子ども的ワガママがでるけど)。だからか、派手なシーンは少ない。
でもそのぶん自分ごとに感じやすいというか、そんなシチュエーションになったら自分なら、と、主人公・姪っ子どちらの立場でも考えながら観てました。そしてもうひとつ印象に残ってるのは、ハグの文化とその効力。家族とか恋人とか身近な人だけでなく、友人が辛いときにそっとハグするの、少し羨ましい。恋愛ではない愛、と言いますか……自分が友だちの前で大泣きしたり悩み相談したりするのが全然できないんやけど、そんなときスッとハグしてくれるだけでも救われるやろな〜と。日本の奥ゆかしいかんじも好きなんやけども。人生にはつらいこともままあるけど、それでも世界はとても美しくて、みたいな、こういう映画が好きなんだなきっと。
5.これなら原題のまま『Amanda』の方が良かった気がする。アマンダと''僕"にしたものの、"僕"側の成長があまり見られなかったせいで、観辛く感じた。邦題が悪い。ラストもどこかで観たような締め方。ステイシーマーティンという女優の美しさに気づけたのが収穫?
原題/別名:Onkel/Uncle
上映日 | 2021年01月29日 |
製作国 | デンマーク |
上映時間 | 106分 |
スコア | 3.9 |
監督 | フラレ・ピーダセン |
脚本 | フラレ・ピーダセン |
あらすじ
デンマーク・ユトランド半島の静かで美しい農村。27歳のクリスは幼い頃に家族を亡くして以来、叔父さんとふたりで暮らしてきた。毎朝早く起きて、足の不自由な叔父さんの世話をし、家業の酪農の仕事をこなす。夕食の後はコ ーヒーを淹れてくつろぎ、週に一度買い物に出かける。そんな決まった毎日を繰り返すクリスだったが、ある出来事を きっかけに、かつて抱いていた獣医になる夢を思い出す。さらに教会で出会った青年マイクからデートに誘われ、次々と訪れる変化に戸惑いながらも胸のときめきを隠せない。将来の夢と恋に悩むクリスに気付いた叔父さんは、姪の幸せをそっと後押しするが…。
出演者
イェデ・スナゴー、ペーダ・ハンセン・テューセン、オーレ・キャスパセン
感想・評価
1.映画の紹介とか読むともうちょっとほのぼのした話なのかなと思ったが案外とヒリヒリしたものも自分は感じてしまった。肉親なるが故の反発してみたり存在に苛立ってみたり、けれどもしっかりと底に愛情が流れている。ああ、こうやって、ずっと2人でやってきたんだなあと淡々と繰り替えされる朝食のシーンを見ていて思う。繰り返される日常、けれどさりげなくも時間は変化をしていく。やがて人生から去っていく叔父と自分の世界を生きなくてはならない姪と、分りつつの終わり方がいいなと思った。ちょっと昔の話?とか思ったらニュースにトランプとか出てきたり、けっこう直近の設定。流れてくるニュースにも時の移ろいを感じます。後、彼氏に対するシーン、ちょっと驚いた(汗)
2.叔父さんだけが唯一の肉親で、自分のやりたいことよりもロマンスよりも叔父さんの世話と日常をとにかく守りたい、静かな映画。
3.おじさんに恩があるのはわかるけど夢や将来を棒に振るのは勿体ない。デートの仕方とかやばかった。おじさんも気を使ってやれよ(笑)彼女も変わってるから余計話が複雑になってる気がした。でも雰囲気はいい映画だった。
4.好きな人とデートに叔父さんも一緒というのは男性側からしたら、何で?って思うよなーと思って観てました。結局、好きな人がいても、たった一人の叔父を残しては好きな人の元には行けないのかな。こんな終わりかたかーとちょっと物足りなかったです。
5.新年一本目です。劇場に観に行けば良かったと後悔。良作だと信じていたが見事。最高の作品で新年を迎えられました。。傍から見れば、叔父さんと姪っ子だけど、この二人には切っても切れない絆がある。叔父さんは、姪の変化を受け入れようとしてくれるけれど、姪は叔父さんを独りにしてしまうことに不安や怖さを感じている。姪の恋愛がどうなるか、二人はどう生きていくのか、エンドロールの直前の表情がめちゃめちゃに気になる。上手い。テレビから流れる世界情勢によって、本当に二人が存在しているようにも感じられるが、その現実からは遠く離れた物語のようにも感じられる。携帯の返信が無いからって、ポストに手紙入れていく男、、、最高かよ、、、、
原題/別名:Vera Dreams of the Sea/Vera Andrron Detin
製作国 | コソボ、北マケドニア 、アルバニア |
上映時間 | 87分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | カルトリナ・クラスニチ |
出演者
テウタ・アイディニ・イェゲニ、アルケタ・スラ、アストリット・カバシ
感想・評価
1.2021/11/8 シネスイッチ銀座東京国際映画祭グランプリ受賞作品上映
2.手話通訳者というボーダーから動き出す新しい地平。現状維持で地位を守りたい者どもにきっぱり告げる訣別に、快哉だ。自分たちに都合のいいように作りあげた場所で男たちはぬくぬく楽しんでいたいんだろうが、その傲慢さに気づいてしまったからには、もう彼らの枠とは別の言葉を紡ぐのだ。母と娘、言葉と身体。三世代の女性と劇中劇の絡まり具合も興味深かった。
3.本当に夢は海みたいあからさまな悪意よりも善意と愛の線上にある教育的な差別、その先の気づきと闘争に絶望と希望をこめて
4.女が「女」という理由だけで淘汰される現実がドキュメンタリー調に描き出されていた
5.未だ世界の多くの社会は男性優位社会であり、そこに女性が立ち向かうことの難しさは否めない。それも、そういった社会において「戦わずに生きる術」を学んできた女性にとっては特に難しいことなのではないだろうか。この作品の主人公のヴェラは、まさに戦わずに生きてきた女性である。亡くなった夫のある秘密と悪習によって、手話通訳士として働く彼女はとんでもない負債を抱えることになる。タイトルの通り、彼女は何度も海の夢を見る。この海の夢は、ヴェラの心の状態とリンクしているのだ。心を落ち着かせているときには穏やかな海を、もがき苦しんでいるときには海で溺れているような夢を見る。後者の夢の場合、溺れているような感覚を荒い波の動きとともに、深いところでボコボコと水音が聞こえてくる。その水音以上に、荒い呼吸音が胸に迫りくるほど強く響き渡っている。水の中にいるようだが、その呼吸音は地上においてのそれである。そして夢から覚めるときは、ヴェラの足元のショットが映る。ビクッと反応した足が溺れていたところから、急に地に足をつけたかのような動きである。
この夢の通り、いつでも彼女は溺れ死ぬか否かの瀬戸際の状態にいるということなのだろうか。彼女がそれほど精神的に追い込まれているのがわかるだろう。ヴェラの手話通訳士という仕事も、作品の重要な要素である。彼女はビジネスの取り引きでの手話通訳をしたり、テレビのニュースで手話を通して政治の汚職事件などを伝えることもしている。特に手話、耳が聞こえないということを利用したシーン(および作戦)は見事であり、まさに「無言」の抗議をやってのけるのだ。また、ヴェラの背中を押す娘のサラの存在も、この作品のテーマを語る上で外せないだろう。サラは舞台女優をしている。彼女が主演を務める舞台劇のテーマ自体は、近未来的かつフェミニズム的であり、ヴェラが起こす行動と繋がっているのだ。またサラは、母であるヴェラの態度を責める。ヴェラがサラに教えてくれたことは、世間体を気にすること、ただ我慢をすること、料理や家事であると。
だけどそれでよかったことはないと、彼女は母親に訴えるのである。こういった考えにヴェラが囚われていたように思える、象徴的なショットがある。それは家にいるヴェラが椅子に腰掛けている前にアイロンが映っているショットである。なぜわざわざここにアイロンを置くのかと思ったが、サラに教えてきた女性のあり方をこのアイロンで表現しているように感じた。しかしこのショットはある転機以降見られなくなるのだ。大きな権力に一人で、それもその権力と同じ方法で戦うのは無理がある。しかし、彼女だからこそできる戦い方があるのだ。ラストショットの彼女の堂々たる表情に、震えが止まらなかった。
原題/別名:OSS 117: LE CAIRE, NID D'ESPIONS
製作国 | フランス |
上映時間 | 99分 |
ジャンル | コメディ |
スコア | 3.4 |
監督 | ミシェル・アザナヴィシウス |
脚本 | ジャン=フランソワ・アラン、ミシェル・アザナヴィシウス |
出演者
ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、オーレ・アッティカ、フィリップ・ルフェーヴル、コンスタンティン・アレクサンドロフ、サイード・アマディス、ローラン・バトー、クロード・ブロッセ、フランソワ・ダミアン
感想・評価
1.このシリーズは面白い! 主役のジャンさんの笑い声が幼い頃に見たアニメの黄金バットの笑い声に似ていると思うのは私だけでしょうか?あ、年がバレてまう!
2.【鷹の爪ファンには超絶オススメ】タイトルを見た時、あれ?どこかで…って思ってたらFROGMAN!!!下ネタあり、カメラワークでも笑わせるwwすぐ殺し、すぐヤる、サイテー男のスパイが主役w兎にも角にもFROGMANが1人3役…4役…5役⁉︎鷹の爪ファンには堪らない作品。(吉田くんだ!デラファイだ!フェンダーミラーだ!みたいなw)妹も笑いが止まらなかった様子
3.主人公が若い頃のショーン・コネリーに結構似ている007シリーズを全部見たわけではないのでパロディ度合いが分かりませんが、「裸の銃を持つ男」や「最終絶叫計画」の様なごちゃまぜパロディではありません。ストーリーとしてはジェームズ・ボンドっぽい男がスパイ活動をします。フレンチジョークなのでしょうか?ボケ方がかなりシュールです。主役が初代ジェームズ・ボンドにかなり似ている事だけで成立させようとしてる感がありました。かなりゴリ押しな場面が多いです。【吹替について】男性キャラの大半はFROGMAN(小野 亮)の吹替です。FROGMANのファンですが、正直言って実写とは合わない。彼の声はフラッシュアニメでこそ意味があると実感します。(Flashが廃止されたのでアニメと言うべきか)それでも山口智充が吹き替えた「ジョニー・イングリッシュ」よりはマシです。
4.英語字幕で鑑賞。めちゃくちゃくだらないので気楽に見られた。B級どころかC級映画!
5.シチュー1955年のエジプトフランスの諜報部員OS117は、行方不明になった友人の謎を探るため、スエズ運河の利権をめぐって各国のスパイが暗躍するカイロに潜入するところが、イスラム文化への無知が仇となって様々な騒動を巻き起こしてしまい……フランスで製作されて人気を博した「OSS」シリーズを復活させたスパイアクションコメディコメディ俳優ジャン・デュジャルダンが主人公を好演している砂漠雰囲気あるネタがシャレてる大人な笑いでした攻防、裏切りなどいろんな仕掛けもありロマンスいろんなゴタゴタベレニス・ベジョも良かったです
原題/別名:Intouchables
上映日 | 2012年09月01日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 113分 |
ジャンル | ドラマ、コメディ |
スコア | 4.1 |
監督 | エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ |
脚本 | エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ |
あらすじ
フランスの歴代観客動員数で3位を記録したヒューマン・コメディ。車いすの富豪フィリップとその介護者に採用されたスラム街出身の黒人青年ドリスは、正反対ゆえにぶつかり合いながらも、次第に強い友情が育んでいく。
出演者
フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、アンヌ・ル・ニ、オドレイ・フルーロ、ジョセフィーヌ・デ・ミオー、クロティルド・モレ、アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ、シリル・マンディ、サリマタ・カマテ、Absa Diatou Toure、トマ・ソリベレ
感想・評価
1.良いお話。対等に接することが大事だが、自分にできるだろうか
2.主人公と性格が対照的なヘルパーとの出会いから始まる心温まる映画
3.フィリップがドリスといるとすごい楽しそうなのがめちゃくちゃ良かった
4.音楽で魅せる映画。ふたりの関係値が暮らしの中で目に見えて深くなっていくのが微笑ましい。身分の違いはあれど友情を繋いでいくには互いに何をもたらし何を残せるかが大事なんだなと感じた。
5.ほっこりする映画パケを見て泣ける映画かと思っていたけど、明るくて笑えるシーンが多いドキュメンタリーみたいな本人達の映像もみたことあるけど素敵だった
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