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ゴールデングローブ賞外国語映画賞 受賞作品。これまでにリー・アイザック・チョン監督のミナリや、パク・ソジュンが出演するパラサイト 半地下の家族、ROMA/ローマなどが受賞しています。
原題/別名:VALS IM BASHIR
製作国 | イスラエル、フランス、ドイツ、アメリカ |
上映時間 | 90分 |
ジャンル | ドラマ、アニメ |
スコア | 3.7 |
監督 | アリ・フォルマン |
脚本 | アリ・フォルマン |
感想・評価
1.日常から戦争(レバノン内戦)のことを語る方が、その異常や残酷が重く見える。アニメーションも見たことない感じなのに、自然な動きに感じられた。晴れた農園で影がかかってる映像の場面が印象に残った。(少年が出てくるあたり)
2.1982年のレバノン内戦時にイスラエル軍に従軍していた主人公。旧友と再会しその時の記憶が曖昧なことに気づいた主人公は、知り合いの心理学者や当時軍にいた人、ジャーナリストなどの話を聞き、段々と記憶を取り戻していく…アニメ映画ではあるが内容は監督自身の体験であり、ドキュメンタリーである。登場人物が語る証言、主人公が思い出す記憶全てが地獄絵図。この世で起きているとは思えない光景の数々。実写で撮っても過激すぎて「ま、映画だしね。ちょっと誇張してるでしょう」と脳が解釈してしまいそうだが、アニメーションで表現することによってすんなりと見せ、最後に実際の映像を映し出すことによって「アニメだったけど全部本当のことだったんだ」と理解させることに成功している。
3.ちょっと前に見た映画だけども一度観ないとと思いチェックしといた。悲劇をアニメで表現すると、冷静に、現実的に?感情的にならず悲劇をとらえることが出来る気がする。それでも胸が痛くなる事実があるけれど、アニメである事でそこにいる人々をより身近に感じられる事ができる気がした。
4.イスラエル製作の長編アニメーション映画1982年、レバノン内戦。イスラエル軍に従軍した映像作家アリ・フォルマンは消えた戦争の記憶を取り戻すべく、当時の仲間そして記者との対話を重ねる。フォルマンの唯一の手がかりは、虐殺の幻覚。イスラエル映画を鑑賞すること自体初めてだが、アニメーションのドキュメンタリー映画もまた初めて。独特な制作技法のアニメーションが、過去と現在、そして夢と幻覚を淡々と、ときに狂おしく、または優雅に描く。表面的には日本の『永遠の0』に近い感じですが、遥かにフラットで生々しい映画です。間違っても娯楽映画として鑑賞することは推奨しません。映画ファンなら一度は観るべき傑作だと思います。〈サブラ・サティーラの虐殺〉1982年9月、当時のレバノンの指導者バシール・ジェマイエルを暗殺された報復として、親イスラエル政党ファランヘ党などで構成される民兵組織「レバノン軍」によるパレスチナ人難民虐殺事件。イスラエル軍はレバノン軍の要請で難民キャンプに信号弾を発射、これを合図にレバノン軍が虐殺を開始した。
5.元兵士のアリ・フォルマン監督が、自身の経験を基に製作した自伝的なドキュメンタリーアニメーション1982年にレバノンで起こったパレスチナ難民大虐殺についての友人たちの証言から、戦争がもたらす心の闇を暴き出し、フランスのセザール賞ほか数々の賞に輝き、第81回アカデミー外国語映画賞にもノミネートされたイスラエル映画戦争映画と言うには少し地味だし、淡々とした物語展開なので退屈に感じられる方もいるかも知れないけど、アニメーションでしか表現できない絵画的な美しさと圧倒的な臨場感、その上凄まじい反戦メッセージが込められているので、観る者全てに強烈な印象を残していくのは間違いないかと戦争という愚かな行為の狂気と恐怖を巧みな緩急をつけて描きながら、被害者だけでなく加害者側にも一生消えることのない深い傷を負わせてしまうということを痛感させられる構成が非常に秀逸なにより、ある種のロストスコープのようにも見える凝った作りで、ドキュメンタリーとアニメーションを融合させたような斬新な手法が非常に興味深く、冒頭のわんちゃんのシーンを観ただけでフルスロットルで引き込まれてしまう圧倒的な世界観これがまぁどのカットを切り取ってももグラフィックアートのように洗練されており、まるで彫刻がそのまま動いているかのような芸術性の高い独特な絵のタッチで描かれる、残酷な戦争の生々しい傷跡は観ていてとにかく辛いものがあるアニメ映画なのに最終的には『スレッズ』ような非常にショッキングな実写映像を使うのはどうなんだろうと思わなくもないけど、これほど凄惨な出来事を絶対に忘れてはならない、そしてありのままの出来事を世界中に伝えたかったという監督の思いがヒシヒシと伝わってくるから結果オーライ本作は『おくりびと』とアカデミー外国語映画賞を争った作品ということですが、正直こちらに軍配が上がっていても全然おかしくないというくらい非常に完成度の高い作品でした。
原題/別名:Saul fia/Son of Saul
上映日 | 2016年01月23日 |
製作国 | ハンガリー |
上映時間 | 107分 |
スコア | 3.7 |
監督 | ネメシュ・ラースロー |
脚本 | ネメシュ・ラースロー、クララ・ロイヤー |
あらすじ
1944年10月、アウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所。サウルは、ハンガリー系のユダヤ人で、ゾンダーコマンドとして働いている。ゾンダーコマンドとは、ナチスが選抜した、同胞であるユダヤ人の屍体処理に従事する特殊部隊のことである。ある日、サウルは、ガス室で息子とおぼしき少年を発見する。少年はサウルの目の前ですぐさま殺されてしまうのだが、サウルはなんとかラビ(ユダヤ教の聖職者)を捜し出し、ユダヤ教の教義にのっとって手厚く埋葬してやろうと収容所内を奔走する・・・。
出演者
ルーリグ・ゲーザ、Levente Molnár、ウルス・レヒン、シャーンドル・ジョーテール、Marcin Czarnik
感想・評価
1.物語の始まりも、ゾンダーコマンドっていう強制収容所の雑用をするユダヤ人のサウルが息子らしき子供(数年会っていないと思われる)を発見するところから始まるつまりいきなり息子の死を突きつけられるサウルは恒常的に死と触れているので目に見えて当惑しないが、儀礼的に送ろうと画策する仏教でいうところの坊主であるユダヤ教のラビという聖職者にそれを頼むためにあちこち探し回るその過程で他のゾンダーコマンドたちは死体から金目のものを盗み売り、爆弾と交換して強制収容所を爆破して逃げようと画策するサウルは爆弾入手役を任されるも、途中でラビ探しに気を取られて爆弾を失くしてしまうここにきてやっとサウルの焦燥が垣間見えてくるなんとも映画的で丁寧な素晴らしい描写で良い、タルベーラの助監督やってたのも納得
2.やっている事、場所だけで緊迫感があるがカメラワークでさらに緊迫感が増してる
3.カンヌ国際映画祭グランプリ、アカデミー賞外国語映画賞受賞作品。ハンガリーのネメシュ・ラースロー監督の長篇デビュー作でもある。あらすじアウシュヴィッツ・ビルケナウ第二強制収容所で主人公のサウル(ルーリグ・ゲーザ)は、「ゾンダーコマンド」の一員として機械的に従事していた。そんなある日、サウルはガス室から奇跡的に生還しながらも、無残に殺された息子とおぼしき少年を発見するのだが…ゾンダーコマンド(特殊部隊)最悪の悲劇の一つとして語り継がれるアウシュヴィッツ強制収容所で、移送されてきたユダヤ人のガス室への誘導と、その処刑後に死体処理を任されていた「囚人達によって作らされた部隊」の通称。一言でいえば「お前らの処理はお前らでやれ」だ。拒否=死任務のために他の囚人達よりも優遇されていたが、彼等自体が「見た証拠」となる為に定期的に殺害される。受諾=延命アウシュヴィッツでは、ユダヤ人の死体は「部品」と呼ばれガス室に誘導しその死体を運搬しその死体を焼却する機械の様にその作業をひたすら繰り返す。普通の神経ではその作業に耐えられないだろう。
同調するか、機械になるしかない。生き抜く為には当然だ。この作品は、息子と「おぼしき」遺体を見つけ、無くなったかに思えた人間性を取り戻していく物語だ。文字だけなら感動物に見えるかもしれないが全く違う。きっかけから甦った極限状態の中での人間性、尊厳、意思、行動は、観る者に様々な思いを去来させる。人によっては限り無く不快人によっては限り無く崇高人によっては限り無く錯乱人によっては其れ等を孕む多様な受け取り方がある為に評価は一定しない作品だろう。そして、特筆すべきは撮影法だ。この映画のほとんどがサウルの顔のアップ。しかも、周囲の様子はピンボケの様な映像で映し出される。物を見るときにわざと視界の端をボヤけさせるのに似ている。それはまるで、直視したら気が狂うかのように、自己防衛かのように。その表現を今作は独特な手法で再現した周囲で起きていることの恐ろしさを視聴者に想像させ、克明に見せないからこそ怖い。そして音。効果的な音響でその場に居るような臨場感を出している。皆が知る様に、この題材は歴史における影響力から数多くの作品が作られている。悲劇、感動、戒め、憎悪、悔恨。だが、今作は大きくなりがちなテーマに対して徹底的に「個」を描写している。同調するのが正常なのか反抗するのが正常なのか機械になるのが正常なのかあの極限状態の場に於いて正解なんてものは無いが、サウルが取った行動の「本質」にこそ人としての答えがあるのかも知れない。常に人間でありたいものだ。
4. アウシュビッツで息子に似た子どもの死体を見つけた男は子どもは息子と確信しその遺体を埋葬しようと奔走する。 なんとも不思議な映画。アウシュビッツという過酷な環境ながら人が死ぬ場面を直接見せず進んでいく。そのせいで話が分かりにくい感もあるが、なんともいえない不安な感じになる。ひょっとしたらアウシュビッツにいた人達もそんな感じを抱いていたのかもしれない。 しかも主人公の男は自分の息子かどうかも分からない子どもをラビに祈ってもらって埋葬するというふわっとした目的で動いていてさらに変な感覚に陥っていく。 こういった演出は最後まで徹底している。最後まで不安なもやもやした気持ちのまま映画は終わっていく。感動的な展開よりもアウシュビッツを厳しく非難してるように感じた。
5.期待が高すぎたか…んー、もっとうまく作れる気がする。残念。
原題/別名:OSAMA
製作国 | アフガニスタン、日本、アイルランド |
上映時間 | 82分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | セディク・バルマク |
脚本 | セディク・バルマク |
出演者
マリナ・ゴルバハーリ、モハマド・アリフ・ヘラーティ、ゾベイダ・サハール、ハミダ・レファー
感想・評価
1.過酷すぎて鬱になった。風呂のシーンが地獄…。ドイツ零年も過酷だし辛かったけど女の子だという点でこっちの方がさらにしんどかった(どちらが酷いかという話ではない)。
2.タリバンの支配下にある女性たちの受難を描いてる。現実をシミュレートしただけなのに、ストーリーがとにかく強烈で、画面の前から動けなくなる。いまのアフガニスタンの市民生活とイコールではないんだろうけど、この映画と似たようなことがリアルタイムで起きているのだと思うと、やりきれなくなる。やっぱ人類はもっと頭良くならないとダメだわ。登場人物に過酷な運命を背負わせるという点においてもすごくって、これみたあとはいろいろ考えてしまうね。集団の怖さを表現したシークエンスは必見。誰の説得も通じない、まさに「衆愚」と成り果てている。助けるほうも傷を負う。これは他人事じゃない。体を清めるエンドとか胸くそなんだけど、だからこそ映画として素晴らしい。要するに最高の映画だった。
3.タリバン政権下のカブールで行き場を失う庶民たちの姿をリアルに描いた映画であり、観ていて辛いものがある。イスラム教に忠実に生きることが求められるタリバン政権下では、、逆らった者は投獄されるか殺されるか…という状況。また、女性は働いてはいけなかった。そうした中で、老婆・母親・少女の女性だけの3人家族がいて、この家族の父親と兄は戦争で亡くなってしまっていた。男=働き手の不在の3人家族は、のたれ死ぬしか無くなってしまい、少女の髪を切って男の服を着せて働かすことにする。バレたら殺されるかも知れないのに…。以前、イラン映画で『少女の髪どめ』という作品があったが、あの映画に設定は似ているが、本作の方が過酷な現実を突きつけている。今年(2021年)、9・11から20年ということでアメリカが撤退したアフガンでは再びタリバン勢力が凄くなっている現在、本作を観て、辛い世界が地球から無くなって欲しいと思う。#死ぬまでに観たい映画1001本
4.「正しくあること」は、実にいろんな形をしている。私たちは決してabsolute justiceを見つけることはできない、、、のかな。子供が持つ喜怒哀楽にabsolute justiceがあるのでは、とか考え続けてる。
5.タリバン占領下のアフガニスタンで少年のフリをして働く少女の話。タリバン政権の奉ずる括弧付きの「イスラーム法」は、女性が学校に通うこと、働いて給金を得ること、男性抜きで外出すること等々を禁じており、これに違反すれば死刑に処されることになる。すると、戦争で男手を失った女性たちは、ただ飢え死ぬのを待つか、タリバンに見つからないことを祈りながらこっそり働くか、どちらかを選ばなければならないということになる。もちろん、いくら探しても、働き口が見つかることはほとんどないと言ってよい。「これは政治運動ではない。ひもじい私たちにどうか仕事を」と声を上げてデモ行進を行う女性たちは、タリバンの男たちによって捕らえられ、石打ち死刑の判決を受ける。病院で医療活動を行う外国人医師も、女性であるという理由で連行される。家の前をタリバンの武装車両が何度も何度も通り過ぎる。「女を自転車に乗せるな。恥を知れ」とタリバン兵が言う。少年たちが強制的に連行され、タリバンの教育を受け、タリバン兵にされる。「タリバンなど地獄に落ちるがいい」と語る女性たち。「私たちは難民だった。タリバンは兄を捕まえて殺し、私を無理やりあの男と結婚させた。なんて惨めな人生──」。
この映画に登場するエピソードの数々は、少年になりすます少女というモチーフも含め、すべて実話をベースにしたものだ。アフガニスタンの女性たちにとって、タリバン政権下の境遇は実際にこれほどまでに悲惨なものだったのだ。現在の(ないし今後の)アフガニスタンの状況も、これとそう変わらないのだろう。それは、確かに13歳の少女を誘拐して無理やり娶る変態趣味の老人にとっては「天国」なのかもしれないが、どう考えても最悪だし、決して許されるべきものではない。「タリバンによるアフガニスタン支配は、起こってはならないことであって、大きな過ちであった。この間違いを、二度と繰り返してはいけない。」(DVD特典映像の「セディク・バルマク監督インタビュー」より)二度と繰り返してはいけないことが、再び起こってしまった。遥か遠くの島国にいるぼくたちにできることとは何だろうか。一つは、タリバン政権下において女性等の社会的弱者が置かれている状況を注視し、政権の横暴に対する批判的な世論を涵養すること。署名活動に参加したり、SNSで話題を出したり、友人に話したり……規模の大小にこだわらなければ、これは誰でも簡単にできる。この文章もまた、そのような活動のささやかな一片に他ならない。もう一つは、アフガニスタンの人々を支援する団体をサポートすること。Women For Afghan Women(WAW)やユニセフがアフガンの女性や子どもたちを守るために寄付を募っています。これは誰でもできることではないかもしれないけれど、余裕のある方はどうかお願いします。
原題/別名:Elle
上映日 | 2017年08月25日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 131分 |
スコア | 3.3 |
監督 | ポール・ヴァーホーヴェン |
脚本 | フィリップ・ディジャン、デヴィッド・バクスト |
あらすじ
ゲーム会社でCEOとして働くミシェル(イザベル・ユペール)は、ある日自宅で覆面を被った男に襲われる。自分のペースを崩さず日常生活を送るミシェルだったが、襲われた記憶がフラッシュバックし彼女を蝕み始める。犯人は身近にいるようだ。自分をもてあそんだ犯人の正体を突き止めるべく、周囲に探りを入れていくミシェルだったが、やがて自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされ、周囲を巻き込み波乱を巻き起こしていく―。
出演者
イザベル・ユペール、クリスチャン・ベルケル、アンヌ・コンシニ、ロラン・ラフィット、ヴィマラ・ポンス、シャルル・ベルリング、ヴィルジニー・エフィラ
感想・評価
1.2021年101本目フランス映画って感じ あ〜なんかすごいな〜
2.愛とか恋とか、何それおいしいのかい?( ˘ω˘ ) 的な感じの映画だと思った
3.全くよくわからん登場人物全員狂ってる馴染みのないフランス映画なのと、登場人物が多い上にみんながみんなおかしいから途中で理解できなくなった周りの人とやたら関係もちすぎ旦那の浮気相手だった親友と一緒に住む???隣人の女は唯一まともかと思ってたら最後の最後に、、、黙認してたとは
4.変な人大会開催中みたいな映画。一人もまともな人が出てこない。感情移入できない。そこに惹かれて最後まで見てしまった。出てくる人、すべてどこか変だからそこに見入ってしまう。クリスマスパーティーで集まったときのすごい空気感もたまらない。しかし、予告の内容とは違うように思う。マスクの男に襲われて、警察にも頼らないで自分で犯人を捕まえるみたいな話だと思ったが、全然違う。何かの事件解決、ハッピーエンドみたいな物語を期待するとがっかりしてしまうかも。主人公のミシェルは、ひょうひょうとしすぎている。感情がないのかな?と思ってしまうくらい。自分にはそこが魅力的に見えた。唯一まともだと思っていたレベッカも、最後の一言でとんでもない変わり者だとわかる。物語は淡々と進むが、変な人ばかり登場するから見ていて飽きない。理解はできない。理解はできないが、最後は変な清々しい気持ちになった。自分は好きな映画だった。物語とは関係ないが、フランスは路上に駐車するんですね。あんなにお金持ちでも路上に駐車していて少しびっくり。
5.公開当時62歳のイザベルユペールをこれでもかというくらいに綺麗にみせた映画?62歳全然抱ける(。´´ิ∀ ´ิ)単純にレイプ犯は誰だっていう映画ではなく、主人公を取り巻くいろんな話が展開していくがどれがメインとしたいのかわからない作り(自分には難しい?)でも飽きずに集中して見れたからたぶん面白い方だった#サスペンス
原題/別名:La grande bellezza
上映日 | 2014年08月23日 |
製作国 | イタリア、フランス |
上映時間 | 141分 |
ジャンル | ドラマ、コメディ |
スコア | 3.5 |
監督 | パオロ・ソレンティーノ |
脚本 | パオロ・ソレンティーノ、ウンベルト・コンタレッロ |
あらすじ
偉大なる美が集う永遠の都ローマ。美の探求者が人生の最後に追い求めたものとは…?真夏の夜の眠らないローマ。ジャーナリストのジェップは俳優、アーティスト、実業家、貴族、モデルなどが集うローマの華やかなセレブコミュニティの中でも、ちょっとした有名人だ。彼は初老に差し掛かった今でも、毎夜、華やかなレセプションやパーティーを渡り歩く日々を過ごしていたが、内心では仲間たちの空虚な乱痴気騒ぎに飽き飽きしているのだった。そんなある日、彼の元に忘れられない初恋の女性の訃報が届く。これをきっかけに、長い間筆を折っていた作家活動を再開しようと決意するが……。
出演者
トニ・セルヴィッロ、カルロ・ヴェルドーネ、サブリナ・フェリッリ、カルロ・ブチロッソ、イアイア・フォルテ、パメラ・ヴィロレッジ、ファニー・アルダン
感想・評価
1.人生はトリックだ。ラストの謎々。というか、この映画そのものが謎々みたい。荘厳で華麗で豪奢な映像世界は脈絡なくみえて、でも混沌としてはいない。まるで小宇宙。私はそのなかに浮かんで漂う夢のような感覚にあり、ときどき本当に眠気に包まれるから、けっきょく何を観ていたのかよくわからないのが本当のところ。主人公ジェップが振り向いた瞬間に、彼が知と富を持ちつつ、空虚で皮肉で享楽的な男であることをわからせてしまう。ピエロの仮面のような笑い顔。彼は終始こんな調子で、ちょっと人を小バカにしたような仮面を被っているのに、真に心を動かされた時にはふとその仮面が外れる。そんな瞬間、彼の中の小宇宙が垣間見えるような気がして覗き込みたくなり、目を凝らした。
2.初めて映画館で見た時から鮮烈な印象を今も残しているイタリア映画です。若い頃に執筆した本で富を得た主人公ジェップは、それから一度も本を書くことなくローマでの生活を謳歌してるようにみえたのだが……。神聖な音楽、ローマの街並みと相まって人物を彫刻や絵画のように撮る映像が美しい。毎晩朝帰りしてるような、けばけばしい毎日と対照的に虚しいとため息をつくジェップは冷めた表情。これは神々の黄昏だ。そもそもローマを知らないのでただただ上品で煌びやかに映るのだけど、人が集まり彩りのある言葉を飾れるなら、どこであれ、そこが娯楽になると思った。
3.11.24.202112.20.2021ずっとこの映画のことが忘れられなくて、1ヶ月もたたないうちに再鑑賞してしまった。勿論たったの二回だけじゃあ未だによう分からんことばかりだし、「良さがわからん」と一瞬で片付けられても仕方がない映画だとは思います。でもとにかく好きなんです。言語化不可能です。空虚で大袈裟で、ゴージャスでロマンチックで皮肉っぽい。大好き。
4.偉大な美を求めさまよう初老作家の姿を描いたドラマ。イタリア人ジャーナリストのジェップは上流階級の有名人。40年前にベストセラー本を出して以降は筆を折り、綺羅びやかなローマのナイトライフを満喫している。65歳の誕生日を機に、自分の歩んできた人生を振り返る。"根っこだけを食べる。根っこは大事だから。"初パオロ・ソレンティーノ監督作品。最新作の予習という意味も込めて鑑賞。主人公と比べて人生経験や年齢に差があり、ストーリーが深く心に響いたわけではなかったが、芸術としての"映画"を堪能した。永遠の都ローマを舞台にした映像美、甘美な音楽、ゆったりと流れる上質な雰囲気に酔いしれた。ライトアップされたローマの夜景は、息を呑むほど美しかった。"トリック" 優雅さの虚飾。生と死、喧騒と閑静、華美と質素、充実と虚無などといった対比がある。フェリーニ監督の『8 1/2』に似ている気がした。主演のトニ・セルヴィッロには、マルチェロ・マストロヤンニとは少し違ったセクシーさがあった。このイタリア人おやじから溢れ出る色気の源は何だろう?"私は貧しさと契約した。貧しさとは語ることではなく生きること。"
5.新作は結構見やすかった感がある、これを見ると。まだ自分には早かったかな、みどころがよくわからなかった。そこそこ金あって女性におもてになるそこの土地の有名人な暇つぶしおじさんの話、ってかんじにみえたんだけど、ちょっと詩的だったり哲学的だったりする会話が苦手なのでそういうの多いと降参、そして独特な話の飛躍の仕方やあっけなさで、なんだったんだろうと、ポカンとみてた。過去に好きになった人が死ぬって経験が無いので感情移入も出来ず、このおじさんのかっこつけかたが好みにあわないのもあったのか、ピンとこなかった。
原題/別名:Roma
上映日 | 2019年03月09日 |
製作国 | アメリカ、メキシコ |
上映時間 | 135分 |
スコア | 3.9 |
監督 | アルフォンソ・キュアロン |
脚本 | アルフォンソ・キュアロン |
あらすじ
政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコを舞台に、アカデミー賞受賞監督アルフォンソ・キュアロンが、ある家族の姿を鮮やかに、そして感情豊かに描く。
出演者
ヤリャッツァ・アパリシオ、マリーナ・デ・タビラ、Diego Cortina Autrey
感想・評価
1.犬の?がめちゃでかいのが気になった。あんなに等間隔にするものなの?素っ裸で素振りがシュールすぎる
2.ガレージに合った車を買った方が良いっていう話。映像は綺麗だったし、記憶に残るシーンもたくさんあったけど、映画館で観るような作品だったんだろうなー、と。家で観たのもあり、あまり自分にはハマらなかった。
3.芸術的な映像でした。最初のシーンとか床掃除してるだけなのに見入ってしまうくらい綺麗です。社会的に不安定な時代で、クレオと家族それぞれに不幸が起き、それでも寄り添って生きていく美しさと残酷さを両方感じた気がします。優しいおばあちゃんが好きでした。あとフェルミンが会いにきたクレオをウーッ!ハーッ!みたいな事叫んで追い返すのクソ面白かった。もうちょっとあったやろ。
4.波に飲まれていくように現実に巻き込まれていくのだなぁと。以下ネタバレあり最初とラストあたりの波の描写が印象的だった。変わらない映像がぼーっと映しっぱなし、みたいなところが多く、早よすすめ!!!!!となる人もいるかもしれない(少しなった)地震、火事、デモ等所々に急に起きる騒動が多い。何を表しているんだろうか?コップが割れるシーンは死産の伏線なんだろうか?強い感動とかはないんだけど、普通に良い映画だなと思った。普通に良いな、て思うのはこの映画が監督自身の本当の記憶と思い出に基づいていて、現実みが強いからだと思う。台本もみっちり決まってて、派手なアクションで魅せる、て言うものではないからね。ナチュラルな「良さ」。言葉では表し辛ぁい(どの映画にも毎回言ってる笑)フルの珍はすごくおどろいた、ありのままなんだなぁと、、笑にしてもあの彼氏?やり捨てとは本当に最悪だなぁ。あとさ、犬のチーウンてあんなデカなの??(どうでも良い)クレオが可哀想で可哀想で(破水から死産とか)。でも大好きで居てくれる人たちが寄り添ってくれて、あの浜辺シーンはグッときましたね。なんだが家事がしたくなる映画でした。これがローマか。タイトルずっと謎だった。地名なのね。
5.モノクロに仕上がったメキシコの風景と生活音の美しさに、暴走する時代の不穏さがずっと付き纏ってくる。メキシコの時代背景が頭に入っていればもっと入り込めたかな?と。この映画は70年代が舞台のお話だけど、ある種コロナ渦の時代にも共通する部分があるかと。時代が混乱して、身近に影響を及ぼしたとき、「強くたくましく」だけではな生きていけなくて、不本意でも流れに身を任せて生きていくしかないという時代の辛辣さ。それを経て、それでも人は日常生活に帰化していくのは、世の中の冷酷さであるけど、ある意味希望ともいえるよね。人も、犬も、街も、海も、う○こも全部が絵画みたいに美しい。モノクロ正解。
原題/別名:Aus dem Nichts/In the Fade
上映日 | 2018年04月14日 |
製作国 | ドイツ、フランス |
上映時間 | 106分 |
スコア | 3.7 |
監督 | ファティ・アキン |
脚本 | ファティ・アキン |
あらすじ
ドイツ、ハンブルク。生粋のドイツ人のカティヤはトルコからの移民であるヌーリと結婚する。ヌーリは麻薬の売買をしていたが、足を洗い、真面目に働き、息子も生まれ、幸せな家庭を築いていた。ある日、ヌーリの事務所の前で白昼に爆弾が爆発し、ヌーリと愛息ロッコが犠牲になる。トルコ人同士のもめごとが原因ではないか?と警察は疑うが、移民街を狙ったドイツ人によるテロであることが判明する。突然愛する家族を奪われたカティヤ。憎悪と絶望の中、生きる気力を失いそうになりながら、カティヤはある決断をするのだった。
出演者
ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、ヌーマン・エイカー、ウルリッヒ・トゥクール
感想・評価
1.2021.7.31いや~壮絶だった。ここまでではなくても、彼女のように苦しんで苦しんでどうしようもない人絶対にいると思う。犯人のカップルには本当に嫌気がさす。反省してないのが、彼女を決断させたのだと思う。ところで二度って?
2.演技に引き込まれる一つ一つのシーンが写真みたいで綺麗でずっと見てられた生理の描写の解釈は個人的には、ラストシーン前からの主人公の精神状態は至って平常である、というメッセージだと思うそうすると事象だけを映したような淡白なラストシーンや原題(どこからともなく)に繋がる気がする
3.この映画でネオナチスの意味を初めて知り、本当に胸糞悪かった。今までユダヤ差別の映画はたくさん観てきたけど、胸にズシンとくるシーンが多かった。被告人の父親と話すシーンはなんとも言えない。
4.うーん、ヘビー。けど、引き込まれて観てしまった。映像も全体的に暗い感じだが、場面場面で海などを入れてて、良く纏まっていた。映画として、面白かった。
5.突然家族を失った女性のショック、落胆、自暴自棄、復讐‼️女優さんの演技が素晴らしく、ストーリーに引き込まれました‼️ テロ事件の実話をベースにしたストーリーらしいけど、最後の自爆も実話なんだろか?ドイツのハンブルグは、昔仕事で行ったことあるけど、風俗の街で夜は危ないから出掛けるなって言われたな。日本は平和で素晴らしいよね
原題/別名:Amour
上映日 | 2013年03月09日 |
製作国 | フランス、ドイツ、オーストリア |
上映時間 | 127分 |
ジャンル | 恋愛 |
スコア | 3.9 |
監督 | ミヒャエル・ハネケ |
脚本 | ミヒャエル・ハネケ |
出演者
ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、イザベル・ユペール、アレクサンドル・タロー、ウィリアム・シメル、ラモン・アギーレ、リタ・ブランコ、カロル・フランク、ディナーラ・ドルカーロワ、ローラン・カペリュート
感想・評価
1.老々介護の日々、夫婦の愛を淡々と描いた作品。ずっと2人の生活を見ていくから辛さがじわじわと伝わってきて終盤は何気ない動作を写しただけのシーンに涙が止まらなくなる。施設に入れるくらいの金銭的余裕があって、頼ろうと思えば頼れる娘夫婦がいても2人で最後まで生きると選択すること。尊厳を守ること。究極の愛を見た気分。極限の状況や愛を前にすると倫理の存在感は薄れるし、死は救いにもなり得ると思った。花を切る。鳩を捕まえる。
2.胸がザワザワ…。「ファーザー」を見たときに陥ったような、現実か幻想か分からない描写がより不安を掻き立てる。あれはどういうことだったんだろう、っていうシーンがいくつかあったので見終わってからも頭がぐるぐるしています。(あれ…これはハネケ監督の罠にハマったのか…)
3.相手を尊重して、敬意を払って、愛を持った結果、自分が決断せんとあかんって、そんなん無理よ。
4.ミヒャエル・ハネケは凄い。流れていく時間の不穏さや虚無を作るのがうまい。なが回しで状況や空気感を把握させて緊張を煽ったり固定で風景を撮るのにも冷たさを感じる。ストーリーの嫌な所を突いてくるのも素晴らしく不愉快。“妻が認知症になってしまった”愛し続けるだろうし情もある。だけれど目の前に愛した妻の姿はなくかつて妻だった存在がいる。積み重なっていく嫌悪や罪悪感に苦しんだ男が自分のため妻のために最後にした行動は大きな喪失感を生んだ。完成度が高く見ごたえがあった。本当に天才だ。
5.11.12.202012.14.2021つい数日前、祖父が余命一年と判断された。今まで一度も誰かの葬式に行ったことがないのでまだ全く実感が掴めないが、本作を再鑑賞している間、色々想像したくないことも、思い出も、色々と頭に浮かんできて涙が止まらなかった。とても他人事としては見れなかった。#MyATB
原題/別名:Leviafan/Leviathan
上映日 | 2015年10月31日 |
製作国 | ロシア |
上映時間 | 140分 |
スコア | 3.6 |
監督 | アンドレイ・ズビャギンツェフ |
脚本 | オレグ・ネーギン、アンドレイ・ズビャギンツェフ |
あらすじ
入り江のある小さな町。自動車修理工場を営むコーリャは、若い妻リリア、そして先妻との間に生まれた息子ロマと共に、住み慣れた家で暮らしている。1年後に選挙を控えた市長のヴァディムは、権力に物を言わせ、彼らの土地を買収しようと画策する。自分の人生の全てともいえる場所を失うことが耐えられないコーリャは、強行策に抗うべく、友人で弁護士のディーマを頼ってモスクワから呼び寄せ、市長の悪事の一端を掴み、明るみに出そうとするのだが……。穏やかだった海はすべてを飲み込むかのごとく荒々しく姿を変える。圧倒的な自然の前では人間が非力なように、欲が肥大し強大になった権力を前に闘うコーリャもまた、なすすべもなく打ちのめされていく。正直に生きる矮小な人間に、神は味方をするのだろうか――。
感想・評価
1."ようこそロシアへ"な作品。"巨大な権力は市民から豊かさを刈り取る"の教訓。かなり大胆に、勇敢に描いてくれたことに敬意。コーリャの頭上に神はいない。。いるのは獰猛で狡猾な熊たちだけ。怒りの沸点がヘリウム並みに低い短気な酒飲みおじさんたちの土地を巡った争い。かと思いきや、熊たち(裁判官、検察官、警官、政治家)によってガチガチに支配された強力で冷酷で腐った国家と戦う善良な市民が例外がなく叩きのめされ、底がない沼に落ちてゆくかなりの鬱作品でした。。同時に、これは専制政治や独裁への警鐘でもありとても効果的に描かれている。守ると約束した罪なき市民の生活を食い潰す貪欲さはまるで、、、利権に塗れた政治家たちの顔が目に浮かぶ。裁判官の舌の回り方がエゲツない!!?早口言葉より早口だった?
2.強権的な市長に自宅を強制収用され、裁判で争っている主人公に、さまざまな不幸が襲いかかる暗すぎる映画。全編を陰々滅々としたムードが貫く。友人同士でバーベキューに繰り出すシーケンスの不穏さはどうだ。表向きは和やかに進んでいるのに、銃というアイテムもあってか、暴力と死の匂いが胃が痛いほどに満ちていき、見る者を緊迫させる。やがて爆発するものの、そのものが描かれるわけでもない。仄めかしの緊張とはぐらかしの緩和で見せる演出術はかなりのもの。工場で積み上げられていく魚、聖職者の庭で無様に餌を貪る豚、親のセックスを目撃し嫌悪感を催した少年が逃げた先にある巨大な鯨の骨など動物のモチーフも、人間の生の根本的な罪深さ、醜悪さを代弁するかのよう。最終的には神と信仰をめぐるテーマらしきものが提示されてはいるものの、正直どうでも良くなるほどの濃密な人間ドラマ、サスペンスフルな演出、重厚かつ荘厳な海の風景に打たれる。それにしても民事と刑事で、劇中2回ある判決言い渡しの場面。ロシアの裁判官はいつもあんなに早口なの?
3.ヴァディム市長施設建設の再開発に反対する修理工場を営むコーリャは弁護士の友人ディーマを呼び立ち向かっていく映画ズビャギンツェフの所々挟まる海や波のショットがとても印象的コーリャが次々と理不尽な目に遭い追い詰められて焦りや怒りが後半高まってそれによって家族も崩壊していく様がとても良くできていた
4.映像と壮大な景色がたまらない。まるで夢の中のよう。鯨の骨など凄すぎる。あの廃墟の建物など、どこがヱヴァンゲリヲンを思わせる。人間は小さいと感じた。ロシアにはあのような自然があるのなら行ってみたいと感じた。幻想的でとても大好きな映画でした。
5.ズビャギンツェフは『ヴェラの祈り』『エレナの惑い』に続いて3作目。相変わらず話も画面も暗い。あらすじを読んだときはアンドレイ・ズビャギンツェフ版『チャイニーズブッキーを殺した男』を想像していたが、市長室の壁にかけられたプーチンの肖像画と市長を意識させるショットだったり射撃の的を権力者たちにしたり、ストレートに権力者批判だった。あとは神の不在。ラストは『太陽はひとりぼっち』もしくは『あの夏、いちばん静かな海』か?
原題/別名:Hable con ella/Talk to Her
上映日 | 2003年06月28日 |
製作国 | スペイン |
上映時間 | 113分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | ペドロ・アルモドバル |
脚本 | ペドロ・アルモドバル |
出演者
ハビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス、ジェラルディン・チャップリン、パス・ベガ、ピナ・バウシュ、カエターノ・ヴェローゾ、ロベルト・アルバレス、セシリア・ロス
感想・評価
1.愛は「信じ続けること」なのかなと感じた。昏睡状態の女性を愛し続ける男の物語であると同時に、男同士の友情に近いような愛の形も描く。愛することと変態とは近いものがあるな。最後のマルコとアリシアってタイトルが出たってことはそれまでのパターンでいくと二人の恋物語が始まっちゃうってこと?切ねぇー。セツナレンサ。死んだ男が報われねぇよ。
2.愛するとは信じ赦し受け入れること、知によってより深く導かれるものと思ってたけど、愛することと愛し合うことはまったく別物だと強く感じた心で愛することは自由だけど越えちゃいけない一線がある…とした時、何を一線と置くか、どこから双方向の交流を求めるかって、単なる倫理の問題なのかなぁそして愛し合うというのは、ただ単に愛が一方向か双方向かだけではなく、共に生きているということな気がする記憶の共有がなければ共に生きているとは言えないのだな、とパームスプリングを観て想ったばかりだったことを思い出したマルコとベニグノはそれぞれが双方を愛していたと思うけど愛し合ってはいなかった愛すること、愛されること、愛し合うこと、どの愛も手に入れたいよね人生
3.ペドロ・アルモドバルの世界観MAX。究極の愛は変態と紙一重。こんなに一方通行な純愛もなかなかない。植物状態のアリシアを4年間献身的に介護し幸福を感じる看護師ベニグノ。しかも実は前からアリシアのことを知っていて恋をしていたっていうストーカー臭半端ないけどベニグノは至って純真で無垢なんだよな。そして同じく自分の彼女が植物状態になったマルコと病院で出会い仲良くなる。ベニグノがアリシアと結婚したいってマルコに打ち明けた時に、必死に思い止まるよう説得するマルコは友達だなあと感じた。ベニグノは憤慨してたけど。最後アリシアは植物状態の時の事を覚えていて何かを感じ取っている様に感じた。女性の脳は理屈ではなく感覚が強いからベニグノの思いも気付いていたんじゃないかなぁ。でも覚えていたらベニグノの変態行為も覚えていることになるからそれはそれで嫌だ。
4.話すことは意外にも簡単だに対するバレエの先生の返しがナイス。誰かを思って流す涙以上に美しい涙はない。
5.植物状態になった憧れの女性に毎日話しかけ、身の回りの世話を4年間尽くしている看護師の男。同じ様に事故で意識が回復しない恋人に絶望して、話しかけることも出来ず唯側にいるだけの男。この真逆の男ふたりが少しずつ親しくなっていくことで色々な愛の形が見えてくる。登場人物の多くが報われない愛を抱え孤独感を漂わせているところがアルモドバル作品らしい。植物状態の彼女を看護していた4年間が1番幸せだった…と若いハビエル・カマラ演じる青年は言う。このあまりにも不器用な生き方とあまりにも一方的な思考回路にこちらが苦しくなるくらいだ。生い立ちと環境から双方向の愛を経験してないというのもあるけど、この一方的な思考回路が彼の最後の決断をさせてしまったのだ。一方、舞台のダンスを見ても、「ククルクク〜パ〜ロマ〜」を聞いてもやたらと泣く男、無声映画の縮む男など、何だか切ない男たちが沢山出て来るのもアルモドバル。投獄された看護師は無実だと思う。彼は嘘は言ってない。その辺を曖昧に終わらせているところが又憎いね。世の中報われない人ばかりだよ、と言われてる気がする。寝たきりの女性に血流を促す為にマッサージしてあげる時のしなやかな指先の映像が離れない。本人の指先だとしたらエステティシャン顔負け。ハビエル・カマラの役作り凄い!
原題/別名:미나리/Minari
上映日 | 2021年03月19日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 116分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | リー・アイザック・チョン |
あらすじ
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと心臓に病を持つが好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。
出演者
スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットン、スコット・ヘイズ
感想・評価
1.家族と言うか夫婦の物語。今この瞬間苦労せず平凡に暮らしたい妻と将来大輪の花を咲かせたい夫。正解はないけど、そこが噛み合わないと夫婦って難しい。
2.子役の存在感がすごくて素晴らしい。アメリカンドリームを夢見る韓国人一家の描き方、私は好みだけど好き嫌い分かれそう。優勝はおばあちゃん。すごいキャラ
3.なんとか最後は首の皮繋がってて良かった没落を見せられるのかと思ったわ
4.淡々と日々が過ぎていくと思ったらまさかの事件。それでも人生は続いていくのを象徴しているのがミナリなんだろうな。夫婦の絆はこれで少しいい方向になったと信じて。
5.レビュー見てると夢追い人な旦那にイラッとしてる人が多い様子勝手に決めて来た事は悪いけど初めてしまったものはやるしかない訳でもう少し協力的にしてあげてーと思ってしまったヒステリー起こしたりすぐ機嫌悪くなったり否定ばかりされたらそりゃ喧嘩になるよって思って奥さんの方に割とイラッとしちゃったので自分は結婚向いてないのではと思ってしまった。あと演技で賞も取られて評価の高いおばあちゃんも好きになれなかった最後普通に何してくれてんだ!てなった
原題/別名:PARADISE NOW
製作国 | フランス、ドイツ、オランダ、パレスチナ |
上映時間 | 90分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | ハニ・アブ・アサド |
脚本 | ハニ・アブ・アサド、ベロ・ベイアー |
あらすじ
パレスチナで自爆攻撃に向かう二人の幼馴染みの若者の友情の物語。イスラエル人プロデューサーと手を組んだパレスチナ人監督ハニ・アブ・アサドが、ヨーロッパ各国と共同で制作を行い、これまで語られることのなかった自爆攻撃者の葛藤と選択を描く。
出演者
カイス・ネシフ、アリ・スリマン、ルブナ・アザバル、アメル・レヘル、ヒアム・アッバス、アシュラフ・バルフム
感想・評価
1.【イスラエルで自爆テロを試みるパレスチナの若者の48時間をパレスチナ人の監督とイスラエル人のプロデューサーが描くというだけで、あまりにも衝撃的】敵対するイスラエルで自爆テロを敢行しようとする2人のパレスチナ人の若者の48時間を描く、という設定だけで、それ以上語る必要がないほど衝撃的な映画なのだが、この作品をパレスチナ人の監督がイスラエル人プロデューサーと知り、その衝撃度は数倍に膨れ上がる。体に自爆用の爆弾を巻き付けた若者の1日を淡々としたドキュメンタリータッチで映すだけで、いつ爆発するか何が起こるかも分からないヒリヒリとした緊張感が作品全体に流れ続ける。アラーの神のもと、自爆テロ要員として選ばれたことに、ためらいや強烈な不安を見せず、むしろ誇りを持って臨もうとする若者の姿を見ていて、不思議と可哀そうという気持ちや辛さは感じず、むしろその狂信性に異常さを感じる。映画自体はもうひと盛り上がりあっても良かったかなq?という思いはありつつも、全体的にはとても面白かった。が、正直、本作の主人公サイードの行動と信念には全く共感できないわけで(多くの日本人が共感できないと思うが)、“殉教”という美化されたような言葉は結局“武力報復”でしかないのであり、それにようやく気づいた親友の行動に対してとるサイードの行動はやはり残念だ。しかし、歴史や彼の父親の行動によって根付いた拭いきれぬ怒りが彼をそうさせたわけであり、それは当事者にしか分からない覚悟と心境なのだろう。ラストのサイードの虚ろとも覚悟を決めたとも報復心に満ちたともとれる異様な眼差しは、あまりにも印象的で、ホラー映画よりもはるかにゾッとさせられる強烈なシーンだった。
2.自爆テロを起こす若者を静かに、そして具に描いた傑作だ。日本からだと全く本質が見えずにテロ=悪のように簡単に落とし込みがちだが、起こす者の行動原理、どうしようもない感情をありありと描いていた。作品全体から感じられる閉塞感に加え場面場面で滑稽で緊張感が壊され気まずさを感じるようなシーンがあることで皮肉にも感じられる作りになっていたり、最後の晩餐を思わせるシーンがあったりと表現にもこと欠かさない。
3.神のご意志だけではなくて、どちらも加害者であり被害者となってしまったパレスチナとイスラエル両者間の格差、狭間で生きる青年の怒りや苦しみを台詞に織り込んでいたのが印象的だった。銃撃の音も、ほとんど実際の音声だという。そしてパレスチナ内部にも複数の立場があり、格差もある。誰にでも親がいて、家族がいる。その当たり前が入り組んだ復讐や殺しの応酬を生んでしまう。どちらが先かなど辿れない、まさに鶏卵問題。一時トランプ大統領が入植地を認め、その後のバイデン政権ではより複雑化の一途を辿っているパレスチナ問題。新型ウィルスへの対応で、ある種先進的な対応をしている国として一部報道されていた気がするけど、イスラエルは目下それ以上に爆弾的な問題を抱えている。絶望の矛先が自らの死、怒りの矛先が他者を巻き込んだテロとなる。先日の電車内での事件然り、日本も決して他人事ではなくなってきている。
4.【第78回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート】ベルリン映画祭やヨーロッパ映画賞でも受賞するなど国際的な評価を受ける一方で、パレスチナ人による自爆行為で亡くなった遺族からはアカデミー賞ノミネートから除外するよう署名運動にまで発展した作品。抗議するイスラエル人は「自爆テロを賛美する内容」と受け取ったようだが、本作はそんな単純な内容ではない。監督自身も「物事を“邪悪”と“神聖”にわけるのはナンセンスだ。私は複雑きわまりない現状に対する人間の反応を描いているのです」と語っている。短めの尺の中で自爆行為に対する是非やすれ違う二人を巧みに入れ込み、飽きさせない。終わり方も直接的ではない描写がとてもいい。監督は2013年の『オマールの壁』で二度目の外国語映画賞ノミネートを獲得しており、その実力を証明している。ヨーロッパ映画賞で脚本賞を受賞しているだけあり脚本が上手い。ある一人の女性によって二人の考えに揺らぎが出てくる描写や、すれ違う構成などよく考えられていて素晴らしい。惜しむらくはそんなに昔の作品でもないのになぜかフィルムの状態が非常に悪いこと。時々線が入ったりするのが気になった。
5.パレスチナ問題、自爆攻撃を命じられる二人呑気にシーシャ吸うな明日自爆テロしろって言われたら嫌すぎて逃げ出すわ、神のご加護やあらへんねん日本のミニマリストみたいな人生は確かに退屈やなカメラ不調すぎて3回も特攻前の口上言うの辛いし不吉サイード一人だけ逸れるなやまあ逸れて戻らなかったら裏切ったって思うわな天国は頭の中にしかない最後サイードだけ実行するんか
原題/別名:MAR ADENTRO
製作国 | スペイン |
上映時間 | 125分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | アレハンドロ・アメナーバル |
脚本 | アレハンドロ・アメナーバル、マテオ・ヒル |
出演者
ハビエル・バルデム、ベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス、クララ・セグラ、マベル・リベラ、セルソ・ブガーリョ、タマル・ノバス、ジョアン・ダルマウ、フランセスク・ガリード
感想・評価
1.色々考えさせられた。ラモン(ハビエル・バルデム)は実在の人がモデルで、彼が亡くなったのは1998年らしい。これだけAIが進んだ現代とは比べられないほど、どうしようもない日々だったはず。生きるのは義務、って言う言葉に凝縮されてるし、四肢が麻痺してると自殺も図れないというのも理屈としては納得できる。25歳で四肢不随になって、その後27年も寝たきりで兄の家族の介護を受けていて、彼らを解放してあげたい、っていう気持ちすごく理解できるし、頭はクリアなのが余計に辛いと思う。兄のホセはキリスト教の影響もあって、とにかく尊厳死を否定するばかりで、彼の気持ちを理解しようとしない。そもそもどんなことがあっても、弟の死を望む人なんていないだろうしなぁ…。なのに最後は彼も本音が出て、みんなお前の奴隷だといってしまう。ホセの奥さんのマヌエラがほんと良くできた人で、義弟のためにあんなに献身的になって、ラモンを愛して接している。こういうときは女性の方が現実的なのか、それとも共感能力が長けているからか、彼女はラモンの気持ちを尊重しようとする。
この時代、スペインでは安楽死は合法ではないから、それを求めて裁判を起こすラモン。彼の弁護を無償で引き受けたのはフリアで、彼女もまた認知が進む病気を抱えており、自身も尊厳死を望んでいる。その彼女が最後は症状が進んで、ラモンのことも忘れてしまい、自分が尊厳死を望んでいたことも忘れている。ロサはラモンを愛して、彼を死に導くように手助けするのだけど、ラモンは彼女への気持ちがないようで、ロサが利用されたようにも思えてしまった。ハビエル・バルデムの老けメイクが自然で、最近の映画なのかと思ったらもう17年も前の作品。この作品がきっかけの1つとなってスペインでは2021年3月に安楽死が合法化されたらしい。私は第2次ベビーブーマー世代なので、高齢者になったときには日本社会がぶち当たる問題だと思う。自分も年老いたときのことを考えたら、安楽死がいいなぁと思うし。何かとこういうことは後回しで、決めない、ってことを決め込んでるような日本政府だけど、そろそろ議題にしておかないと、次の世代が大変。
2.学校の授業で鑑賞。安楽死について考えさせられた。観れて良かった。
3.尊厳死や安楽死。劇中でのラモンのセリフ「生きる事は世間一般でいえば権利だが今の僕には義務だ。だから死を望む。」死=恐怖と決め付けることなく、ラモンはそれをいかに望んでいるかがひしひしと伝わってきます。特に想像の世界ではラモンは足で歩き空を飛び回る事も出来る。この映像はまさに鮮烈。ラモンの自由を体現している存在が海であることは明らかです。それにある種のラブストーリーとも取れると思います。愛の形や表現は違えどなくてはならぬもの。フリアの共感から始まり最後は忘れる事になってしまう想い。ラモンとなんら変わりない事を気づかされます。そしてラモンの愛の形はとてつもなく重いもの。でもこれも立派な愛です。主演のハビエル・バルデムは顔の表情だけで演技を見せて、その言葉には実に説得力があります。他にもフリア役のベレン・ルエダもいいです。病魔に侵されている事を知っていながらもラモンに協力するその行動力と勇気。これが映画デビュー作とはビックリです。最後に忘れてならないのは実在の人物ラモン・サンペドロこそが、一番に自由を渇望していたと同時に死も望んでいた事です。
4.海を飛ぶ夢っていう邦題が素敵。尊厳死という難しいテーマを扱う作品。生きるか死ぬかは本人に決める権利があるって思ってたけど実際はそうもいかない。四肢麻痺の人間は死にたくても1人で死ねないから誰かの助けが必要。家族が面倒をちゃんと見てくれて愛してくれているし家族や友達の為に生きていた方がいいと他人の目からは映るだろう。でも本当の苦しみは本人にしか分からない。法律や論理感を抜きにして尊厳として死を選ぶという彼の選択は間違ってはいないと思う。けど心から愛している人が本気で死ぬことを望むなら手を貸すことができるだろうか?ということもこの作品では大きな問題。愛する人が死という選択を選ぶのであれば尊重し受け入れることも必要なのかもしれない。生きてれば良いことあるなんて綺麗事だし実際苦しくて辛いことが多い。ただ生きてて欲しい望むのは人間のエゴ。
5.ひとりひとりの想いは悉く真摯で、だからこそ互いに傷つけ合う。綺麗事では済まされない、剥き出しになった感情のぶつかり合い。厳しくて、そして優しい。初めは相手の立場や感情を慮っていても、次第に、胸の奥に堪った、抑え切れない想いが吹き出して、心ならずも相手を傷つけてしまう。そんな、厳しくて、それでいて優しい対話の連続。何よりも悲しみを押し殺したラモン(ハビエル・バルデム)の深い深い笑顔が印象的。そして、夢。ベッドから降り立ち、海を飛び、フリアと愛し合う。あの海。あんなにまで切なく胸に迫りくる海の風景をこれまで見たことはない。鑑賞してる最中よりも、後からじわじわと心に染みてくる。たいへんに質の高い作品であると感じた。
原題/別名:NO MAN'S LAND
製作国 | フランス、イタリア、ベルギー、イギリス、スロベニア |
上映時間 | 98分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | ダニス・タノヴィッチ |
脚本 | ダニス・タノヴィッチ |
出演者
ブランコ・ジュリッチ、レネ・ビトラヤツ、フイリプ・ショヴァゴヴイツチ、カトリン・カートリッジ、サイモン・キャロウ、ジョルジュ・シアティディス、サシャ・クレメール、セルジュ=アンリ・ヴァルック、ムスタファ・ナダレヴィッチ
感想・評価
1.この日本版ジャケのコピー、サイコパスみ感じるほどズレてる笑笑カトリン・カートリッジ目当てで観た。ボスニア紛争は、クストリッツァ作品で触れたぐらいで基礎的な知識が全然ないんやけど、戦争のもつ、ひいては人間のもつ不条理さや虚しさを痛感した。
2.シチュエーションは秀逸。狭い環境下で三様の心情が織り混ざる。自国の批を押し付けあうやり取りは、少しでも自身の行いや感情を正当化しなければ自我を保てない苦しさを感じる。フランス軍曹の感情に一筋の光を感じながら観ていたけど、結果は予想外。感動作には疑問しか無く、余韻は凄い。もう少し、一人一人の背景を広げて欲しかった。
3.ダニス・タノヴィッチの監督デビュー作にして最高傑作の戦争ブラックコメディ。設定のアイディアが秀逸で、三人が置かれたシチュエーションに紛争を象徴させ、それを取り巻く軍やメディアの自分勝手さを皮肉たっぷりに描いています。共通の知り合いがいて盛り上がるシーンはボスニア紛争を題材にしているからこそ、単なる偶然ではなく、彼らがかつては同じ国民として生きていたことを感じさせる切ない場面でした。ただ中盤以降はやや説教臭くなりすぎた印象で、国連軍の善良な兵士の役回りには説得力が欠けた気がしました。何も解決せずやるせない結末が素晴らしかっただけに、後半は現地に置かれた三人にもっとフォーカスして描き切ってほしかったです。
4.歴史を勉強する上で人に勧められて鑑賞感動作なのか…?戦争の悲惨さが物語るやるせない気持ち現場にいる兵士達は銃さえ無くなれば言葉で解決できるのではないかとさえ思う。二度とこんなことが繰り返さないように歴史を知り、教育を受けることが大事。ユーゴスラビア紛争を知った上で見る事をオススメします。
5.戦争×密室×皮肉映画。地雷を頭の真下に仕掛けられた男、対立するメガネ新人とストーンズTシャツ、の3人組。塹壕に閉じ込められて、何も起きないはずがなく…。という物語。戦場の話であるが、人間の本質を痛烈に描いてたので、よくまとまっている作品だなーと思った。二部構成に思えちゃって後半は時間経過が感じられないし、不条理にフォーカスしすぎて印象に残る瞬間がなかったし、ニュース映像入れてスケール広げなくても良かったし、、、でも興味深いストーリーだったし。まあいろいろ考えてこの点数。スタンダードサイズの予告見つけたが、シネスコ用に撮られたわけじゃないことしってちょっとびっくり。#カンヌ国際映画祭受賞作品
原題/別名:기생충/Parasite
上映日 | 2020年01月10日 |
製作国 | 韓国 |
上映時間 | 132分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 4.1 |
監督 | ポン・ジュノ |
脚本 | ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン |
主題歌/挿入歌 | チェ・ウシク |
あらすじ
全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。
出演者
ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン、パク・ミョンフン、イ・ジョンウン、チョン・ジソ、チョン・ヒョンジュン、パク・ソジュン、パク・クンノク、チョン・イソ
感想・評価
1.すごい映画途中まで笑って鑑賞終盤はもうめちゃくちゃ怖すぎる、知らない地下に知らない人住んでる妹はヒコロヒーに見えた
2.ついに観たパラサイトあれだけ話題になってはいたけど胸糞映画になりかねない予告やパケで公開時の気持ち的に重たいなぁ…と思ってたので見逃してたところが、思いっきりサスペンス感出してたけど観てみたら案外コメディ要素強いファミリー要素??もあり、案外作中に悪意は満ちてなくてぜっったいに平和には終わらないと思いつつももしかしてこのまま軽妙な空気感で終わるかも?と思いながらも、あ、あ、ここで空気転換するか?とヒヤヒヤするところもありながらいやまだコメディだ…笑わせにきてる…と、個人的には感情の揺さぶりのかけられ方が絶妙で楽しかった終盤もまだ自分の好きなエンドへのルートも生き残ってたんだが、やっぱりポンジュノとソンガンホ…うーん…いや、この結末に成るべくしてだし然るべきなんだけど罰は受けたとしても、両家族の全員それぞれなんらかの形で生きて欲しかった。ていうか兄あれで助かるなら妹もワンチャンあったでしょう…あとだいたいの人が言ってるけど富めるものと貧するものの格差の表現が事あるごとにこれでもかと描かれててえげつない…居間のソファと机の下はもう性格悪すぎる笑登場人物もみんな活き活きしてて良いねキャラとして好きなのはパク社長の奥さん俳優含め好きなのは、パク社長印象が一番強いのは、その娘ダヘ社長一家推しだな…キム一家も嫌いじゃないけどソンガンホさんの印象が強すぎて…
3.めちゃめちゃハラハラした!こんな作品作れるなんて思いつくなんてすごい…怖い部分もあったけれども韓国社会こんななのか?って疑問も生まれた!
4.最後が衝撃だった!!半地下で暮らす家族が裕福な家庭に忍び込み、夢みるのだけど、、そして、韓国の格差社会を「臭い」や画角で表しており、すごいなぁと感じた。
5.貧しい一家全員もれなくすんなり大豪邸に侵食しました!!からやっぱりドタバタもんだーー!!となったら、もうひと展開もう1回!もう1回!とどこまでもすっ転びながら飽きる事なくどこまでも計算しつくされた完璧なジェットコースターに乗ってるかのように飽きずに最後まで興奮して完走。最後の夢オチならぬあのオチは儚くもゴキブリよろしくしつこいくらいの図太さにゾクっときてホラーなのか?!サスペンスなのか?!ジャンル分けが難しくも大人のエンターテイメントでした!
原題/別名:Letters from Iwo Jima
上映日 | 2006年12月09日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 141分 |
ジャンル | ドラマ、戦争 |
スコア | 3.6 |
監督 | クリント・イーストウッド |
脚本 | アイリス・ヤマシタ |
あらすじ
2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。それは、61年前にこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか--。
出演者
渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、松崎悠希、中村獅童、裕木奈江、ルーク・エバール、マーク・モーゼス、ロクサーヌ・ハート、尾崎英二郎
感想・評価
1.1945年の硫黄島の戦いを日本側の視点に立って描いた作品。アメリカ映画やけど、劇中ほとんどが日本語でキャストも日本人。邦画かと思うぐらい。戦争の残酷さ、日本人の悪いステレオタイプ、生きることと死の儚さ、争いあっていてもお互い普通の人間であるってことなど、さまざまなことを教えてくれて考えさせてくれた。Clint Eastwood監督さすがやし、ニノも演技凄かった。
2.なんでか分かんないけどトータル5、6回ぐらい見てるんだよな、ここ数年は全然鑑賞してないけど
3.父親たちの星条旗と同じ場所、時間で進行していく日本サイドの話日本は信念との闘いもあり、仲間に殺されるなんてどう遺族に伝えるんだろうと思ってしまった 特に集団自決した塹壕はアメリカサイドの方にも出てくるからつらかった……
4.自宅で観ましたぁ〜。外国人監督だからこその日本人らしさを描けたのかなぁ〜って感じ。戦争の迫力は、また、日本映画ではできないリアルさ。クリント・イーストウッドは、人間ドラマをうまく撮るなぁ~。日本人兵が、外国人兵を助ける場面、人としてってことだし、脱走兵に対するアメリカ兵の行動は、戦争と言うところの凶気だよホント。きちんとした視点で描いてるから、戦争映画でも観れるなぁ。この作品で、今年400本目です。(^^)やっぱり映画は面白い?
5.国のため、天皇陛下のためって言うのが、一周回って家族のためでもあるような考え方怖すぎる、、自決シーンはもちろん怖いし、それを強要させる雰囲気も全部怖い戦争映画を見るたびに自分が歴史知らなさすぎて、それも怖い
原題/別名:Le scaphandre et le papillon/The Diving Bell and the Butterfly
上映日 | 2008年02月09日 |
製作国 | フランス、アメリカ |
上映時間 | 112分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.7 |
監督 | ジュリアン・シュナーベル |
脚本 | ロナルド・ハーウッド |
出演者
マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエ、マリ=ジョゼ・クローズ、アンヌ・コンシニ、パトリック・シェネ、ニエル・アレストリュプ、オラツ・ロペス・ヘルメンディア、ジャン=ピエール・カッセル、イザック・ド・バンコレ、エマ・ドゥ・コーヌ、マリナ・ハンズ、マックス・フォン・シドー、マイケル・ウィンコット
感想・評価
1.彼の左目にみえている世界があたたかいものでよかった みんな彼が好きだったんだろうな 私も好き映像がほんとにすばらしい
2.意識はあるのに全身麻痺で動けない、閉じ込め症候群になった人の話。正直、こうなるのが自分でも一番辛いパターンだと思う。客観的ではなく、 主人公目線で映像が表現されるのが新鮮だった。主人公の気持ちを一緒に体感しているようで辛い。雰囲気はフランス映画そのもので、好き嫌いがわかれそう。
3.(事実と違うところもいくつかあるようですが)実話に基づいたお話。突如脳梗塞(閉じ込め症候群Locked-in syndrome)にみまわれた『ELLE』編集長ジャン=ドミニック・ボービー氏による回顧録に基づく映画。難病物の、よくあるお涙頂戴とは全く趣を異にする。全身麻痺で、左目しか動かせない。序盤、カメラは彼の左目となって、どのような視界となっているかを、映像を通して観る者に提示する。梗塞しているのは脳だけじゃなくて心もそうで、最初はとても狭い視界だし心もそうなんだけど、彼が、様々な人(言語療法士や口述筆記者や多くの医療関係者や子どもたちやその母)とのやり取りを通して、硬くなった心がやわらかくなり、自分をあわれものをやめたとき、カメラを通してみせてくれる視界もゆっくりと広がっていく。なにより今作が心に迫ってくるのは、想像力と記憶さえあれば、心は自由に、何処へでも羽ばたいていけることを、映像と語りでみせてくれること。
心は何処へでもいける。過去にも未来にも行くこともできる。体は重く、全身が潜水服で覆われるような状況でも、心は羽ばたける。それを映像の力と語りでみせてくれる。わたしはいくつかの病気を抱えて生きている。この先わたしはこの映画にもっと支えられていくことになるのかもしれない。『慰めの報酬』のマチュー・アマルリックさんの演技はもはや演技を超えていて圧巻。回想シーンで垣間見せるダンディさ、色気、洒脱さ、文学に対する深い造詣 などは、闘病中も決して手放すことはない。どんどん魅力的にみえてくる。ぐいぐいくる。そして、献身的な医療関係者の、患者を尊重する態度にも心が救われる。これは一方通行ではなくて、双方向の繋がりで、互いが影響を受けあっていくこともさり気なくあらわしていると思う。ベルク海事病院、海などの映像も素晴らしいし、エンドクレジットで流される映像も、そして数々の音楽も本当にステキ。
4.…「永遠の門」の監督だったのですね。自分だったら、そこから抜け出せない状態が続くならいっそうの事、意識もどうにかして欲しい…と思ったのを思い出した。
5.「最後まで読んでから言いなさい」「つまんないんだもん」読みかけで放ったらかしていた小説。父にそう言われた。「つまらないと思う事も大切。でも、それは最後まで読んでから言うべきだとお父さんは思う」中学生だったが、父から貰った言葉の中でも深く心に刻まれたものの一つ。本は最後まで読む。映画も最後まで見る。TVドラマは時々、戦線離脱しまうけれど。そして、相手の言葉は絶対に遮らずに最後まで聴く。脳内で「セブンルール」か「情熱大陸」に出演する時は、このマイルールは外せない。それなので、映画を観ていても途中で一時停止することもかなり少ない。けれども。今作は何度か止めてしまった。つまらなかったからではない。辛かった。ELLE誌の編集長、ジャン=ドミニック・ボービーの回顧録が原作。脳梗塞を患った彼は、目覚めると"閉じ込め症候群"と呼ばれる意識と記憶は正常だが、全身が麻痺する意識障害に陥っていた。彼が動かせるのは、左目のまばたきのみ。
前半、彼の左目からの世界だけが描かれる。その追体験が苦しい。自分がこうなってしまったら、どうするだろうか。身動きの出来ない海底から、海面を見上げられるだろうか。その海面の輝きや、その先の空を夢見ることはあるだろうか。話しかけたいのに言葉が出ず、触りたいのに指さえ動かせない。私ならその欲求さえ、潜水服の中に閉じ込めてしまうかもしれない。左目以外に麻痺していないものが2つある。"想像力と記憶"自分を憐れむのをやめた彼は、20万回のまばたきで彼の物語を綴る。彼が潜水服を脱ぎ捨て蝶を夢見れるようになるまで、どれほどの苦しみがあったのだろうかと思った。"生きる"ということを考えさせられる物語。「セブンルール」や「情熱大陸」で自分語りをしてみたり、買ったこともない宝くじに当たってみたり、バーで隣に座った綾野剛に声をかけられてみたり、ロマネ・コンティを飲んでみたり、どこでもドアで出勤してみたり、「もしかして!私たち!入れ替わってるー?!」をやってみたいとよく出会う散歩中のチワワを見つめたり、そんな私の脳内パラダイスも何かの糧になっているのだ、とも思った。
原題/別名:DAS WEISSE BAND - EINE DEUTSCHE KINDERGESCHICHTE
製作国 | ドイツ、オーストリア、フランス、イタリア |
上映時間 | 144分 |
ジャンル | サスペンス |
スコア | 3.6 |
監督 | ミヒャエル・ハネケ |
脚本 | ミヒャエル・ハネケ |
出演者
クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクール、フィオン・ムーテルト、ミヒャエル・クランツ、ブルクハルト・クラウスナー、ライナー・ボック、スザンヌ・ロタール、ウルシーナ・ラルディ、シュテッフィ・クーネルト、ヨーゼフ・ビアビヒラー、ブランコ・サマロフスキー
感想・評価
1.眠いねー。でも流石ハネケ監督、胸糞はちゃんと悪くて好き。抑圧とそれによる暴走によって崩壊していく村。権力者が弱者を支配するというナチスドイツを表してるのかな。白黒の映像がすごく雰囲気と合ってる。
2.パルムドール獲ったわりには、思ったより他の幾つかのハネケ作品の、静かなる気迫というものが感じられなかった。おそらくストーリーが、村の因習というハネケでなくても撮れ得たかもしれない内容だからというのもあると思う。いやそれでも間違いなくハネケ映画になっているのは流石なんですが...なんだかイマイチパッとしないなという感じはする(そもそもハネケ映画のレベルが高いんで、これでも個人評価は4越え)。監督が監督なので話がどう転んで幕を閉じるかは完全に分かっていたので、あのラストではなく... 原因はなんなんだろう。また見てみる。ぼくは本作を『集団・偽りなき者』と呼ぶ。#要再鑑賞映画
3.ハンナアーレントの凡庸な悪を想起した語り部が教師なのは、こうした凡庸な悪を冷静に捉え変えられるのは教育というハネケのメッセージなのか雛から育てた鳥が殺されて野生の鳥をその代わりにされる一連、解釈の余地があってよかった
4.なんでハネケの作品ってこんなに出回ってないんだろう、せめて近くのそこそこ大きいTSUTAYAに置いてくれたらいいのに
5.「純粋であること」を子どもたちに強要する白いリボンは、死者の顔を覆う白いハンカチや傷を塞ぐ白い包帯と同じように、現実を覆い隠して目を背けるためのもので、それを利用して自分を欺いているのは巻きつける側の大人だけでなく、巻きつけられる側の子どもたち自身でもあるんだと思った。ハネケが執拗に描く人間の嫌な部分はとても公平で、人が触れ合う中にほんの時たま存在する美しい瞬間を、より美しいものにしてくれる。
原題/別名:Hævnen/In a Better World
製作国 | デンマーク、スウェーデン |
上映時間 | 118分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | スサンネ・ビア |
脚本 | アナス・トマス・イェンセン |
出演者
ミカエル・パーシュブラント、トリーネ・ディアホルム、ウルリク・トムセン、ウィリアム・ヨンク・ユエルス・ニルセン、マルクス・リゴード、トーケ・ラース・ビャーケ、ビアテ・ノイマン、キム・ボドゥニア
感想・評価
1.過去メモ記録。「やられたら、やりかえす」ヒーロー映画ならかっこよく響くのだろうが,現実問題はそうはいかない。この言葉をとことん追求して体現した映画はあまり見たことがない。この映画に出てくる登場人物たちは、まだラッキーだ。取り返しのつかないことをしたが、救いもある。映画のもっていき方として、どん底にまで突き落とすことも可能だったろうが、自分はこの救いがあるラストでよかった。いや、でも、難しい問題だと思った。やられたときに相手のことを「相手をするのもばかばかしいやつ」なんて思うことは簡単ではないし,そう思ったとしても当の相手はいい気になってるわけで、、、?。こんな難しい問題、大人でも大変なのに、子供たちは…。自分自身にも降りかかる可能性はあるわけで、しっかりしないといけないが、教えていく側になる人間(大人というやつ)として、きちんと伝えられる人になりたいなとは思った、、、。難しいけど。いや、でも、やっぱ難しいよ、、、こればっかは、、、いじめにあっていたエリアスは、転入してきたクリスチャンに助けられた。ある日、クリスチャンはエリアスをいじめていた主犯格に仕返しをした。また別の日にエリアスの父親がちょっとしたいざこざで殴られ、じっと耐えるエリアスの父を見て、クリスチャンは代わりに仕返しすることを決意する。
2.あまり有名な作品じゃないと思うけど、観る価値はあると思われる。
3.デンマーク映画って、自国と他国の対比を映すこと多い?先日観た「onkel」でもやたら北朝鮮のニュース流してたし、「ある愛の風景」「ある人質」でも他国の大変さと、平和で長閑なデンマークを映し比べてる。兵役(任意)や、移民受け入れも影響してるのかな?ため息でそうな美しい風景をセットにしつつ、実はそんな幸せでもないねんよ、、、という映画をやたら観てる気がする?そんなちょっぴり根暗な国民性、好きやけどね?テーマは復讐。やられたらやり返せは正しいのか。そしてやっぱり観客に問題提起するよね☝️北欧映画。けどさ、理屈の全く通じない、こっちが思い悩むこともアホらしくなるようなクソ輩相手なら、もう目には目を歯にはハンムラビでいいと思うねんけどな?
4.子は親の鏡とはいうが、今を生きる大人が、人として親として育成し、どこまで子供と向き合い理解し守れるか、また、子供が自分の意思を保ち、善悪を判断し行動出来るのか。見えない先の不安が募る。家庭と社会の問題を取り入れ、断ち切れない理不尽な暴力と復讐の負の連鎖に、綺麗事では済まされない厳しい現実。答えのない難しく深いテーマに複雑な心境は続く…#報復と赦し#未レビュー消化
5.歳を重ねるにつれて厚みを増して、体にへばりつく「男性性」。その有害性は社会に属する人や自分自身を蝕む。
原題/別名:Jodaeiye Nader az Simin/A Separation
上映日 | 2012年04月07日 |
製作国 | イラン |
上映時間 | 123分 |
ジャンル | ドラマ、スリラー |
スコア | 4.0 |
監督 | アスガー・ファルハディ |
脚本 | アスガー・ファルハディ |
出演者
レイラ・ハタミ、ペイマン・モアディ、シャハブ・ホセイニ、サレー・バヤト、サリナ・ファルハディ、ババク・カリミ、メリッラ・ザレイ
感想・評価
1.極めて普遍的な人間の脆さや複雑さがぎゅっと詰まっている。何とも言えない苦しさとか、道徳観のぶつかり合いとか、白黒つけるとかグレーとか、モヤモヤした人間という生き物をあらためて知る。宗教や文化の違いで私の理解が及ばないところはあるけれど、妙に淡々としながらもグッと引き込まれる作品でした。
2.多神教の歴史を持ち、かつ現在では無神論者とまでは行かなくとも、戒律や宗教儀礼を意識して生活することのない我々にとっては、この現実はあまりにも厳しすぎる。ここまで無理なくサスペンスを展開できるのもイランの土地柄ならではなのか?我々はこの国の宗教問題の根深さを甘く観てはならない。
3.良かった私たちどうすれば? どうすることもできません嘘の連鎖 どんゝどんゝ 悪い流れが止まらない皆、何とかしないととは思っているはずなのに…・父親を大切に思う、上から目線の嘘つき ○△・娘をダシに使う、自分中心の柔い嘘つき ×△・夫が怖い、信仰深いけど浅はかな嘘つき ○××・とにかく感情が抑えられない、非常識人 ×○皆、他人のせいで、自分は悪くないと思って…結局、テルメーの涙と嘘と決断どうすれば、良かったんだろう…
4.固定カメラでは映し出せない揺れ動く人の心情を手持ちで、捉えたり、捉えきれなかったりしていてとても面白かった。ここまで作為的な要素がないリアリズム映画は少ないと思うけど、「宗教上の都合」って、物語つくる上ではちょっと便利すぎるな…。まぁそういう人がいるのは事実なのだけど。
5.ひええ〜〜やるせない〜〜〜??「やったやってない」のゴタゴタに2つの家庭の生活水準や宗教観 子供の教育が織り混ざって揉め事が深刻化していく…中盤から釘付け?こんなエンドロール初めて見た?最高だ?イランの裁判制度とかシャーリアとかはよくわからないけど全然楽しめた
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