『A.I.』は、スティーヴン・スピルバーグによって監督された2001年のアメリカのSF映画。人工知能という話題が爆発して5年ほど経った2021年では、この映画を振り返ってみるとやはり感動や思考させることがたくさんあります。
『A.I.』は決して人工知能をテーマとした初の映画ではありません。2001年の『A.I.』の前には、1968年の『2001年宇宙の旅』、1982年の『ブレードランナー』、1985年の『ターミネーター』、2000年の『アンドリューNDR114』などがあり、またその後は、2004年の『われはロボット(アイ・ロボット)』、2008年の『ウォーリー』、2016年の『エクス・マキナ』などの優秀な映画もあります。それぞれは、異なる時代、異なる思考の映画ですが、唯一同じなのは、人類と、ロボット(人工知能)との関係の見直しを考えさせます。しかし、『A.I.』の主人公は、かわいい男の子なので、ほかの映画よりも視聴者の心を掴めるかもしれません。
本記事では、21世紀初めを代表するSF映画『A.I.』の基本情報、あらすじ、評価・レビューなどをまとめました。また、映画を見て、理解しにくいところがあると思いますので、よくある質問の回答をまとめております。最後は、『A.I.』が視聴できる動画配信サービスをご紹介。ぜひご参考ください!
『A.I.』を観たことのある方もいらっしゃると思いますが、まずは、監督、主演者、上映などの作品情報を確認しましょう。
上映日:2001年6月29日(アメリカ)、2001年06月30日(日本)
制作国:アメリカ、イギリス
上映時間:146分
言語:英語
監督:スティーヴン・スピルバーグ
主要出演者:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウ、フランセス・オコナー、サム・ロバーズ
興行収入:$235,926,552、97億円
地球温暖化によって、居住面積が減った未来。ロボットの働き手が普及している中、飢餓問題による妊娠・出産の制限があり、ますます高性能で、しかも「愛という感情を持つ」のロボットが必要となる。二年後、働き手としてではなく、子供として愛するための少年型ロボットの「デイビッド」があった。
不治の病を患った息子マーティンを失うのを恐れるため、父親のヘンリーはデイビッドを家に連れ帰り、第二の息子とする。母親のモニカは最初、デイビッドに対して反感があったが、デイビッドがこの家庭に笑顔をもたらしたので、母親はデイビッドを人間の子供として受け入れることにし、彼におもちゃロボットのテディベアも与える。
奇跡的に回復して家に帰ったマーティンは、母モニカの愛を争う。マーティンにそそのかされて、寝ているモニカの髪の毛を切ろうとするマーティンが、手を滑らしてモニカをケガさせるなど一連の危険行為をし、モニカはデイビッドを捨てることにし、森の中でデイビッドとテディベアを置いて行った。
しかし、森で行われるロボットのスクラップ回収で、デイビッドは捕まってしまう。連れていかれたのは、ロボットを反対する悪人たちが行う「ロボット破壊ショート」。命乞いするかわいい男の子のデイビッドに、いあわせた人々が同情を寄せ、デイビッドを破壊するのを阻止する。デイビッドは、ジョーという男のロボットとともに会場から逃げた。ジョーは、歓楽街で女にサービスするセックスロボットで、彼は殺人の衣を着せられたのだ。
デイビッドは、「ピノキオ」の話の中の「ブルー・フェアリー」が、非人間のピノキオをほんとうの人間にすることができたと知り、母のモニカに愛されるために、自分もブルー・フェリーに人間にしてもらいたがっているので、「Dr.ノウ」という人工知能は「マンハッタンのホビー教授がブルー・フェアリーを知っている」と伝える。二人とテディベアは、水没したマンハッタンへ向かった。
そこで、ジョーは警察に捕まる。そしてあるビルで、デイビッドは百、千を超える数の自分の顔とそっくりのロボットを発見。そして、デイビッドの作り主であるアレン・ホビー教授が現れた。デイビッドは自分がたくさんの「デイビッドロボット」の一つだと知ったら、失望のあまり海に飛び込んだ。
海の底で、廃棄された遊園地のブルー・フェアリー彫像を見つける。デイビッドは、どこにも行かず、ブルー・フェアリー彫像を前に、ロボットとしての機能が停止するまでずっと人間にしてくださいと祈り続けた。
(ここからは結末・ネタバレがありますので、ご注意ください)
2000年後、氷雪の世界で、人類の様態をしている者たちがデイビッドを見つけ、「このロボットは人間に似ているので、人間に関する記憶が抽出できるはず」と。彼らはデイビッドをよみがえらせる。誰かを生き返らせてあげようとの提案に、デイビットは「ママを生き返らせたい」と。モニカのDNAが必要なので、テディベアが以前にデイビッドが切ったモニカの髪の毛を渡す。
母を生き返らせれば、一日しか母との時間がないのに、デイビッドは同意。そして、デイビッドは生き返った母と会うことができ、楽しい一日を過ごす。夜に、母のそばにいるデイビッドは、生まれて初めて、眠ることができた。
はやり感動させる映画です。母の愛のために、廃棄・拉致・閉じ込めなど、いかなる困難も乗り越え、最後は母と会い、本当の人間となったデイビッド(まあ、人間になったっていうか、夢が実現した、のほうが適切だろう)。
AIテーマの映画は、『われはロボット(アイ・ロボット)』や『エクス・マキナ』のように「人工知能と人間を対立させる」的なストーリーがよくあります。考えてみれば、それもそうですね。科学の発展につれて、セックス用のであろうが、家政用のであろうが、高性能のロボットが必ず人類の職場を奪うのです。しかも、感情も生まれます。
母へのデイビッドの感情は、私利的だと、多くの人が思っています。デイビッドが、自分とそっくりのデイビッドロボットに会って、母の愛が奪われるのを恐れてそのロボットを破壊した瞬間からです。その瞬間からは、人類特有の偏執がありました。「愛」がわかれば、「恨み」もわかるはずだからです。デイビッドが母のモニカに愛情が生じたときから、自分が唯一無二でなければならないと思っていました。両親を愛するというデイビッドの使命は、占有の欲望と破壊の能力に占められます。
もし、デイビッドは母に捨てられることはないけど、時間がたつにつれて母のデイビッドへの愛が薄くなったとしたら、デイビッドはマーティンを傷づけるでしょうか?デイビッドは私利的なのか、彼の愛は怖いものなのか、皆さんご自分の判断はどうでしょう?
そして言いたいのは、その自分を縫っているテディベア!
テディは映画の中で過小評価されたと思います。母の髪の毛を切れば母に愛されるというマーティンの話を、テディも信じていた、しかも、切られた髪の毛を自分のお腹に縫い込むことだけみても、すごい人工知能です。「ロボット破壊ショート」でも、必死にデイビッドを見つけようとしました。海底に閉じ込められたときも、平静でした。マーティン、デイビッドの二人に同時に呼ばれ、誰のところべきかも迷いました。そんなに個性的なテディは、デイビッドほど高級的でなくても、「人」の様態がなくても、やはり人間の感情があり、「愛」が欲しがるでしょう。
ですので、テディこそが新の人工知能だと思う人もいます。本記事を読んでいる方はどのようなお考えでしょうか?
『ai』には理解しにくいところがいくつかありました。答えもまとめましたので、ご参考ください。
①デイビッドは最後やはりロボット?
そうです。SF映画ではありますが、この映画の設定からみて、機械のロボットは肉体の人にはなれません。映画の中のデイビッドは、『ピノキオ』の中の「ブルー・フェアリー」の能力を信じているだけで、会えた「ブルー・フェアリー」もただの彫刻にすぎません。最後の「母子団らん」シーンも、結末をより感動的にするために設置したものです。
②2000年後の痩せた者たちはロボット?人類?新種?エイリアン?
この者たちの身分を分からない視聴者が多いようです。確かに映画自体はそれについてちゃんと説明していませんね。
映画をちゃんと観ていれば、この者たちが凍ったデイビッドを発見した時、「彼が人類と似ている」と意思表示するのは、デイビッドからは人類の研究に役に立つからです。「人類の研究」ならば、この者たちが人類ではないことを意味しています。
また、凍ったデイビッドをよみがえらせ、記憶を抽出したり、記憶の画面をシェアしたりできることから、やはり、ロボットです。しかも、2000年をかけて高度に進化したロボットです。
撮影のスタジオも証言したことがあります。
③デイビッドは最後なぜ涙が流せて、眠れる?
ハッピーエンディングのために、ここは適当の「夢」や「幻想」という設置です。「母に愛される」という夢です。
④母はデイビッドを受け入れるために言い出した七つの単語は何の意味?
その七つの単語は日常的な単語ならば、受け入れたくなくても容易にメカニズムに触れるので、使用頻度の低く、ロジック的に関連性のない七つの単語を「パスワード」的なものにしたのです。実は何の意味もありません。
⑤生き返った母の髪の毛をまた切ったら、「その一日」が無限に続けるんじゃない?
2000年後の高級ロボットが「時間の軌跡っていうものは一度しか使えない」とデイビッドに言ったのです。
⑥デイビッドはなぜ磁石に引かれなかった?
デイビッドは鉄でできたロボットではありません。父のヘンリーは「デイビッドにはたくさんの光ファイバーがある」といったのです。また、人類の食べ物を食べて故障したときにも、体内から取り出されて清潔されたのもクリスタルピースです。それに対してジョーは金属でできているので磁石に引き上げられたかもしれません。
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