目次>
東京国際映画祭 ゴールド賞 受賞作品。これまでにチャン・ツォーチ監督の最愛の夏や、アン・ソンギが出演するスプリング・イン・ホームタウン、南から来た少年などが受賞しています。
原題/別名:SPRING IN HOMETOWN/아름다운 시절
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 121分 |
スコア | - |
監督 | イ・グァンモ |
脚本 | イ・グァンモ |
出演者
イ・イン、キム・ジョンウ、アン・ソンギ、オ・ジヘ、ソン・オクスク、ベ・ユジュン、ユ・オソン、ミョン・スンミ
原題/別名:THE KITCHEN TOTO
製作国 | イギリス |
上映時間 | 96分 |
ジャンル | アクション |
スコア | 3.4 |
監督 | ハリー・フック |
脚本 | ハリー・フック |
出演者
エドウィン・マヒンダ、ボブ・ベック、フィルス・ローガン、ロバート・アークハート
感想・評価
1.第2回東京国際映画祭ヤングシネマ'87渋谷東宝あるカットで自己嫌悪した記憶次の蝿の王は嫌いじゃない
原題/別名:THE TRAVELLER FROM THE SOUTH
製作国 | イラン |
上映時間 | 90分 |
スコア | 3.0 |
監督 | パルビズ・ジャバァズィ |
出演者
レザ・モガッタム、カマル・ナスィーリ・ジョザニ
原題/別名:POSLENDNIE KANIKULI
製作国 | カザフスタン |
上映時間 | 65分 |
ジャンル: | ドラマ |
スコア | 3.4 |
監督 | アミール・カラクーロフ |
脚本 | アミール・カラクーロフ、エレーナ・ゴルジェーエバ |
出演者
サンジャール・イスカコフ、シャルバ・ゴーゴラゼ、アナトリー・ガブチュク
感想・評価
1.1990年代、旧ソビエト連邦のカザフ共和国、響き渡る「共和国万歳」。ある晩、10代の青年たちは一室に籠り、アルコールとドラッグにいそしんでいた。酒の調達をしにワーレルカ、カリム、ジェーカは営業時間外のバーへ忍び込み、酒やらギターを盗んで出る。ギターを持ち帰ったワーレルカが義父の通報で警察に捕まりそうだと知った2人は、彼の義父を殺害しようと安易に計画を立てるのだが…..なんと65分という、サクッとシネマ時間にはもってこいの作品。もともと違う映画を借りようとして棚の前に立ってたのですが、あまりにも惹かれるジャケットが目に入ってかりてしまいました…配給がアップリンク、1996年の東京国際映画祭ヤングシネマ96東京ゴールド賞受賞という、隠れた良作オーラがすごい。お国万歳ムードと、閉塞感たっぷりの鬱屈した10代の不安の表裏なコントラストがとても良く、虚しさが残ります。将来を担うべき若者たちと、国を扇動する政治社会のギャップが物哀しく描かれていました。
今となっては、そこまで斬新さや目新しさのある内容でも展開でもないですが、観る価値は全然あると思います。主人公のカリムが若干、いつかの磯村勇斗に見えました。彼とその家族の間の、言うに言えない絶妙な緊張感と静かで無条件な抱擁感が、とてもよかったです。それにしても、警察?が逃げようとした青年をボコボコにして、挙句しれっと道端に捨ててく⌒◯ ....ってどうなんですか?笑 ほんとにそんなことあったの.....?って結構衝撃でした。。調べてもぜんぜん、ほんと全然出てこない作品で悲しい…別の『ラスト・ホリデー』しか検索に引っかからないです。もっと人目に晒されていい映画を観る機会が欲しいです…
2.同年の東京国際映画祭ヤングシネマ96でゴールド賞受賞、翌年のロッテルダム国際映画祭でタイガーアワード受賞。1979年、アルマ・アタのメーデー。まだソ連の一構成共和国だった頃のカザフ・ソビエト社会主義共和国を舞台に、ステレオタイプな3人の非行少年たちの姿を描いた青春映画。春休みにウォッカを飲み、マリファナを吸い、地元のバーのディスコライトやベースギター、おやつまで奪い、殺人、警察の残虐行為による死、刑務所などを経て招いていく悲劇の物語。マリファナを若者みんなで回しながら吸うシーンはどの国でも共通なんだな。プロローグの赤一色の派手なメーデー祝賀パレードと、エピローグのパレードのための行進練習パートに挟まれて青年たちの物語が進行していき、カラクーロフが崩壊直前のソ連へ強烈な批判と皮肉を込めていると感じた。中央アジアで各国の文化が交じり合ったカザフスタンは美女が多いと一般的に言われていますが、もれなく男の子の登場人物達も美形が多かった。悲劇的なラストを迎えるものの、カラクーロフは10代の若者たちからドキュメンタリーのような等身大の演技を引き出し、当時の国民がソ連に鬱憤していた気持ちの現れが分かる苦く輝く作品だった。
3.「ラスト・ホリデイ」〜最初に一言、東京国際映画祭ヤングシネマ96でゴールド賞受賞して、VHSのまま忘れ去られたカザフスタン映画の青春映画の秀作。これは赤一色のパレードの序盤と終盤を結ぶ物語であり、3人のハンサムな青年たちの辛くほろ苦い日常が写し出された悲しくも儚いドラマである〜冒頭、旧ソビエト連邦万歳、共産主義を絶賛するパレード。3人のハンサムな若者、学校の仲間、アルマアタの郊外、ホテルのー室、酒、煙草、マリファナ、宴、バーのエレキギター、盗み、義父、辛い生活。今、カザフ共和国に生きる青年らのほろ苦い青春が写し出される…本作はアミール・カラクーロフが、1996年にカザフスタンで監督した作品で、制作には日本人の佐野伸寿も関わっている。こちらはソフト化されておらず、廃盤のVHSを購入してこの度初鑑賞したが65分と短い中、面白かった。
こちらは1997年ロッテルダム映画祭タイガーアワード受賞して96年東京国際映画祭ヤング・シネマ96東京ゴールド賞を受賞している。ビデオの発売、販売元はアップリンクである。さて、物語はカリム、ジェーカ、ワレールカの3人とその学校の仲間たちは明日から始まる春休みを前にしてアルマアタの郊外にあるホテルの1室に集まり、テンションも高く、酒、タバコはもちろん、マリファナまでも飛び交う宴を繰り広げていた。しかし、3人は何か物足りないもどかしさに誘われて、誰もいないホテルの某バーに忍び込み、酔った勢いも手伝って、バーに置いてあったエレキギターを盗み出してしまう。ところが翌日ワレールカの義父の通報によって、彼らのそれまでの辛くも幸せな生活が次第に壊れていく…と簡単に説明するとこんな感じで、1979年、まだソ連のー部だったカザフ共和国を舞台に、少年たちのほろ苦い青春をストレートに描く。監督はカザフ・ニュー・ウェーブの雄として世界的に知られるアミール・カラクーロフで、彼の高校時代をモチーフにした、真実に基づく物語だそうだ。
いゃ〜、そもそもソビエト連邦の映画は何本か見てきているが、カザフスタンの作品と言うのはなかなかお目にかかれないものだ。知らず知らずに見ている可能性はあるが、この作品以外に何を見たと言われてもすぐに思い出せない。ネタバレになるが、この作品ではとりあえず主人公3人のうち1人が死に、殺人まで起こす。そして仲間にも関わらず結構呆気ない対応の仕方で興ざめする。カザフスタン共和国と言うのは、ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)の一構成共和国と少しばかり特殊な立ち位置で、冒頭の共産パレードのメーデー祝賀行進が終盤の行進練習へと繋がり、このパレードのための練習だということがわかる。冒頭の花火打ち上げる中、ソビエト連邦国、共産主義万歳のパレードは凄い。その後は3人の青年を主軸にして青春の物語が始まるのだが、わりかしこの3人が美男子である。そしてギターを盗んだことによって、父親が学校に問い合わせ(息子が学校の授業でもらったと嘘をついたため)、事態はあらぬ方向へいく。まぁ、典型的なパターンであるが、カザフスタンの現実が生々しくてよかった。ちなみにAmazon Primeとビデオマーケットで視聴可能になっているのはハリウッド映画のホリデイと言う全く別の作品なので間違わないように。
4.この年の東京国際ヤングコンペに一体何があったのかと調べてみたら、審査員にホウ・シャオシェンとセルゲイ・ボドロフが名を連ねていて妙に合点がいった笑
原題/別名:VACAS
製作国 | スペイン |
上映時間 | 94分 |
スコア | 4.2 |
監督 | フリオ・メデム |
出演者
カルメロ・ゴメス、エマ・スアレス、アナ・トレント、カンディド・ウランガ、カラ・エレハルデ、ピラル・バルデム
感想・評価
1.フリオ・メデムの非常に特別な宇宙を発見するために「バカス」から始めるのが理想的です。伝えるのが不可能な映画。しかし、間違いなく小さな詩の傑作です。
原題/別名:黒暗之光
製作国 | 台湾 |
上映時間 | 102分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | チャン・ツォーチ |
脚本 | チャン・ツォーチ |
出演者
リー・カンイ、ホー・ホアンジ、ファン・チィウェイ、ツァイ・ミンショウ
感想・評価
1.古い台湾の雰囲気がとてもいい。ストーリーはたいしておもしろくはない。どうも描写というのを客観的に撮りすぎなんじゃないかな。
2.侯孝賢「悲情城市」で助監督してたチャンツォーチの一夏モノ海、港でのショットが軒並み決まってた
3.90年代の台湾の街並み。映像の質感が良い。金城武のポスター、女の子がカツラを被ったり被らなかったり。切り替わりで画面が暗くなるのが気になる。淡々とした日常の風景と二人が意味もなく夜明けまで遊ぶシーンが良かった。やたらとご飯食べな〜と言っていたので、みんなでご飯が食べたくなる。
4.なんでこんなに評価高いのかわからなかったというか、ふつうの長回し日常系アートフィルムって感じだった…
5.侯孝賢の助監督を務めたチャンツォーチの恋愛映画「牯嶺街少年殺人事件」のように1人の少女と2人の不良少年の三角関係から平和な日常が破滅していく途中少し退屈だけど終盤からどんどん引き込まれてラストは美しく儚い
原題/別名:BADKONAK-E SAFID
製作国 | イラン |
上映時間 | 85分 |
スコア | 3.8 |
監督 | ジャファル・パナヒ |
脚本 | アッバス・キアロスタミ |
出演者
アイーダ・モハマッドカーニ、モーセン・カリフィ、フェレシュテー・サドル・オーファン
感想・評価
1.キアロスタミの脚本をキアロスタミらしく忠実にかつ芸術性も感じられるくらい見事に映像にしてみせた、ジャファール・パナヒの初長編監督作にしてカンヌの新人賞たるカメラドールの受賞作。イランの人間の冷たさと暖かさを両方感じ取れるミニマルな内容は実にキアロスタミらしいが、当時の洗練されたキアロスタミ演出とはまた違った初々しい描写の数々は弟子とも言えるパナヒならではといったものがあり、こういう効果を期待してキアロスタミがパナヒに作られた意図があったのかもとすら思える。でも序盤の長回し等、この頃から既に描写として目を見張るものがチラホラ確認でき、監督デビューしたばかりでもパナヒの映画作りの腕はかなりのものだと唸らされる。
2.ラスト以外はずっと困ってる妹が主役。白くて太ってる金魚が欲しくて欲しくてしかたない。向かう先々で100パーの確率で金銭トラブル(?)に巻き込まれるので、みてるこちらもストレス高い。でも、悪そうに見えたひとも結局はいいひとで助けてくれる。それだけのことを85分ずっとやってるんだけど、セリフ棒読みの子どもたちに目は釘付け。最初から最後までえもいわれぬ魅力があった。終盤に出てきたモブみたいなひとがラストのフリーズフレームを飾るんだけど、見てるうちにそれ以外の締め方ない気がしてくるから不思議。蛇の見世物やってたあたりは、足を止めてるのは男ばかり。こんなところからもイスラム世界を垣間見られた。イラン映画いいなぁ。アッバスキアロスタミみないとな。面白かった!
3.キアロスタミ脚本だけあっていつもの子どもに厳しい道のりを歩ませるストーリーだが、イランの映画はなぜこうもシンプルで心揺さぶるのか不思議でならない。子どもに構ってる暇がない大人、手を差し伸べてくれない大人、不親切さが際立つ街の中で純粋に金魚が欲しいだけの少女の試練が映し出される。少女は金魚を買うお金を溝の中に落としてしまい泣き出してしまうが、そんな中で希望となるのが頼れる兄。しかしそんな兄でも突破できないような、子どもの力だけでは解決できないような状況にどんどん追い込まれていく。どうしようもない気持ちにもさせられるが、イラン映画の大人の厳しさにはどこかしらユーモアが感じ取れるから決して悪意はないように見える。ああいう節度をわきまえる精神は国民性が反映されているような気がする。子どもも大人も慎ましさの中で幸せを見出しているのだと感じる。タイトルの「白い風船」の意味がわかったときに特別な余韻に包まれる。
4.巨匠アッバス・キアロスタミ監督が脚本を務め、彼のもとで助監督をしていたジャファール・パナヒ監督の初監督作品。イランの新年・ノウルーズ(3月の春分の日)を迎える前日の大晦日。新年の飾り物の1つである金魚を巡る7歳の少女ラジェの物語。市場で買い物中、はぐれたラジェを見つけ急ぎ家に戻る母。ラジェは市場で見た白い大きな金魚が欲しくて仕方がない。家のいけすにいるでしょ!と聞く耳もたない母に、ヒレが大きくふっくらしててウチのとは全く違うの!と涙目でアピール。そこに、入浴中の父に石けんを買うよう頼まれたお兄ちゃんのアリが帰ってきて、涙を浮かべて訴えてるラジェを見るが、石けんじゃなくてシャンプーだ!と叫ぶ父の指示で再び買い物へ。アリが戻ってくると、ラジオからは新年まであと1時間15分と流れている。まだ涙目でグズってるラジェを見て、しぶとく母と交渉し、母から500トマン札をゲット。やっと笑顔になったラジェは1人で一匹の金魚(100トマン)を買いに鉢を持って走り出す。欲しい金魚は無事手に入れられるのか?・・・家を出てすぐ、路上の蛇使いに群がる男たちの中に好奇心からか入ってしまったり、「はじめてのおつかい」を見てるような、ハラハラ感の連続。ラジェも、妹思いのお兄ちゃんアリも素晴らしい。兄妹の父、関わる大人(オッサン)たち…男性優位社会イランで暮らす子供たちの姿から色々と考えさせられます。そして、「白い金魚」ではなく、風船を売る難民の少年の持つ「白い風船」をタイトルにした意味を考えてみたくなる読後感。
5.白い金魚のことが頭を占めている子供の時間って良いですねお母さんもだけど右にちょっと首をかしげるのが可愛い大人のなかで子供は非力なんだけど辛抱強く話を聞いてくれるのを待っている不条理ですだから頭を使って考える物凄い集中力です頭が真っ白になり悲しすぎて涙が滲むまさか そんなっ の場面の連続遅々として進まず真っ暗やみの現実にこちらも胸が張り裂けそうになる暇潰し兵隊の兄ちゃんの視線をそらそうと丸見えの柵にバレないようにスカートを広げて隠そうとするラジエーが可愛いよく見ると金魚みたいな洋服それもくすぐられる意外にも生意気な事を言ったりして成績も優秀なのに いざ金魚となるとめちゃくちゃになってしまう辺りが余程あの白い金魚に夢中なんだと思うとまた可愛らしさが倍増ラジエーのお兄ちゃん頼りになる!めちゃめちゃ優しい絶望的なピンチから全力出し切る風船の青年と三人で楽しそうにするとこは何とも気持ちを持ってかれた懐かしい感覚が蘇るみたいラストが余韻を残しつつもあっさりしててこれはこれでリアリズム流石パナヒ監督の師匠キアロスタミ!★☆フォローしてるJeffreyさんが教えてくれた作品youtubeでもフィルマのレビューも作品を詳しく紹介されてます!レビューでも言われてたんですが…「友だちのうちはどこ?」と「運動靴と赤い金魚」に匹敵する良作品でしたでも残念な事にVHSでの視聴だと思います
原題/別名:YAABA
製作国 | フランス、ブルキナファソ、スイス |
上映時間 | 90分 |
スコア | 3.7 |
監督 | イドリッサ・ウエドラオゴ |
脚本 | イドリッサ・ウエドラオゴ |
出演者
ファティマータ・サンガ、ヌフー・ウエドラオゴ、ルーキエトゥー・バリー
感想・評価
1.【"魔女"との対面】西アフリカ・ブルキナファソのとある村。この村には"魔女"と呼ばれて虐げられた老婆がいた。少年ビランは親友の少女ノポコと遊んだときに"魔女"と遭遇したことをきっかけに「ヤーバ(おばあちゃん)」と呼びかけながら"魔女"との親交を深めていく。アフリカの小さな村を舞台に、少年が虐げられた"魔女"と親交を深めていくストーリー。色眼鏡なしで相手を見ることの大切さがテーマであり、ストーリーとしては非常にシンプルで物語の基本形のような作品。だけれども本作は軽かったり説教臭かったりしない。その理由としては、この村が電気・ガス・水道もないような素朴な村で余計なことにとらわれずストーリーに集中できるからかもしれない。そしてアフリカの村の暮らしを垣間見ることのできる貴重な作品でもある。素朴でありつつも、怪しげなものや外部の者は村八分にして排除する村社会。そして一部の保守的な男性たちが発言力を持ち、村の治安は表向き保たれているように見える。たしかにこのような外部との交易もないような村では、自分たちの生活さえ保たれればよいと考えるのかもしれない。ムラ社会という点でも本作は原型を見せてくれる作品かもしれない。ビランは親友ノポコと遊んだ帰りに”魔女”を見かける。
彼女は村民から虐げられ村のはずれに1人で暮らしていた。そして村民はあらゆる災いの原因はその”魔女”のせいだと考えていた。しかしその日村に帰るとある小屋が火災に見舞われる。そして村民はいつものごとく”魔女”のせいだとして子供たちは石を投げつけたりし始める。しかし火事の起きた時間帯、”魔女”はビランたちの目の前にいた。ビランは”魔女”がいたたまれなくなって彼女に声をかけるのだった。それからビランは"魔女"の元に食事を運んだりして徐々に打ち解ける。彼女からは「おばあちゃんなんて呼ばれるのは初めてだ」ともいわれる。住民たちや厳格な父親から注意をされても気にせず"魔女"と仲良くするし子供たちと喧嘩までする。正直仲良くなるのがスムーズすぎたりビランが純粋すぎるような気もするけど本作ではそこは主題ではないような気がする。それに彼の素朴さ・純粋さは先進国の町では出せなくて、むしろこの素朴な舞台だからこそマッチしているような気がする。そんな中でノポコが突如病に倒れる。周囲の村人はマラリアだからすぐ治るというがなかなか治らない。
果てには呪術師から、原因は”魔女”で村から直ちに追い出せと言われて実際に追い出してしまう。しかしビランは、"魔女"に助けを求め、彼女は隣の村の治療師を連れてくるのだった。結果的にノポコは治療師の薬で治るわけだけど、その後”魔女”自身が倒れてしまう。村人からすれば厄介者の死だけど、ビランからすれば非常に大きな喪失だろう。そして本作で最も興味深いのは、その後に明かされる、老婆が"魔女"と呼ばれる理由。これが非常にあっけないのだ。「それだけ?」という理由で彼女は生まれてからずっと虐げられてきた。そんな彼女の生涯は辛かっただろうし、だからこそ余計にビランの存在は大きかったのかもしれない。それはビランにとっても同じで、そんな些細な理由で大の大人たちが老婆を忌み嫌い、亡くなっても何もなかったかのように生活するのだ。それでもその後走りだすビランとノポコの姿からは明るさ希望が感じられて、この子たちは偏見もなく生きていけるのではないかと感じた。印象に残ったシーン:ビランが老婆に助けを求めるシーン。
2.【TSUTAYAにあったブルキナファソ映画】アフリカ映画強化年の今年は、東奔西走してアフリカ映画を観漁った。先日TSUTAYA渋谷店になんとブルキナファソ映画、それも巨匠イドリッサ・ウエドラオゴの作品があったので借りてきた。しかも、本作は東京国際映画祭で最高賞を撮った作品である。『ヤーバ』とはモシ語で「おばあちゃん」と言う意味。魔女扱いされ、村から追放『マッド・マックス:怒りのデス・ロード』のバイクBBAさながら放浪している婆ちゃんと村の少年との友情を描いた話だ。ウエドラオゴ監督お得意のイヤーな村社会描写。お互いが監視しあって、風紀を少しでも乱そうものならチクチク小言を言う演出がいやらしい。そして、まさに小津安二郎の『生まれてはみたけれど』に近い、少年の目から見た大人社会の理不尽さここにはあった。本作を観ると日本から遥かかなたのブルキナファソでも、ツンデレ女子はいるし、村社会の様子は変わらないことがよく分かる。貴重な体験をしました。VHS再生機お持ちの方は是非挑戦あれ!
3.当時アフリカの映画はそれほどなくて、ましてやブルキナファソなんて?そりゃどこだ?ってなくらいの知識しかありませんでした。でも特別ブルキナファソに詳しくなった記憶はない。
原題/別名:DELICATESSEN
上映日 | 1991年12月21日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 100分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ |
脚本 | ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ、ジル・アドリアン |
あらすじ
『アメリ』のジャン・ピエール・ジュネの監督デビュー作(マルク・キャロとの共同)。核戦争後にパリに一軒だけ建つ精肉店を舞台に、職を求めてやってきた青年が巻き込まれる騒動を描くブラック・コメディ。
出演者
ドミニク・ピノン、マリー=ロール・ドゥーニャ、ジャン=クロード・ドレフュス、カリン・ヴィアール、ティッキー・オルガド、アン=マリー・ピサニ、エディス・カー、チック・オルテガ
感想・評価
1.あらすじだけ見ると残酷でサイコホラーぽいけど、まさかのブラックユーモア効いたシュールでポップな下品さに笑ってしまう。展開もちゃんとあってのぺっとしてないのでコメディ感覚でサクッと見れちゃう。
2.ミッシミッシミッシ×2すごいアパート画も演出もキャラクターも楽しい娘かわいい
3.「核戦争後、食糧危機に陥った街」っていう設定。そこだけ聞くとすっごくSFなのに、それを全く感じさせない。独特の演出と奇妙なテンポに虜にされた直接的に表現したら残酷でグロテスクなはずなのに、それがこんなに面白い映像になってしまうなんて。ベッドの上でギコギコ弾むシーンがシュールすぎて最高。さすがシュールレアリスム発祥の国。所々入ってくるお洒落な映像がフランスだなぁ〜って感じ
4.オレンジっぽい色味が独特でお洒落コメディなのかホラーなのかロマンスなのかわからないとこもあったけど面白い!!
5.こっちを先に観てからアメリを観るときっと見え方が変わってくる。
原題/別名:The Usual Suspects
上映日 | 1996年04月13日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 105分 |
ジャンル | サスペンス、クライム |
スコア | 4.0 |
監督 | ブライアン・シンガー |
脚本 | クリストファー・マッカリー |
あらすじ
アカデミー賞オリジナル脚本賞をはじめ、数々の映画賞を受賞したクライム・ミステリー。アメリカ西海岸の埠頭で起きた大量のコカインと9100万ドルが消えた密輸船爆破事件が、生存者であるキントの回想によって綴られる。
出演者
スティーヴン・ボールドウィン、ガブリエル・バーン、チャズ・パルミンテリ、ケヴィン・ポラック、ピート・ポスルスウェイト、ケヴィン・スペイシー、スージー・エイミス、ジャンカルロ・エスポジート、ベニチオ・デル・トロ、ダン・ヘダヤ、ピーター・グリーン、クリスティーン・エスタブルック、ジャック・シアラー
感想・評価
1.名作の理由がわかった!最後おもしろさがわかった!何回か見たらもっとわかってくるのかなぁ?
2.最後に明かされるシーンで2度驚いた。もう一度見たら伏線をもっと見付けられそう。
3.何度も見てるから分かりきっているけど、ラストは何度見ても痺れる。カイザーソゼが、映画史に残る悪役となった瞬間。まだ見た事ない人が、羨ましい。頭真っ白のまま、あの展開を見て欲しい。お見事です。
4.面通しシーンが最高に好き。NGテイクを結局使ったと知ってなんだか納得。ケヴィン・スペイシー好きよ。
5.今月中にキャンセルされるというので、急いで視聴。ずっと見たかった作品。前半は設定に追いつくのがやっとで、何が面白いのか全く分からず。これは昔の制作だから、こんなもの??後半になって、カイザーソゼの存在が物語が焦点となってから怒涛の展開。なるほど、これもう一回見たら伏線があちこちに散りばめられてるはず。自分の浅はかな見方に猛省した、さすが名品。
原題/別名:我楽
製作国 | 中国、香港 |
上映時間 | 93分 |
スコア | 3.7 |
監督 | ニン・イン |
脚本 | ニン・イン、ニン・タイ |
出演者
ホワン・ツォンルオ、ハー・ミン、ホワン・ウェンチェ、ヤン・ヨウタン
感想・評価
1.高齢者がいがみあうだけの映画なのだが、どのへんが好日なのかよくわからない
2.定年後のおじいちゃん達が第二の人生を謳歌する様を活写。年齢を感じさせないバイタリティー。彼等の中心にはいつだって「京劇」があり、それが心身の栄養剤となっている。これをヴェーラ皆勤賞常連に置き換えて観るとめちゃくちゃ面白くてツボってしまった。10時から階段に並んじゃう元気を分けてくだせえ
原題/別名:SURAT UNTUK BIDADARI
製作国 | インドネシア |
上映時間 | 118分 |
スコア | 3.3 |
監督 | ガリン・ヌグロホ |
出演者
ウィンディ、ヌルル・アリフィン、アディ・クルディ、ファード・イドリス
感想・評価
1.クダ・リアの悪行に、わたしは何度拳を握ったか…それでも裁かれる事なく生きて、ルワの言動には裁きが訪れるなんて、おかしい!だけど、そのルワの言動は面白くて、これは母です、これは父です、という教科書に載っている絵を見て、これは母でも父でもない!と腹を立てて、実際に写真を撮って貼ったりと、色々笑わせてくれる。笑いが救いだなと思った!
2.たいへんな暑苦しさ。面白い。クストリッツァのことを考えた。あと『七人の侍』っぽさ。馬がドカドカ走り、濁った水しぶきがザバザバ〜。
3.陽光バックのロングショット、散りばめられた原色、子供や爺ちゃん達の活況といったアラヴィンダン風モチーフ、これらと土着信仰に基づいた祭祀風景の相乗効果が視覚的欲求を満たしてくれはするんだけど冗長さは否めない。序盤のシークエンスのぶつ切り感と終盤のやっつけ感もストレス。(闖入者としてアメリカを名指しした)外部からの文化が引き金となって紛争に発展する眼光の鋭さはさすが【インドネシア&タイ 映画におけるフォークロアとファンタジー】
ホットトピックス
Copyright © 2024 entametalk.jp All Rights Reserved.
エンタメTALKはアダルトコンテンツを含みますので、18歳未満の方の閲覧を固くお断りいたします。