映画『ミッドサマー』はアリ・アスター監督の最新作です。アメリカ、スウェーデン合作のホラー映画で、スウェーデンで行われる夏至祭を描きました。
本文は、ホラー映画『ミッドサマー』のネタバレ、あらすじを含んだ考察・解説記事です。まだ鑑賞したことがない方は、ご注意ください。
『ミッドサマー』の基本情報 | |
原題 | Midsommar |
制作年 | 2019年 |
日本公開日 | 2021年2月21日 |
上映時間 | 147分 |
制作国 | アメリカ、スウェーデン |
監督・脚本 | アリ・アスター |
メインキャスト | フローレンス・ピュー(ダニー・アルドール)、ジャック・レイナー(クリスチャン・ヒューズ)、ウィル・ポールター(マーク)、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー(ジョシュ)、ヴィルヘルム・ブロングレン(ペレ)、アーチ・マデクウィ(サイモン)、エローラ・トルキア(コニー)ほか |
ジャンル | ホラー、サスペンス |
配信状況 | レンタル可能 |
音楽 | ザ・ハクサン・クローク |
以下は、ネタバレとなりますので映画を未見の方は注意して読み進めてください。
ネタバレ①:
映画の主人公は大学生のダニーと大学で民俗学を研究するダニーの恋人・クリスチャンです。ダニーの実家で妹が両親を巻き込み、車の排気ガスで一酸化炭素中毒による自殺をしてしまいました。
ネタバレ②:
クリスチャンの友達ジョシュとマークも大学で民俗学を専攻しています。スウェーデン人の友人ペレから「90年ごとに伝統的な行事があるから遊びに行きませんか?」と誘われました。ダニーもペレからそのイベントは楽しい祭りだと聞き、また、ダニーの誕生日とも重なることからスウェーデンに行くことを楽しみにします。
ネタバレ③:
スウェーデンの首都ストックホルムに到着した後、5人(ダニー、クリスチャン、マーク、ジョシュ、ペレ)は行事が開催された村に車で行きます。
村の前で、イギリスから来たサイモンとコニーに会います。夏の日が沈むのが遅いスウェーデンでは、午後9時でも非常に明るいです。ダニーたちはそれを奇妙だと感じています。
そして幻覚作用のあるマッシュルームを飲んだダニは幻覚を起こします。気づいた頃には6時間も経っています。
ネタバレ④:
翌日、ダニーたちは伝統行事の初日の宴に参加し、白い衣装を着た男女のグループが踊っています。
儀式は翌朝から始まり、ダニーたちと村人は崖に向かいます。老人の男女はナイフで手を切られ、石の柱に血でルーン文字を染めました。
その後、高い崖の上に立っていた老婆が崖から飛び降り、血だらけで亡くなりました。もう1人の老人男性が崖に現れて飛び降ります。その老人はまだ生きていますが、村人たちは彼の頭を押しつぶして殺します。ダニーたちは目の前の光景に唖然とします。
ネタバレ⑤:
翌朝、マークは倒れた木に小便をしていると、村人は「聖なる木に何をするんだ」と非常に怒ります。コニーも怒って「家に帰る」と言い、村人は「サイモンは駅に行って待っている」と言いますが、コニーは事情が理解できずに立ち去ろうとします。
ネタバレ⑥:
夕食は暗い雰囲気の中で始まり、クリスチャンの食事には陰毛とマヤの子宮から出した血のジュースが含まれています。ダニーたちはサイモンがいなくなったことなど心配しています。
その夜、ジョシュは儀式の本を調べるために目を覚め、こっそり写真を撮っていると、突然現れたマークに殺害されます。翌朝、村人は変な飲み物を作り、ダニーはその不思議な飲み物を飲みますが、村人はそれがお茶だと説明します。
ネタバレ⑦:
ダニーはダンスで賞賛され、女王に選ばれます。クリスチャンは遠くからダンスを見ますが、変な飲み物を入られ飲んでしまいます。それから村人はダニーとクリスチャンをお祝いの食事会に連れて行きます。
その後、クリスチャンは飲み物で頭がおかしくなり、マヤに誘惑され、村人たちによって小屋に連れて行かれます。小屋には全裸の女性12人とマヤがいます。クリスチャンはマヤとのセックスを強制されます。ダニーが鍵穴を通して不審に小屋を覗くと、クリスチャンとマヤのセックスを目撃し、嘔吐します。
ネタバレ⑧:
クリスチャンはセックスした後、その場から逃げ出し、全裸で村を走りますが、途中でジョシュの死体を目撃し、また逃げ出した鶏小屋でサイモンの死体を見ます。そしてクリスチャンは村人に謎の粉を吹きかけられ倒されます。
村で生贄を選ぶ儀式が始まりました。儀式の担当者は、9人の生贄が必要であると述べます。4人(自殺した老人の男女2名と生贄のボランティア2名)は村人から、残りの4人はダニーのグループ(サイモン、コニー、マーク、ジョシュ)、そして9人目となるもう一人は女王となるダニーが、一人の村人あるいはクリスチャンのどちらかを選べます。
最後、選ばれたのはクリスチャンです。彼は内臓が取り除かれたクマの毛皮に入れられます。9人の生贄は小屋に運ばれ、火がつけられます。燃える小屋を見てダニーはなぜか笑いました。
以上は映画『ミッドサマー』のネタバレあらすじとなります。
以下では、映画『ミッドサマー』の冒頭のタペストリーを考察・解説してみたいです。
オープニングの絵では、5コマの絵で映画のストーリーが予告されています。左の「ドクロ、冬」から右の「太陽とメイポール」までです。
考察①:第1の絵
第1の絵は冬の夜です。画面上部のドクロが雪を降らし、ピンク色の紐で繋がった4人が描かれ、右下に立っている骸骨が紐を切ってしまいます。ピンク色の服を着た人はダニーです。ダニーの妹と両親はその周りに浮かんでいます。これは家族の血縁を示しているのでしょう。紐で縛られた家族は上空のドクロに吸い上げられたが、骸骨はダニーに繋がる紐を剣で断ち切ってしまいます。ダニーだけが家族の絆から除外され、死を免れます。
考察②:第2の絵
第2の絵では、ダニーが悲しくて、クリスチャンがそれを慰めています。しかし、クリスチャンの手は背中に回っていて、彼が不道徳であることを示唆しています。木の上にはペレがいて、ダニーの絵を描きます。ペレはダニーを妻にしたかったので、ダニーに絵を贈ります。
考察③:第3の絵
第3の絵では、ペレが笛を吹いて、マーク、ジョシュ、クリスチャン、ダニーと一緒に森の中に引き連れて行きます。「ハーメルンの笛吹き」のように、この童話もグリム童話です。1284年、派手な服を着た笛吹き男が30人の子供たちを笛の音色によってどこかへ連れていきます。子供たちは誰も戻って来ません。同じくペレによってホルガに連れて行かれたダニーたちは、誰もアメリカに帰ることができません。
考察④:第4の絵
第4の絵は、ホルガ村に到着するシーンです。ペレと4人は太陽の門を通り抜け、村人たちが出迎えています。村人たちはジュースとドクロを差し出しています。これは、4人に対するホルガの人々の献身、そして死を示しています。手前には牛とクマがあります。檻の中のクマは最後の生贄の儀式に使われます。絵の上部には、崖から落ちる2人の老人がいます。彼らは背中には翼を持っていますが、天国に飛ぶのではなく地面に落ちていきます。
考察⑤:第5の絵
最後の絵は、邪悪な笑顔の太陽がすべてを支配しています。植物が生い茂ったメイポールが直立し、その周りに白い服を着た女性が骸骨を手に輪になって踊ります。ダニーは花の冠をかぶってダンスサークの中にいます。
オープニングの絵は、台湾の画家ムー・パン(Mu Pan)の新作です。その他のムー・パンの絵はクリスチャンの部屋に登場しています。
以上は映画『ミッドサマー』のネタバレあらすじについて解説してきました。今回も読んでくださった方、ありがとうございました。
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