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監督 | 大森貴弘 |
評価 | 3.69 |
解説
すみっこにいることが好きなキャラクター、すみっコたちが登場する劇場版アニメの第2弾。5年に1度の青い大満月の夜、すみっコたちが住む町に魔法がかけられる。監督を『夏目友人帳』『デュラララ!!』シリーズなどの大森貴弘、脚本を『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』シリーズなどの吉田玲子が担当。アニメーション制作は前作に続きファンワークスが手掛ける。
あらすじ
秋のある一日。すみっコたちはキャンプに出かけていた。夜になり、ぺんぎん? が月にまつわる伝説を思い出す。それは、5年に一度の青い大満月の夜、すみっコたちが暮らす町に魔法使いがやってくるというものだった。空に巨大なブルームーンが浮かんでいたその夜、町全体に魔法がかけられる。
監督 | 廣田裕介 |
評価 | 3.11 |
解説
お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣が手掛けた絵本、「えんとつ町のプペル」を原作にした劇場版アニメーション。煙に覆われた町を舞台に、えんとつ掃除人の少年と、ゴミから誕生したゴミ人間の冒険を描き出す。西野は製作総指揮と脚本を担当し、廣田裕介が監督を担当する。『鉄コン筋クリート』や『海獣の子供』などのSTUDIO4°Cが、アニメーション制作を担う。
あらすじ
煙に覆われたえんとつ町で暮らす人々は空を見たことがなく、ましてや空には輝く星があるなどと信じる者は誰もいなかった。だが、えんとつ掃除人の少年ルビッチだけは父親の教えを信じ、空を見上げては、煙の向こうにはきっと星があるはずだと思っていた。町の住人たちはそんなルビッチを笑い者にし、一人ぼっちになってしまった彼が出会ったのは、ゴミ人間プペルだった。
監督 | まんきゅう |
評価 | 4.25 |
解説
たれぱんだ、アフロ犬、リラックマなどのキャラクターで知られるサンエックスによるすみっコぐらしの劇場版アニメ。寒がりで人見知りのしろくまをはじめ、ぺんぎん?、とんかつたちが、絵本の世界に迷い込む。監督を『アイドルマスター』シリーズなどのまんきゅう、ナレーションを井ノ原快彦、本上まなみが務める。
あらすじ
「喫茶すみっコ」にやってきたすみっコたちが、地下室で発見したとびだす絵本を見ていると、仕掛けが動き始めて絵本の中に吸い込まれてしまう。絵本の世界ですみっコたちは、自分が誰かわからないひよこ? と出会い、ひよこ? の家を捜すことにする。
監督 | ドン・ホール |
評価 | 4.11 |
解説
マーベルコミックスのヒット作「BIG HERO 6」を基に、ディズニーが放つアドベンチャー。架空の都市サンフランソウキョウを舞台に、並外れた頭脳を持つ少年ヒロが、生前に兄が開発したロボットのベイマックスと一緒に死の真相を暴こうとする。メガホンを取るのは、『くまのプーさん』のドン・ホールと『ボルト』のクリス・ウィリアムズ。随所にちりばめられた日本のカルチャーへのオマージュに加えて、白くて大きな体を持つベイマックスの愛らしさにも注目。
あらすじ
西洋と東洋の文化がマッチし、最先端技術分野の先駆者たちが数多く住んでいるサンフランソウキョウ。そこに暮らしている14歳の天才児ヒロは、たった一人の肉親であった兄のタダシを亡くしてしまう。深い悲しみに沈む彼だったが、その前にタダシが開発した風船のように膨らむ柔らかくて白い体のロボット、ベイマックスが現れる。苦しんでいる人々を回復させるためのケアロボット・ベイマックスの優しさに触れて生気がよみがえってきたヒロは、タダシの死に不審なものを感じて真相を追い求めようと動き出す。
映画レポート
「アナと雪の女王」というメガヒットを生み出したウォルト・ディズニー・アニメーションの最新作として見ると、そのあまりのギャップに目眩を覚えるかもしれない。なにしろ、「ベイマックス」の原作はマーベル・コミック。実は今作は、ディズニー傘下となったマーベルとの初の本格的なコラボレーションなのだ。
マーベルの膨大なライブラリーのなかから、わざわざマイナーな「ビッグヒーロー6」を選ぶあたりが賢い。知名度が低ければ低いほど、原作ファンの批判を気にすることなしに、ディズニーは自由に解釈できる。実際、原作と共通しているのは基本設定くらいで、映画版は徹底的にディズニー化されている。マーベルのエンターテインメント性と、ディズニーの感動が見事に融合しているのだ。
「ベイマックス」の核は、少年版トニー・スタークともいうべき発明家のヒロと、最大の理解者である兄タダシとの兄弟愛だ。タダシが不慮の事故で還らぬ人となると、ヒロは兄の遺したロボット、ベイマックスと深い絆で結ばれることになる。この疑似兄弟関係があるからこそ、「ベイマックス」は、どのマーベル映画よりも深い感動を与えてくれるのだ。
「アナと雪の女王」は姉妹の物語だったからこそ、お姫様映画だった。「ベイマックス」は、兄弟の物語だから男子向けのスーパーヒーロー映画となっている。ジャンルこそ違うが、ポジティブなメッセージや、ありあまるハートは変わらない。ディズニーの快進撃はしばらく続きそうだ。(小西未来)
監督 | ラッセ・ハルストレム |
評価 | 4.21 |
解説
W・ブルース・キャメロンのベストセラー小説を、『HACHI 約束の犬』などのラッセ・ハルストレム監督が映像化したドラマ。少年に命を救われたゴールデンレトリバーが、転生を繰り返しながら自分の使命に気付く物語が描かれる。主人公の犬の声を『美女と野獣』などのジョシュ・ギャッドが担当し、若き日の飼い主をK・J・アパが好演。共演は、ブリット・ロバートソン、ジョン・オーティス、デニス・クエイドら。
あらすじ
ゴールデンレトリバーの子犬ベイリーは、少年イーサンに命を救われてからいつも一緒に過ごすようになり、彼と強い絆を育む。やがて青年に成長したイーサンは大学入学で故郷を離れ、ベイリーは年老いて死を迎えるはずだった。だが、ベイリーはイーサンに会いたい一心で何度も姿を変えて生まれ変わり……。
映画レポート
愛犬とともにある生活は宝物だ。彼らは日々多くの喜びをくれる。だがそんな暮らしの中、ふと痛切な事実に気づかされることもある。それは、犬の寿命は人間よりもずっとずっと短いということ。もしも子供に「亡くなったワンちゃんはどこに行くの?」と尋ねられたなら、あなたはなんと答えるだろう。言葉に詰まった時はこの映画を見るといい。もともと愛犬を亡くした恋人を癒す目的で原作が書かれたこともあり、まるで陽だまりに触れるように暖かく、優しい答えをもたらしてくれるはずだから。
物語の始まりは60年代。8歳の少年イーサンは「僕が何でもお世話をする」という条件で子犬のベイリーを飼い始める。そこからの日々、腹を抱えて笑ったり、親に怒られたり、甘酸っぱい初恋や人生の挫折を味わった時、いつもすぐ側に彼がいた。しかし何年もの月日が経ち、いつしかお別れの時がやってくる。その瞬間、不思議なことが起こった。ベイリーはきらきらとした光に包まれ、それを抜けるとまた新たな子犬としての人生が始まったのだ。そう、これは“よみがえり”の物語なのである。
名匠ラッセ・ハルストレムが犬を題材にするのはこれが3度目。今回も爽やかな風を思わせる語り口が非常に心地よく、愛犬家にとって誰もが身に覚えのあるリアリティと、時にファンタジーにも振り切れる世界観を齟齬なく描いてみせる手腕はさすがだ。レトリバー、シェパード、コーギーと転生するたびに犬種や性別が変わり、飼い主の日常に合わせて警察物からファミリー物までまるっきり違った質感のドラマが起動していくのも本作にしか成しえない発想。その上、時の経過とともに服装や町並みが変化し、この映画が自ずと、犬の目線で見つめた現代アメリカの50年史を織り成している点も興味深いではないか。
全米公開時、何度生まれ変わってもイーサンを探すベイリーの姿に多くの愛犬家たちが頬を濡らしたという。恋人でもなく、親友でもない、まさに犬と人間ならではの不思議な絆が描かれた本作。哀しい別れのたびに「もうペットは飼わない」と誓いながら、それでもまた新たな家族を迎えてしまう理由を、この映画は少しだけ解き明かしてくれているのかもしれない。(牛津厚信)
監督 | ティム・ストーリー |
評価 | 3.39 |
解説
1940年に誕生したアニメーション「トムとジェリー」を実写映画化。ニューヨークにある高級ホテルを舞台に、本物の俳優たちと、アニメーションで描かれたトムとジェリーをはじめとする動物たちが共演し、ウエディングパーティーのために奔走する。『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』などのティム・ストーリーが監督を務め、『キック・アス』シリーズなどのクロエ・グレース・モレッツがウエディングプランナーを演じ、『エンド・オブ・ウォッチ』などのマイケル・ペーニャ、『ハングオーバー』シリーズなどのケン・チョンらが共演する。
あらすじ
ある日、新人のケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)が働くニューヨークの高級ホテルに、ネズミのジェリーが引っ越してくる。そのホテルでは世紀のウエディングパーティーが開催されるが、ジェリーとその天敵の猫・トムのせいでパーティーはぶち壊しになる。2匹は自分たちの汚名を返上するために仕方なく手を組み、最高のウエディングパーティーを開こうとする。
監督 | ジョン・ゲイティンズ |
評価 | 3.91 |
解説
感動の実話を基に、元騎手の父親を持つ少女と骨折して再起不能になった馬の心温まる交流を描いたヒューマンドラマ。『陽だまりのグラウンド』などで知られる名脚本家ジョン・ゲイティンズが初監督に挑戦。主人公の少女を『宇宙戦争』などの天才子役ダコタ・ファニングが、少女の父親を『バックドラフト』のベテラン俳優カート・ラッセルが演じる。ひたむきな少女の愛と家族のきずなに温かい涙がこぼれる珠玉の感動作だ。
あらすじ
厩舎を経営する元騎手ベン(カート・ラッセル)は、資金繰りに苦しむ中、有力馬主から頼まれた牝馬ソーニャドールに希望を託す。しかし、娘のケール(ダコタ・ファニング)と一緒に出向いたレースで、ソーニャドールは転倒し、骨折してしまう。馬主から殺すよう命じられるが、ベンは自分のギャラでソーニャドールを買い取ることを決意する。
映画レポート
馬への異常な愛情。または私たちクレーン・ファミリーは如何にして心配するのを止めて馬を愛するようになり、挫折し、そして甦ったのかーー。
これがこの映画のテーマ。負傷した馬の再生となると、ついあの「シービスケット」を思い出してしまうが、実は馬が大好きでしょうがない、3代にわたる馬バカ・ファミリーの物語なのだ。
その1代目はクリス・クリストファーソン、2代目がカート・ラッセル、そして3代目がダコタ・ファニング。同族嫌悪なのか、1代目&2代目はいがみ合い、幼い3代目はひたすら純粋にケガをした馬ソーニャドールに愛を注ぐ。もちろん、映画的なメインはちょっぴり大人になったダコタちゃんと美しい馬という<緑園の天使>なコンビネーションなのだが、一部のファンから見れば、意外と似ているクリストファーソン&ラッセルのガンコ父子ぶり。ふたりしてソーニャドールと戯れるダコタをみつめながら、家族に流れる馬ラブの血を確信しあうあたりはもうツボ。本編でもっとも熱くなるシーンだ。
このすてきな父子関係があるからこそ、ちょっと甘すぎるラストも許せるってもんです。
監督 | 本木克英 |
評価 | 3.30 |
解説
北海道の函館を舞台に、一匹のゴールデン・レトリバーと少女のかけがえのない10年間を描く感動作。犬と人との約束事を記した作者不詳の短編詩「犬の10戒」をモチーフに、『ゲゲゲの鬼太郎』の本木克英監督が切なくも温かなドラマを描き出す。ヒロインあかり役に『夕凪の街 桜の国』の田中麗奈、幼なじみの青年に『硫黄島からの手紙』の加瀬亮。犬はペットとしてだけでなく、かかわった人々の心を癒す大切な存在だと気付かされる。
あらすじ
北海道・函館で暮らす14歳の少女あかり(福田麻由子)の家の庭に、ある日、前足の片方だけが靴下を履いたように白いゴールデン・レトリバーの子犬が迷い込んでくる。その子犬に“ソックス”と名前をつけたあかりに、母(高島礼子)は犬を飼うときは犬と「10の約束」をしなければならないと教えるが……。
監督 | クリス・コロンバス |
評価 | 4.11 |
解説
ある一家が総出でパリに行くことになった。ところが息子のケビンだけは、出発のどさくさで、独り屋敷に取り残されてしまう。初めての一人暮らしに浮きたつケビン。そんなおり、留守だと思った二人組の泥棒が屋敷を狙ってきた。ケビンは家を守るため、男たちの撃退作戦に出るが……。M・カルキン坊やを一躍人気者にしたドロボー撃退ムービー。
監督 | 原恵一 |
評価 | 4.50 |
解説
春日部に誕生した“20世紀博”。そこはひろしやみさえたちが育った70年代のテレビ番組や映画、そして暮らしなどを再現した懐かしい世界にひたれるテーマ・パークだった。大人たちは子供そっちのけで“20世紀博”に熱中していくのだったが……。
監督 | ゲイリー・ウィニック |
評価 | 3.85 |
解説
世界で4500万部を超えるベストセラーを記録する、E.B.ホワイトのファンタジー小説を最新CGI技術で映画化。平凡な田舎町を舞台に、農場の娘と子ブタとクモが織り成す愛と友情の物語がつづられる。監督は『13 ラブ 30 サーティン・ラブ・サーティ』のゲイリー・ウィニック。主人公の少女ファーンを『宇宙戦争』のダコタ・ファニングが演じ、クモのシャーロットの声をジュリア・ロバーツが担当する。心温まるストーリーと、夢のようなファンタジー映像を楽しみたい。
あらすじ
農場を営むエラブル家に11匹の子ブタが誕生するが、最後に生まれた小さな子ブタはか弱く、農場の娘ファーン(ダコタ・ファニング)に育てられることになる。やがてファーンの手を離れ、向かいのザッカーマン農場に預けられることになったウィルバーは、そこでクモのシャーロット(ジュリア・ロバーツ)に出会うが……。
監督 | 高橋渉 |
評価 | 4.38 |
解説
臼井儀人のコミックを原作にしたアニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版シリーズ第29弾。全寮制の超エリート校に体験入学したしんのすけたちが、校内で次々と起きる怪事件の謎に挑む。しんのすけ役の小林由美子、野原みさえ役のならはしみきをはじめ、森川智之、こおろぎさとみら、シリーズのレギュラー陣が顔をそろえている。監督は『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~』などの高橋渉が担当する。
あらすじ
風間くんに誘われ、全寮制の超エリート校・私立天下統一カスカベ学園で1週間の体験入学をすることになったしんのすけたち。体験入学での成績が正式入学への足掛かりになると知り、風間くんはみんなで入学できるようにと張り切る。だが、そんな彼が尻に奇妙なかみ跡をつけられた姿で発見され、目覚めると真面目で頭脳明晰(めいせき)だった以前とは真逆の人間になってしまっていた。しんのすけたちは学園の落ちこぼれ生徒会長・阿月チシオとカスカベ探偵倶楽部を結成し、事件を捜査する。
監督 | ジャウマ・コレット=セラ |
評価 | 3.59 |
解説
ウォルト・ディズニーが1955年に開園させた最初のディズニーランドに、オープン当初から存在するアトラクション「ジャングル・クルーズ」を題材にした冒険スペクタクル。ボートでのジャングル探検をベースに、アマゾンの不老不死の伝説を絡めた冒険譚(たん)を描き出す。主人公を『ワイルド・スピード』シリーズなどのドウェイン・ジョンソン、ヒロインを『メリー・ポピンズ リターンズ』などのエミリー・ブラントが演じる。
あらすじ
アマゾンの伝説では“奇跡の花”を手に入れた者は、永遠の命を授かると言い伝えられてきた。行動力と冒険心にあふれる博士リリー(エミリー・ブラント)は、その伝説に魅せられ、スリリングなアマゾンのジャングルへ冒険に向かう。彼女は観光客用クルーズツアー船の船長フランク(ドウェイン・ジョンソン)を旅の相棒として選ぶ。
監督 | カル・ブランカー |
評価 | 4.45 |
解説
少年と子犬たちから成るチーム「パウ・パトロール」が、さまざまなトラブルに立ち向かうアニメシリーズの劇場版。チームの仲間たちが暮らすアドベンチャー・ベイから都会のアドベンチャーシティへ舞台を移し、新市長が引き起こした混乱から街を救おうと子犬たちが奮闘する。監督は『スペースガーディアン』などのカル・ブランカー。日本語版のボイスキャストはアニメ版同様、潘めぐみ、小市眞琴、井澤詩織、石上静香らが集結し、劇場版新キャラクターの声を元「モーニング娘。」の安倍なつみが務める。
あらすじ
リーダーのケントと子犬たちで構成されているチーム「パウ・パトロール」は、アドベンチャー・ベイで起こる数々の問題を解決してきた。そんな中、大都市アドベンチャーシティの新市長となったライバールがさまざまなトラブルを引き起こし、その都度チームが出動するはめになる。ある日、警察犬のシェパード“チェイス”が何者かに連れ去られるも、新しい仲間のダックスフンド“リバティ”の活躍により救出される。ほっとしたのもつかの間、市長の作った天候調整マシーンが故障して街は大混乱に陥り、チームはかつてない難局に立ち向かうことになる。
監督 | 原恵一 |
評価 | 4.53 |
解説
しんのすけは家の庭で妙な古い手紙を見つける。しかも、その手紙を書いたのは他ならぬしんのすけ本人。しかし、しんのすけにはそんな手紙を書いた記憶がない。内容を読んでもちんぷんかんぷん……。そして、しんのすけは知らぬ間に戦国時代へとタイムスリップしてしまう。そこで、しんのすけは、ひょんなことから偶然出会ったかっこいい侍、井尻又兵衛由俊を助けてしまう。城に招かれ陽気な家来たちと騒いだり、お姫様の廉姫に一目ぼれしたりするのんきなしんのすけだったが……。
監督 | 八木竜一 |
評価 | 3.91 |
解説
藤子・F・不二雄原作で国民的アニメであるドラえもんのシリーズ初となるCGアニメ。『friends もののけ島のナキ』などの八木竜一と『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなどの山崎貴が共同でメガホンを取り、原作中から「のび太の結婚前夜」や「さようなら、ドラえもん」といった名作といわれる複数のエピソードを基に展開する。珠玉のストーリーもさることながら、ミニチュアで制作した背景にCGのキャラクターを重ねるなどこだわり抜いた画作りや演出も光る。
あらすじ
東京の郊外に暮らす運動オンチで勉強もできない少年、のび太。ある日、22世紀から子孫であるセワシがドラえもんと一緒にタイムマシンでのび太を訪れる。のび太が作った借金が原因で、セワシのいる代まで迷惑をこうむっていた。そのためセワシは、のび太のために世話係のネコ型ロボット・ドラえもんを連れてきたのだ。こうして、のび太はドラえもんと暮らすことになり……。
監督 | ジョシュ・クーリー |
評価 | 3.54 |
解説
人間とおもちゃの物語を描き大ヒットした『トイ・ストーリー』シリーズ第4弾。外の世界へ飛び出したおもちゃのフォーキーとウッディたちの冒険を描く。『インサイド・ヘッド』の脚本に参加したジョシュ・クーリーが監督を務め、吹替版のボイスキャストはウッディ役の唐沢寿明をはじめ、所ジョージ、日下由美、辻萬長らが続投する。
あらすじ
ある日ボニーは、幼稚園の工作で作ったお手製のおもちゃのフォーキーを家に持って帰る。カウボーイ人形のウッディが、おもちゃの仲間たちにフォーキーを現在のボニーの一番のお気に入りだと紹介。だが、自分をゴミだと思ってしまったフォーキーはゴミ箱が似合いの場所だと部屋から逃亡し、ウッディは後を追い掛ける。
映画レポート
子供のころに「トイ・ストーリー」シリーズと出会えなかったこと、残念だなぁと思う。と同時に、このシリーズほど大人向けのディズニー/ピクサー作品もないと思う。しかし、4作目ができると聞いたときには仰天した。「3」の完璧すぎるエンディングの後で、何を語っても蛇足になっちゃうんじゃないのか?
だが、ピクサーのポリシーは「ストーリーこそ王者」。彼らが「語るべきストーリーがある」と言うなら信じてみるべきだ。
幕開けは、アンディからウッディやバズたちを譲り受けたボニーの部屋。あれほどアンディに愛されたウッディも、いまはボニーのお気に入りとは言えない。それでもボニーのために献身的なウッディに泣けてくる。1作目、アンディのお気に入りNo.1の座をバズに奪われると危機感をもった彼は、バズを追い落とそうと躍起になった。が、本作のウッディはボニーが自分で作ったプラフォーク製おもちゃ、フォーキーに対して真逆のことをする。「僕はゴミだ」と、すぐゴミ箱に入りたがるフォーキーを連れ戻し、「君はボニーに必要なおもちゃなんだ」と説得。なんという成長か!
やがて旅行中にフォーキーを追って車を飛び出したウッディは、アンティークショップで数年前に別れたボー・ピープと再会。ここからのアドベンチャー&ロマンスには、心奪われずにはいられない! 店での「誰にも愛されたことのない」人形たちは、シリーズお約束のホラー風味を醸し、「恐っ!」と同時に哀れを誘う。
それにも増して映画を愛すべきものにしているのは、さらなる新キャラのコメディリリーフぶり。射的景品のモフモフコンビ、ダッキー&バニーの毒おっさんキャラは最高だし、カナダのスタントマン人形、デューク・カブーン(声はキアヌ・リーヴス!)が反則級の面白さ!
過去最高の爆笑と並行して、「人生」についての物語をエモーショナルに綴るストーリーテリングには、またしても仰天だ。自分の役割は何か? 立場が変わったとき、その先の道をどう選ぶのか? アンディとのラブストーリーに終止符を打ったウッディの葛藤には、誰もが自分を重ねて考えさせられるだろう。迎える結末には泣かされるが、そこには新たな可能性と希望があふれている。
では「4」は「3」の結末を超えたのか? というトイには、「イエス」とは答えにくい。シリーズを愛してきた人間からすると「なぜ?」と思わされる部分もあるからだ。だから「これで最後」という言葉は是が非でも撤回してほしい。もっともっとファンが満足する物語と結末を、ピクサーなら生み出してくれると信じている。
監督 | サラ・スミス |
評価 | 3.75 |
解説
最新式ロボット型デバイスと友達のいない少年が本当の友情を探す様子を描いたアニメーション。友達を探す機能を持つロボット型デバイスと少年が出会い、空回りしながらも奮闘する"二人"を描く。制作はロックスミス・アニメーション、監督をジャン=フィリップ・ヴァインとサラ・スミスが担当する。
あらすじ
インターネットや写真撮影、通話、ゲームなどの機能を備え、乗り物としても利用でき、友達になってくれる上に仲間探しもしてくれるロボット型デバイス「Bボット」。しかし、孤独な少年バーニーの元にやって来たのは、オンライン接続もできない不良品のロンだった。アナログなロンはバーニーの仲間を探すことができず、バーニーはロンに友達の作り方から教えることになる。
監督 | ロバート・ゼメキス |
評価 | 3.39 |
解説
金銭欲を満たすために生きる男が、クリスマス・イブの夜の不思議な体験を経て、本当の幸福の意味を悟る奇跡と感動のファンタジー。文豪チャールズ・ディケンズの不朽の名作を、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロバート・ゼメキス監督が映像化。ケチな主人公をはじめ、7役を演じるのは名優ジム・キャリー。希望に満ちたメッセージや、俳優の演技をデジタル的に採り込むパフォーマンス・キャプチャーによる驚異の映像が圧巻!
あらすじ
金がすべてで、家族を持たず、人とのきずなに背を向け、ただ己の金銭欲を満たすためだけに生きるスクルージ(ジム・キャリー)は、街一番の嫌われ者。あるクリスマス・イブの夜、かつてのビジネス・パートナーの亡霊が現われ、スクルージを彼自身の過去・現在・未来をめぐる時間の旅へと連れ出す亡霊にとりつかれると予言する。
映画レポート
クリスマスシーズンに相応しいファミリーアニメにすぎないと思いきや、ここには映画ファンをも納得させる3つの“映画の精霊”が潜んでいた。
最初に訪れるのは、特撮技術の精霊。モーションキャプチャー×3DCGの欠点だったぎこちない表情や動きは格段に改善され、精緻に描かれた19世紀末ロンドンの格差社会の街へといざなってくれる。次なるものは、同時代性という名の精霊。守銭奴スクルージが改心し人生をやり直すというディケンズの物語は、悪しき資本主義が機能不全に陥った今という時代に改めて作用する。
最も重要なのは、作家性という名の精霊だ。主人公が「バック・トゥ・ザ・フューチャー」よろしく過去や未来へと旅する超自然的な表層にくるみ、自我や自意識に囚われた可笑しくも哀れな現代人を描くことこそ、ゼメキス映画の本質であると再発見する。理性に縛られた心の扉が開かれる「コンタクト」、文明に依存する生を過激にリセットした「キャスト・アウェイ」。テーゼを反転させ、「フォレスト・ガンプ/一期一会」では心を覆う一切の虚飾をはぎ取った愚直な魂を謳い上げた。スクルージは、自己愛の硬い殻で覆われている。それは、強欲なアメリカの閉塞しきった姿でもある。彼自身と彼の氷の心を溶かす3人のゴーストを、ジム・キャリーが演じ分ける演出が興味深い。経済だけに価値観を置いて生きてきた哀しい人間を覚醒させるのは、他の誰でもなく、内なる自分であるという本作への解釈は、あくまでもゼメキス流である。
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