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アカデミー賞 主演女優賞 受賞作品。これまでにクロエ・ジャオ監督のノマドランドや、レネー・ゼルウィガーが出演するジュディ 虹の彼方に、女王陛下のお気に入りなどが受賞しています。
原題/別名:The Reader
上映日 | 2009年06月19日 |
製作国 | アメリカ、ドイツ |
上映時間 | 124分 |
ジャンル | 恋愛 |
スコア | 3.7 |
監督 | スティーヴン・ダルドリー |
脚本 | デヴィッド・ヘア |
原作 | ベルンハルト・シュリンク |
あらすじ
1958 年のドイツ。15歳のマイケル(デヴィッド・クロス)は気分の悪くなったところを21歳年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)に助けられたことから、二人はベッドを共にするようになる。やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになりマイケルの想いは深まっていくが、ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消す。数年後、法学専攻の大学生になったマイケルは、ハンナと法廷で再会する。彼女は戦時中の罪に問われ、ある秘密を隠し通したために窮地に追いやられ、無期懲役の判決を受けるのだった。時は流れ、結婚と離婚も経験したマイケル(レイフ・ファインズ)は、ハンナの最後の“朗読者”になろうと決心し、彼女の服役する刑務所に物語の朗読を吹きこんだテープを送り続けるのだったが…
出演者
レイフ・ファインズ、ジャネット・ハイン、デヴィッド・クロス、ケイト・ウィンスレット、スザンヌ・ロタール、アリッサ・ウィルムス、Florian Bartholomäi、フリーデリーケ・ベヒト、マティアス・ハービッヒ、ブルーノ・ガンツ、レナ・オリン、アレクサンドラ・マリア・ララ
感想・評価
1.ジャケットから勝手に穏やかな感じの作品だと想像していたけど、全然違かった。とてもシリアス。物語冒頭部分のハンナとマイケルの関係の不安定さが物語が進むにつれて少しずつ影を落としていく感じがちょっと不気味で、視聴者の不安をあおってくるなあ、と。交わされる会話に存在する間というか、行間を読む感じが小説を読む感覚と似ていて引き込まれていく感じは他の作品にはなかなか無いものなんじゃないかな。言葉に表せない感覚!とにかく一度は観てほしい作品!
2.主人公のガールフレンドめちゃ見覚えのある顔してると思ってたらperfumeの女の子だった。まさかこんなところで会うなんて!久々に恋愛映画を観ると思っていたら中盤からの展開にびっくりしたし面白くなった。アマプラのあらすじもFilmarksのあらすじも書きすぎ、ちゃんと読んじゃってたらなんの楽しみもなかったよ!主演女優賞も納得、ケイトウィンスレットの良さ。老いたケイトの足がリアルで、顔もわりと違和感なくて良かった。え? みたいな老化顔を見がちな中でこれは嬉しいね!足は別に本人じゃないかもしれないけど疑問点もあるし好みの映画かというとまあ別にそんなでもないけど演技良かったしいいや
3.泣いた今ある人間関係、これからの人間関係大切にしたいと思った
4.心の琴線に触れる映画です。とりあえず今日は、この映画の余韻に浸りたい。
5.デヴィッド・クロス、綺麗なカラダ!大好きなケイトが痛々しいまでの年老いた女性を演じていて、最後は嗚咽が止まらなかった。初めての性に夢中になる様と、対比して現実の彼の世界は希望に満ち溢れた未来がキラキラしていた。二人の自転車旅行が無邪気で、お母様と彼女のことを言われ、敢えて店員の前でキスをする彼のまっさらな彼女への想いが清々しかった。少し気後れしていた彼女は彼を誇らしく思ったりするだろうなと。彼女との濃厚な時間はひと夏で呆気なく終わってしまう。刑務所で彼女は彼に会うんだけど、あれは残酷な気がする。会いたくなかっただろうなと。不器用な生き方しかできなかった彼女に対して、彼は嫌悪も感じていたかもしれない。憐れみもあったかもしれない。けど、それでも、たったひと夏の彼女のことは彼の人生の分岐だった。最後の、収容所の本を書いた女性に、大人になった彼が届け物をするシーン、その女性の振る舞いは素敵すぎた。信じられないような体験をしたのに、許す必要のない残酷な出来事だったのに、あるがままの事実を受け入れる度量は、素敵すぎた。私も人に寛大な、そんな人でありたい。
原題/別名:LA MOME
製作国 | フランス、イギリス、チェコ |
上映時間 | 140分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.7 |
監督 | オリヴィエ・ダアン |
脚本 | オリヴィエ・ダアン、イザベル・ソベルマン |
あらすじ
1915年にピアフ(エディット・ジョヴァンナ・ガション)はフランス・パリで生まれた。時は第一次世界大戦で、町中は戦火の渦だった。歌手を目指していた母・アネッタは、路上で歌を歌い、日銭を稼ぐ毎日。彼女は貧困の中で育つが、天性の歌声は幼少期から周囲の人々を驚かせていた。その声に目をつけたのがパリの名門クラブのオーナー、ルイ・ルプレである。 彼はピアフが20歳の時に出会い、彼女の歌声の虜となり、自らのクラブ「ジェルニーズ」の舞台に彼女を立たせる事を決意する。この時ルイがつけた彼女の舞台名が「ラ・モーム・ピアフ(小さい雀)」だった。この瞬間に伝説の歌姫エディット・ピアフという名が誕生し、瞬く間にスターダムへと駆け上がっていくのだが・・・。
出演者
マリオン・コティヤール、シルヴィー・テステュー、パスカル・グレゴリー、エマニュエル・セニエ、ジャン=ポール・ルーヴ、ジェラール・ドパルデュー、クロチルド・クロ、ジャン=ピエール・マルタンス、カトリーヌ・アレグレ、マルク・バルベ、カロリーヌ・シオル、マノン・シュヴァリエ、ポリーヌ・ビュルレ
感想・評価
1.エディットピアフ、名前は知っていたが、こんな壮絶な人生を歩んでいたということは全く知らなかった。まさに波瀾万丈の人生。この映画を見て改めて愛の讃歌を聴くと全く違う歌に聴こえてくるように思います。マリオンコティヤールの演技が取り憑かれたようで見入ってしまいました。
2.エディット・ピアフの壮絶な生涯を描いた伝記映画本人の音源をなるべく取り入れ実らない恋や喪失感を抱えたり歌手としての部分以外も強調されていたのも良かった最後の死よりも孤独が怖いという彼女のインタビューがとても印象に残る
3.実在したシャンソン歌手エディット・ピアフの生涯が描かれた作品。売春宿で育ち、街角で歌いながら生きていた少女エディットは、ある日スカウトされ、歌手として有名になっていきます。まず驚いたのは、エディットの幼少期。両親がとにかくダメダメでしたね。母親は歌手だけど歌以外にやる気は無く、父親は特に凄くない大道芸で稼ごうとしています。もちろんそんなんで子供を育てるなんて無茶です。一人でもキツい。子供の事考えてないんですよね。一番エディットの事を想っていたのは、売春宿の方々でした。このまま売春宿にいたとしたら、もしかしたら別の幸せがあったのかもしれませんね。歌はもちろん唯一無二で、一度聴いたら忘れられません。そんな彼女の歌以外の事を知ることが出来ました。性格や好みや趣味、信仰心と愛、そして病気と死。特に驚いたのは病気ですね。40代なのに腰が曲がり、歩幅も狭く、まるで老人のようになってます。本当にあんなに酷い状態だったんですかね。それでも歌を歌い続けたのは、「歌う事と生きる事が等価値」だったからなのではないでしょうか。自分には歌しかない。歌えなくなったら死ぬ。それくらい歌を大事にしていて、大事にしていたからこそ、悔いの無いよう自分の歌いたい歌を歌っていたのではないでしょうか。例え辛くても、それしかないから。最後の砂浜でのインタビュー。いい笑顔でした。
4.朝の日課のラジオ「ありがとう浜村淳です」を聞いているとき、大竹しのぶさんの舞台の告知のため『エディット・ピアフ』の壮絶な人生を紹介していました。映画もあると聞きすぐに観たいと思った。【 シャンソンの女王、エディット・ピアフの伝記映画 】『愛の讃歌』この曲は有名で日本では越路吹雪さんが歌っていましたね。最近では大竹しのぶさんが紅白で歌って大絶賛だったそうですね。ルックスも声も美しいとは思わない、最初はこの人がエディット・ピアフ?とがっかりしたぐらい。ちょっと下品で姿勢も悪い。恋多き女、『薔薇色の人生』は当時の恋人、歌手のイヴ・モンタンを想ってピアフが作詞した歌だそうです。ピアフの最愛の人は、世界チャンピオンのボクサー、マルセル・セルダンだったが、ピアフに会うために乗った飛行機が墜落し亡くなってしまう。それを知ったピアフは泣き叫んでいた。しかしピアフはその日も舞台に立った。そして『愛の讃歌』をマルセルのために歌ったという。この歌は妻子あるマルセルと決別するためにピアフが作詞したものだそうだ。生まれたときから不幸続き、恋人の死、交通事故による骨折、薬物中毒、47才で亡くなっているが、晩年は腰が曲がっておばあさんのようだった。後半は涙が止まりませんでした。『愛の讃歌』をもっと聴きたかったという点でスコア伸びなかったです。ピアフを演じた、マリオン・コティヤールが素晴らしい👏#実話
5.暗い伝記パートと明るい舞台パートと分かれていても印象的だったのが最後の海岸でのインタビューで、どれだけ晴れやかで確かな気持ちでこの回答をしていたのかの裏付けになってるのが良い。Non, je ne regrette rienが幕引きのテーマとしてこれ以上ない正解なのはよくわかるんだけどHymne à l'amourは通しでやってくれると思ってたからそこが残念だなぁ、、
原題/別名:Still Alice
上映日 | 2015年06月27日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 101分 |
スコア | 3.7 |
監督 | リチャード・グラツァー、ウォッシュ・ウエストモアランド |
脚本 | リチャード・グラツァー、ウォッシュ・ウエストモアランド |
あらすじ
すべての記憶を失う若年性アルツハイマー病と宣告されたら、あなたならどうしますか──?避けられない運命との葛藤と、家族の絆を描く感動の物語!50歳のアリスは、まさに人生の充実期を迎えていた。高名な言語学者として敬われ、ニューヨークのコロンビア大学の教授として、学生たちから絶大な人気を集めていた。夫のジョンは変わらぬ愛情にあふれ、幸せな結婚をした長女のアナと医学院生の長男のトムにも何の不満もなかった。唯一の心配は、ロサンゼルスで女優を目指す次女のリディアだけだ。ところが、そんなアリスにまさかの運命が降りかかる。物忘れが頻繁に起こるようになって診察を受けた結果、若年性アルツハイマー病だと宣告されたのだ。その日からアリスの避けられない運命との闘いが始まる──。
出演者
ジュリアン・ムーア、アレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワート、ケイト・ボスワース、ハンター・パリッシュ、シェーン・マクレー、セス・ギリアム、スティーヴン・クンケン、ダニエル・ジェロル、マクシーヌ・プレスコット、ロサ・アレドンド
感想・評価
1.なんかパッとしない終わり方家族性アルツハイマーと診断されて子供にも遺伝するということで絶望感がすごかった
2.公開時劇場で。ジュリアンムーアの代表作。ジュリアンムーアが最高の演技を見せる。アルツハイマーを題材にしており、アリスが次第に記憶が薄らいでいく展開が観ていて辛い。言葉が出てこない、場所が分からない。更にアリスの長女にも遺伝している事がわかる。次女役のクリステンスチュアートが好演。
3.映画を観て泣くことがほぼ毎回のことになってきたいま、改めてわかったことがある。それは、泣くことにも種類があるということ。涙は、たまったり、こぼれたり、あふれたり、流れたり、落ちたり、出たり、浮かんだりする。片目から一筋スーッとなることもあれば、前が見えなくなることもある。思わず上を向いたり、うつむいたり、目を背けたり、離せなかったり。一概に泣くといっても色々あるんだなと、知った。というか、知ってたけど忘れてた、のを思い出した、ような気がする。本作では、鼻の奥がツーンと痛くなるような泣き方だった。・スピーチのシーンでの、「世界の一部」というフレーズ?考え方?概念?言葉?が記憶に残った。ひねくれ者と言われようと、自分は「みんなでいっしょに」だとか「ひとつになろう」的な呼び掛けが嫌いですが、「私は世界の一部である」という考え方はいいなと思う。孤独感がだいぶ薄らぐ。こんど孤独がどーのこーの言う自分に気付いたら、状況に酔っ払ってねぇで勉強しろって言える。俺たちは一人残らず孤独なのに、ひとりではない。映画を観て、本を読んで、音楽を聴いて、歴史を学んで、つくづくそう思い始めてる。#アルツハイマー#家族型アルツハイマー#若年性アルツハイマー#認知症#言語学者#結婚生活
4.面白い面白くないという感じではなく『自分がそうなったら』を考えてしまった
5." アリス、私はあなたよ "アルツハイマーの話。『ファーザー』のような特殊な演出はないけどホラーにも似た恐ろしさはここにも。" 頭がいい人ほど進行が速い " という不条理ホラー。そして戦慄の新出単語 " 家族性アルツハイマー " ... 。何よりも次第に記憶を失っていくジュリアン・ムーアのこちらを見ているようで見ていない目が怖かった。怖いなんて言ったら不謹慎かもしれないけど自分や自分の周りにも十分あり得ることだと思うと本当に怖い。そんなことを考えながら観てたらラストで思わぬ方向から涙腺を刺激された。大きな余韻に感動がじんわりと広がっていく素晴らしいエンディングだった。すごいユルいスヌーピーのTシャツ着てるのに色気どうなってん・スチュアート。
原題/別名:Monster
上映日 | 2004年09月25日 |
製作国 | アメリカ、ドイツ |
上映時間 | 109分 |
ジャンル | ドラマ、クライム、伝記 |
スコア | 3.6 |
監督 | パティ・ジェンキンス |
脚本 | パティ・ジェンキンス |
出演者
シャーリーズ・セロン、クリスティナ・リッチ、ブルース・ダーン、リー・ターゲセン、アニー・コーレイ、プルイット・テイラー・ヴィンス、マルコ・セント・ジョン、マーク・マコーレイ、スコット・ウィルソン、ババ・ベイカー
感想・評価
1.凄い辛い映画でしたね…主人公が最初から最後まで救われない…やってることは最低なんですけど、主人公も救われたかったんだろうなぁと。凄く同情してしまいます。その割に、お相手の女の子にはイライラしましたね。純粋な感じを出したのかもですけど、主人公振り回されっぱなしで…いや、主人公も暴走しまくってんですけど。しかし、全部相手のせいにするってのは…シャーリーズセロンが凄いです。このために太ったりして、疲れた娼婦の演技がバッチリハマってます。画像検索した時の別人たるや…そして、クリスティナリッチも可愛らしくていいですね。キャラはアレですが。悲しい映画でした。なんとなくスプラッターとかイメージしててすみませんでした…
2.切なかった。アイリーンはいっぱい人を殺してるけど、感情移入してしまうところもあって、やっぱり切なくて悲しかった。セルビーが自分を求めてくれて嬉しかったんだなと。アイリーンの生きてきた道を思うと悲しい。遊園地のシーン、セルビーが行きたがった理由を知ったアイリーンを見てまた切なくなった。色々と、他にどうする事も出来なかったのかなとか考えた。
3.めちゃめちゃ良かった👏おすすめ。実際起きたある事件の顛末を描いたお話。系統でいうとジョーカーに似てる。美化しているとは思うが実際の話である分、感情移入してしまう。13キロ増量して役作りに挑んだシャーリーズ・セロンの女優魂がすごい。
4.娼婦が自暴自棄になってる最中、バーで1人の女性と出会ってから話が展開。お互いに依存し合うって羨ましいような、羨ましく無いような…。取り敢えず溜まったオッサンどもはお店行こうな…。主演の方の演技がとにかく半端ない。こりゃ賞獲るわ。あっぱれ。
5.シャーリーズ・セロンが役作りのために13kgの増量をし、7件の殺人により6つの死刑宣告を受け2002年10月に処刑されたアメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯を熱演する。そして主人公のかかえる事情は、どことなく彼女の幼い時の家庭での事件を彷彿とさせる。恋人セルビーをクリスティナ・リッチが演じる。ふつうの幸せが欲しいだけなのに、過去と社会が彼女を"モンスター"にした。クリスティナ・リッチは強い自立した人への憧れと父性を求め、シャーリーズ・セロンは信じられるものが欲しかった。どちらも愛を求めていた。〈ネタバレあり〉殺されそうになりやむ無く犯した最初の殺人から、堅気になろうと職を探すが、バカにされ見下され、娼婦に戻ると、タガが外れて、暴力を振る相手や変態を殺すようになった。その時はまだ殺人に彼女なりの道理があり、彼女なりの生きていく"方法"で、罪悪感はあったが、戦争で人を殺すのと一緒だった。でも最後の殺人は、殺人のための殺人で、彼女にとってはそれが唯一の"許されない"殺人だった。最後の電話はクリスティナ・リッチの裏切りにも見えるけど、愛したクリスティナ・リッチが捕まらないために、シャーリーズ・セロンも口裏を合わせ、その後の会話も誰かに聞かれるくらいなら(あるいはクリスティナ・リッチに自分とこれ以上関わって欲しくなかったから)口を閉ざしたということかな。
原題/別名:Million Dollar Baby
上映日 | 2005年05月28日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 133分 |
ジャンル | ドラマ、スポーツ |
スコア | 3.8 |
監督 | クリント・イーストウッド |
脚本 | ポール・ハギス |
あらすじ
「グラン・トリノ」「ミスティック・リバー」のクリント・イーストウッドが監督・主演のヒューマン・ドラマ。小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキー。ある日、31歳になる女性マギーがフランキーに弟子入りを志願するが、追い返してしまう。フランキーの親友スクラップは、諦めずジムに通うマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが…。
出演者
クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル、マイク・コルター、ブリアン・F・オバーン、マーゴ・マーティンデイル、マイケル・ペーニャ、ベニート・マルティネス、ブルース・マックヴィッティ、ネッド・アイゼンバーグ、モーガン・イーストウッド、ルシア・ライカー、リキ・リンドホーム、マーカス・チェイト
感想・評価
1.重すぎる。ラストは彼なりの愛情と優しさなのだろう。もしくはここまで頑張った、やりきった彼女への「お疲れさま」という労いの気持ちでもあったのかな…あまりに辛いのでもう観ることはないです😢
2.2021/01/19孤独なトレーナーと家族の愛に恵まれない女性ボクサーの間に育まれた絆。2人が命を懸けて守った魂は、永遠に輝き続ける!イーストウッド監督・主演で放つ感動の超大作!ロサンゼルスで小さなボクシングジムを経営するフランキー(クリント・イーストウッド)。トレーナーとしての実力はあるが、育てたボクサーの身の安全を深慮するあまり、慎重な試合しか組まない上、不器用で口下手なことから、大きなチャンスを欲するボクサーたちは徐々に欲が出て、彼の元を去ってしまうことの繰り返しだった。その不器用さんは家族にも波及し、娘とは音信不通だ。そんなある日、手塩にかけて育ててきたボクサーにまた逃げられたばかりのフランキーのもとに、31歳のマギー(ヒラリー・スワンク)が弟子入りを志願する。しかしフランキーは〝女性は断る〟と一蹴。それでも、貧しい生活ながらもレッスン代を半年分前払いし、毎日懸命にジムで練習に励むマギーの姿に心打たれ、彼女に指導するようになる。マギーは持ち前の才能を発揮し、連戦1ラウンドKOという快挙撃を続ける。あまりの強さに相手がいなくなり、1階級上げたマギーはイギリスでの試合に挑む事に。そんな彼女にフランキーは“モ・クシュラ”と刺繍の入ったガウンを贈り、観客たちからは“モ・クシュラ”の愛称で呼ばれるようになった。やがてマギーはファイトマネーが100万ドルのタイトルマッチに挑戦することになる。しかし相手は汚いボクシングをすることで有名なビリー。相手の反則に屈せず、試合を優勢に進めるマギーだったが...。〝おじょうさん、タフだけじゃダメなんだ。〟フランキーはよく言っていた。
ボクシングは不自然な競技だ。ボクシングでは全てが逆さま。場合によっては最高のパンチをいれるために後ろに下がった方がいいことも。だが、後ろに下がりすぎると戦っていることにならない。ハートだけのボクサー。見てあげる。スピードバッグ←ボクシングは人に魔法をかける。自分の限界を超えて戦えるという魔法。返せと言うが、最終的に貸してやると。〝ミッキーマークはビジネスマンだ。何も教えてくれないぞ?〟〝あんたから全部教わったよ。〟なにかを言われたら〝はい、フランキー。〟口答えも質問もしない。と言うなら...。家族はいるの?いない。ケイティって娘が。家族じゃないですか。そして、マネージャーをつけて、試合をする。ピンチになると、助けに来てくれた。俺の選手だ。と。今後のマネージャーは?俺だ。お前の働いてる店には自家製のレモンパイがあるか?缶詰のレモンクリームを使ってないか?こんなでかい缶詰めを使ってます。ラベルには自家製って。フランキーは試合を組むために自腹で相手マネージャーに金を渡した。1階級上にあげて試合をした。鼻が折れてる。折れた鼻を治す。すげ!20秒で鼻血が吹きでる。12戦連続KO勝ち!差出人に返送。プロポーズされるかなぁ俺がプロポーズしてやるガウンをプレゼント。モクシュラ。せっかく、家を買ってあげたのに...散々な言われよう。お金が欲しいなら売りなよ。町の笑い者。
ペットボトルにどうやって氷を入れるんですか?↑どんな質問。反則女との勝負!首をやってしまう。病院へ家族が。この家族やばい。ママどうしちゃったの?モーデルとJDを連れて家に帰ってよ。その弁護士に言おうか?ママは生活保護の打ち切りが怖くて、家の権利書にサインしてないって。私がその気になれば、いつでもママたちを追い出して、あの家を売ることができるんだよ。今度、顔を見せたら私はそうするからね。どうやら、あいつらをKOしたな。左足が無くなった。最新式の車椅子を買ってやるって。それで、大学へ通えと。1つお願いがあるって、パパと犬の話をする。自分で解決しようと舌を噛み切る。呼吸器を外して、注射をする。モクシュラは愛する人よお前は私の血だ。キス。フランキーは注射を1本うった。人をなんとか殺せる量のアドレナリン。マギーが確実に楽になれるように。そして彼は去っていった。心には何も残っていなかっただろう。私はジムに戻り、彼がいつか戻ってくると思って待った。フランキーは結局戻ってこなかった。フランキーは書き置きも残さず消えた。行方は誰も知らない。もし君に会いに行って許しを求めたのならいいのだが、彼の心には何も残っていなかったと思う。せめてどこかで心の安らぎを見つけていることを願う。杉と樫の木以外には何もない地の果てのような土地で。そんなのは私の甘い願いに過ぎないかもしれない。彼がどこにいるにしろ、君のお父さんが本当はどんな男だったかを君に知っておいてほしい。
3.メインの人物の年齢がここまで高い映画ってあまりないなと思ったけど、イーストウッド監督作でもない限り、商業的に撮りにくいのかもしれない(キャッチーさが足りなくて)。イーストウッドだからここまでのクオリティの脚本や映像に仕上げられるし、市場からの信頼感もあるんだろうな。序盤、フランキーとマギーの関係がだんだん変わっていくところは一筋縄では行かない感じだったけど、その後ののしあがり方はあまりに順調でちょっと拍子抜けするくらい。しかしその後どん底に突き落とされるんよね……お互いに家族との関係がうまく行っていない二人が、やっと見つけた絆を自分たちで終わらせるしかなくなってしまう。マギーの家族がどうしようもないクズで、「こんな奴から愛されたいか?」と思ったけど、マギーはこの人たちしか知らないからしょうがないのか。フランキーとの人間関係を手にしたことでようやく「あんたたちなんか要らない」と言えるようになったのかも。しがみつかなくても良くなった時、すでにあの状況になってたのはやるせない。家族に愛を与え損なった人と、家族から愛をもらえなかった人の再生のストーリーかと思いきや人生は厳しすぎる。青い熊の彼女を演じた人の迫力が凄すぎて誰かと思ったら、本物の女性ボクサーだった模様。
4.愛する人がわたしをころしてくれ、と言ってころすことができる愛も確かに存在するのだとおもう でもあなたをころしたらわたしも死んだのと同じだ だってあなたはわたしの血だからおとなになってから父親のような存在に出会えることあるのだろうか
5.大学時代に授業をサボって試写室で観た作品。ぶん殴られたかのような後半からの悪展開に人目も憚らずべろんべろんのぐちゃぐちゃに泣いたなぁ...
原題/別名:THE QUEEN
製作国 | イギリス、フランス、イタリア |
上映時間 | 104分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | スティーヴン・フリアーズ |
脚本 | ピーター・モーガン |
出演者
ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロムウェル、シルヴィア・シムズ、アレックス・ジェニングス、ヘレン・マックロリー、ロジャー・アラム、ティム・マクマラン
感想・評価
1.世界の有名人を知る試み第12弾。かの有名なダイアナ元皇太子妃の事故死に直面し王室の在り方に思い悩むエリザベス女王の話。伝統を重んじるべきか,国民感情を優先すべきか,王室はどのように時代にあわせ変化していくべきなのかなどなど。皇室のある日本としては無視できない問題がたくさんあったように思う。それにしてもこんな映画作っちゃってよかったの?!?!と驚きを隠しきれない。あの登場人物めっちゃ感じ悪いじゃん!!とか,これこそ王室を怒らせたりしなかったのかな?!とか。あと当時小学生だった私もダイアナの死は頭では理解できていたものの,今回映画を通してリポート映像を改めて見ると,その衝撃の大きさをリアルに感じ取ることができた。本作を見ていて王室の人間が報道に傷つき怒り悩む様子は人間そのものだった。昨今の皇室の報道でもあったけど,王室皇室はとても遠い存在でありながら,そこには一人ひとり生身の人間がいるってことを忘れてはいけないなと思った。
2.50年、、、長い。自身の生活を犠牲にしなければならない。想像なんてできない。覚悟を決め、その人のために生きてきた女王。そこに牙城を揺るがす出来事。やはり気になるのは、どこまで事実なのか?本作、驚くほどにエンターテイメントに溢れ、「これ、怒る人出そうだよなあ?」と思うほど、描かれている内容が、どれも嘘くさく無い。女王はもちろん首相、ファーストレディ、女王旦那、それらを囲う人々。(あ、でもチャールズだけ薄く感じたなあ😅。)皆正直(に思ってしまう)。また演じる人たちがそれぞれに息吹を。これがまたモネマネに終わっていない。牽引するヘレンミレンが逞しくも繊細🥰。怒り、失望、嫉妬、そして温もり、様々だ。ブレア首相とのやりとりが、ほんとその辺の知人とのやりとりにも思え共感できる。こういう作品はとても難しく表面的になりがちだが、とても立体感を感じる。自分は本作ならファーストレディに近い。あの存在の意義。?😕?ただ本作を見ると少なくとも英国王室は好きになれた。特に本作は押し付けてもいない。その正直さ(面白さも)に慕い(批判も)、興味を持ち、影響される人が多いのがなんとなく理解できた。自国はつまらんなあ😓。やはりまだ自国に照らし合わせるとファーストレディの考えに賛同してしまう。※ダイアナ妃の魅力はわからないが、自分は98年頃に洋楽にハマり、その時前年のビルボードランキングを調べたらエルトンジョンの曲が14週1位になっていて、そこでダイアナ妃への追悼歌と知り、初めて認識した。そんなこと思い出した。「スペンサー」が楽しみである。「ダイアナ」は楽しみにしていたが酷評がすごくてまだ観られていない😅💦。
3.さすがHミレン風格も品格も申し訳なしそうババラッチって煩くてお行儀悪い輩達だ!
4.イギリスのクィーンの話。エリザベス二世、ブレアの顔や仕草が似ているのがよい。まぁ似せないと感情移入できんやろうからな。あとは平凡。ちと美化、脚色してありそうなのはご愛嬌かな。良くも悪くも世界中から愛されているロイヤルファミリーなんだなぁ、と思う作品です。
5.ヘレン・ミレンは凄い人だ。この重圧しかない役を引き受けるのだから…まだまだ自分には知らないことが世界には沢山あるなーって感じました。伝統を守る為に自分の事は二の次ってなかなかできることではないし。ブレア夫人だけ、凄え感じ悪い(笑)あれで首相の夫人なんだもんな。。個人的には非常に品がないなと。何よりこの作品に配給先としてエイベックスが携わっているとは…むむむ!
原題/別名:The Hours
上映日 | 2003年05月17日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 115分 |
ジャンル | ドラマ、恋愛 |
スコア | 3.5 |
監督 | スティーヴン・ダルドリー |
脚本 | デヴィッド・ヘア |
出演者
ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、スティーヴン・ディレイン、ミランダ・リチャードソン、ジョージ・ロフタス、ジョン・C・ライリー、トニ・コレット、エド・ハリス、アリソン・ジャネイ、クレア・デインズ、ジェフ・ダニエルズ、アイリーン・アトキンス、リンゼイ・マーシャル、リンダ・バセット、クリスチャン・コールソン、マーゴ・マーティンデイル、ダニエル・ブロックルバンク、ジャック・ロヴェロ
感想・評価
1.ヴァージニア・ウルフと彼女の作品「ダロウェイ夫人」によって結び付けられた、生きている場所も時代も異なる3人の女性のある1日の物語。自分を自殺させまいと気を遣う夫を持つヴァージニア。一見幸せな家庭に見えるも自身の自殺願望から自分を引き離そうとするローラ。詩人でありエイズ患者でありどこか遠くに行ってしまいそうな恋人を持つクラリッサ。3人の周りには死の気配が影を忍ばせ、周りから求められる理想像に束縛され、静かにもがき苦しんでいる。また、レズビアン気質があること、花瓶に生けられた花が登場するという共通点もある。見えにくい苦しみを抱え、そこから動けず枯れていくだけの花に彼女たちを重ねてしまう。しかし、最後にこの3人が一つの場所で繋がったときは感動した。それでも生きるという選択をした2人は1人の自殺した作家によって繋ぎ止められた。うまく言葉では表現できないが、非常に魅力的な作品。
2.ほんとうの意味での大人向けの映画なんだろうと思います。かつてスクリーンで観たものの、まったく意味が分からなかった作品。けれど時間の粒子がまるで手にとれるように痛切な印象を残しており、ずっと気になっていました。そして年月を経て再鑑賞したところ、描かれたすべてのシーンの1つ1つが心に迫ってきて愕然としました。どれほど純粋な思考力や直感力に優れていたとしても、これは若い頃には分からない感覚だろうと僕には思えます。あらためて映画を観て思ったのは、原作小説そのものが美しく均整をとりながら構造的に書かれているだろうことです。そうした強固な構成のなかに、女たちにとっての生きることの困難を魂(たましい)の領域に踏み込むようにして描き出しています。主要な登場人物は3人の女と1人の男/少年。女1:ヴァージニア・ウルフ(1923年・英リッチモンド)女2:ローラ・ブラウン(1951年・米ロサンゼルス)女3:クラリッサ・ヴォーン(2001年・米ニューヨーク)男/少年:リチャード・ブラウン(1951年・米ロサンゼルス、2001年・米ニューヨーク)映画はそれぞれの女たちの1日を縦糸として描きながら、横糸にヴァージニア・ウルフ著『ダロウェイ夫人』を用いて彼女たちを構造的につないでいます。女1:ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は著者であり、女2:ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)はその愛読者、そして女3:クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)はダロウェイ夫人と同じクラリッサというファーストネームをもつ。
またクラリッサの親友であり詩人でもある男/少年:リチャード・ブラウン(エド・ハリス)は、ダロウェイ夫人の夫と同じファーストネームをもちます。『ダロウェイ夫人』の愛読者であった母親の女2:ローラ・ブラウンによって名づけられたのだろうと思います。僕は『ダロウェイ夫人』を読んではいないのですが、劇中の様々なシーンで同作から引用したセリフが散りばめられていることは分かりましたし、恐らくはヴァージニア・ウルフが作品の中に込めたテーマと、深く溶け合わせているだろうことも伝わってきました。生と死を行き来する心が時間の流れのなかに揺らぐ感覚を、ここまでナイーブに痛切に描けていることにやはり驚きますし、また描こうとした対象にではなく描写力そのものにこそ、この映画の深い感動はあるように思えます。
そしてそれは恐らく、ヴァージニア・ウルフの作品がもつ力でもあるのだろうと思います。また3人の女たちがそれぞれに抱える魂(たましい)は、ドラマ的な意味で対立するように構成されてもいます。女1:ヴァージニア・ウルフ才能にあふれ女性としての尊厳と自立を獲得しようともがきながらも、その鋭い矛先ゆえに19世紀的な封建社会の中でやがて潰(つい)える。女2:ローラ・ブラウンウーマンリブが起こる以前の20世紀半ばに、穏やかなミドルクラスで平凡な専業主婦として暮らし、夫にこれ以上ないほどに愛されながらも、満たされない思いを隠しようもなくなっている。女3:クラリッサ・ヴォーン21世紀に入り女性の社会的地位が向上するなか出版社に勤め、尊厳と自立を保ち愛するパートナーと暮らしながらもどこか空虚さを抱えている。一見すると女3:クラリッサ・ヴォーンは、女1:ヴァージニア・ウルフや女2:ローラ・ブラウンが得られなかったものを手にしているように見えます。しかしながら10代の頃からの親友で詩人の男/少年:リチャード・ブラウンに、その空虚さを鋭く指摘され動揺するシーンが描かれることになります。3人の女たちはそれぞれに社会的立ち位置や状況を変えながらも、満たされることのない輪廻を巡るように、真綿で首を絞められるような時間を生きている。
この痛切な時間の描写には、ほんとうに息がとまりそうになります。たぶん実人生のなかでそうした種類の時間を送ったことがなければ、この優れた描写力は価値として受けとめることができないように思います。少なくとも僕にとっては40代になることが必要でした。ところで女1・女2・女3・そして男/少年の全員が、現在で言うところのLGBTQとして描かれています。ただし彼女や彼らが抱える苦しみは性的マイノリティであることに直接的に由来するものではなく、そのあたりの加減が上質な大人の味わいに満ちています。それがきっかけのように機能はするのですが、本質的な苦しみというわけではない。*そうしたメインテーマの一方で、処女作にあの『リトル・ダンサー』を持つスティーブン・ダルドリー作品として観るなら、僕の胸を打つのは女2:ローラ・ブラウンの息子として生まれたリチャード・ブラウンの運命です。母親のことを「怪物」と呼び(そう呼ぶ理由は映画のなかでナイーブに描かれます)、詩人として自作のなかで象徴的に殺すことによって逃れようとしたものの逃げきれず、ついに彼は窓から身を投げうつことになってしまいます。女たちの絶えることのない輪廻の中で、その致死的な影に捉えられてしまい死への跳躍をするしかなかった少年。監督第1作の『リトル・ダンサー』では希望と未来へと跳躍した少年が、監督第2作では絶望的な死へと跳躍したことになります。
こうしたフィルモグラフィのなかでの揺れ動きもどこかヴァージニア・ウルフを思わせるところがありますし、もしかすると英国文化の1つの伝統なのかもしれないと興味深く思います。それにしてもその男/少年:リチャード・ブラウンが身を投げた後に、女3:クラリッサ・ヴォーンの元へ現れた女2:ローラ・ブラウンの描写の凄さには圧倒されるような思いがしました。文学的な才能に恵まれた女1:ヴァージニア・ウルフと男/少年:リチャード・ブラウンは自死を遂げ、社会的に成功しパートナーにも恵まれた女3:クラリッサ・ヴォーンもまた空虚さを抱えるなか、最も平凡だった女2:ローラ・ブラウンが、家庭を捨てながら最も命の火を燃やしたかのように僕には映ったからです。彼女は言います。「後悔してどんな意味があるのでしょう、ああするしかなかった。出来ることをした。誰も私を許さないでしょうね。私は死ぬより生きることを選んだ」このセリフにとてつもない重さを持たせたジュリアン・ムーアと、その姿に深く動揺するメリル・ストリープの素晴らしさ。またニコール・キッドマンをこの作品を観て僕は初めて美しいと感じました。話が難解なのではなく、この種のメンタリティは時間の量が質に転換する経験をしないとうまくつかめないように思えてなりません。たぶん映画の原題『The Hours』が示すとおりに。
3.ヴァージニア・ウルフの「ダロウェイ夫人」から多次元的に時間が交錯する。原作には大いに衝撃を受けたが、それとはまた違った趣がある。どちらも3つの時間軸が交わり合うところが興味深い。
4.どうでもいいけどいつもジュリアンムーアの名前がそらで出てこない
5.人生の辛いこと、死にたいと思うことに向き合い受け入れることは大切なこと。簡単じゃないけど全てを捨て新たなスタートをきるのも一つのやり方だと学んだ。
原題/別名:The Iron Lady
上映日 | 2012年03月16日 |
製作国 | イギリス |
上映時間 | 105分 |
ジャンル | ドラマ、歴史、伝記 |
スコア | 3.4 |
監督 | フィリダ・ロイド |
脚本 | アビ・モーガン |
出演者
メリル・ストリープ、ジム・ブロードベント、オリヴィア・コールマン、ロジャー・アラム、スーザン・ブラウン、ニック・ダニング、ニコラス・ファレル、イアン・グレン、リチャード・E・グラント、アンソニー・ヘッド、ハリー・ロイド、アレクサンドラ・ローチ、マイケル・マロニー、ピップ・トレンス、ジュリアン・ワダム、アンガス・ライト
感想・評価
1.サッチャーの事は社会の教科書でちょろっと出たなあくらいの知識。女性が一国の首相になるという事が想像できない国に生まれていますが、難しい局面に厳しい決断を下す場面は凄いなと思いました。てか、メリル・ストリープの演技の幅ってとてつもないですね、ほんま。何歳かよくわかりませんし。縦横無尽という感じ。
2.話の内容自体は正直それほどだが、メリル・ストリープの演技が圧巻だった。
3.メリル・ストリープの演技が凄い。亡き夫の幻影を見続けるサッチャーが孤独で寂しい。イギリスの歴史を知っていたら、より楽しめたかもしれない。
4.信念を貫く生き方は素晴らしい。しかし幸せだったのかは判断難しい。メリル・ストリープの演技が半端ない。
5.メリル・ストリープのサッチャーの演技がうますぎる。回想と妄想と現実の差が美しくも痛々しい。サッチャー自身も庶民出身の女性ながら庶民(労働者)を切り捨てる政策を打ち出していくという皮肉さ。本当に逆境しかない時代に男性に認められるために生きるためにはそうせざるを得なかった部分も大きいのだろうと思う。認知症となった彼女は彼女自身が切り捨てた社会的弱者の立場になっているというのも皮肉である。
原題/別名:The Blind Side
上映日 | 2010年02月27日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | ドラマ、スポーツ、伝記 |
スコア | 4.1 |
監督 | ジョン・リー・ハンコック |
脚本 | ジョン・リー・ハンコック |
あらすじ
一度はホームレスになるなど過酷な少年時代を過ごしながらも、ある家族との出会いによって自らの才能を開花させ、ドラフト1巡目指名でNFLデビューを飾ったマイケル・オアー選手の感動の実話をサンドラ・ブロック主演で映画化。
出演者
サンドラ・ブロック、クィントン・アーロン、ティム・マッグロウ、キャシー・ベイツ、リリー・コリンズ、ジェイ・ヘッド、レイ・マッキノン、キム・ディケンズ、キャサリン・ダイアー、アンディ・スタール、トム・ノウィッキ、アドリアーニ・レノックス
感想・評価
1.みんないい人で基本的にピースフルな感じ。安心して見れる。こういう映画大好き。サンドラ・ブロック最高だね。大学時代、OLの選手たちが「アメフトって球技なのに、OLはボール触ると原則ファールなんだよ…」と寂しそうに呟いてたの思い出すね。本当に縁の下の力持ち。どうしても地味になりがちなポジションだけど、強いチームは絶対にラインが強いし発言権もあるし尊重されてると思う。ラインが弱いと他にどんな優秀な選手揃えてても勝てないよね。とかいって私はLB推しです、、、昔見たことあるはずなのにすっかり抜けてたので新鮮な気持ちで楽しめた。アホでよかった。物語に派手な起承転結がないから退屈に思う人もいると思うけど、私は人生で何度も見返したい映画。
2.アメフトが好きな人には面白い映画マイケルオアーが孤児から家族愛や学業を学びアメフトで開花していく話SJの存在が大きい
3.やばい、めっちゃいい。節々で感動して泣きそうになる。サンドラブロックがまためっちゃいい。ほんと素敵な家族すぎて、やばい。SJも、めっちゃいい。練習とか付き合ってて、陰で支えてたのはこの子のおかげなのもあるし。最後も特典を満喫してるのも笑ける。暖かかったなぁ〜。こーゆーの観ると結婚もいいもんなんだろなぁ〜って思うね。まじめっちゃいい。こーゆーの中々観ようと思わないんだけど、みたら良いのよね。わかってるんだけどね。
4.金持ちが黒人男性をたまたま見かけて引き取ってアメフト選手になる話。金持ちの権力と心の余裕はすごい奥さんの胸の不自然さが気になった
5.めちゃくちゃ温かい気持ちにさせてもらえる。これが実話を元にしていて実在のモデルがいることも嬉しい。起承転結がわかりやすいので飽きない。
原題/別名:WALK THE LINE
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 136分 |
ジャンル | ドラマ、恋愛 |
スコア | 3.5 |
監督 | ジェームズ・マンゴールド |
脚本 | ギル・デニス、ジェームズ・マンゴールド |
出演者
ホアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン、ジニファー・グッドウィン、ロバート・パトリック、ダラス・ロバーツ、シェルビー・リン、ダン・ジョン・ミラー、ラリー・バグビー、タイラー・ヒルトン、ウェイロン・マロイ・ペイン、シューター・ジェニングス、ヴィクトリア・ヘスター、ケリス・ドーシー
感想・評価
1.エクステンデッド版で鑑賞。彼らのことを知らなかったから余計にいい話とは思えなかった。(奥さんの立場よ…)リース登場の歌は好き。ドラッグに溺れるホアキンは鬼気迫るものがあるけど、音楽映画は歌唱シーンでグッとこないと入り込めないなぁと改めて思った。
2.ホアキン目当てで鑑賞。実在の人物のことは全く知らずに見てもっと青春なミュージカルと思ったらよくある有名になったらクスリ常習犯2時間耐えたけど終始つまらなすぎた。フォークってのがまた合わなかったしホアキンの歌い方に苛立ちさえ覚えた。
3.ジョニー・キャッシュについては何枚か代表的なアルバムを聴いたことがあるという程度で、どんな人なのか知らなかったけど、いろいろな納得があった。なぜ『ライブ・アット・フォルサム・プリズン』が名盤とされているのか、売れたし曲も演奏もいいからってだけじゃなく、彼の曲の精神性を映しとった見事な脚色だと思った。刑務所の慰問は(受刑者は娯楽に飢えてるから)観客の反応が物凄くて、演者にとってもいい励みになるという話を聴いたことがあるけど、色んな意味でスペシャルなステージだったということが説得的に描かれている。一方で、ジェーン・カーターとの関係性の描き方についてはどうだろう。クライマックスのステージでのやりとりは実話と知って驚いたけど、今の自分の感覚では正直に言ってハラスメントに見えてしまってハラハラした。あと、ホアキン・フェニックスの演技にケチをつけるつもりは毛頭ないけど、彼は少しハンサムすぎるのではとも思った。
4.ジョニーキャッシュという実在の人物を全く知らなかったので、伝記映画なのに、どう話が進むのかを全く知らずに観ました。ドキドキが途切れることのない話運びで、歌も良いし、完成度の高い映画だなあ、と思いました。ホアキンフェニックスとリースウィザースプーンの、付かず離れずを続けながら、いつのまにかなくてはならない存在になっていく関係性が自然で美しい。2人とも役にはまっていてとっても良かった。ホアキンは当たり前だけど、リースの演技力に改めて納得させられた作品でした。
5.ホアキンが超絶上手いのは解ってるのですが。コレとか『ジョーカー』とかクレイジーな役は観る前から、そりゃハマるだろうと思うし、通常運転に見えちゃう。それもスゴいんだけどさ。『グラディエーター』『her/世界でひとつの彼女』みたいに、えっ!ホアキンなの?という作品の方がありがたみがあったりする。
原題/別名:Judy
上映日 | 2020年03月06日 |
製作国 | イギリス |
上映時間 | 118分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.7 |
監督 | ルパート・グールド |
脚本 | トム・エッジ |
出演者
レネー・ゼルウィガー、ルーファス・シーウェル、アンディ・ナイマン、マイケル・ガンボン、フィン・ウィットロック、ジェシー・バックリー、フィル・ダンスター、ベラ・ラムジー、ジェマ=リア・デヴェロー、ジョン・ダグレイッシュ、トム・ドゥラント・プリチャード、ベントレー・カルー、Arthur McBain、ティム・アハーン
感想・評価
1.『Judy』ジュディ・ガーランドの伝記映画。彼女の生い立ちを回想しながらの晩年を描いている。この映画見たかった。彼女の『The Wizard of Oz』とあの名曲『Over The Rainbow』は忘れられない、素晴らしい女優さんの一人。娘さんのライザ・ミネリも素晴らしいエンターテイナー。ジュディが親の所為で自己肯定ができず、薬に溺れて、男性に依存する人生だったとは知らなかった。人は本当に分からないもの。才能があるのに、いつも孤独と不安を抱える彼女が可哀想で、気持ちが悲しくなった。これは演出でもあると思うが、最後の彼女の『Over The Rainbow』に胸が締め付けられた。毒親の所為で、同じように大人になっても苦しむ人を何人か知ってる。自己肯定が出来ないから、ちょっとしたアドバイスも自分への批判だと勘違いして、激昂して攻撃してくるし、躁鬱の状態で、いつも不安と不満を持っているので周りもどんどん離れていく。才能があるのに、どうしてそれを自信に出来ないのか。周りから見ると不思議で仕方ないのだけれど、育った環境ってとてつもなく影響があるのだなと色々考えさせられた。レネー・ゼルウィガーの圧巻の演技と、歌は全て吹き替えなしにも驚いた。これはアカデミー賞主演女優賞を獲るだけある。彼女の死因は睡眠薬の過剰摂取によるもので、12歳年下のアメリカンシンガー、ミッキー・ディーンズと5度目の結婚をした3ヶ月後のことだったそう。
2.今更鑑賞しました。レネーは私ブリジット・ジョーンズの日記を見てから好きな女優さんなんですが流石の演技力だなと思いましたし、歌唱力もとても素晴らしく思いました。今作はジュディ・ガーランドの伝記映画で、名前は聞いたことなく、映画もオズの魔法使いは昔小説を読んだだけで見たこともなかったので知識など一切ないまま見ましたが、とても苦しくなりました。子供時代の生活が影響し、大人になってもまともな生活を送れず教養って大切なんだなと思いました。今でも芸能界にいる未成年の子も売れてる子はあまり寝る時間もなく男の子もだけど特に女の子だとジュディと同じく太ってはいけない、痩せていなければいけないなど色々制限されたりとてもリアルだなと感じました。最後のシーン、泣いて歌えなくなったジュディの代わりに観客たちが歌う光景にとても感動して思わず泣いてしまいました。話はずっと暗く重いものでしたが伝記映画としてとても私は好きだなと感じました。
3.ジュディ・ガーランドという方が成功していく姿を描いた映画だと勝手に思っていたのだけど違った彼女の晩年を軸に描いた作品で結構辛くてなかなかに不遇だなと思った最後の曲で涙腺崩壊最後の言葉とても良かったオズの魔法使見たことなかったけど今度見てみよう
4.若干盛り上がりに欠ける感じでした。レネーゼルウィガーだったの気付かなかった、、、
5.レインボーのライブのオープニングで虹の彼方に〜キルザキングの流れが最高にカッコよかったのだが、ベストにキルザキングが入っていないのは何故なんだ?それはさておき、女優さん本人が歌っているらしいけどやはり声量、声域は苦しいかな。可哀想といえば可哀想なんだけど、どんなに才能があっても薬中のメンヘラでは人が離れていくのもやむなし。ショービズの世界は厳しいね。
原題/別名:Nomadland
上映日 | 2021年03月26日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 108分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | クロエ・ジャオ |
脚本 | クロエ・ジャオ |
あらすじ
リーマンショック後、企業の倒産とともに、長年住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失った60代女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)。彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者、“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。その日その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流とともに、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく。大きな反響を生んだ原作ノンフィクションをもとに、そこで描かれる実在のノマドたちとともに見つめる今を生きる希望を、広大な西部の自然の中で探し求めるロードムービー。
出演者
フランシス・マクドーマンド、デヴィッド・ストラザーン、リンダ・メイ、Bob Wells、Charlene Swankie
感想・評価
1.知らない世界を知れる点ではいい映画。鑑賞後に暗い気分になった。
2.車を住処に街から街へ仕事を求めて旅する女性のお話ほぼドキュメンタリーのロードムービーピアノが切なく響くたくさんの人との出会いと別れ希望と夢を目指して生きる人々理想だけでは生きていけない現実生きる意味を考えさせられる作品マクドーマンドが凄い◎自然体の演技が◎過酷な状況なのにみんな幸せそうで生きる事に一生懸命さよならは言わないよまたいつか会える#レオ2021
3.I don’t ever say a final goodbye. I always just say “I’ll see you down the road”. And I do.本当のさよならを言うことはない。いつも「またそのうちどこかで」って言うだけ。で、本当にその通りになるんだ。🚐ฅ^•ﻌ•^ฅ
4.最高。これぞ「人生哉」。僕らは、失いたくない相手がいるから、自分を失いたくないんですよ。生命という意味でも、エゴイズムという意味でも。いきものがかりの「さよならは悲しい言葉じゃない」という詩を中学2年生で、文化祭で、理解の範疇外で、強く歌った僕らは罪だ。車上生活という名の物質主義の放棄は、社会的生活の放棄ではない。車上生活者には憧れない、なることができない。ただ感じる、車のフロントにもたれかかって煙草を吸う自分が好きなんだってことは。嫌煙家はまごうことなき物質主義者であると認識している。嫌煙家は旅に出ろ。北海道の雪景色の中、一服でもしてみろ。孤独、喪失。これらの悲哀から逃れるために僕らは日々を、強く生きたいと願っている。
5.とにかく画面が美しい。どこで切り取っても、絵になる構図、景色ばかりだった。Amazon倉庫でさえも。そういえば、アメリカって自然の多い国だったなって再確認できた作品。
原題/別名:Silver Linings Playbook
上映日 | 2013年02月22日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 122分 |
ジャンル | コメディ、恋愛 |
スコア | 3.7 |
監督 | デヴィッド・O・ラッセル |
脚本 | デヴィッド・O・ラッセル |
あらすじ
妻の浮気が原因で心のバランスを崩しすべてを失くしたパッドは、近所に住むティファニーと出会う。過激な発言と突飛な行動を繰り返すティファニーに振り回されるパッドであったが、彼女も実は夫と死別し、心に傷を抱えていた。ティファニーは強引にパッドを誘い、ダンスコンテストへの出場を決意する。人生の希望の光を取り戻すためのふたりの挑戦がはじまった――。
出演者
ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、クリス・タッカー、ジャッキー・ウィーヴァー、アヌパム・カー、シェー・ウィガム、ジュリア・スタイルズ、ポール・ハーマン、ダッシュ・マイホック、ジョン・オーティス
感想・評価
1.ポスターの感じから家族愛の映画かなぁと予想して観た。家族愛もあるんだけど主役の躁鬱病描写とブラッドリー・クーパーの演技が凄すぎて怖かったぁぁ。目が完全に精神を病んでいる人の目。元奥さんの気持ちはもう完全に冷めてるのに執着して、周りを巻き込んで追いまくるのが怖い怖い。ヒロインのジェニファー・ローレンスの性依存もなかなかにやばい。デニーロ演じるお父さんも良いことを言うけど実はかなり精神がやばい人なのでは…。(ギャンブルにのめり込んでジンクスに執着するとこ)一緒にいるお母さんも心配だなぁ。思ってたよりかなりヘビーな家族愛と恋愛のお話だったなー。
2.とっても良い映画でした!内容も申し分ないし、とこらところでクスッと笑える要素もあり、飽きずに観られました。「より高く」とても良い言葉ですね!一生懸命生きていれば、いつか希望は見えてくるんだと教えてもらった気がします。また見たいです。
3.【2021/11/22 アマプラ鑑賞】盛り上がるのはかなり後半だし、パッドとティファニーが不安定ながら前に進もうとする様子をずっと見ているドキュメンタリーのような印象。病気のことはあまりわからないけど、二人演技は上手だったし、最後は優しい気持ちになった。お父さんの賭けはさすがにビビる。
4.いろんな方のレビュー見たらすごく評価別れてる作品だなと。私は正直あまりピンとこなかったほう。もっとダンス中心の話になるのかと思ったら、ダンスはおまけみたいな程度だったし、だったらうつ病が治っていく過程にもっとフォーカスしても良かったのでは?と思った。
5.精神的に不安定な演技に引き込まれました。ダンスのシーンも魅力的でした。
原題/別名:Black Swan
上映日 | 2011年05月11日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 108分 |
ジャンル | サスペンス、ドラマ、スリラー |
スコア | 3.6 |
監督 | ダーレン・アロノフスキー |
脚本 | マーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・マクラフリン |
あらすじ
美と狂気がせめぎあう衝撃的サスペンス
出演者
ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー、バンジャマン・ミルピエ、クセニア・ソロ、クリスティーナ・アナパウ、ジャネット・モンゴメリー、セバスチャン・スタン、トビー・ヘミングウェイ
感想・評価
1.ナタリポートマンの主役に抜擢された時の演技がうま過ぎて、自分の嬉しかった時のことを思い出した。ただ、主人公の変化の具合を自分はうまく感じ取れなかった。あとナタリーポートマンってマチルダちゃんなんだね!?
2.オイディプス神話のように象徴的な意味での「父殺し」を描いた名作は『ブレードランナー』(リドリー・スコット監督, 1982年)をはじめたくさんありますが、「母殺し」を扱った作品はそれほど多くはないかもしれません。その象徴的な「母殺し」がどのようなものであるかを、この作品は上手く描き出しているように思います。僕は男性であるため「父息子」という親子関係の渦中にずっとあるのですが、「母娘」という親子関係については、実姉と実母、妻と義母、さらには友人・知人・同僚・取引先の女性たちとその母親の関係として間接的にこれまで接してきた。そこにある関係は「父息子」という奇妙な関係とは奇妙さが異なっており、僕という存在を妻に受け入れてもらうためには、どうしても「父息子」の関係が外せないのと同様に、妻という人間を僕が受けれいるためには、やはり「母娘」の関係を外すわけにはいかない。僕自身は不恰好ながらも自覚的に格闘してきた経緯がありますが、妻に関しては彼女にはそうした自覚がありませんでした。
しかしながらそれは、母親の引力の中にいるために気づかないだけであり、無自覚ながらも彼女が何かに苦しむ時には(たとえば子育てもそうでした)その根っこに必ず「母娘」の関係があったはずです。夫婦になるということは、おそらくは生涯をかけてそうしたお互いの軛(くびき)を理解し、うまくいくなら少しずつ取り払っていくことになるのだろうと思っています。『白鳥の湖』の呪いのように、それは1人で解くことは原理的に難しく出来ているからです。僕にとって妻と真剣に向き合うことは、そうした妻の「母娘」をはじめとする、彼女の女性性と向き合うことを意味します。妻もまたこの映画に描かれるように僕の知らない楽屋で鏡の破片を手にし、象徴的な血を流したことがあるはずです。またそれは、流されなければならない種類の血だったのだろうと思います。ですから映画の終わり方がバッド・エンドでないことは、妻という抜き差しならないパートナーと真剣に向き合っている、世界中の夫たちが知っていることのように僕には思えます。
3.自分そのものの時の「弱さ」とオデットの「か弱さ」、黒鳥の「情熱」、どれも別人かのように演じていてすごい…
4.大人になりきれない気弱な主人公、呪縛する母親、身勝手な男、はすっぱなライバル、人ではないモノへのメタモルフォーゼ、同性愛の要素、残酷な自己解放、美しさと悲劇。そしてバレエ…ときたら、完全に山岸凉子の漫画ではないか。見ながらずっと「これ山岸凉子の漫画で見た!あっ、これも!ここもだ!」といちいち反応してしまった。ナタリー・ポートマンの演技力は毎度のことながら素晴らしい。スターウォーズEP3のときも思ったけど、私は彼女の泣き顔を見ると本当に胸が締め付けられるのよ…。こんなに心を持ってかれる女優さんは彼女だけです。そういえばナタリーの実の母親もやり手のステージママだそうだけど、そんな彼女にこの役を持ってくる制作サイドがすごいし、それを受ける方もすごい。ハリウッドってこういうとこ、ほんと容赦ないよね。容赦ないといえば、ベス役がウィノナ・ライダーだということ、見ている間は気づかなかった。彼女の経歴を思うと、この配役もまたすごいなと(語彙)ヴァンサン・カッセルが踊るシーンがもっとあるかと思って期待して待っていましたが、ほんの少しだったので残念。でも踊る役柄ではないので仕方ない。むしろこのくらいの方が『ヴァンサン・カッセルの贅沢な使い方』って感じでいいですね。ライバルのリリーのキャラクターもいいし、それを演じるミラ・クニスもぴったり。とにかく豪華キャストすぎてクラクラする。(セバスタがチョイ役で出てるし)これだけの役者に囲まれたら、喰われずにいるだけでも大変なのに、誰よりも強い光を放てるナタリー・ポートマンのすごさよ。とにかく彼女の演技に感動する作品でした。
5.最後の黒鳥を演じたニナの表情が本当に別人みたいで凄かった……
原題/別名:Blue Jasmine
上映日 | 2014年05月10日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 98分 |
ジャンル | ドラマ、コメディ |
スコア | 3.5 |
監督 | ウディ・アレン |
脚本 | ウディ・アレン |
あらすじ
サンフランシスコの空港に美しくエレガントな女性が降り立った。彼女は、かつてニューヨーク・セレブリティ界の花と謳われたジャスミン(ケイト・ブランシェット)。しかし、今や裕福でハンサムな実業家のハル(アレック・ボールドウィン)との結婚生活も資産もすべて失い、自尊心だけがその身を保たせていた。庶民的なシングルマザーである妹ジンジャー(サリー・ホーキンス)の質素なアパートに身を寄せたジャスミンは、華やかな表舞台への返り咲きを図るものの、過去の栄華を忘れられず、不慣れな仕事と勉強に疲れ果て、精神のバランスを崩してしまう。やがて何もかもに行き詰まった時、理想的なエリート外交官の独身男性ドワイト(ピーター・サースガード)とめぐり会ったジャスミンは、彼こそが再び上流階級にすくい上げてくれる存在だと思い込む。名曲「ブルームーン」のメロディに乗せて描かれる、あまりにも残酷で切ない、ジャスミンの運命とは。
出演者
アレック・ボールドウィン、ケイト・ブランシェット、ルイス・C・K、ボビー・カナヴェイル、アンドリュー・ダイス・クレイ、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガード、マイケル・スタールバーグ、タミー・ブランチャード、マックス・カセラ、オールデン・エアエンライク
感想・評価
1.なかなかおもしろかったです!…が!ちょっと難あり。ケイト・ブランシェットがたくさん受賞した作品とあって期待して見始めたのですが、端的に言うと「ケイト・ブランシェットの演技によって昇華した作品」でした。一度大金持ちになったもののどん底まで転落、精神を病んで苦労をする主人公ですが、ケイトの情緒不安定な演技がとても上手で…こっちまで不安定になりそうでした笑テンポがよくて飽きずに楽しめましたが、あくまで不安定な主人公を見続けるだけの作品なのでもう少しなにかあっても良かったのかな…と思ってしまいました。ケイトの演技力がなければかなり微妙な作品に感じてたかもしれません。
2.裕福なマンハッタンのソーシャライトが貧しい生活に落ちていく物語🎬コメディだけど、笑えない!ブラックコメディ!!(苦笑) 結局、嘘で塗り固め、上りつめたものって、壊れやすいということでしょうか? 結局、ジャスミン本人が悪いけど、一瞬で転落人生!!! 人間という生き物は、一度ついたプライド、なかなか落とすことはできないと思います。一度セレブになったら、そこから生活は落とせない。 最後の最後までブランドを身にまとっていたジャスミンでした…(汗) この後、ジャスミンに待っているのは…。「嫌われ松子の一生」のような生活か? 『欲望という名の電車』(1951年)と比べられたとのことなので観てみようと思います。 #ブルージャスミン#ウディ・アレン#映画レビュー#マンハッタン#転落人生#ジャスミン#嫌われ松子の一生#欲望という名の電車#アカデミー賞#洋画
3.主人公の今後の行く末が気になるなぁ〜。ブルージャスミン2とかでないかな?多分出ないから妄想しとこ。
4.鑑賞後のこのなんとも言えない気持ち…ケイトブランシェットの演技力がすごい。妹との対比も面白かった。
5.ある日突然、大金持ちから無一文に。同時に家族も失い、住む所も失う。これまでは見下して、見向きもしなかった妹の所に、この状態で転がり込む。大金持ちだった時のプライドだけは残ったままで、上から目線も治らない。何もない、何も出来ないのに、素直にお願い出来ない、謝る事が出来ない。しかも、嘘で飾り付けを行い、自分を良く見せようとする。最後も、本当の事を言えず、弱味を見せる事が出来ず…結局はプライドが邪魔をする。人間の嫌な面を、嫌味たっぷりに描いているから、本当であれば観賞後は気分が悪くなる映画だと思う。独特のテンポの古めかしい音楽が、観てる側の嫌な気分を調和してくれるのか、こんな人居るよな、自分も気を付けよう…で、終わってしまった。主人公の女性…あの後、どうやって生活していったのだろうか?
原題/別名:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
上映日 | 2018年02月01日 |
製作国 | アメリカ、イギリス |
上映時間 | 115分 |
ジャンル | ドラマ、クライム |
スコア | 4.0 |
監督 | マーティン・マクドナー |
脚本 | マーティン・マクドナー |
あらすじ
最愛の娘が殺されて既に数ヶ月が経過したにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに憤るミルドレッドは、無能な警察に抗議するために町はずれに3枚の巨大な広告板を設置する。それを不快に思う警察とミルドレッドの間の諍いが、事態を予想外の方向に向かわせる。
出演者
フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル、アビー・コーニッシュ、ジョン・ホークス、ピーター・ディンクレイジ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ケリー・コンドン、キャスリン・ニュートン、ジェリコ・イヴァネク、ルーカス・ヘッジズ、クラーク・ピータース、サマラ・ウィーヴィング、ニック・サーシー、サンディ・マーティン、ブレンダン・セクストン三世
感想・評価
1.とにかく登場人物みんな様子がおかしい。架空の世界なのかっていうくらい人間らしい人がいなくて倫理感ゼロ。ここまで悪事を働いて、なぜ誰も捕まらんのか考えるのも馬鹿らしくなるくらいやりたい放題で観ていてワクワクが止まらなった。全く展開が読めず、話が進むにつれどんどん歯車が狂っていく様は「アメリカン・ビューティー」を鑑賞した時の感覚に似ているなぁと思いました。違和感と不快感がずっと続くので疲れるけど、インパクトは抜群なので印象にとても残る作品。しかもこの作品集中力が途絶えそうな頃合いを見計らってバイオレンス描写が出てくる。そのタイミングが本当に絶妙。俺が鑑賞していて凄いなぁって感じたのが後半からクライマックスにかけての展開。実に巧妙に裏をかいてくる。しかもこうなるだろうなぁと警戒させておいて裏を突く攻撃を1回どころか2回3回と立て続けにお見舞いしてくる。中盤までは力技で説き伏せておいて、最後にこう来るなんて嫌でもテンション上がる作りだなと思いました。ただオチは観終わった直後「なんじゃこりゃ」って思いましたが、時間が経つにつれジワジワくる怖さがあります。この村は多分一生イかれた状態なんでしょうね。絶対に住みたくないわ。でも作品としては最高に面白かったです。
2.観て2日後にもう一度リピートした映画。主人公の信念を形にする手法が痛快で、それに対する警察の(本当かわからないけど)悪い体質が色濃く出ていて、全く飽きずに観られた。それぞれの思惑が遠慮なくぶつかるので、ストーリーとしても最後どうなるのか想像付かなくて非常に楽しめます。
3.普通に事件解決に向けて進んでいくのかと思ったらまさかの展開が何回も起きて、最初に思い描いてた映画と全然違かった!いい意味で。ジェイソン含めミルドレッドもほんとに人間らしかった。
4.悪いのはレイプ犯。犯人捕まえて欲しいと色々行動起こすのも、証拠がなくて犯人捕まれられないのも、程度にはよるかもしれないが悪いことではない。めちゃくちゃ人間臭い映画。難しい問題。どうやってこの事実を受け止めて生きていけばいいのか。オレンジジュースは優しい飲み物になった。
5.みんな人間臭くて良い。感情に身を任せてるし、行動すべてを理解できるわけじゃないけど、だからこそ味わい深い雰囲気があると思った。サム・ロックウェル〜〜好き!
原題/別名:The Favourite
上映日 | 2019年02月15日 |
製作国 | アイルランド、アメリカ、イギリス |
上映時間 | 120分 |
スコア | 3.7 |
監督 | ヨルゴス・ランティモス |
脚本 | デボラ・デイビス、トニー・マクナマラ |
あらすじ
18世紀初頭、フランスとの戦争状態にあるイングランド。人々は、アヒルレースとパイナップル食に熱中していた。虚弱な女王、アン(オリヴィア・コールマン)が王位にあり、彼女の幼馴染、レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が病身で気まぐれな女王の世話をし、絶大な権力を振るっていた。そんな中、新しい召使いアビゲイル(エマ・ストーン)が参内し、その魅力がレディ・サラを引きつける。レディ・サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を伺っていた。戦争の継続をめぐる政治的駆け引きが長びく中、アビゲイルは女王の近臣としてサラに救いの手を差し伸べる。急速に育まれるサラとの友情がアビゲイルにチャンスをもたらすが、その行く手には数々の試練が待ち受けていた。
出演者
オリヴィア・コールマン、レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン、マーク・ゲイティス
感想・評価
1."女王陛下のお気に入り"たちの奮闘。ブラックコメディ。検索すると「歴史コメディ」って出てきたんですけど、これコメディなの、、?(肯定気味の)そうかな、、?エマストーンの伸し上がりキャラ濃すぎるw最高だったのは女王の演技でした!ただボケてる人なのか、実は芯の強い人なのか、どこか掴みどころのない女王を表現されててすごかったです。
2.地位を確立するために、じわじわと迫り来る感じ、女性の怖さと強さを見た気がした作品でした!
3.ランティモス監督好きだけどこの作品は合わなかった~。ただ監督がこの時代を映したらこんなにも美しいのか。殺伐とした空気のなかの美しさが良かった。邦題すごく好き
4.英題と章題がとてもおしゃれで粋、でもやってることはドッロドロ。悪いものが抜けないタイプの泥。注目すべきはオリヴィエコールマンの熱演と聞いていたが、このタイプとは思わずびっくり。醜く愚かで、でもどこか貫禄すら感じる女王陛下が今作で一番輝いているように見えた。
5.宮廷の女中として働く主人公のアビゲイルが、女王陛下を手籠にして側近へと成り上がっていく歴史系のコメディ映画。ストーリーは普通なんだが、個人的には映像が素晴らしかったなと。多重露光を使ったカットシーンはキャラの心情や状況が毎度リンクしていて、サラとアビゲイルが真逆の立場に進んでいるのに、どこか2人の関係がループしているような感覚を与えていた。また、女王があえてアビゲイルを跪かせてマッサージをさせたり、サラと女王の夜伽をアビゲイルが2階から見下ろしたりするような演出で、キャラの立場の優劣を表現していておもしろい。女王の寝室も印象的で、壁一面の絵画と隙間なく描かれたド派手模様の壁紙が、広いはずの部屋を窮屈に見せていて、女王の心情をうまく表現していた。
原題/別名:Room
上映日 | 2016年04月08日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 118分 |
ジャンル | サスペンス、ドラマ |
スコア | 3.9 |
監督 | レニー・アブラハムソン |
脚本 | エマ・ドナヒュー |
原作 | エマ・ドナヒュー |
あらすじ
突然の監禁から 7 年の時が経ち、母は全てを賭けた脱出を決意する。奪われた人 生を取り戻すために、何より〈部屋〉しか知らない息子に、〈本当の世界〉をみせるために―。衝撃に胸をつかれ、生きる輝きに嗚咽が漏れる、世紀の愛の物語。
出演者
ブリー・ラーソン、ジョーン・アレン、ウィリアム・H・メイシー、ジェイコブ・トレンブレイ、アマンダ・ブルジェル、ミーガン・パーク、ショーン・ブリジャース、キャス・アンヴァー、ケイト・ドラモンド、ジャスティン・マダー、ジャック・フルトン、シャンテル・ジョング、ジョー・ピングー、ランダル・エドワーズ、トム・マッカムス
感想・評価
1.自由になって本当に良かった、、、と思ったらそう簡単な話ではなかった。ジョイの家庭環境が変わっていたり、ジョイが受けた心の傷もそう簡単には癒えず。部屋に愛着があったジャックが外の世界に馴染んでいく一方、憎んでいた部屋から解放されたジョイは精神を病んでいく、という親子の対比が印象的だった。子供だけでも外に出そうと考えなかったのか、選択は正しかったかどうか聞かれて言葉に詰まるジョイ。出産時19歳の少女にそこまでの判断を求めるのは酷な気がする。ジョイはジャックがいたからこそ何とか生き抜けたのではないかと思う。
2.ルームから出ることを望んだ母と壁の外側に出ることを怖がる息子。出てきた後の2人の精神状態の差も大きなポイントの一つだと思った。知らなかった"世界"へ徐々に慣れていくジャックと自分が閉じ込められていた間、普通に生活してきた周りの人と比べてしまうジョイ。
3.世の男はすべてオールド・ニックとしての罪を潜在的にもっていて、世の女はすべて母親となったときにママと同じ葛藤を生きることになる。そして世界中の子供たちが、息を押し殺すように揺れる色彩のなかで光を浴びている。そうした男女関係・父母関係・母子関係・父子関係について(実話をベースとするサスペンス・スリラーのなかにも)普遍的に描いたのが『ルーム』だろうと思います。ですからこの作品は本質的には特殊な状況について描いたものではないはずです。ネタバレしたところで面白さは少しも変わらないと思いますが、もしも未鑑賞であれば避けてください。*子役のジェイコブ・トレンブレイくんについては、知らない間に僕は4本観ていたことになります。大ヒットとなった『ワンダー 君は太陽』の他にも『ザ・ブック・オブ・ヘンリー』の愛すべき弟や『ドクター・スリープ』の気の毒すぎる野球少年、そして本作です。なかでもこの作品で見せる彼の演技は、たぶん狙ったら絶対無理だろうと思うくらいに幼少期の記憶が揺さぶられるものでした。どうしたらあんなまなざしや息づかいや透明感が出せるんだろう?さらに手持ちも交えた絶妙なカメラワークで、幼少の頃に記憶している世界の手触りみたいなものが完璧に映像として再現されていたように思います。たしかにあの頃は色彩と輪郭がにじむように揺れ動きながら、あれもそれもこれも未分類のままに意識のなかに溶けていました。
そうした幼少期の記憶を内側から描き出す視点もそうですし、映画の構成から考えても、この作品は決してサスペンスやスリラーのみに分類されるべきものではないはずです。またほとんどの映画作品がそうであるように3つのパートに分かれています。1)ママ(ブリー・ラーソン)と5歳の息子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)が暮らす「部屋」の日常とオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)との関わり。2)その「部屋」はママが17歳のときに監禁された場所だったことをジャックは教えられ、世界が壊れるような思いから抵抗しながらも脱出したのち、続いてママも救出されるまで。3)救出されたのち病院からママの実家へと移り、そこでママは両親からも世間(マスコミ)からも母親としての責めを受けながら、さまざまな葛藤を余儀なくされる。時間配分から見れば映画の後半のほとんどが3)に集中しているように、この作品の真のテーマは女性が母親となったときに受ける社会からの圧力であったり、自らに課す葛藤であったり、それが幼年期の子供にとってどんな風景として映るかにあります。印象的なのは、ママの実父が孫に対して見せる割り切れない思いです。この映画では拉致監禁した犯罪者の息子として祝福できない父親の心情が克明に描かれていますが、もしも孫の父親が犯罪者ではなかったとしても、どこか同じような思いを父親(母方の祖父)は潜ませているように思います。
僕自身にもそうした実感はあり、妻の父親との関係は僕がオールド・ニックとして出発しながら、少しずつ父子関係やホモセクシャルな相互理解のような地平へと抜けていった経緯があります。いっぽう母親(祖母)のほうは父親が誰であれ、娘とその孫息子をわだかまることなく受け入れていますが、その厳しさは(正しい姿勢ではあるのですが)娘に向けられます。またマスコミという名の世間も、ママに対して欺瞞的な正義の鉈(なた)を振り下ろします。一連のこうした描写は子育ての渦中にある母親であれば、多かれ少なかれ経験するものだろうと思います。世界中の母親たちがみんなこうした葛藤を生きている。そのようにして息子は、幼児期のある意味での庇護(ひご)でもあった「部屋」からほんとうの意味で抜け出すことになりますし、ママはかぎりなく死と近接するような苦しみを通過して母親になっていくことになります。映画のラストで母子2人はかつて監禁されていた「部屋」をもう一度訪れることになるのですが、犯罪が行われた場所としての忌まわしさよりも、ある象徴としてその「部屋」が映し出されているのにはそういう理由があるはずです。
ジャックが部屋のなかで日常的に触れていた世界に「さようなら」と言ういっぽうで、ママは何かを口にしながらそれが何であったのかは伏せられています。これは観た僕たちがそれぞれに思えばいいのでしょうし、またひと言で済むような思いでもないはずです。*このように『ルーム』は実際に起きた拉致監禁事件をベースにしながらも、性を仲立ちとした家族の様々な側面を象徴的に扱いながら、そうしたなかで母子関係が根本的に抱えることになる葛藤を高い純度で描いた作品のように思います。僕自身のかつての幼年期を思い出すと、生まれてきてしまったことで母親を苦しめてしまった罪のような意識をどこかで感じていましたし、妻と結婚してからはオールド・ニックとしての罪をまた背負い込むことになりました。この作品に描かれる「部屋」は、そうした原罪を抱えながら命を祝福していくことになる人間の宿命のようなものを象徴しているように思えてなりません。
4.辛い話だけど、周りのみんなにお願いしたいのは、どうぞ静かに見守って下さいということ見終わった後に実話を元にしてると知り、実話を検索してみたらもっともっと悲惨な話だっので辛くなった
5.親子愛系はほんまに耐えられん。実話であること何より怖いし実話の方が何倍もシビアなのもやばい。
原題/別名:MONSTER'S BALL
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 113分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.5 |
監督 | マーク・フォースター |
脚本 | ミロ・アディカ、ウィル・ロコス |
出演者
ビリー・ボブ・ソーントン、ハル・ベリー、ピーター・ボイル、ヒース・レジャー、ショーン・“P.ディディー”・コムズ、モス・デフ、マーカス・ライル・ブラウン、ミロ・アディカ、ウィル・ロコス
感想・評価
1.人間の心情を見事に映像化した作品です。もちろん具体的な台詞はありません。見ていると状況は理解できますが、登場人物たちは語り合わない。内容だけなら感動ポルノになりそうなのに、そうさせない。この絶妙なシナリオが素晴らしいです。とくに、死刑になるほど何をしたのかなど、描かなくていい部分は触れもしませんでした。ただ、チョコレート味のアイスを食べちゃう。それが甘くて痛いほど伝わってくるんです。チョコを口にして、微笑むハル・ベリー、なんて美しいんでしょうか。あと、自殺してしまった息子さん、…ヒース・レジャーなんですね。ああ悲しい。ブラックコーヒーにチョコアイスを食べたくなります。
2.黒人死刑囚家族と白人の刑務所の看守親子の巡り合わせで描かれるストーリー父親が人種差別世代で、その父親の影響を受けて育ち自分も父親になったハンク息子はいい子に育つが、父親の影響あって息子に厳しくしてしまうハンク息子との関係が最悪の出来事に繋がってしまうきっとハンクは息子を自分の中にある自分と重ねてたんだろうなそしてその姿は父親が望むものではないから息子を否定し続けてしまったんじゃないかなそしてレティシアこの人は悲運で苦労人だけどラストでこれからの人生をちゃんと考えたんだろうと思うささやかにでも心穏やかに過ごせていける方法を悪い人ではないからと
3.絶望。おっさんの成長物語。ハルベリー可愛い。とくに最後のシーンを愛してる
4.♡2021年130本目♡お互い家族を失い傷ついていた2人のラブストーリー。黒人に対して偏見を持っていた白人男性のハンクは刑務所に勤めていた。そこにいたのは黒人死刑囚のローレンス、その妻はのちにハンクと出会うレティシア。ハンクの息子ソニーも刑務所に勤めており、共にローレンスの死刑執行にあたった。しかし、ソニーは執行直前に取り乱してしまい、ハンクに激怒され翌日ハンクの前で自殺。レティシアには一人息子がいたが交通事故にあってしまい助けを求めていた所でハンクに出会う。いろいろ複雑すぎてストーリーまとめられないけど、試練を乗り越えていく少し暗い愛の物語。
5.雰囲気あるなぁ、大好きな作品。差別問題だけでなく、弱き者たちへの愛情が感じられる
原題/別名:La La Land
上映日 | 2017年02月24日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 126分 |
ジャンル | 恋愛、ミュージカル |
スコア | 3.9 |
監督 | デイミアン・チャゼル |
脚本 | デイミアン・チャゼル |
あらすじ
夢追い人が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミア<エマ・ストーン>は女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末のバーでピアノを弾くセバスチャン<ライアン・ゴズリング>と出会う。彼はいつか自分の店を持ち、本格的なジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合うが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことから二人の心はすれ違い始める……。
出演者
ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ、フィン・ウィットロック、ローズマリー・デウィット、ミーガン・フェイ、ジェイソン・フックス、ジェシカ・ローテ、ソノヤ・ミズノ、ジョン・レジェンド、キャリー・ヘルナンデス、ヘムキー・マデーラ
感想・評価
1.ハッピーエンドじゃないのが好き。(ハッピーエンドともいうのか?)あとお洋服がいつも可愛くて真似したくなる!夢を選んだ2人がとてもかっこいい。
2.女優志望でオーディションを受けながらカフェで働くミアはある日セブが弾くピアノの演奏に心を奪われる。セブはジャズの店を開く資金を稼ぐためにバーやレストランでピアノ演奏のバイトをしていたが、友人に誘われバンドの一員になる。2人は恋に落ちお互いを鼓舞し合いながら過ごしていたが、バンドの成功をきっかけに2人にズレが生じ始める、、、オープニングからカラフルで華麗なミュージックパフォーマンスで盛り上がるチャレンジャーには付き物の失敗が度重なって落ち込んでても支えてくれる人がおる大切さやけど、その後に感じる存在感のデカさ、ありがたみって絶大痺れるラストシーンやったけど、ミアの空白の5年間には何があったか人それぞれの想像でしょう笑おもろい!同業者にしか理解しがたい悩みってあるよなぁ、、
3.自分を成功に導く人との出会い。最高だね。そんな人と出会いたい。
4.Prime Vidoで鑑賞夢追う人々が集うロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働く三アは、女優を目指してオーディションに挑戦する日々を送る。一方、場末のバーでピアノを弾きながら、自分の店でジャズを心ゆくまで演奏したいという夢を抱くセブ。ひょんなことで出会った2人は思わぬ再会を果たし、互いを励ましあいながら夢に向かって進んでいこうとする。とても楽しめた。最近鑑賞した「グレイテスト・ショーマン」とは同じミュージカル映画でありながらも大きく違っていた。ラ・ラ・ランドの方がミュージカルは控えめで2人の恋模様を深く描いていると思った。特に天文台での2人の浮遊シーンが好き。とってもロマンティック。お互いの夢に向かって支えあいながらお付き合いする前半戦。そして徐々に価値観の違いによって互いに心が離れていく後半戦が悲しかった。ミアは大女優になるが2人の関係は戻ることは無かった。何かを手にしたら失うものはあるのだと現実感のある終わり方は意外で本当に驚いた。
最後の2人で微笑みあいながらうなずき合っているのはどんな意味だろうか。鑑賞する人によって見方が違いそうだ。映画情報「ラ・ラ・ランド」は、2016年に公開されたアメリカ合衆国のロマンティック・ミュージカル映画。俳優志望とピアニストの恋愛を描いた映画である。この映画のタイトルはロサンゼルスと、「現実から遊離した精神状態」を意味する。
5.2021.11.30/042/TV録画女優を夢見るミアは、あるクリスマスの夜、バーの中から聞こえてくるピアノの音色に心惹かれる。演奏をしていたのは売れないジャズピアニストのセブ。二人の恋が始まる。アカデミー賞で6部門を受賞した大ヒット作。車の間を縫うように絶妙なカメラアングルで、歌と踊りを1カットで撮影した冒頭の高速道路でのシーン、もうそこから観るものを引きつけて離さない。互いの夢がかなうことを願い、励ましあいながら愛をはぐくむ二人だったが…。恋と仕事って両立できないの?ってツッコミたいのを抑えながら後半へ。そして終盤、ミアが心惹かれたあの曲が再び流れ、クリスマスの夜の光景がよみがえる。もし、あのとき…。切なさMAXだね。
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