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カンヌ国際映画祭 パルム・ドール 受賞作品。これまでにジュリア・デュクルノー監督のTitane(原題)や、パク・ソジュンが出演するパラサイト 半地下の家族、万引き家族などが受賞しています。
原題/別名:DAS WEISSE BAND - EINE DEUTSCHE KINDERGESCHICHTE
製作国 | ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア |
上映時間 | 144分 |
ジャンル | サスペンス |
スコア | 3.6 |
監督 | ミヒャエル・ハネケ |
脚本 | ミヒャエル・ハネケ |
出演者
クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール、フィオン・ムーテルト、ミヒャエル・クランツ、ブルクハルト・クラウスナー、ライナー・ボック、スザンヌ・ロタール、ウルシーナ・ラルディ、シュテッフィ・クーネルト、ヨーゼフ・ビアビヒラー、ブランコ・サマロフスキー
感想・評価
1.【第62回カンヌ映画祭 パルムドール】『ピアニスト』『愛、アムール』のミヒャエル・ハネケが手がけた厭ミス。第82回アカデミー賞では撮影賞と外国語映画賞にノミネートされた他、ヨーロッパ映画賞なども制している。本当に厭ミスとしか言いようがない。淡々と嫌なことが積み重なっていく。まあ一連の事件の犯人は想像がつくのだが、子供も大人も本当に嫌だ。唯一笑顔をみせるのは語り部の教師と恋人となる男爵家の乳母のみ。まるで感情を失ったかのように生気のない人々が描かれる。うーん、まだハネケ作品は『愛、アムール』しか観ていないが、ちょっと苦手かもしれない。なんていうか、作り込み過ぎている気がする。もちろん完成度は高いしパルムドールも納得なんだけど、好きな嫌さじゃない。ラース・フォン・トリアーの嫌さじゃない。
2.無垢で居続けるために白いリボンを着けさせていた牧師。男爵の家の中でさえも、飛び回るハエ。子どもには善良で無垢でいてほしい(あるはずだ)というのは当たり前なのだが、「炎628」でもありました「全ては子供からはじまる」ということですか。でもその子どもは大人をみて成長しているのだよ。なんて言うものの、よくわからんわ!いつの時代でも、どこの場所でも起こっていることだと思う。白いリボンはお守りにもなんにもならない!
3.眠いねー。でも流石ハネケ監督、胸糞はちゃんと悪くて好き。抑圧とそれによる暴走によって崩壊していく村。権力者が弱者を支配するというナチスドイツを表してるのかな。白黒の映像がすごく雰囲気と合ってる。
4.パルムドール獲ったわりには、思ったより他の幾つかのハネケ作品の、静かなる気迫というものが感じられなかった。おそらくストーリーが、村の因習というハネケでなくても撮れ得たかもしれない内容だからというのもあると思う。いやそれでも間違いなくハネケ映画になっているのは流石なんですが...なんだかイマイチパッとしないなという感じはする(そもそもハネケ映画のレベルが高いんで、これでも個人評価は4越え)。監督が監督なので話がどう転んで幕を閉じるかは完全に分かっていたので、あのラストではなく... 原因はなんなんだろう。また見てみる。ぼくは本作を『集団・偽りなき者』と呼ぶ。#要再鑑賞映画
5.ハンナアーレントの凡庸な悪を想起した語り部が教師なのは、こうした凡庸な悪を冷静に捉え変えられるのは教育というハネケのメッセージなのか雛から育てた鳥が殺されて野生の鳥をその代わりにされる一連、解釈の余地があってよかった
原題/別名:THE SQUARE
上映日 | 2018年04月28日 |
製作国 | フランス、ドイツ、スウェーデン、デンマーク |
上映時間 | 151分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | リューベン・オストルンド |
脚本 | リューベン・オストルンド |
あらすじ
周囲から信頼と尊敬を集める有名美術館の名キュレーターが発表した美術作品「ザ・スクエア」が、世間に思わぬ反響を生み、とんでもない大騒動へと発展していく、皮肉な運命の悲喜劇。主演は本作でブレイクを果たし、ヒット作『ドラゴン・タトゥーの女』の続編に出演決定したクレス・バング。共演にHuluのドラマシリーズ「侍女の物語」でエミー賞、ゴールデン・グローブ賞などを続々受賞、スターの階段を駆け上がるエリザベス・モス、『シカゴ』などの演技派ドミニク・ウェスト、『猿の惑星』のテリー・ノタリーらが脇を固めている。あなたの<心>が試される!?先の読めない展開と思わずゾクッとさせられるシニカルな笑い満載の傑作ヒューマンドラマ!
出演者
クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリー、リンダ・アンボリ、クストファー・レス、Annica Liljeblad、Emelie Beckius、Sarah Giercksky、Jan Lindwall
感想・評価
1.「フレンチアルプスで起きたこと」に続く底意地の悪い"厭"ムービー。ザ・スクエアの胡散臭いコンセプトと現実の路上生活者の対比とか説教臭い風刺の連続で食傷気味になったけど、モンキーマンのシーンはトラウマ級にゾクゾクした。あの地獄の空気感、俯いて硬直するしかない観客達の情けない姿を「これはお前の姿だろ」と視聴者に突きつける意地の悪さ、よくここまで厭な演出思いつくなぁ…
2.世界を意地悪に見ている人がニヤニヤつくってるんだろうっていう面白さ、前半。だんだんおや?不穏、というか心臓ゾワゾワする感じ。この映画自体が現代美術っぽいよねぇーと思った、知らんけど。モンキーのシーンの緊張感凄し
3.現代アート美術館のキュレーター、クリスティアン。彼は『ザ・スクエア』という、地面に正方形が描かれただけのアート作品を提案する。このアート作品への関心を集めるため、美術館は過激な宣伝動画を制作し、ネット上に公開するが…一方で、クリスティアンは人助けをしたことで財布と携帯を盗まれる。これ対して彼がとった行動が、新たな問題へと繋がり…かなり挑戦的な映画のため、好みは分かれそう。「信じていた正義が崩壊する」というテーマが好きな捻くれ者なので、個人的には結構好きな映画だった。2時間半ずっとイライラさせられる。女性記者にしろ猿男にしろ泥棒扱いされた少年にしろ、とにかくしつこい。でも、思いやりというのはそういうしつこさだったりして。『ザ・スクエア』は信頼と思いやりの聖域、この中では誰もが平等に扱われる。
平等!平等!と言いつつも、決められた正方形の中から逸脱する者があると、途端に排除を始める社会。場違いな者は笑われ、均衡を崩す者は攻撃される。そして、過ちに対する言い訳と責任転嫁。自分は型にハマっている、おかしいのはアイツらだと。四角の中に収まりきれない者のHELPの声に耳を傾けるべきなのか。通行人にとって、道に座り込む物乞いの人たちは、『ザ・スクエア』の中でバラバラになる少女と同じく、見せ物でしかない。しかし、手を差し伸べれば、クリスティアンのようにスリに合うかもしれない。中身を見ることの出来ない他人を信用するのはなかなか難しい。北欧は福祉事業が進んでいる(正しい)という認識だったが、それ故に生じる矛盾に気付かされた。美術館があそこまで社会において影響力を持っていることも驚き。猿男の件をはじめ、人との関わりを考え直せる、ある意味での日常を描いたシュールな描写の数々には色々な解釈ができると思う。アートを介したブラックコメディ。賛否はあるだろうけど、是非観て欲しい。
4.思いやりの聖域というタイトルに対して、表現されていく不快な出来事の数々本人の預かり知らぬところで物事が進む不気味さはある種のホラーしっかりと謝罪をしようとした矢先のあの結末がなんとも言えない感情になる
5.さまざまな問題を提起して理想を語るのは簡単、実践するのは難しい。。
原題/別名:Elephant
上映日 | 2004年03月27日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 81分 |
ジャンル | ドラマ、スリラー |
スコア | 3.7 |
監督 | ガス・ヴァン・サント |
脚本 | ガス・ヴァン・サント |
出演者
アレックス・フロスト、エリック・デューレン、ジョン・ロビンソン、イライアス・マッコネル、ジョーダン・テイラー、キャリー・フィンクリー、Kristen Hicks、ネイサン・タイソン、ティモシー・ボトムズ、マット・マロイ
感想・評価
1.映像の魅せ方が斬新ジャケに惹かれて観るとおもてたんとちゃうってなると思う
2.絶句してしまう。霧島部活やめるってよ、に似てると言えなくもない。なんでエリーゼのためになのか??ベートーヴェンが難聴だから? 子供の声を聞かない大人とか、周囲の悪口を聞かなくて済むとか、いろいろテーマがあるのかな?
3.映画として楽しめたかと言われればNO。マイケルムーアのボーリングフォーコロンバインとは全く違った切り口で、ドキュメンタリーでもない、サスペンスでもヒューマンドラマでもない、独特の作品になっている。至高の映像作品であることは間違いない。
4.普通の1日が一瞬でぐちゃぐちゃになったカメラワークがすごい
5.1999年にコロラドで起きた「コロンバイン高校銃乱射事件」の映画化。2人の高校生が銃を乱射し、24名を負傷させ、12名の生徒と1名の教師を射殺して、自殺した事件。2003年のカンヌ最高賞のパルム・ドールと監督賞を同時受賞している。撮影が凝っていて画面がメチャクチャ美しいし、主演級の生徒たちも美男美女たち。彼らが皆、プロではなくオーディションで募集したホンモノの高校生であることはリアルだし、台詞もアドリブが多いという。ただし、犯行時にずっとピントが犯人生徒たちの顔に合っていて、あえて美しい映像だけ見せて事件の残酷さにピントを合わせないというのがリアルなのかは分からない。少なくとも彼らが見ていた惨劇は見られない。イジメにあって怨みを抱いたふつうの生徒たちが簡単に宅配で銃器を手に入れられるために起こる悲劇。すべての問題はそこにあると思える。日本でもこんなに簡単に銃が買えれば起こることだろう。ナイフで殺すのとは簡単さが違い過ぎる。
原題/別名:Titane
製作国 | フランス、ベルギー |
上映時間 | 108分 |
ジャンル | スリラー |
スコア | 3.6 |
監督 | ジュリア・デュクルノー |
脚本 | ジュリア・デュクルノー |
出演者
ギャランス・マリリアー、ヴァンサン・ランドン、ナタリー・ボイヤー、ドミニク・フロ、ミリエム・アケディウ、Théo Hellermann、Agathe Rousselle
感想・評価
1.何を見せられているんだろう…と終始。RAWの役者の名前が3人とも一緒だから何か関係あるのかな?とおもったけど、なさそう??
2.めっちゃシュールなコメディ映画。前半と後半で構図が入れ替わるのだが後半が特に笑えて面白い。前半は少し大袈裟と言うかあの殺しの一連のシーンが映画になにを与えてるのかよく分からなかった。ヒロインのキャラクター像構築や後半へのギャップを際立たせるぐらいしか深みを与えられていないような。後半出てくるステロイド親父とチタン人間と化したヒロインとの擬似親子愛などの愛憎劇はセクシュアリティを超えたものを見せていてここは中々面白い。結局最後出産してああなってしまうのもチタン人間になっても女という性からは逃れられないよという皮肉なのか?RAWをあんま覚えてないからこの監督の特性を忘れてしまったがYouTubeで彼女の動画を色々漁ったらホラーやバイオレンスが好きだそうで(日本のバトロワとかも好きらしい)この作品にもそういった一面は確かに垣間見れる。ただ今作が単なるゲテモノ映画の域を超えてるようには思えなかったなあ。女らしさとはなにか男らしさとはなにかそんな揶揄がそこら中に散りばめられていて昨今映画のテーマになる事の多い有害な男らしさを逆手に取ってたのは好きだった。トランスヒューマニズムを描いてたのも興味深い。ただ監督のオナニーが行きすぎてる感じは否めないし暴力や生と死などをこうやって表現すれば高く評価されるみたいな風潮は変だと思う。でもとりあえず主演女優の人は本当に頑張ったわ。
3.She’s not thereのニードルドロップが完璧なんだ…そこはかとないトワイライトブレイキングドーンパート1み
4.パルムドールできになっていたやつ!めちゃくちゃバーグのクラッシュ最近みたからなんか嬉しい!!!RAWの監督なんだね!ピアノレッスン以来の女性監督受賞でこのホラー変態系ってのが堪らん!スパイクリーの審査のコメントもうけたし、監督がなにより自分みたいなモンスターを受けいてれくれてとか色々謙虚ですき!!!幼い頃の事故で頭にチタン埋め込まれ色々あった女性が車とSEXして子供できる。人殺しまくったり色々ぶっとんでるつ。最近みたケネスアンガーの短編でも車と性みたいなのがあってなんか感じるよね。性まではいかなくても車好きの人って大事に丁寧に撫でるように車扱ってるよね。もう車がどっかんどっかん破裂しそうな溜まりまくりの勢いでSEXしててわろた。あれ人間だったら相当よ?笑主役の女の子の終始いかつい表情に体当たりな演技すご!!胸にさらしなんて金八の上戸彩以来。後、鼻のあれ痛そうなのと終始色々乳首痛そう....ひゃ!なる。とにかくさくさくっとあの髪まとめるやつでサクッとヤルのいいよね笑!あれ使える!笑口に椅子ぶっさして、そのまま座るの最高にクールです。あの主役の人の車としてるかのような最初のショーが一番セクシーだった。
5.あー!!!めちゃくちゃどちゃくそ変な映画だった!!!痛そうなシーンが乱発するので、ヒー!ってなってたけど、こちらの観客の皆様は途中からヒー!通り越して笑ってて、私もつられて笑ってましたアヒャヒャしかし、なんだか捻れたプロットで、あれ、このままどこに行っちゃうの???って先の見えなさが良かった。監督のプレレコーディングQA付きで観ましたが、言ってたのが「彼女は頭にチタニウムを入れている。それはどこか人間としての感情を失っていることを示します」「チタニウムは炎に溶ける。ある種、彼女にとってのヴァンサン・ランドン(役名忘れた/ファイヤーファイター役)との出会いは、その非人間性を溶かしていくものともいえます」「Rawのプロモーションで2年ぐらいかかってとてもじゃないけど、新作を作れる体力がなかった」「本作の一稿をあげたときには200頁ぐらいあった。unreadableなものだった」「彼女は車と踊っている。on the carでもなくaround the carでもなくwithなのです」「キャラクターに共感してほしいとは1つも思ってなくて、でも聞いてとても嬉しかったのは、ある映画祭で“ラストに自然と涙が出ました。でもその理由は分かりません”と言ってきてくれた人が居て、それを聞いて私はある種、ミッションコンプリート(この映画を作った目的を果たした)と思ったんですね。それは、キャラクターではなく、ヒューマニティーそのものに訴えることが出来たと思ったのです」色々言ってたけど後は忘れたぜ!
原題/別名:LA STANZA DEL FIGLIO
製作国 | イタリア |
上映時間 | 99分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | ナンニ・モレッティ |
脚本 | ハイドラン・シュリーフ |
出演者
ナンニ・モレッティ、ラウラ・モランテ、ジャスミン・トリンカ、ジュゼッペ・サンフェリーチェ、シルヴィオ・オルランド、クラウディア・デラ・セタ、ステファノ・アコルシ、ソフィア・ヴィジリア
感想・評価
1.テーマからしてもっと深刻な展開を予想していましたが、静かな作りなのに全く退屈せずに見ることが出来ました。本当に良くできた映画だと思います。交通事故のように第三者に責任を転嫁できる事故ではないという 設定、現実であればもっと深刻な感情におそわれているであろう父親の感情表現がとても控えめであったことなどが特によかったと思います。それにしても、若くして事故でなくなるお子さんって、現実でも(私の知る限りですが)この映画の息子のように、純粋でだれからも愛されて影の薄いタイプの人が多いような気がして、つらい物があります。
2.【第54回カンヌ映画祭 パルムドール】パルムドールにしてはクセがないというかインパクトがないというか…ナンニ・モレッティが監督・主演しているが、あんまりやる気のない精神科医という役には合ってるのかな。滞りなく話を進める手腕は評価したいけど、独自の何かがあるかというと微妙。息子の喪失というテーマに対して深刻すぎず見やすいというのはあるし、イタリアっぽい性に関するユーモアがあったり、終盤のロードムービー的な展開はなかなかよかったが、後に残る何かがあるかというと特にないかな。この年は日本からコンペに3人(是枝裕和『ディスタンス』、今村昌平『赤い橋の下のぬるい水』、青山真治『月の砂漠』)も入った年でもあるがいずれも無冠。
3.#息子の部屋なぜだかこのジャケットに惹かれて、レンタルショップをあたるも、どこにもなく、U-NEXTで鑑賞!息子の死で生まれる悲壮感に対してただただお涙頂戴ではなく、静かに"何か"を心に訴えてくる不思議な愛のある映画だった。ラストBy This River って曲。なんか沁みた..?
4.ずっと気になってた作品で、この作品をレンタル店で見かけるたびにドラクエ6の空飛ぶベッドのあの少年のことを連想してた。空飛ぶベッドは当然出てこないけど良い作品だった。
5.前半の みんなで歌っちゃうようなほのぼの明るく健やかな家族を延々観ていたかった。好きなファンタジー世界という意味で。でも突然の不幸はファンタジー世界に鎌を振るい残酷なリアル世界に引き戻すの。息子さんの茶目っ気ある部屋の写真にファンタジーの残滓をみつけてホワワーンとなり、初めて哀しみが訪れた。
原題/別名:Amour
上映日 | 2013年03月09日 |
製作国 | フランス、ドイツ、オーストリア |
上映時間 | 127分 |
ジャンル | 恋愛 |
スコア | 3.9 |
監督 | ミヒャエル・ハネケ |
脚本 | ミヒャエル・ハネケ |
出演者
ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、イザベル・ユペール、アレクサンドル・タロー、ウィリアム・シメル、ラモン・アギーレ、リタ・ブランコ、カロル・フランク、ディナーラ・ドルカーロワ、ローラン・カペリュート
感想・評価
1.冒頭を見返したくなる映画は良い映画だと勝手に自論がある。はぁ…後半はいつこの辛さは終わるんだろうと見てるのを辞めたくなるぐらい辛かった。愛があるからこそ、心の辛さがきっとある。「もし立場が逆だったら?」と夫は妻に対して言う。きっと、逆でも同じことをしていただろう。最初はお互いが辛いという状況だったが、段々旦那さん側が辛さで取り残されて可哀想だった。ここまで、支えてきたのは愛があったからで、あの決断は間違ってなかったと思う。しんどかった。。。。が、良かった。ミヒャエル・ハケネは、場の空気をこっちに伝えるのが上手すぎる。あの残像が、空気感をこちらに伝える。凄かった。だからこそ辛かった。もう、観たくはないが。認知症になったら、安楽死させてくれる制度が欲しい。どの立場になってもこんな状況は嫌だ…
2.愛とは何か?ではなくて、何を愛とするか?でもないかもしれん。エゴ自体は愛じゃない気がするけど、エゴを伴わないものを愛と呼べるのかはよくわからん。そもそも理知的な分析に耐え得るものではない気もする。
3.老々介護の日々、夫婦の愛を淡々と描いた作品。ずっと2人の生活を見ていくから辛さがじわじわと伝わってきて終盤は何気ない動作を写しただけのシーンに涙が止まらなくなる。施設に入れるくらいの金銭的余裕があって、頼ろうと思えば頼れる娘夫婦がいても2人で最後まで生きると選択すること。尊厳を守ること。究極の愛を見た気分。極限の状況や愛を前にすると倫理の存在感は薄れるし、死は救いにもなり得ると思った。花を切る。鳩を捕まえる。#MyThing
4.胸がザワザワ…。「ファーザー」を見たときに陥ったような、現実か幻想か分からない描写がより不安を掻き立てる。あれはどういうことだったんだろう、っていうシーンがいくつかあったので見終わってからも頭がぐるぐるしています。(あれ…これはハネケ監督の罠にハマったのか…)
5.相手を尊重して、敬意を払って、愛を持った結果、自分が決断せんとあかんって、そんなん無理よ。
原題/別名:ENTRE LES MURS
製作国 | フランス |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.4 |
監督 | ローラン・カンテ |
脚本 | ローラン・カンテ、フランソワ・ベゴドー、ロバン・カンピヨ |
出演者
フランソワ・ベゴドー
感想・評価
1.日本の淡々とした授業に慣れている俺には、もう恐ろしくって...?
2.まるで自分も生徒になった感覚で観ていた。「自分は何者か?」「なぜそう思うか?」と掘り下げていく授業は哲学的で好きだし、日本もそうあるべき。生徒たちは確かに度が過ぎている部分もあるが、それを監視し抑え込もうとするのは逆効果。ポイント制などは教師が楽するためのものだし、教育のあるべき姿ではないと思う。…教師の苦労は計り知れず理想論を語るのは簡単だろうが。
3.大学の教職授業で鑑賞。これ見ると、教師になりたくないと思ってしまう
4.アンリ マルセイユ カリブ出身と名乗るな 自己紹介 ドログバ アフリカ杯 ディスカッション ゲーム好き コーヒーメーカー 妊娠 カリブ出身だと名乗るな 中国人違法滞在 募金 国語教師 スレイマン退学 マリに帰国? 娼婦が読む本じゃないですね ジダン コートジボワールのドログバ
5.多様であるが故に様々な困難も抱えたフランスのとある教室を、記録映画風なリアルさで撮った快作。ガチでフランスの学校にいるような感覚にも陥ったこの作品は、ドグマ95的な撮り方が最も効果的に働いた映画だったようにも思える。
原題/別名:FAHRENHEIT 9/11
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 112分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.4 |
監督 | マイケル・ムーア |
脚本 | マイケル・ムーア |
出演者
マイケル・ムーア、ジョージ・W・ブッシュ
感想・評価
1.読んでいた前評判があまり良くなかったし、『ボーリング・フォー・コロンバイン』には「だかならなんなの」としか思えなかったクチでしたので、期待していなかったのですが、少々くどいところはあるとはいえそんな悪くはなかった。なによりムーアが本来訴えかけるはずであった対象の人々には見事に訴える力のある映画だと思って感心しました。もともとプロパガンダ映画なんだからあざといのは織り込み済み。それにしても、この映画にでてきたイラクで死亡した若者の母親の様な人たちの思惑で世界が動かされている部分があると思うと暗澹たる気分になりますが。
2.なんで当時劇場で観たんだろうか(夜だったからかちょっと眠かったわね)・こういう見方もある、というひとつの主張としてのジャーナリズム。・なんにせよ意見は多方面から聞くのが大事よね
3.#1521 『華氏911』※再鑑賞この作品が全て正しいことを描いているかはわからない。なぜなら、超悪意のある構成でブッシュをとことん悪者にしているから。(選挙の不正からサウジと仲良し...)戦場から帰ってこなかった家族にインタビューとかしているけど、それをみせちゃうと、戦争=全てがそうなってしまう。(それはそれでそうなんだけどね)ムーアの作家性を垣間見ることができる作品ではありました。素晴らしいジャーナリストであることに間違いはない。
4.BGMの雰囲気ポップであって無さすぎて笑った。知識無さすぎてあんま理解できないけど、くだらない政治で人の生死が決まってくことを伝えたいんだなって感じ。ただ、戦争のシーンは残酷すぎて見るに耐えない、2日くらいずっと暗い気持ちになってた。無知と貧困の上に戦争が成り立ってるみたいな言葉はおぉって思った。
5.トランプ観てからこちらも鑑賞しました。面白かったです。でも全てを鵜呑みにしてはいけない。
原題/別名:I, Daniel Blake
上映日 | 2017年03月18日 |
製作国 | ベルギー、イギリス、フランス |
上映時間 | 100分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 4.0 |
監督 | ケン・ローチ |
脚本 | ポール・ラヴァーティ |
あらすじ
イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするダニエルだったが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子供の家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいなかでも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。
出演者
デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ブリアナ・シャン、ケイト・ラッター、シャロン・パーシー、ケマ・シカウズウェ
感想・評価
1.《尊厳を失ったら、終わりだ》こころ揺さぶられるほど感動させられる映画のひとつ「わたしは、ダニエル・ブレイク」(2016年/イギリス・フランス・ベルギー)。“弱いものに寄り添う優しさ”に胸が熱くなるとともにその大切さを痛感させられる。いかに、人に寄り添うことができるか。※ケン・ローチ監督は、この作品に込めたメッセージに賛同し、チーム「ダニエル・ブレイク」は、映画の上映権を保有する30年間の間、本作品によりもたらされるすべての収益の一部から、貧困に苦しむ人々を援助する団体を助成することを目的とした「ダニエル・ブレイク基金」を設立
2.私は人間であって犬ではない実際こういう問題って日本でもありそうだよなぁ映画とは関係ないがレジで小銭をいっぱい出してる老人を見ると、ダニエル・ブレイクを思い出す別に急げとは思わないが大変そうだなぁと映画はとても良かったです
3.労働者階級の人々の日々の営みを、誇張するでもなく描写。皮肉とユーモアを込めたコメディ調で、カラッとしていて非常に見やすい。明るい昼間のシーンが多いのもその一因かな。生活の描写って意味では「ノマドランド」を想起したりもしたけど、情緒的だったり美しいものを映し出そうとしたりはまったくしない。それが日常だから、感情のアップダウンもないし絶望もしない。そこがリアルだと思う。格好つけていないというか、フワッとした情緒に流さない明確な問題意識がある。序盤から中盤は、"賢いものだけが勝者の時代"ってのをコメディタッチで描写。話が進むに従い、それにとどまらないレベルの"社会の歪み"が顕在化してくる。冗談のような現実。いまの日本と重なるところを随所に感じた。。にしても"お役所仕事"ってどこの世界でもあるんだな。。ただ、彼らも彼らであの振る舞いが組織(行政)から求められているわけで、「お人好しが損をする」って構造自体が問題なんだよな。。福祉サービスを受けにきて「サンクション」ってのもすごい話。サービスを受ける立場を知らない人が自分たちの利益のために制度を作ると、こういう不条理極まりない冗談みたいな現実が生まれちゃう。そして、生活のために不正義を働いたり身体を売らざるを得なくなったり。。ただ、利他性への希望の光も映しているのが今作。各所での「困ってるなら言ってくれ」という声がけ。これがフィクショナルに思えなくなる社会ならば良いんだけどね。。。
4.2022.01.09人が人であるべき姿を提唱してくれてありがとう。
5.色んな感情が溢れ出てしまってレビューが書けなかった?腹立たしい場面が多くて。私も役所や税務署で腹立たしい対応を何度も受けた経験があるので、ついつい熱くなってしまった?この作品はそこに強く焦点を当てたものではなかったけど、見ていて当時の感情が湧いて出た。意外と若者や子供の方が親切で優しい✨コレって本当だよね〜自然とスマートな親切に言葉や行動に出る優しさが嬉しい。またダニエル自身も諦めず正当に手続きを努力している?そこが素晴らしい✨なんだろうこの感情。うん、でもみんなに見て欲しい作品?
原題/別名:La vie d'Adèle/Blue is the Warmest Color
上映日 | 2014年04月05日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 179分 |
ジャンル | ドラマ、恋愛 |
スコア | 3.8 |
監督 | アブデラティフ・ケシシュ |
脚本 | ガーリア・ラクロワ、アブデラティフ・ケシシュ |
あらすじ
運命の相手は、ひと目でわかる──それは本当だった。高校生のアデルは、道ですれ違ったブルーの髪の女に、一瞬で心を奪われる。夢に見るほど彼女を追い求めていたその時、偶然バーでの再会を果たす。彼女の名はエマ、画家を志す美学生。アデルはエマのミステリアスな雰囲気と、豊かな知性と感性に魅了される。やがて初めて知った愛の歓びに、身も心も一途にのめり込んで行くアデル。数年後、教師になる夢を叶えたアデルは、画家になったエマのモデルをつとめながら彼女と暮らし、幸せな日々を送っていた。ところが、エマが絵の披露をかねて友人たちを招いたパーティの後、急に彼女の態度が変わってしまう。淋しさに耐えかねたアデルは、愚かな行動に出てしまうのだが──。
出演者
レア・セドゥ、アデル・エグザルコプロス、サリム・ケシュシュ、モナ・ヴァルラヴェン、ジェレミー・ラユルト、アルマ・ホドロフスキー、オーレリアン・ルコワン、カトリーヌ・サレ、ファニー・モラン、バンジャマン・シクスー、サンドール・フンテク
感想・評価
1.2022年 9作目青が熱くもあり切なくもある二面性を表していて、エマにもアデルにも目が離せなかった自分は同性愛者じゃないからわからないと思ってたけれど、わからない人にも作品が寄り添ってきてくれてるような感覚で見ることが出来て3時間という時の長さを感じなかった素晴らしい作品だと思った
2.ブルーが過ぎる寂しさからの過ちって辛いよねわかるわかる
3.アデルの人付き合い苦手そうな表情だったり、食べる時の手や口を汚す感じとか、とても魅力的感情がシンプルに伝わってくる演出とか本当の愛を追い求める姿が情熱的でした最後の服の色が切ないです…
4.エマがとにかく美しいしかっこいいし可愛いし、魅力的過ぎて終始目が離せなかった。日本よりあんなにジェンダーとかの面で進んでるように見えるフランスにおいてさえも、同性愛者は生きにくい世の中なんだなと。あるコミュニティでは主張できても他のコミュニティでは隠さないといけない、生きづらくなるっていうのは、私自身も気付かぬうちにきっとしていて、、にしても隠さない文化だからすごい、映画だから誇張してるにしろ思ってることをそのまま言う文化凄かった、私は生き抜けない笑アデルがずっと焦燥感や孤独感を味わいながら生きていて、それが涙や食欲として映画では描写されていたのがすごくリアルで、勝手に感情移入していちいち辛かっただからこそエマとの日々がより一層幸せだったし、その中での寂しさ故に間違いを犯してしまって、1番大切な人を自分のせいで失ってしまって、その自分のしょうもなさに対する後悔とか、でもしょうがなさとか、その先も彼女なしに生きていかなくてはならないし、そういった「人間」の良いところも情けないところも描いている感じがとても印象的だった。性描写が多くてびっくりしたけど、だからこそ2人の間柄のリアルさとか、日常の幸せとか、別れの重みとかがより感じられたんだろうなと思った喧嘩のシーンと再会のシーンは感情移入させられ過ぎてしんどいくらいだったまた見るだろうな〜、余韻。。
5.「恋は性の垣根を越える。幸せならそれでいい。本物の恋なら」―この台詞に凝縮されてるなと感じた。同性愛を題材にしているけど、普遍的な恋愛を描いていたと思う。一目惚れから始まっても、体の関係から始まっても、それが同性でも異性でも。音楽がなく、単調に進む映像、極限まで見せるベッドシーン、メランコリックな主人公、それに加え民営化反対やレインボープライドのデモ、とことんフランス映画だな~と感じた。監督がどこまでもリアルを追及するらしく、めちゃくちゃハードに行われた撮影らしいけど、本気でぶつかり合うようなベッドシーン、レア・セドゥの身を削るような激昂シーンは、監督のみならず、異例の主演2人にもパルムドール賞が送られたというのも納得せざるを得ない。ハリウッドじゃ出せない、フランス映画ならではのリアリティの追及だと思う。とにかくマニッシュなレア・セドゥがイケメンすぎる。出演者はほとんどノーメイクだったそうで、特に青髪のエマは、真っ白な肌にブルーアイ、コーラルレッドの唇で透明感爆発してた。アデルも魅力的だった。ただ、髪乱れすぎな気が。笑長かったのがちょっときつかった。
原題/別名:Dheepan
上映日 | 2016年02月12日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 115分 |
ジャンル | サスペンス |
スコア | 3.6 |
監督 | ジャック・オーディアール |
脚本 | ジャック・オーディアール |
あらすじ
内戦下のスリランカを逃れ、フランスに入国するため、赤の他人の女と少女とともに“家族”を装う元兵士ディーパン。辛うじて難民審査を通り抜けた3人は、パリ郊外の集合団地の1室に腰を落ち着け、ディーパンは団地の管理人の職を手にする。日の射すうちは外で家族を装い、ひとつ屋根の下では他人に戻る日々。彼らがささやかな幸せに手を伸ばした矢先、新たな暴力が襲いかかる。戦いを捨てたディーパンだった が、愛のため、家族のために再び立ち上がる。
出演者
ヴァンサン・ロティエ、アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサン
感想・評価
1.物語は比較的ゆっくり進むが、終始目が離せない緊張感がある。驚くようなハッピーエンドにあっけにとられたが、他のレビューにあるようにこれを願望と捉えると、監督の意図の鋭さが響く。
2.スリランカからフランスへ亡命し身分を偽って赤の他人である3人が家族を演じていくにつれ次第に情が移っていく様を描いていく映画スリランカに対するインドとごっちゃにしたりフランス人のステレオタイプな差別や兵士として幾千もの戦いを経験し妻と子を亡くしていたディーパンがヤリニにネックレスをプレゼントしようと試みたり恋心や人間性を取り戻していったり描写が丁寧だったパルムドール受賞も納得の作品
3.偽装家族に待ち受けるたくさんの壁。お父さんが無口。フランスの移民問題。前半は淡白ででどうなることやらだっけど後半はそうきたかという展開で面白かった。とても、興味深い映画でした。
4.見ておいた方がいいと思う。社会を知る、世界を知ると言うことは、それはそれで映画のひとつの役割だから。ただ、緊張感のある場面を積み重ねているのに、魂が震える、と言うところまではいかなかった。
5.普段、観光地で物売りをしている彼らの心情を初めて理解した。なんだかショックも大きい。映像も芸術性があって素晴らしかった。暗闇の中でピカピカ光る猫耳。光の中に消えていくチンピラのバイク。故郷の歌で感情を爆発させるディーパン。紛争が与える後遺症。だんだんと本物の家族になっていく姿。難民の子供にも学習のチャンスがあったのは本当に救いよ最後のシーンはラジ・リ監督のレミゼラブルが影響を受けたかもしれないね。
原題/別名:THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
製作国 | イギリス、アイルランド、ドイツ、イタリア、スペイン |
上映時間 | 126分 |
ジャンル: | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | ケン・ローチ |
脚本 | ポール・ラヴァーティ |
出演者
キリアン・マーフィ、ポードリック・ディレーニー、リーアム・カニンガム、オーラ・フィッツジェラルド、メアリー・オリオーダン、メアリー・マーフィ、ローレンス・バリー、ダミアン・カーニー、マイルス・ホーガン、マーティン・ルーシー、ジェラルド・カーニー、ロジャー・アラム、ウィリアム・ルアン
感想・評価
1.この映画、見てどうも引っかかる部分があったのですが、鑑賞後BOWシリーズのリバイバルで『非情城市』を見て、当事者ではない立場で事件を描いている監督の、事件との距離の取り方が全然だめなんだな、ということに思い至りました。あり得る事件の描写と作り手側の価値判断が上手く整理されていないのですね。作り手の視点の入り方に迷いがあるのに描写が平坦なので観客がどう見ていいのか困ってしまう。制作時点では三人称で描くことは難しい素材を早まって十分に脚本を煮詰めないうちに映画化したような印象を受けました。そういうつくりの映画であったとしても、観客が、例えば、イギリスなりアイルランドに住んでいて、この映画で描かれている事件の後に起こったことを学校で習ったり、文学作品やニュースやドラマ等で周知している人ならある程度の感想を持つことは可能なのでしょうけれど、専門家でない限り、イギリス周辺の国に住んでいない観客はこの映画には情緒的な感想しか持ちにくいと思うのですけれど、細部を見ると、その感想とは逆の方向へのプロパガンダ色が強いと思われる作品です。これを映画として国際市場にそのまま出すには作り手の姿勢があまりに不用意な感じがしました。国際市場に出すなら、語り手が顔を出して語るような形を取った方が良かったような気がしましす。欧州の人にとっての世界はヨーロッパ大陸の中だけなのかもしれませんから、これでいいのかも知れませんけど、そういう姿勢は私は好きではありません。
2.1920年からの数年間、イギリスからのアイルランド独立戦争と自治権獲得後の内乱に人生を翻弄されるテッド&ダミアン兄弟を描く。特に弟ダミアンは前途ある医師としてロンドンに赴任予定が現地イギリス軍兵士たちの弾圧や横暴な振舞いに将来を捨てて兄のIRAゲリラ戦に参加する。過酷な拷問にも兄と共に耐え、厳しい訓練を積みテロリストとして兄をも凌ぐ純化された先鋭戦闘員になり英軍の手先の資本家やスパイとなったかつての友を非情に処刑していく所が大きな見所。荒涼とした山岳原野に響く乾いた銃声音。自治権獲得後も徹底抗戦による完全独立で兄との路線対立を生み、兄弟の骨肉を分ける戦いに発展していく…。“北との分離、隷属国の自由への希求” 日本民族にはその経験ないから(支配統治国側)その渇望と心の痛みを真に理解するには距離があり過ぎる。
3.やりきれないアイルランドの歴史ハッピーエンドはない、戦争だものピーキーブラインダーズでおなじみ、スーツにハンチング姿のキリアン氏がみられて嬉しい。でもひたすらに辛い。
4.WS-1ケン・ローチ監督の作品鑑賞は今作で2本目。「暗くてどうにもならなくて鬱になる感じの映画」を聞いておすすめしてもらった作品。その通りで、良い作品であることは間違いないけど、寝る前に観る映画ではなかったなぁと後悔。ただ、日本史とか世界史とか関係なく歴史に疎いので、時代背景をあまり理解出来ていない状態での鑑賞だったので、このあたりを理解して観ればより楽しめる(という表現があっているかは分からないけど)と思う。拷問シーンは生々しく、想像できる痛み、グロは基本的に苦手なので爪とか想像しただけで私の体から力が抜けてしまいそうだった。ラストシーンも、これで終わってほしくない…というところでエンドロールが始まり、ただただ悲しかった。兄弟でも考え方が異なり、対立してしまったりと、時代に左右され生き方も変えざるを得ない状況になってしまうことが辛かった。
5.全編、迫真のドキュメンタリータッチによる映像。互いに憎しみ合う人間の残酷さと愚かさ。ラストは胸糞悪い気分にさせられる。しかし、どうも私はケン・ローチ監督の厳格過ぎる演出スタイルにそこまで共感出来ず、まだハリウッド的なハッピーエンドを求めてしまう辺りはいったい何故なのか?恐らくこの監督が毎回深刻ぶってるだけで映画らしい遊び心が無いから…といった点が最大の要因かも知れない。まあ、好みの問題でしょうけど。この手のアイルランド紛争を描いた映画だったらニール・ジョーダンの『クライング・ゲーム』や『マイケル・コリンズ』の方がずっと面白いと思う。あちらの方が映画的に躍動感があって娯楽性も高いし。同じ題材でも監督によってここまでアプローチが異なるのか…と唖然とする。主演のキリアン・マーフィーが凛々しいアイルランドの青年を好演しておりそこは良かった。彼の演技力によりスコア加点。
上映日 | 2018年06月08日 |
製作国 | 日本 |
上映時間 | 120分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.9 |
監督 | 是枝裕和 |
脚本 | 是枝裕和 |
あらすじ
高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。
出演者
リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
感想・評価
1.家族にとって大切なのは、血の繋がりか一緒にいた時間なのか。あんまり、考えたことないけど家族について自然と考えてしまった。
2.一躍ブームになった万引き家族…基本的に話題の最中に見るのは嫌な私…ようやく先程視聴致しました。う~ん。「家族とは」に関してはめちゃくちゃメッセージ性が強いテーマだと思ったけど…う~ん。それぞれの出会いの部分とか欲しかったけど尺的に無理だったのかな~。安藤サクラの演技が鬼リアルで感動したのはぶっちゃけそこだけ。個人的にはハマらなかった作品だったな…
3.キャストが豪華!松岡茉優ちゃん、この作品で好きになりました。個人的に安藤サクラが大好きで、特に取調室で詰められて感情が溢れて涙流すシーンの演技が引き込まれて泣きました。樹木希林さんは昔からお婆ちゃんの役をやらせたら右に出るものはいないのではないか、と思う。リリー・フランキーも大好きな俳優。どうしようもないダメ人間の役が上手!たぶん良い結末だったと思うけど、家族のそれぞれの気持ちが痛いほど理解できて切ない。一言であらわせない作品。いろんな感情が出てくる。
4.噂通り面白かった。祥太イケメンだな。。個人的には全員の出会いとエピローグがほしい気になって眠れん!
5.安藤サクラの「なんだろうね…」がつらすぎて画面が見えなくなったわよ
原題/別名:L' ENFAN
製作国 | ベルギー、フランス |
上映時間 | 95分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ |
脚本 | ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ |
出演者
ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール、ファブリツィオ・ロンジョーネ、オリヴィエ・グルメ、ステファーヌ・ビソ、ミレーユ・バイィ、アンヌ・ジェラール
感想・評価
1.リアルな演出だけれどある一点が気にかかったため、全くのフィクションとして距離を置いてみるはめに。それは〜新生児があんなに早く首がすわっているなんて、あり得ない・・・というわけで、映画が終わるまで彼女の赤ん坊の抱き方が気になってたまらず、いつか首がかっくんするんじゃないか、あぶなっかしいなあ、とソレばかり注視していました。それとも肥立ちが悪く2ヶ月ぐらい入院していたのかしら。とにかく赤ん坊が大きすぎて興ざめでしたが、これは単なるミスなんでしょうか、それとも意図的演出?(このへんの裏話とか、きっとあるに違いないので是非知りたく思います。)でも、何はともあれ、スピード感のある演出は見事で全く飽きませんでした。
このくらい演出が旨いと多少の欠点はご愛敬といえるかも知れませんが(^^;とは言え、これはいくら強調してもしきれない・・・子供が子供を産んだような状況のこのカップルは勿論のこと、どんな出来た人でも一人目の子供がある程度大きくなるまでは親(あるいは周囲の大人)の助けが必要だというのは当然のこと。にもかかわらずこんな悪条件で自力で大人にならなければならない若者が結構当たり前のようにいる、という先進国の状況はやっぱちょっと歪んでいると言わざるをえません。主演の二人に、「ゆっくり、着実に大人になれば良いんだよ」とエールを送りたくなるような良い映画でした。
2.ダルデンヌ兄弟初鑑賞。途中で「あれ?このあらすじ何故か知ってるぞ」ってなった。だいぶ昔に「後味の悪い話まとめ」って掲示板のレスで見たんだなぁ。まあ、主人公のブルーノは子供以下です。彼女の心情も理解できなかった。
3.大人になりきれないブリュノ20歳と彼との間に産まれた母となったソニア18歳。盗品を売りその日暮らしのブリュノに定職につくよう頼むソニア。そんなソニアの思いを根底から裏切る行為を彼は犯す。子供を躊躇なく売るという恐ろしい事を。これぞクズ男&グス夫。若いとかそういう問題ではない。彼はソニアに「またできるさ」の言葉に愕然とする。こいつはそう言うと予感はしたけど本当に言ったと…。ソニアは特別な贅沢をしたいわけではなく、質素でも彼との安定した生活がしたかっただけなのだろう。ブリュノはひったくりを子分のスティーブとやらかした後、スティーブを見捨てる事なく警察に自主する。彼は刑務所に入り、ソニアと再会し2人は涙する。ソニアは彼を許す事が出来るのか?父親として人間としてあり得ない事をしたブリュノを。まだ若いとは言え人間はそう簡単に変われるものではないと私は思う。もしソニアが彼を許したのであれば、まだ大人になりきれない、子供だからなのか。あのシーンで私はソニアが別れの言葉を告げるのではないかと思っていたが、そのままエンドロールに。ジャン=ピエール&リュック・ダルダンテ監督・脚本作品。
4.子供の様な親。終始自分の事しか考えず生きているダメ親。責任は自分で気付いて持つしかない。ラストシーンに希望を見出したい。
5.最高の喜怒哀は失神しかない。冷たい川に浸かりガタガタ寒さに震える相棒の体を主人公が擦り続ける場面、泣けてしまった。あとさき考えず今を満たせたら良いと考えるのは、子供というより人間の性。
原題/別名:4 LUNI, 3 SAPTAMANI SI 2 ZILE
製作国 | ルーマニア |
上映時間 | 113分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | クリスティアン・ムンジウ |
脚本 | クリスティアン・ムンジウ |
出演者
アナマリア・マリンカ、ローラ・ヴァシリウ、ヴラド・イヴァノフ、アレクサンドル・ポトチェアン、ルミニツァ・ゲオルジウ、アディ・カラウレアヌ
感想・評価
1.想像していた映画と違った。1960年代〜1980年代ルーマニアのチャウシェスクの政権下では経済を良くするためには人口増加が不可欠と考えたチャウシェスクは中絶や避妊までも禁止した。そんな時代のお話。淡々と話は流れていき、正直眠くなる。ツッコミどころは満載。中絶と避妊を禁止した結果の孤児たちについても触れてほしかった。
2.淡々としていたり音楽がないのがまた生々しさを感じる。男女で印象が違うのかもしれないと思った。2021-1013#タイトルに数字のある映画
3.いやあ、これにパルムドール。日本だったらないだろうなあ(笑)終始淡々としていて倫理観の押し付けがまったくナイ。けど伝わる。かなりスキ。
4.生々しい。ただそれだけ。本当に何も起こらない。でも主人公たちにとっては大問題っていうシュールな感じが良き。音楽を使わないで生活音だけを聞かせることでよりシュールにリアルになる。主人公たちがまぁ好きになれない。いるわーこういう子供の考えのまま成長しちゃった人。そういう腹立つ人たちに現実を容赦なく突きつける作品として観ればある意味胸スカ映画でもある。ラストがプツッて急に終わるのも好きすぎる。
5.地獄のような長回しカットチャウシェスク政権、初耳観賞後に調べて気分が落ちるどこか他人事な友人が一番怖い自分なら助けない
原題/別名:Winter Sleep/Kis Uykusu/Sommeil D'hiver
上映日 | 2015年06月27日 |
製作国 | トルコ、フランス、ドイツ |
上映時間 | 196分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | ヌリ・ビルゲ・ジェイラン |
脚本 | エブル・ジェイラン、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン |
あらすじ
カッパドキアに佇むホテル・オセロ。若く美しい妻と、離婚で戻ってきた妹と暮らす元舞台役者のアイドゥン。オーナーとして悠々自適に暮らす毎日だが、冬の訪れによって閉ざされいくホテルの中で、それぞれの内面が次第に明らかになっていく。さらに、アイドゥンへの家賃を滞納する一家との不和が彼を悩ませる。妻と妹、気の置けない友人、そして相容れない隣人との終わりのない会話をつづけながら、アイドゥンは人を赦すこと、愛することの意味と自らの人生に思いを馳せていく。凍てつく大地の雪解けを待ちながら―。
出演者
ハルク・ビルギナー、メリサ・ソゼン、デメット・アクバァ、アイベルク・ペクジャン、セルハット・クルッチ、ネジャト・イスレーシュ
感想・評価
1.週末限定3時間超スペシャル苦手な会話劇でした。しかも長い。それに会話というより口論。よくあれだけ続くものです。ワイならとっくに無言になって、少なくともその後1週間は口利きません。前半戦で活躍した妹ネジラ。こいつは何様? 出戻りで何もせず、カウチでぐーたらしつつ兄(主人公)に喧嘩売る。こんなヤツ叩き出せばいいのに と思いました。(-.-#)妻ニハルの主張もよくわかりません。耐え難いくらい酷い扱いを受けているという主張なのですが、具体的な事例が一切提示されないので不当な言いがかりにしか聞こえません。夫もあそこまで言われて別れないのが不思議です。終盤、勝手に目的外に金銭を使用しようとして手痛い目に遭いました。ここだけは痛快でした。そして主人公アイドゥンの情けないこと。家出オヤジやん。この人は傲慢ということになっているようですが、そんな気がしません。逆にそうとう情けないオヤジだと思いました。特にラストの独白は情けなさ過ぎて聞くに耐えませんでした。
2.人間って誰かと家庭を持つと価値観の近い人で結婚するかもしくは長く付き合ってく中で価値観が似てくるから夫婦でいられると思っていたけど、旦那の価値観の押しつけ、それがもうモラハラがひどくて奥さんを「何もできない人」と見下してる感がやばくてそりゃ離婚切り出されるわと思った。また、モラハラは離婚したくない!と相手の気持ちを尊重できないから意地でも別れようとしないのも特徴なんてツイートがバズってたけどこの映画も結局はそういうことなのではないか。と思った。最初は裕福で、外(貸してる家族とか)にのみ難があって「お金持ちにはお金持ちだからこその悩みや苦痛があるんだな」と思ってみてたけど、これはどんどんこの夫がひどい男すぎると理解する映画だった。そしていつもこの漢字の読み方がわからなくなる
3.なんと196分もあり、場面はほぼ洞窟ホテルの中、ほぼ会話のみで展開するという、ダメな人はダメな映画ですが、飽きずに見られました。これを観て自分は会話劇が好きなんだと発見しました。会話の内容が生々しくて心に痛く刺さります。。主人公と妻と妹が同居してますが、それぞれ癖がある人物で、お互い憎しみと言える感情を持っていて、これは辛いです。
4.????”妖精の煙突”と呼ばれる奇妙な形をした岩が各所にそびえ立つ広大な大地、世界遺産にも登録されている。“美しい馬の地” カッパドキアが舞台3時間16分の???濃厚な会話劇??音楽 = シューベルト・ピアノソナタ第20番第2楽章, アンダンティーノのみで憂鬱と悲哀の雰囲気が, 基調??♪ロシアの文豪アントン・チェーホフの短編小説を発想源としており他にもドストエフスキー、トルストイなど様々なロシア文学が色濃く反映されている主人公の部屋には, 観た人たちに文学的な広がりを与えてくれる作品として、ジャン=ポール・サルトル『嘔吐』アルベール・カミュの戯曲『カリギュラ』のポスターが貼られている。ストーリーが進むにつれて裕福でいくつもの貸家を所有している主人公が,酷く傲慢で身勝手な人物という印象に様変わりしていき中盤以降からは誰もが溜まったストレスで苛立ち、息が詰まりそう??謝罪のキスで倒れ込んでしまったり警察になると呟く子供のイリヤスの激しい怒りが悲しい...。これも現実。慈善的な行ないとして金銭の施しをしようとする彼女に、それをはねつけるイスマイル。
イスマイルには, 葛藤はないと思うよ。計算が正しいかと?父親の尊厳を取り戻そうと、身体を張ったイリヤスの分...家族の生活のため...自分も誇りも捨て詫びを請うたハムディの分息子の前で無様に殴られ、自分と家族を辱めた酒呑みの父、イスマイルの分...おかしいな、まだ余る、もしこれが良心の呵責から逃れるため自分より不運な者たちに施しをする優しい貴女様のぶんなら、これでちょうどだ。計算はあっていると、数えるイスマイルの人間力とプライドが好き。彼の犯した罪さえも, 自分は許せてしまう。ご親切なことだが、あんたは1つ読み間違えた。貴女の目の前の薄汚い酔っ払いは感謝などしない。貧しい人たちにも自尊心があるという表現。
激しい怒りからきている悲しみの涙が美しすぎる。アタテュルクFiREe~??イリヤスも見たよね。Cook güzel?親父やお袋と、永遠に一緒にいられると思ってた。なのになぜ?いつからこの家は、こんなに空っぽになった?母さんが大好きだったあの無邪気な少年は、いつ酒呑みの孤独な老人になった?俺は結婚もし、子供も産まれた。皆どこに?妻は墓の中、娘は遠く離れ...人生にはどうにもならないことがある。だから少し柔軟にならないと...人を決めつけず、何ごとも受け入れろ...魂の雪溶け??イスタンブールそばに置いてくれ...?許してくれ長い映像とセリフを咀嚼していくと光と豊かさを齎す美しい作品。そうして、カッパドキアに厳しい冬が訪れ真っ白な雪が積もる。その様子がまるで、それぞれの醜さを隠していくようにも見える。#Bluemosque#シェイクスピアの戯曲Othello#アンビバレント
5.物語が進んでいくにつれて主人公が傲慢で自分勝手な人間になっていく過程がうまく表現されており、主人公の醜い性格が不快ながらにリアル。そのリアルさが映画を観る人を感情移入させる。感情移入のさせかたが巧妙だという理由なのか、三時間以上の映画でも最後まで観れた。また考える前に言葉を出す癖があり、元俳優という美点を悪用する主人公の演技がとにかく素晴らしい。
原題/別名:The Tree of Life
上映日 | 2011年08月12日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 138分 |
ジャンル | ドラマ、ファンタジー |
スコア | 3.0 |
監督 | テレンス・マリック |
脚本 | テレンス・マリック |
出演者
ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャステイン、ハンター・マクラケン、ララミー・エップラー、タイ・シェリダン、フィオナ・ショウ、Jessica Fuselier、ニコラス・ゴンダ、ウィル・ウォレス、アイリーン・ベダード
感想・評価
1.「ツリー・オブ・ライフ」には信じられないほどの優雅さの瞬間があり、テレンス・マリックには、魂を撮影し、調査するための並外れた能力があります。しかし同時に、不完全で未完成の何かがあります。最後に、私は何度も引き起こされた感情を保持しますが、それでも...私はこれらのキャラクターがかろうじて描かれ、すぐに出荷されることに不満を感じています。ステレオタイプの「サラリーマン」は、信じられないほど軽い似顔絵(スーツ、サングラス、ビジネスセンターの通路を一人で歩く)であるショーンペンを演じました...別のスタイルでは、ブラッド・ピットが演じる彼女の父親は、1950年代の大手自動車ブランドまたは保険のコマーシャルから直接出てきました...残念な。テレンス・マリックはおそらく、彼の生来のイメージの感覚だけを信頼して、大きすぎ、理論的すぎたのを見ました。それは、映画がまったく新しい次元をとるための特異性、固定、現実の応援を欠いています。「トゥ・ザ・ワンダー」で増幅されたように見える断層。そして、彼の傑作(天国の日々)を思い出します。私は彼が本物の脚本と本物のキャラクターに彼の横柄な成功を負っていることを覚えています...
2.2回見たのにマジでよくわかんなかったけど、こういうのを楽しめないのってバカっぽいから星3にします。
3.父と息子の映画父と息子は良好な関係性ではなかったが息子が大人になり家族を持ってはじめて昔父が子供の自分に言った言葉が理解できるようになる。説明過多になりすぎず何をいいたいのか考えさせるような映像になっていて良かった。自然の映像は森羅万象、輪廻転生、命は巡ることを表しているように見えた。父から子へ、そしてまた父から子へ生きる術などの考え方が継承されていくということかな。メッセージ性があっていい映画だったが、長過ぎて眠くなった。
4.まず映像がとても良い家電量販店のテレビコーナーでずっとこれを流していてほしい壮大なスケールの冒頭で超絶難解映画かと思ったが、それ以降は家族の関係性や葛藤がテーマになっているため、同監督の台詞そのものが全く訳わからんかった“聖杯たちの騎士”より断然面白かった哲学要素、宗教要素、自伝的要素が強いため、自分にはこの映画全部理解するのはまぁ無理だと思わざるえないが、それでもとてもいい時間だったランボーばっか脳死で見てきたからかなりフレッシュな気分になった#chicken2011#テレンス・マリック監督作品
5.アート志向が高く哲学的要素満載で、エンターテイメント性皆無。「ヨブ記」がベースにある。謙虚なクリスチャンのところにも「死」は訪れる。では「祈り」は無意味なのか?人の嘆きが神に聞き入られることは無いのだろうか?メインのテーマは「父との確執」。宇宙的神秘、生命の根源に迫ったような巨視的視点から、家族という微視的視点へと移る展開は興味深い。
原題/別名:UNCLE BOONMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES
上映日 | 2016年01月09日 |
製作国 | イギリス、タイ、フランス、ドイツ、スペイン |
上映時間 | 114分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.6 |
監督 | アピチャッポン・ウィーラセタクン |
脚本 | アピチャッポン・ウィーラセタクン |
あらすじ
腎臓の病に冒され、死を間近にしたブンミは、妻の妹ジェンをタイ東北部の自分の農園に呼び寄せる。そこに19年前に亡くなった妻が現れ、数年前に行方不明になった息子も姿を変えて現れる。やがて、ブンミは愛するものたちとともに森に入っていく…。美しく斬新なイマジネーションで世界に驚きを与えた、カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞作。
出演者
タナパット・サイサイマー、ジェンチラー・ポンパス、サクダー・ケーオブアディ、ナッタカーン・アパイウォン
感想・評価
1.アピチャッポン初鑑賞。この、映画で遊んでる感じたまらんね。精霊、王女、坊さんのフレームイン演出がいちいち面白いし、神聖さもクソもない見せ過ぎな描写に笑う。
2.タイの葬式ハイカラすぎところどころ声出るくらい綺麗なシーンがあるけどさすがに人とナマズの絡みは無理すぎた
3.わたしこれきっと好きなやつーと思って心して観るつもりだったのに、3回くらい途中で寝ちゃった…
4.全カットが神秘のベールに包まれたような高尚さ。鬱蒼とした森林。清らかな水辺。寄り添う亡霊と猿の精霊。未来予知と輪廻転生。ブンミおじさんの導く奇跡で得も言われぬ恍惚感に没頭。満ち満ちた生命の力強さをドバドバ浴びせるアピチャッポン氏はもはや仙人?安らかなる超傑作。この芸術性とフワフワ感は堪んねえ!アピチャッポンウィーラーセタクン、なんとも呼びづらい名前だがしっかりと脳裏に刻んだぞ!
5.ちょっと、、凄い。神聖さを宗教的に感じさせないナチュラルさ。絶えず聞こえる鳥の声がいつの間にか私に根付く。人間でない生き物から始まる、この映画の清らかな力強さ。
原題/別名:The Pianist
上映日 | 2003年02月15日 |
製作国 | フランス、ドイツ、ポーランド、イギリス |
上映時間 | 148分 |
ジャンル | ドラマ、戦争、伝記 |
スコア | 3.9 |
監督 | ロマン・ポランスキー |
脚本 | ロナルド・ハーウッド、ロマン・ポランスキー |
あらすじ
1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻したとき、シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストだった。ワルシャワ陥落後、ユダヤ人はゲットーに移住させられ、飢えや無差別殺人に脅える日々を強いられる。やがて何十万ものユダヤ人が強制収容所へ移されるなか、シュピルマンは奇跡的に死を免れ、ワルシャワ蜂起を目撃する。必死に身を隠し、ただ、生き延びることだけを考えるシュピルマン。だが、ある晩彼は遂にひとりのドイツ人将校に見つかってしまう…。
出演者
エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン、エミリア・フォックス、ミハウ・ジェブロフスキー、エド・ストッパード、モーリン・リップマン、フランク・フィンレイ、ジェシカ・ケイト・マイヤー、ジュリア・レイナー、ワーニャ・ミュエス、トーマス・ラヴィンスキー、ヨアヒム・パウル・アスベック、ポペック、ルース・プラット、ロナン・ヴィバート、ヴァレンタイン・ペルカ
感想・評価
1.ユダヤ系ポーランド人の家系に生まれたピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンがドイツ軍によるホロコーストに巻き込まれていく実話をベースにした伝記。窓から人々を見下ろす場面が多用されるのが特徴的で、下手な脚色なく残虐な行為が前触れなくあまりにもいともたやすく行われていく。劇的なアクションやグロテスクな表現ならば他の戦争映画が挙げられるけどピアノの旋律のように静かになだらかに淡々と描かれる。戦勝国のイギリス、フランスそして舞台のポーランドはさておき、なくしたい過去であるドイツも合作に協力していて国境間の戦争映像作品としての価値も大きい。様々な人から助けを受けながら逃亡に逃亡を重ねて弱々しくなっていくシュピルマンを好演したエイドリアン・ブロディは現在も打ち破られていない29歳の最年少でのアカデミー主演男優賞を獲得していて映画界からもお墨付き。あの20ズウォティスする小さいキャンディを6個に切り分けて食べたのが家族最後の晩餐なのが切ない。ちなみにモデルとなったシュピルマンの長男は現在日本の大学で教鞭をふるっているらしい。
一気に親近感が湧いた。ホーゼンフェルト大尉は初登場時は威圧的に見えたけどシュピルマンへの二人称代名詞は他のナチス軍と違って敬意を払ったものを使用していて、このあたりは日本語字幕のいい加減さを感じてしまった。それを知ってるかそうでないかだけでも、彼が目の前のユダヤ人をピアニストだから助けたのかそうでないかも含めて印象が大きく変わってきてしまう。色んな人のレビューを見ていくうち、大尉がシュピルマンだけでなく数多くのユダヤ人を救ってきた一方で名前を明かすと処罰の対象となるためあえてその都度名乗らなかったことや、徴兵される前は高校教師として勤めていたこと、大尉の奥さんから手紙がありシュピルマンは急いで収容所に向かったが…という経緯を知った。
そのあたりの裏話は2時間半の長尺をもってしても描写しきれない部分があって全てを視聴者に曝け出さないのがまた趣きがあるけど、エンタメとしてでなく史実としてもっと知りたいと思ったなら原作小説を調べてみるのがオススメ。監督のロマン・ポランスキー自身も壮絶な人生を送ってきていて、本作での舞台でもあるゲットーに実際に監禁され母親はドイツ人に虐殺された過去があって、彼だからこそ作れた思い入れの強い作品だったんじゃないだろうか。(余談だけど元妻はあのカルト信者による襲撃事件で有名なシャロン・テート。こちらも驚き)劇中で流れるのはほとんどがショパンの楽曲群で、なぜその場面でそれを選曲したのかはクラシック音楽に造詣が深ければもっと味わい深い作品になるだろうなと思った。重い作品だけどまたいつか観てみたい。
2.戦争の残酷さ。その中で、ドイツ軍人と主人公の心通うシーンはとても良い。
3.この映画は実話ということもあって当時の状況を克明に描いている。印象に残ったのはドイツ兵が車椅子に乗った男性に立つことを命令したが当然できるわけもなく、挙げ句、その男性を2階から落としたシーンだ。そのシーンでドイツ兵の残忍さがわかる。また、シュピルマンがドイツ将校の見る中、ピアノを演奏するシーンは圧巻だ。最初はどこか緊張しているようだが、だんだんと調子を上げ美しいメロディに変わっていく。シュピルマンの表情も次第に生き生きとしてくるのが窺える。後半、戦争が終結し同じポーランド人を見つけた時に自分がドイツ軍の軍服を着ていることも忘れ彼らに駆け寄るシーンでは長い孤独な潜伏生活の辛さを察することができる。
そして、ドイツ兵が柵の中へ入れられポーランド人に罵られるシーンではなんとも言えない気持ちになった。それはドイツ将校が仕事机に家族の写真を置いているのが見えたからだ。沢山のユダヤ人が罪もなくドイツ兵に殺され、家族を失ったが、だからといって彼らに報復することも辛い。改めて戦争の残酷さを思い知らされる。最後に、音楽には不思議な力があると思った。なぜなら敵でさえ魅了してしまうほどだからだ。だからこうして音楽は昔から色褪せることなく現代にも伝わり、国や人種を差別しないのだ。人から奪うことのできない音楽は平和に必要なのだとこの映画を観て思った。
4.ちょっと再鑑賞しないと詳しく書けないほど記憶が薄れてるけど、とにかく切迫感に胸が詰まって終始辛かった思い出がある。名作であることには間違いない。
5.音楽を楽しむこと、美味しいものを好きに食べれること、家族と一緒に過ごせること。今の生活のすべてが幸せで、でもそれは特別なことではなく普通であるべきこと。だれからも奪ってはいけない。戦争なんてあってはいけない。
原題/別名:기생충/Parasite
上映日 | 2020年01月10日 |
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 132分 |
ジャンル | サスペンス、ドラマ、コメディ |
スコア | 4.1 |
監督 | ポン・ジュノ |
脚本 | ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン |
主題歌/挿入歌 | チェ・ウシク |
あらすじ
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。
出演者
ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン、パク・ミョンフン、イ・ジョンウン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン、パク・ソジュン、パク・クンノク、チョン・イソ
感想・評価
1.これが色々受賞した作品!?全然面白くなかった。B級作品かと思った。前半は韓国社会と貧困の差がリアルに描かれていて良かったと思うけど、見所がなくて飽きる。何を見させられてるんだ?という気持ちになる。最後の方はえっ急に?といった感じで話しが急展開。でもこの最後の為に前置き長すぎるなー。結果なにが言いたいのかな?
2.最後気持ち悪くなった。なんだろう。なにをいいたかったのだろう。登場人物みんな薄っぺらい。これがアカデミーをとったから、唖然とした。まるでジェットコースターみたいな物語だとかゆう人たちもたくさんいるけど、実際にジェットコースターに乗ってる方が断然気持ちいいと思う。
3.アカデミー賞を取ったってニュースを見た日に映画館に見にいった。映画館で見て衝撃を受けた。この映画はジャンル分けできないと思う。なぜならサスペンス、ホラー、コメディと色々なジャンルが混じってできてるから。めちゃくちゃ好きな作品。
4. 韓国映画を初めて観た。前から気になっていた映画だったが、面白かった。タランティーノ映画を初めて観たときの感覚にどことなく似ている。 自分はいろんなバイアスをかけて物事を観ていることに改めて気がつかせてくれた。 面白い映画はきっと世界中にあるんだろうな。映画って本当にいいもんだ。
5.前半はコメディタッチだが所々にテーマの核心に迫る描写があったり。格差。後半のハラハラ展開。展開が見事で全く飽きないし、韓国のまだまだ知らない所が見れた気がする。
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