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監督 | 佐渡岳利 |
評価 | 3.25 |
解説
ミュージシャンの細野晴臣が2019年にアメリカで行った初のソロライブなどをまとめたドキュメンタリー。ニューヨークとロサンゼルスでのステージと、その後に撮影されたトークで構成され、楽曲は「住所不定無職低収入」や「Sports Men」などの17曲が含まれる。監督を務めたのは2019年に公開された細野のドキュメンタリー『NO SMOKING』やPerfumeのライブを収めた『Reframe THEATER EXPERIENCE with you』などを手掛けてきた佐渡岳利。
あらすじ
はっぴいえんどや YELLOW MAGIC ORCHESTRA などで活動し、2019年に音楽活動50周年を迎えた細野晴臣。松田聖子や中森明菜などへ楽曲を提供したり、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『万引き家族』のサウンドトラックを担当したりするなど、さまざまな活動に取り組んできた細野が、同年、初のアメリカでのソロライブを開催した。
監督 | セバスチャン・リフシッツ |
評価 | 未評価 |
解説
幼いころから性と体の不一致を感じている子供の日常をとらえ、ベルリン国際映画祭パノラマ部門などで上映されたドキュメンタリー。生物学的には男性の体に生まれながら女の子になりたいと願う子供と、子供の幸せのために奔走する母親ら家族の様子を取材する。監督を務めたのは『私たちの青春時代』などのセバスチャン・リフシッツ。
あらすじ
サシャさんは男の子の体に生まれながら、女の子になることを願っていた。サシャさんは2歳のころから性別の違和感を訴えていたが、学校では女子として登録されず、バレエ教室では男の子の衣装を着せられていた。7歳になってもありのままに生きられないサシャさんのため、母のカリーヌさんら家族は学校などに理解を求める。
監督 | 池田英彦 |
評価 | 3.94 |
解説
骨の形成が抑制されることにより身長が伸びない難病「軟骨無形成症」の青年、池田英彦氏の初監督作にして遺作となった問題作。スキルス性胃がんのステージ4の宣告を受けた池田氏が亡くなるまでの2年間に撮影した、セックスの様子を中心とする虚実ないまぜの記録を映し出す。プロデューサーと脚本を池田氏の親友でドラマシリーズ「相棒」や『デスノート Light up the NEW world』などの脚本を手掛けてきた真野勝成、編集を『ナイトクルージング』などの監督の佐々木誠が担当する。
あらすじ
骨の疾患で具体的な治療法がない「軟骨無形成症」のため身長がおよそ100センチメートルのイケダこと池田英彦氏は、スキルス性胃がんのステージ4であることを宣告され、生きている間にセックスをたくさんしたいと考える。そして、彼は自身の死までを記録した映画をつくることを決める。池田氏はおよそ2年の闘病生活を送ったのちにこの世を去るが、60時間を超える映像素材を遺(のこ)していた。
監督 | 大島新 |
評価 | 4.37 |
解説
テレビドキュメンタリーや『園子温という生きもの』などを手掛けてきた大島新監督が、高い志を抱きながらも党や派閥に翻弄(ほんろう)される政治家の17年間を追ったドキュメンタリー。2019年の国会で統計不正を質したことからSNS上で“統計王子”の愛称で呼ばれた衆議院議員・小川淳也に2003年の初出馬から取材し、高潔な政治思想があっても党利党益に貢献しないために出世できないジレンマや、背水の陣となった選挙戦などをカメラが捉える。
あらすじ
2003年10月、当時32歳の小川淳也は第43回衆議院議員選挙に民主党(当時)から初出馬。地盤・看板・カバンなしで選挙戦を戦ったものの落選。2005年に初当選を果たす。無私で真摯(しんし)な姿勢には、リベラルと保守の双方の論客から期待を寄せられた。しかし、党利党益に貢献できないと出世もままならない。2012年からの安倍政権下では我慢の日々が続き、苦悩を抱えながら2017年の衆議院議員総選挙に挑んでいく。
監督 | クリスティアン・クレーネス |
評価 | 未評価 |
解説
ホロコーストの生存者の一人である、ハンガリー系ユダヤ人のマルコ・ファインゴルト氏の半生を映し出すドキュメンタリー。2019年に106歳で亡くなるまで、自身の体験とともに反ユダヤ主義がどのように広まり、ホロコーストにつながったかを語り続けたファインゴルト氏の証言などに迫る。クリスティアン・クレーネス、フロリアン・ヴァイゲンザマー、クリスティアン・ケルマー、ローラント・シュロットホーファーら4人が監督を務める。『ゲッベルスと私』 に続くホロコーストの記憶を記録するシリーズ第2弾。
あらすじ
1913年にハンガリーで生まれたユダヤ人のマルコ・ファインゴルト氏は、オーストリアのウィーンで育つ。1939年、ゲシュタポに逮捕された彼は、1945年までの間にアウシュヴィッツ、ノイエンガンメ、ダッハウ、ブーヘンヴァルトの4か所の強制収容所に収容される。奇跡的に生還を果たしたファインゴルト氏は終戦後、多数のユダヤ人難民たちをパレスチナに逃がすと同時に、自らの体験を語り続けた。
監督 | フレデリック・ワイズマン |
評価 | 4.67 |
解説
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』などのフレデリック・ワイズマン監督が、アメリカ・マサチューセッツ州ボストンの市役所の業務を追ったドキュメンタリー。多様な人種と文化が共存する大都市で、警察や消防、保健衛生、高齢者支援など多岐にわたる公共サービスを行う市役所の裏側を映し出す。市民の幸せのために奔走するマーティン・ウォルシュ市長をはじめ、さまざまな問題に向き合う職員たちの姿を通し、住民のための行政の在り方を問いかける。
あらすじ
長い歴史を持ち、さまざまな人種や文化が存在する大都市アメリカ・マサチューセッツ州ボストン。その市役所の電話窓口には道路の補修、停電などといった住民からのあらゆる要望やトラブルが持ち込まれ、職員をはじめマーティン・ウォルシュ市長らが日々事態に対応している。フードバンク、全米黒人地位向上協会(NAACP)との話し合い、同性カップルの結婚式、高齢者や生活困窮者への支援など、ボストン市役所の業務は多岐にわたる。
監督 | アントワーヌ・ヴィトキーヌ |
評価 | 未評価 |
解説
レオナルド・ダ・ヴィンチの作品とされる絵画「サルバトール・ムンディ」の謎に迫るミステリー・ノンフィクション。「男性版モナ・リザ」といわれる一枚の絵画が一般家庭で見つかり、オークションで約510億円という高額で落札された過程と騒動、そしてアート界の闇を映し出す。アントワーヌ・ヴィトキーヌが監督を手掛け、オークション関係者が出演する。
あらすじ
2017年、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画「サルバトール・ムンディ」が、およそ510億円で落札される。もともとこの絵画はニューヨークの美術商が、ある競売会社のカタログに掲載されていたものを13万円で購入したものだった。美術商はその絵をロンドンのナショナル・ギャラリーに持ち込み、専門家の鑑定によりダ・ヴィンチの作品というお墨付きを得る。
監督 | マッツ・ブリュガー |
評価 | 3.92 |
解説
デンマークの一般市民がスパイとなり、北朝鮮の武器密輸の実態を暴いたドキュメンタリー。元料理人のウルリク・ラーセンさんが架空の石油王にふんした男性と組み、北朝鮮の武器ビジネスのネットワークに潜入して国際的な闇取引の一部始終を映し出す。監督は『アンバサダー』『誰がハマーショルドを殺したか』などのマッツ・ブリュガー。NHKのBS1で放映された「潜入10年 北朝鮮・武器ビジネスの闇」に、ナレーションや撮り下ろしのインタビューを新たに加えて完成させた。
あらすじ
デンマークの元料理人ウルリク・ラーセンさんはコペンハーゲン出身の元麻薬密売人と組み、彼を架空の石油王に仕立てて北朝鮮に潜入する。武器や麻薬を製造し、各地へ密輸する北朝鮮の犯罪組織の中核へと、二人は長い時間をかけて近づいていく。組織の関係者らと商談を重ね、徐々に信頼を得ていった彼らは、ひそかに進められる兵器と麻薬の密造工場建設計画に深く関わっていく。
監督 | アリス・グー |
評価 | 4.40 |
解説
『エイリアン』シリーズなどのリドリー・スコットが製作総指揮を務めたドキュメンタリー。カリフォルニア州でドーナツ店を経営し、「ドーナツ王」となったカンボジア系アメリカ人のテッド・ノイ氏の半生を映し出す。『テイク・エブリィ・ウェーブ』などの作品に携わってきたアリス・グーが監督や撮影などを手掛け、フリーダ・リー・モックが製作、キャロル・マルトリが編集などを担当する。テッド氏本人をはじめ、妻のクリスティ氏や3人の子供たちも出演する。
あらすじ
1975年、カンボジア陸軍に務めていたテッド・ノイ氏は難民となり、妻のクリスティ氏と3人の子供たち、おいといとこ2人と共にアメリカに渡る。カリフォルニアで暮らし始めた彼は、さまざまな仕事をする中で、あるとき初めて口にしたドーナツに夢中になる。ドーナツ店を経営したいと考えたテッド氏は大手ドーナツチェーンで働いた後、1976年にカリフォルニア州ニューポートビーチに「クリスティ」1号店を開店する。
監督 | ネイサン・グロスマン |
評価 | 3.79 |
解説
スウェーデン出身の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの素顔に迫るドキュメンタリー。2018年、気候変動への政府の対応に抗議した15歳の少女として世界に知られるようになったグレタさんに、その1年以上前から密着し、環境保護活動や貴重なプライベートを映し出す。第9代国連事務総長のアントニオ・グテーレスをはじめ、政治家のエマニュエル・マクロンやアーノルド・シュワルツェネッガー、ドナルド・トランプなどが出演。監督をネイサン・グロスマンが務める。
あらすじ
2018年、ストックホルム。当時15歳のグレタ・トゥーンベリさんは気候変動に関して政府に抗議するために「学校ストライキ」を行い、世界中の若者たちの共感を集めた。そして「国連気候行動サミット2019」でスピーチを披露。さらに、世界の要人たちとも議論を重ねていく。彼女は世界中からの注目により重圧を感じていたが、そんな彼女を支えていたのは家族だった。
監督 | 吉開菜央 |
評価 | 4.33 |
解説
カンヌ国際映画祭監督週間短中編部門に出品された『Grand Bouquet』などのダンサー・振付家・映画作家の吉開菜央が手掛けた、初長編監督作となるファンタジー。北海道の知床半島を舞台に、血のかたまりのような姿の“赤いやつ”が現れる。日本写真協会賞作家賞などを受賞した写真家の石川直樹が、映画の撮影を初めて担当した。
あらすじ
北海道・知床半島。希少な野生動物やオホーツク海沿岸の流氷で知られるその土地には、羊飼いのパン屋やモモンガを観察する人など個性的な人々が暮らしている。2020年の冬、知床半島に雪が降らず、流氷も来ないという異変が起こる。そして、血のかたまりのような気配を醸す“赤いやつ”が現れ、子供たちの相撲大会に乱入する。
監督 | ステファニア・トルス |
評価 | 3.25 |
解説
アイスランドにある男女共学の家政学校を追ったドキュメンタリー。調理、洗濯、掃除、裁縫、テーブルマナーなど、生活に役立つあらゆることを教えてくれる学校で学ぶ生徒たちと、卒業生たちの姿を映し出す。ステファニア・トルスが監督や脚本などを手掛け、ヘルギ・スババル・ヘルガソンが製作や音楽などを担当。多くの生徒たちが寮で共同生活を送りながら、性別に関係なく家事や手仕事を初歩から学んで巣立っていく。
あらすじ
アイスランド・レイキャビクに1942年に設立された「主婦の学校」は、今より進学の機会が少なかった女性たちが家事を学ぶ目的で創設された女子校だった。同校は1970年代に男子学生も受け入れ始めて男女共学となり、現在もアイスランド各地から生徒たちが集まってくる。彼らの入学の目的はざまざまだが、それぞれが家事についての学びを深めていく。
監督 | ピーター・ジャクソン |
評価 | 未評価 |
解説
[配信作品]イギリスのロックバンド「ザ・ビートルズ」の60時間の未発表映像と150時間の未発表音源を再編集した音楽ドキュメンタリー。最後のライブとなったロンドンでの「ルーフトップ・コンサート」など貴重な素材で構成され、ザ・ビートルズの楽曲「Get Back」の裏側に隠された真実に迫る。監督は『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズなどのピーター・ジャクソンが務める。
あらすじ
1960年代から1970年代始めまでの活動ながら、今もなお世界中で人気を誇るロックバンド「ザ・ビートルズ」。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人は数々の楽曲を創作し、「Yesterday」「Help!」「Hey Jude」「Let It Be」といった名曲を世に送り出してきた。そして、のちに伝説となった最後のライブ「ルーフトップ・コンサート」を敢行する。
監督 | アレクサンダー・ナナウ |
評価 | 3.83 |
解説
ルーマニアの医療汚職事件に迫るドキュメンタリー。ブカレストのクラブ「コレクティブ」で発生した火災をきっかけに、製薬会社や病院、さらには政府にまでつながる癒着の連鎖を描き出す。『トトとふたりの姉』などのアレクサンダー・ナナウが監督と撮影を手掛ける。第93回アカデミー賞で国際長編映画賞と長編ドキュメンタリー賞の2部門にノミネートされた。
あらすじ
2015年10月30日、ルーマニア・ブカレストのクラブ「コレクティブ」で火災が発生し、多くの死者と負傷者を出す大惨事となる。別々の病院に運ばれた負傷者たちは次々に死亡し、最終的に死者数が大幅に増加。事件に疑問を抱いて調査を開始したスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長は、内部告発者から衝撃の事実を知らされる。
監督 | イギル・ボラ |
評価 | 5.00 |
解説
ベトナム戦争中に韓国軍が行ったとされる「フォンニィ・フォンニャットの虐殺事件」に迫るドキュメンタリー。南ベトナムのフォンニィ・フォンニャット村で、非武装の民間人たちが韓国軍によって虐殺された事件の真相に、生存者たちの証言と現在も事件を否定する韓国政府の見解から迫る。監督を手掛けるのは『きらめく拍手の音』などのイギル・ボラ。ソ・セロムとチョ・ソナがプロデューサー、クァク・ソジンが撮影監督を務めている。
あらすじ
1968年、南ベトナムのフォンニィ・フォンニャット村では、韓国軍による民間人の虐殺事件が起きたとされるが、韓国政府と韓国軍は今も事件を否定している。1999年に韓国人ジャーナリストのク・スジョン氏が、ベトナム戦争における韓国軍の虐殺問題の現地調査の結果を発表。それをきっかけに韓国では和解活動が始まるが、後に事件の生存者であるグエン・ティ・タン氏らを原告に、韓国政府に虐殺事件の責任を問うた損害賠償訴訟が提起される。
評価 | 4.08 |
解説
1972年にアレサ・フランクリンが行ったコンサートを記録した音楽ドキュメンタリー。生前のアレサがロサンゼルスの教会で開催したライブパフォーマンスは、アルバム「AMAZING GRACE」に収録されヒットを記録した。『愛と哀しみの果て』などのシドニー・ポラック監督が撮影、『プリズン・フリーク』などの音楽を手掛けたアラン・エリオットが映画化プロデューサーを担当し、ゴスペル歌手のジェームズ・クリーブランドらが出演している。
あらすじ
1972年1月13日と14日の2日間、アレサ・フランクリンは、ニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会でライブコンサートを行う。ギターのコーネル・デュプリー、ベースのチャック・レイニー、ドラムのバーナード・パーディーらが演奏に参加し、サザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊がバックコーラスを務める中、アレサがゴスペルを歌い上げる。
監督 | バルボラ・ハルポヴァー |
評価 | 3.93 |
解説
児童に対する性的搾取をテーマにしたチェコ発のドキュメンタリー。12歳の少女を装った女優たちが、SNSで10日にわたって友人を募集するというリアリティショーの行方を追いかける。監督を務めるのは、バルボラ・ハルポヴァーとヴィート・クルサーク。テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトヴァー、サビナ・ドロウハーらが出演する。
あらすじ
2020年。三つの子供部屋が作られた巨大な撮影スタジオで、10日間におよぶリアリティショーが行われる。幼い顔立ちの3人の女優が、18歳以上であることを伏せ、12歳の女子という設定、自分からは連絡しない、12歳であることを明確に告げる、誘惑や挑発はしないといった七つのルールのもと、部屋に置かれたPCを使ってSNSで友人を募集する。彼女たちにコンタクトを取ってきた男性の数は2,458人にも上り、男性たちは全て撮影されているとは知らず性的な欲望をぶつけてくる。
映画レポート
本作を見た映画.comスタッフの女子複数が「胸くそ悪くなる映画でした」と感想を述べていたので、私も早速見てみたら、本当に胸くそ悪くなった(笑)。まるで、変態博覧会です。カメラ越しに「洋服脱いで」と懇願したり、自らの局部の写真を送りつけたり、必死でティーンエイジャー女子を口説くオッサンたち(爺さんも!)は、本当に見ていて不愉快になる連中です。しかし、妙齢の娘を持つ親の皆さんには、後学のために鑑賞することをお勧めします。十分に成熟していない彼女たちが、性的リクエストに対して正しい判断ができず、金銭などの見返りで変態オヤジの誘いに乗ってしまう可能性についてしっかり説明されているからです。基本的に、SNSは変質者の巣窟ですからね。
私は「こんな際どいSNS上のやりとりを、いったいどうやって撮影したんだ」という疑問を持ちました。「18歳以上で幼い顔立ちの女優を3人集め、12歳という設定にして、SNSで友だち募集するという実験」そのものが秀逸だったというのがひとつの答えでしょう。3人の女優は、この実験を「仕事」として10日間頑張ります。そしてもうひとつ、この映画の監督は2人いて、片方のバーラ・ハルポヴァーは女性監督であることも重要なポイントです。同じような「どうやって撮影したんだ」疑問は、2020年のオスカー候補になったドキュメンタリー「ハニーランド 永遠の谷」で思ったのと同じ類のものです。「こんな僻地に住む独身女性に、どうやってここまで本音を語らせることができたのか?」これも答は「相手が女性監督だから」ということで説明がつきます。
女性同士、監督が被写体に寄り添いながら手厚くフォローすることで、男性監督では絶対に撮れない画が撮れる。これ、ここ最近のドキュメンタリーにおける潮流のひとつだと思います。変態オッサンのどうしようもない映像のケア(顔のボカシが半端ない!)は男性監督にまかせ、ティーンエイジャーのメンタルケアと励ましは女性監督がやる。役割分担の結果だと思います。ドキュメンタリーの世界でも、女性監督の躍進はしばらく続くでしょう。
あと、本作のエンドロール。Skypeの着信メロディを重唱にしてかぶせたBGMには痺れました。締めがお見事でした。
監督 | ライナー・ホルツェマー |
評価 | 3.62 |
解説
ベールに包まれたファッションデザイナー、マルタン・マルジェラ氏の素顔に迫るドキュメンタリー。「顔は写さない」「このドキュメンタリーのためだけ」という条件で、マルジェラ氏本人が自身のキャリアや、子供のころの出来事などについて語る。監督を務めるのは『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』などのライナー・ホルツェマー。マルジェラ氏は声のみの出演で、ファッションデザイナーのジャン=ポール・ゴルチエ氏やカリーヌ・ロワトフェルド氏らが出演する。
あらすじ
ファッションデザイナーのマルタン・マルジェラ氏は、ジャン=ポール・ゴルチエ氏のアシスタントを経て、自身のブランドを立ち上げる。彼は公の場にはほとんど姿を見せず、取材や撮影も断り続けてきた。だが今回、初めて本人がドキュメンタリーの制作に協力し、ドローイングやプライベートな記録を初めて公開するとともに、ドレスメーカーだった祖母の影響などについてコメントする。
監督 | アミール・“クエストラヴ”・トンプソン |
評価 | 4.31 |
解説
1969年に開催された「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」を追った音楽ドキュメンタリー。地下室で眠っていたブラックミュージックの祭典の映像が、およそ50年の歳月を経てスクリーンによみがえる。監督を務めるのは、ミュージシャンとして活動し『ソウルフル・ワールド』ではボイスキャストも務めたアミール・“クエストラヴ”・トンプソン。スティーヴィー・ワンダー、B・B・キング、フィフス・ディメンション、ステイプル・シンガーズ、マヘリア・ジャクソンらが出演する。
あらすじ
1969年の夏、ニューヨーク市マンハッタンのハーレム地区で、ブラックミュージックのフェスティバル「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」が行われる。時を同じくして、ニューヨーク州サリバン郡ベセルでは現在もアメリカ音楽史上に語り継がれるウッドストック・フェスティバルが開催されていた。「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」には、スティーヴィー・ワンダー、B・B・キング、フィフス・ディメンションといった、ブラックミュージックのスターたちが続々と登場する。
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