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アカデミー賞 主演男優賞 受賞作品。これまでにフローリアン・ゼレール監督のファーザーや、ロバート・デ・ニーロが出演するジョーカー、ボヘミアン・ラプソディなどが受賞しています。
原題/別名:Capote
上映日 | 2006年09月30日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 114分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.6 |
監督 | ベネット・ミラー |
脚本 | ダン・ファターマン、Kyle Mann |
出演者
フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリフトン・コリンズ・Jr、クリス・クーパー、ブルース・グリーンウッド、ボブ・バラバン、エイミー・ライアン、マーク・ペルグリノ、アリー・ミケルソン、マーシャル・ベル、R・D・レイド、アダム・キンメル、クレイグ・アーチボルド、デヴィッド・ウィルソン・バーンズ、マイケル・J・バーグ
感想・評価
1.空港に行く途中、飛行機の中で、切れ切れに、まどろみながら見ていたからか、なんにも響くものがなかった。フィリップ・シーモア・ホフマンのカポーティぶりは頑張っていたけれど、そこまで魅力的な人物として描かれていなかった。クセや表層を真似てはいたけど、そこにばかり注力してない? それに、犯罪者に情がうつる理由がわからなかった。そこまで苦しむほど入れ込むかね? 最初から職業として接していたでしょう。しかも犯人役も深入りしたいと思わせるような人物像でもなくない?興味を持つ、観察する、それはいい。でも2人が特段親しくなったキッカケはないように見えたし、親しくなるような人種でもないように見えた。結局は自分の小説を完成させるために弁護士を探さなかった。芸術家はかくあるべしだが、新米の新聞記者でも、なりたての神父でもおんなじ映画が作れたことだろう。カポーティは優しい人柄で、いろんな人に情を移す、人の死を見てショックで小説が書けなくなってしまう、そのためだけにこの映画を作成したのだとしたら、カポーティというキャラクターを追いかけすぎて肝心の感情を置き忘れて作られている。訴えるものがなにもない。
2.人の心の孤独について描いた作家や作品は数多く存在しますし、むしろ孤独に触れない作品のほうが非常に少ないはずですが、魂(たましい)の領域の孤独を、映像の質感として浮上させるように濃密に描いた映画監督はそれほど多くはないように思います。成功であれ挫折であれ、欺瞞(ぎまん)に満ちた状態であれ、人は原理的に孤独な魂の発露としてそれらを手にすることになる。心は1つの状況として表れるいっぽうで、魂は1つの原理として示される。本作から6年後のブラッド・ピット主演『マネーボール』(2011年)では、メジャーリーグを題材としながらも、プレーヤーではなくマネージメントに焦点をあてることでビジネスパーソンに深く訴える内容となっており、実話を基にした主人公のビリー・ビーンが手にするのは最終的には成功ですが、その間もその後も彼の魂がどのように孤独であったかを冴えた映像の質感としてよく表しています。また『フォックスキャッチャー』(2014年)では、デュポン財閥のジョン・デュポンが主宰するレスリング・チームへ招聘(しょうへい)されたシュルツ兄弟を描きながら(金メダリストの兄に対する弟のコンプレックス)、次第にデュポンの抱えていた闇へとシフトさせていく構成をとっています。やがてデュポンは金メダリストの兄のほうを殺害することになる(デイヴ・シュルツ殺害事件)。
人が挫折するということの機微を、硬質な映像のうちにどこまでも冷ややかに描いています。そしてこの『カポーティ』では、若き天才作家としてもてはやされたトルーマン・カポーティ(1924-1984年)が自然な才能を発露させていった先で、中年期に入ったのち作家の宿命として現れた障壁を乗り越えていくために、ノンフィクション作品『冷血』を書くまでの姿を描いています。ベネット・ミラーが真に描こうとしたものは、無垢な才能と欺瞞に満ちた心の揺れ動きだろうと思いますが、そうした彼の姿をノンフィクションタッチで描きながら、カポーティのフィクション世界に流れるあの感覚も見事に表現されていました。たとえばオードリー・ヘップバーン主演『ティファニーで朝食を』(1961年)を観ても、カポーティが同名小説で描いたホリー・ゴライトリーという女性がどういう存在だったのかは今ひとつつかめませんが、この『カポーティ』を観ることで、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるカポーティから演繹(えんえき)されるように、ホリー・ゴライトリーの像が浮かび上がるような印象があります。
カポーティ作品が1本の糸を通すように全体として持つテーマや魅力は、ホリー・ゴライトリーに象徴される「無垢の行方(むくのゆくえ)」だろうと思います。無垢であるということは、しばしば世間一般に薄く広く浸透している道徳とは真逆の倫理に生きることを意味します。その倫理とは、やはり無反省に道徳を振りかざす人が口にする「純粋」であることと、正反対に振る舞うことを意味してもいます。欺瞞とは、そうした深い意味での倫理を道徳的に糾弾することから生まれます。その裏側にある動機はほとんどの場合、小さく惨めな自分を少しでも大きくみせようともがく悪足掻(わるあが)きであるにも関わらず。カポーティ作品のなかに表れる欺瞞は、無垢がその力を失った先の着地点として様々に描かれていますが、慣習であれ暴力であれ人間社会がもつ宿命的な大きな力と抽象的に言い表すこともできるかと思います。そうした作品を生み出したカポーティ自身が、初期作品から『ティファニーで朝食を』に到るまでを無垢の力で書きながら、やがて華やかな社交生活のなかで欺瞞に染まっていき、そこから脱しようと企図した『冷血』によってナイーブにそして卑俗に揺れ動く姿が本作には描き出されています。作者とその作品世界がこれほど美しく融和した伝記映画を僕は他に知りませんし、監督ベネット・ミラーの手腕だろうと思います。通奏低音のように流れる薄氷を踏むような感触は、名作とされる小説を読んだ読後感とまったく同じです。絶品という言葉は、こういう作品のためにあるだろうと思います。
3.一家4人が殺害された事件に興味を持ち取材に乗り出した著名な作家・カポーティがノンフィクション小説という新たな形体で『冷血(原題:IN COLD BLOOD)』という本を書き上げる過程の話。実話ベース。1959年11月15日 事件発生1960年1月6日 犯人逮捕1966年 出版非常にクオリティの高いクレバーな作品という印象を受けた。人に勧めたい度、私の評価基準であるまた観たい度、好き度で言ったら決して高くはないものの、高評価せざるを得ない。原作・カポーティ関連作品未読未見。だいぶ前にhuluか何かで観たはずだがほとんど憶えてなくて、クリス・クーパー出演作ゆえ再鑑賞。自分の見どころ・捉え方の変化が興味深くもあった。何となく動画配信サービスで観たものは記憶に残りにくい傾向があるような気がしている。差し挟まれる景観が場面の説明や場面転換というばかりではなく、対比や暗喩といった意味を兼ねていたりする。というのは珍しいことではないだろうが、俳優陣の演技、音楽、映像面すべてにおいて地味ながら良質なものを揃え、それらが積み重ることでより深い意味を感じさせられたように思う。
このように一つ一つを見たら非凡という程でもない、と判じられたとしても、総合的に非凡な作品になっていると私は感じた。補足と蛇足「地味」というのは突出して目立ちはしない、ということで、「地味」「目立たない」理由は優れていないからではなく、目立とうとしていないからだと思った時にこういう褒め方をしている。私が度々使ってしまっている「個の主張がない」と同義。「控えめ」「抑えた演技」といった褒め言葉向きの言い方もあれど、出力不足、出し惜しみ、みたいなニュアンスを感じられそうな気がしてあまり使っていない。蛇足↓調和を重んじたような目立たないクオリティの高さを感じる演技などを観るにつけ、ガラスの仮面の北島マヤ的なのは自分は評価しづらいかなあと思う。舞台あらしとかいうエピソードでその辺に言及してたっけかな。閑話休題。話の内容的にも映像的にもあまり動きのない作品。カメラの余計な揺れもほぼない。彩度低めのくすんだ色味で目に優しめ地味なトーンの映像。音楽もあまり使われていない。動より静の印象が強く、それが作品世界、登場人物に集中させ引き込む要素になってると思う。
退屈に感じてしまうところでもあるのは否定しない。何にでも長短あるし。音楽は和音の羅列と言ってもあながち間違ってもないような、旋律らしい旋律をほぼ持たないものが時折使われるだけで、感情を押しつけてくることはない。こう思え的なものがないのは好きに捉えていいと言われてるようで、観客を信用して作ってる感じに好感持ったし、余計なことを考えずに済み、演者の一挙手一投足に集中して観れてしまった。音楽も使い方もクレバーだなという印象を序盤で持って鑑賞できたのは大きかったと思う。で、エンドクレジットで旋律を持った音楽が流れてきて、劇中の音楽は完結させたいのに書き終えられない滞った状態、行き詰まった状態の表現でもあったのかと思い至り、凄いセンスだなと感嘆した。脱帽する他ない感。美しい旋律やエモーショナルなものばかりが優れた映画音楽ではない、というのは『メッセージ』でも思ったが、これはまた。ほとんど旋律のないものに音楽賞はやりづらいかもなとは思うけど、これは賞獲ってもいいと思う。何てよく考えられ練られた作品なんだろう、と感心しながら観終えた。そしてそのテンションのままこれ書き始めたので、すげー長い。メイン俳優陣もクオリティ高い。演者の芝居も動より静で地味めな訳だが、おおーと思う演技がいくつもあった。演技に興味がある人は見どころ多いと思う。ソロとは違う、アンサンブルの良さを感じられるのではないかな。クリス・クーパーが少ない出番で地味にクオリティ高い演技を見せてくれてたのがまず嬉しかった。
ナチュラルな佇まいで場に溶け込んでる演技を見せてくれるとこ本当に好きだ。こう演じようとして動いてる、といった役者の意志・意図・作為が見えない感じが凄いなあと思う。何気なさが絶妙。樹木希林だったかの「ジュリー」みたいな気分になる。ク、クリスー。友人が被害者となった事件の終焉に立合い、様々な思いが去来してるであろうことをほんの2秒ぐらいの間に、内に秘めたもの感をしっかり残し節度ある人物であることもさらっと表現していたのも痺れた。ああもう、クリスー。少ない出番に真摯に取り組み臨んだことが窺える演技も、そういう役者も、観ると嬉しくなる。妻役の人もよかった。そして主人公の友人女性で作家でもあるネル(『アラバマ物語』で一躍脚光を浴びたらしい描写もある著名人)の人が地味に巧くて、おおおお !?てなった。そういう人が実在してるだけにしか見えないナチュラルな演技、芝居してる役者であることを失念させるような佇まい。更に知性があり、それを当然のものとして生きている人という感じの何でもなさが秀逸。知性を表現したければ利口そうに見せようとしそうなところを、当たり前に持って生きてきた人だからわざわざそうする必要がない、みたいなのが目からウロコだった。それがまた聡明な人であるという表現になってたというか。この方は多分、他の作品で観ても気づかないか印象に残らないだろう。
それが彼女の凄さ、作品に溶け込む能力の高い役者ではないかなと思うので。地味ではあっても凡庸ではない役者だと思う。キャサリン・キーナーさんφ(.. )後でWikipedia見たらアカデミー助演女優賞ノミネートされてたようで物凄く頷ける。こういう演技、こういう役者は評価されてほしい。犯人役二人の気負いのなさもいい。別の人がやってたらこうはならなかったかもと思わせる演技だった。出番少ないほうの犯人の人が終盤で軽口言うとこ。力みのなさナチュラルさで、ふわっと温かみがあって、主人公への配慮かもしれないと思わせるあたり。死刑確定の凶悪犯ながら、無邪気さや愛嬌といった面も持ち合わせていて、大きく踏み外すことがなければ、歯止めとなる良縁に恵まれていれば、どこかで誰かの愛すべき隣人として生を全うしたかもしれないと思わせるあたり。人は多面的で、いいところが一つもない人はいないのだという表現にもなっていたと思うし、少ない出番で素晴らしい演技を見せていたと思う。
マーク・ペルグリノさんφ(.. )メインのほうも保安官住宅だかでの見られてること・撮影されていることを全く意識してないような佇まいや、人を信用していなくて懐かない猫科動物みたいな雰囲気醸し出してるのもよかった。この方も、こういう役でよくぞまあ、と言いたくなる力みのなさ、演技してます感のなさで、この人じゃなかったらこの作品の核になる部分の何かが成立しなかったかもと思った。クリフトン・コリンズ・Jr.さんφ(.. )個の主張なく作品世界に馴染んでそこでずっと生きてきた人みたいな感じがあったこの方々のおかげで作品全体の印象が名作と言われても納得してしまうような域に押し上げられていると思う。俳優陣が各々の演技をリスペクトし相互に影響を及ぼし合って高みに向かった、ケミストリーとかいうやつではないかなとも思った。この誰もが助演男優賞、助演女優賞にノミネートされても納得いくし、アンサンブル演技賞みたいなの受賞するに相応しいのはまさにこういうのではないかと思う。そして、彼らを印象的に引き立てたのはほぼ動きのない映像とこれといった意味を持たせていない音楽等、ノイズのなさだと思う。
バランス感覚の妙、引き算の美みたいな、総合的なクオリティの高さを感じる。彼らの良演技なくして主演男優賞はなかったであろうことはフィリップ・シーモア・ホフマンもわかっていただろう。彼単独で観たら正直私はそこまでピンとこなかったかもしれない。特徴的に作ってる割に芝居してる役者感が薄めで、役を演じようとしてる素の役者部分をほぼ見せない、力の抜けた演技は全編でよかったし、受賞が不思議な訳ではないが。著名な人気作家だからそんなに面白くなくても盛り上がって貰えてるんだろうなと思ってたら、カポーティ本人のことを「話術が巧みで人を惹き付ける魅力的な人物だった」とか言ってて、それは表現しきれてなかったかもなーとか、そういうの。終盤のシーンは、リハーサルでは割と冷静に演じていて監督からそれでいくのかと言われ、感情的になれというのか?そうはしない、するつもりはないとか言っていて本番でああなったのだそうで。そう演じようとしたのではない、溢れ出たものである演技が観られる。話は架空の物語の主人公としてならまず受け容れられないはずの言動が散見する。
結構嫌な気分になる話。犯人との交流に虚飾や欺瞞、エゴが感じられるからだろう。真摯ではない。見下してる感じ、時に小馬鹿にしたような感じや傲慢さも見える。それらは表に出すか出さないかの差は大きいにしろ正直な感情であり、リアルだと思う。とはいえ、たとえ己にある感情であろうとも見たくない・見せられたくないという感情もある訳で。取材に野次馬根性的なものがあること、仕事のために接触し仕事に利用すること、自分の生活や人間関係が大事であること、収監されている罪人より自由の身である人のほうが上だと思うこと。主人公の感情は殊更に非難されるほどのものでもないと思う。嫌われたくない・失望させたくない・関係を壊したくないから嘘で誤魔化そうとするのも憶えのある人は多いのではないか。興味を持った事件の記事や書籍などを読んだことがある自分に彼を責められるところはあるのか?と考えてみたらほぼなかった。ただ、傍観者としては、もう少し相手に寄り添った言動をしてくれてもと思うのも無理からぬことだと思う。古来、人が物語に望むものは何かしらの気持ちよさだろうから。
主人公は他者にも自分にもシニカルな視点があって、それゆえの個性で評価されたところもある人なんだろうし、それゆえにしたい気持ちがあってもすべきでないと思うことも、罪悪感がありながらもすべきと思うこともあり、シンプルに行動することは困難だったんだろう。こうしたい気持ち、こうありたい自分、他者からの評価視点でこうあるべき自分、といったものの間で思い悩むことは誰しもあるだろうし、著名人ならもっと煩悶があるんだろう。嘘を吐いてはいるが、多分主人公の感情には何ら嘘はない。力になりたい気持ちにも、早く終わらせたい気持ちにも、喪いたくない気持ちにも、後悔の念にも。その場その場の感情は本当にそうであっても、喉元過ぎれば熱さを忘れる的になって真摯に向き合ってるとは言えないものになってるとこもあるのではないか。不遇な家庭環境だったという共鳴するものがあり、親愛の情もあるが、目的のために繋がっている関係であり、目的のためには応えられないことがあり、彼らに完全に寄り添うことはできない。どっちつかずのようになっていることへの苛立ちや煩悶、自己嫌悪感もあって、それが非情にも感じる言動、早く終わって欲しいと希うことに繋がっているのだろう。
どうしたらいいかわからない、という気持ちもあったろうけど、そう正直に弱さを出せる人ではなかったのではないか。何が何でも終わらせたいとまでは思わないけど、いっそ終わってしまえば楽かもと考えることなんて多分誰にでもあると思う。仕事とか絶対辞める強固な意志まではいかないけど辞めたら楽かなーとか。人の生死が関わってて同列にできないこととしても、そういう気持ちの延長線上にあると思えば何となくわかるんだよなー。人でなしな考えだという自覚があるから精神的に参っていく訳で。暗く狭く重苦しさを感じる刑務所内の場面と、地平線が見えるような広大な景観は主人公の心情も表していて、好意は確かにあるにしろ圧迫感を抱いてもいて、離れると開放感がある。ってのも正直なところなんじゃないかなー。彼が露悪的な言い方をしたりしていて、それも本音ではあるにしろ一面であり、別の面には別の本心もあることを聡明なネルは多分察している。しょうがない人だなあとかは思っても追求しないあたりにも長年の友人関係らしさが出ていると思った。説明は少ないけど表現はしてる、いい匙加減。本音は一つしか存在しない訳でもないと思うんだよね。人は多面的、多層的で、そうシンプルではないだろうから。殺人事件に第三者として関わって何かを失う人は多いのかもしれない。最近観た『ゾディアック』『マン・ハント:ユナボマー』もそうだった。
脚本は監督と12歳から交友関係のある俳優ダン・ファターマン(またはダン・フッターマン)さんだそうで、何か憶えがある名前だなと思ったら『バードケージ』で息子役やってた、たまにリーヴ・シュレイバーやや似な彼だった。脚本家専業となってもう俳優業はやってないらしい。リーヴと家族役やってみてほしかったなー。初めて脚本書いたというこの作品から光るセンスがありそうで、専業になったのもわかるけども。吹替・英語字幕入。映像特典はセル版のみかもしれない。メイキングドキュメンタリー集、監督とフィリップ・シーモア・ホフマンによるコメンタリー。コメンタリーは映画製作に興味ある方にも興味深いところがある内容だと思う。クリス・クーパーのシーンはどれも見応えあるとかフィリップ・シーモア・ホフマンが言ってて結構嬉しかった。そうなんだよーちょっとしたとこでもこれ見よがしでない巧さが絶妙なんだよー。良演技が多かったので心の中で相槌打ちまくり、ちょっと会話に参加したくなるコメンタリーだった。この監督の他の作品も観てみようと思う。字幕・吹替翻訳:松崎広幸難解そうかなーと思ってたが普通にすんなり話が入ってくる字幕で、会話も普通に成立してて、普通に観れた。この前に観たやつの字幕がアレだったので、普通っていいなあとしみじみ思った。ありがたいことです。字幕と吹替を別の人にしてもらえてたら尚ありがたかったけど、どちらかというと吹替翻訳のほうが多い方っぽいのかな。
4.結局、カポーティは「冷血」を書くために死刑囚への取材中に何を感じていたのか。カポーティが作品中に自分の思いを吐露するシーンは少なく、死刑囚に作品はまだ書いていないと嘘をつく理由も、作品の題材に利用する道具として考えているから手の内を明かさないだけなのか、焦燥感を煽って早く取材をしたいだけなのか。取材を進めていく上で友情が芽生えてくる作品と捉えるのか、そもそも全ては作品を書き上げるために行ったカポーティの演技に過ぎないのか。話はそこまで複雑ではないにせよ、どこか難しい作品でした。フィリップ・シーモア・ホフマンの演技は静かながらも力強さがあり、淡々と進む今作と親和性を感じました。ある意味この映画も「冷血」なのかも。
5.本を書くためにあんなに取材することにびっくりした。だんだん真相がわかっていく感じはめちゃめちゃすきな展開だったけど、話していくうちに情が湧いて精神的苦痛になるカポーティの心情も見てて面白いなと思った。血とかちょっとグロい感じになるのが無理なので見れないシーンもあったけど、見てよかった。カポーティの話のうまさや表現の上手さが自分にも欲しいなと思った。
原題/別名:Manchester by the Sea
上映日 | 2017年05月13日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 137分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.8 |
監督 | ケネス・ロナーガン |
脚本 | ケネス・ロナーガン |
あらすじ
ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく。
出演者
ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ、カイル・チャンドラー、ルーカス・ヘッジズ、カーラ・ヘイワード、ベン・オブライエン、クインシー・タイラー・バーンスティーン、ミッシー・ヤガー、スティーヴン・ヘンダーソン、メアリー・マレン、ルイス・D・ウィーラー、C・J・ウィルソン、スーザン・プルファー
感想・評価
1."乗り越える"ことをテーマにした作品が多いですが、この作品は"乗り越えられない"話。ケイシー・アフレックの演技がよかった。不満なとこを挙げるなら、字幕。翻訳がへたくそで、スッと入ってこない。作品自体はいいのに、へたくそな翻訳の字幕のせいでいまいちハマらなかった。いい作品なんだけどね!
2.凄く良かった静かで穏やかな時間が淡々と流れ、それはまるでマンチェスターの自然、悠久を感じているようで心に染み入る感覚育った環境に似ていて、深く刺さった余韻が残る
3.どうしようもないくらい悲しい出来事を抱えてしまった人は、一見何を考えいるのかもわからないし、こちらが興味を示しても無関心だったりするそれだけ凍りついてしまっているんだろうと思う淡々としたストーリーなのに、途中に小出しで出てくる過去の出来事の回想シーンで状況を少しずつ理解し後半こんなに自分が泣くことになるとは思っていなかった
4.ストーリーは淡々と進んでるように見えたのだけど、最後のリーの「乗り越えられない」の言葉で、淡々と見えていた裏には大きな物を抱え込んでいたんだなと感じさせられ、そこで涙が出ました。綺麗事はなくてすごくいい映画を観たと思いました。
5.2021-352凍りついた心を、静かに、穏やかに、少しだけ溶かしてくれる、そんな作品。
原題/別名:Ray
上映日 | 2005年01月29日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 152分 |
ジャンル | ドラマ、音楽、伝記 |
スコア | 3.7 |
監督 | テイラー・ハックフォード |
脚本 | ジェームズ・L・ホワイト |
あらすじ
2004年に亡くなったレイ・チャールズの生涯を描いた映画。ソウルミュージシャンとして成功しながらも、盲目、弟の溺死事故のトラウマ、人種差別、浮気、ドラッグなど壮絶な人生を送った彼の心情を巧みに描いた物語。
出演者
ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、クリフトン・パウエル、ハリー・J・レニックス、リチャード・シフ、アーンジャニュー・エリス、シャロン・ウォーレン、カーティス・アームストロング、レジーナ・キング、テレンス・ハワード、ラレンズ・テイト、ボキーム・ウッドバイン、C・J・サンダース
感想・評価
1.盲目のシンガー、レイ・チャールズの生涯を描いた作品フタを開けたらドラッグをキメたり、浮気したり盲目のヤリチンでした笑盲目でここまで成功した人は彼以外に居ないのでは無いでしょうかエンドロールで流れた本人映像がジェイミー・フォックスそっくりでびっくりいずれにせよ、彼の存在は多くの人に多大な影響を与えた
2.レイ・チャールズもアメリカの差別の中で生きた偉人の一人。映画というよりドキュメンタリーを見てるようだった。ジェイミー・フォックスがレイ・チャールズに見えるくらい、歌も上手い。子供の頃に弟を自分のせいで亡くしたと思い込んで、音楽にすがりドラッグにのめり込んでしまう人生。加えて盲目だったことで、白人にも仲間であるべき黒人にもその才能を悪用され、騙される人生の悲惨さ。でも、アトランティックを裏切っちゃいかんなぁ。そこだけは?ブラックミュージックの中でもブルースは南部黒人の魂の歌と言うけど、レイ・チャールズは一つの型にはまらない新しい音楽を作ったとも言える。この映画の中でヒット曲オンパレード「Geogia on my mind」がベスト、他にも「I can't stop loving you」「What'd I say」「Hit the Road Jack」「Unchain My Heart」が聞ける「愛しのエリー」をカバーしたことも有名、映画にはなかったけど。
3.映画で音楽を楽しむ試み第4弾。レイ・チャールズという人物にも彼の楽曲にも全然興味がなかったものの,思いがけない出会いになるといいなと思い意を決して鑑賞。「ジャズの神様」と呼ばれ,高潔な人物だと勝手に想像していたけど,やはりミュージシャン(と決めつけてはいけないかもだけど)。いい音楽の裏には影があるのかな。私生活はちゃめちゃなところばかりに目がいって,途中彼が盲目だということを忘れていた。盲目であれだけの熱量で音楽を奏でるなんてすごい。弟さんが出てきた最後のシーン,レイ・チャールズさんの心が傷が映画にあったように救われ,癒えていたことを心から祈る。
4.もう開始1分でこの映画を見始めて良かったと感じた。ジェイミー・フォックスのレイ・チャールズは最高だった。レイ・チャールズに詳しくないので独特の挙動が本人に似ているのかわからないのに本人にしか見えないと感じさせてくれる。才能に惚れる女性たちのレイ・チャールズの取り合いが生々しく、「旅立てジャック」のライブシーンは印象的だった。この「旅立てジャック」という曲は、「ハウス・ジャック・ビルド」のエンディング曲でかなり強い印象を残していたので覚えていたけど、レイ・チャールズの曲だというのは初めて知った。耳に残る曲で口ずさみたくなる。有名になるにつれて誘惑も多く、絶えないドラッグや女性遊びに奧さんはさぞ心を痛めたと思う。女性関係が派手すぎて普通に考えると最低のクズ男だけど、唯一無二の才能を持っているとこうも女性が群がってくるのかと驚くと同時に妙に納得してしまう。それでもドラッグを止めて、差別に音楽で抵抗し、何十年も名曲を生み出し続けたレイ・チャールズは間違いなく伝説の人だと感じた。
原題/別名:The Revenant
上映日 | 2016年04月22日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 157分 |
ジャンル | アクション、アドベンチャー・冒険 |
スコア | 3.8 |
監督 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ |
脚本 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、マーク・L・スミス |
音楽 | 坂本龍一 |
あらすじ
仲間の裏切りで最愛の息子の命を奪われた男、ヒュー・グラス。激しい怒りを力に変え、奇跡的に死の淵から蘇える。復讐の執念のみを武器に、300キロに及ぶ容赦ないサバイルバルの旅が始まる。
出演者
レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ、ウィル・ポールター、ドーナル・グリーソン、ポール・アンダーソン、ブレンダン・フレッチャー、クリストッフェル・ヨーネル、ルーカス・ハース、ブラッド・カーター、ハビエル・ボテット
感想・評価
1.熊がリアル。人間の生命力ってすごい。長かったけど、最後まで観れた!
2.ずっと気になっててやっと鑑賞できたとにかく生への執着がすごかった精神世界と現実世界に行ったり来たりしてて個人的には分かりにくいシーンもあったけどむしろノンフィクションのリアルさがあった
3.20211130-4951823年、アメリカ北西部原作:マイケル・パンク『蘇った亡霊:ある復讐の物語』(2002年)美術:ジャック・フィスク#higa2021#higaアメリカ#ジャック・フィスク#作品賞ノミネート#美術賞ノミネート
4.再鑑賞。過酷な自然の中で負傷しながら320kmも歩いて生還したヒュー・グラスの実話。極寒の大地で寒さに耐え忍び生き抜くディカプリオを見ているとこっちまで寒くなる。この映画を初めて見た時は熊に襲われる夢を見るぐらいトラウマになりました、でも熊って好きなんだよな。ディカプリオを襲った熊は本物にしか見えないクオリティだった。CGの熊なのに鼻息でカメラのレンズが曇るとこまで再現しちゃうこだわりは感心するけど、映画としてはカメラがあることを意識させられるのでその辺は見ていてちょっと複雑。死にゆくディカプリオの見届け人トム・ハーディはアカデミー助演男優賞にノミネート。因みにこの年のアカデミー最多受賞作品は彼の主演作『マッドマックス』でした。
5.凄まじい"生"に対する執着。息を呑むリアルな描写。圧倒的な演技に引き込まれた。
原題/別名:CRAZY HEART
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 111分 |
ジャンル | ドラマ、恋愛 |
スコア | 3.6 |
監督 | スコット・クーパー |
脚本 | スコット・クーパー |
あらすじ
かつて一世を風靡したシンガー、バッド・ブレイクは、今や落ち目のドサ回りを続ける生活。何度となく破綻をきたした結婚生活や果てしなく続くツアーに疲れ果て、アルコールにどっぷり浸かる毎日を送っていた。かつての弟子トミー・スウィートが、金と名声を得たスーパースターとなったことにも苦々しい思いがつのる。しかし、その日暮らしの生活を送る彼の前に、シングルマザーである記者のジーンと彼女の4歳の息子が現れる。財産も気力も失ったバッドは、彼と純粋に向き合う親子との触れ合いを通じて、彼の中に潜む“荒ぶる魂(クレイジー・ハート)”に少しずつ希望がわき上がるのを感じ始める……。
出演者
ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホール、ロバート・デュヴァル、ライアン・ビンガム、コリン・ファレル、ポール・ハーマン、トム・バウアー、ベス・グラント、ウィリアム・マークェス、リック・ダイアル、ジャック・ネイション
感想・評価
1.ジェフ・ブリッジスが念願のアカデミー主演男優賞を獲得した1本。かつて人気を博したカントリー・ミュージシャンのバッド・ブレイクは57歳となり、アルコールに溺れ、女性関係も結婚と離婚を繰り返す自堕落な生活を送っている。ある日、若い女性ジャーナリストのジーンが訪れる。女手一つで息バディを育てながら仕事に邁進するジーンとの出会いが、ブレイクの人生を変えていく。プレイボーイの役からタフガイの役まで、若い頃からあらゆる役をこなしてきたジェフ。そんな彼が本作で体現するのは、初老を迎え、(常に女性や根強いファンには囲まれながらも)心の孤独との葛藤。ひとり酒を煽る姿、古株のファンたちの歓声を浴びて少し優越感に浸りながらもどこか寂しげな眼差し、そして若い頃と比べれば明らかに劣化したパフォーマンス...。どのシーンを切り取っても滲み出る哀愁が凄まじくて、彼の表現力の豊かさにただただ唸るばかりでした。同じくアカデミー助演女優賞にノミネートされたマギー・ギレンホールとの相性も抜群!上記のように書くと老いることがネガティブな印象になってしまうかもしれませんが、本作は決してそうではなく、逆に歳を重ねて新しい発見をすることへの喜び、暗くなりかけた人生にあかりが灯る瞬間を後半では描いています。人生はちょっとしたきっかけで好転するし、いくつになってもトライができるという奇跡。エモーショナルなエンディングにも思わずため息が出てしまいました。後輩シンガー役を務めたコリン・ファレルも抑えた演技が素敵だった!
2.ジェフ・ブリッジス、アカデミー主演男優賞受賞は納得の落ちぶれ1人ドサ廻りする酒浸りカントリー系シンガーソングライターが絶品でした。1人荒野をボロボロ車で旅から旅、汚いモーテル暮らし、ボウリング場の片隅に用意された特設ステージ、併設されたバーでもロハで飲めず代引き、昔の栄光覚えてる酒屋主人に買えないウイスキー一瓶プレゼントされて嬉しさ沁みる、思い出ソングをリクエストされても裏で吐いてて碌に歌えない…。そんな侘しさが充満してる生活とステージ風景が絶品の出来だから、シングルマザー女性記者との淡い老いらくの恋が純愛物語に仕立て上がっていく。演奏&歌唱シーンも吹き替え無しかな⁈ ジェフ・ブリッジスの熟成された演技に感服でした。
3.プレミアムシネマ眠くないから一気に見れたけど。最初らへんの煙草を袋ごと咥えて三本中出て二本落ちるのと「カーブが打てないからギターにした。動かないからね。」みたいなセリフと後もう一個ウェットを含んだセリフがあったけどそれ以外つまらん。売れたからこの曲が好きってのは気分がいい。後半はほとんど退屈。息子とのやり取りなんやってん。最後一気に一年四ヶ月ぐらい進むし。女の発狂の仕方はほとんど一緒やな。コリンファレルと窪塚洋介って似てる。
4.2021-265マギーのいい具合のいい女オーラが好み。最後の2人の距離感がよかったなぁ
5.あれ!?ジェフダニエルってカントリー映画にも出てなかったっけ??って探し探してたどり着いたジェフブリッジズ…この前の引っ越しでDVDを処分してしまいましたが、とても良い映画でした。↑褒めてる??弟子がカントリーを取り入れた新しいジャンルで売れてしまい置いてかれる自分。ブレずに今までのことをやり切って少し花が咲く、、、そんなほっこりムービーだったような気がする。
原題/別名:There Will Be Blood
上映日 | 2008年04月26日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 158分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 3.9 |
監督 | ポール・トーマス・アンダーソン |
脚本 | ポール・トーマス・アンダーソン |
出演者
ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコナー、キアラン・ハインズ、ディロン・フレイジャー、バリー・デル・シャーマン、コリーン・フォイ、ポール・F・トンプキンス、デヴィッド・ウィリス、デヴィッド・ウォーショフスキー、シドニー・マカリスター、ラッセル・ハーヴァード
感想・評価
1.狂気だ、、。石油の掘り方だったり、山師でも信用されるように子供を連れたり、勉強になるところも沢山。でもやっぱりダニエルの生き様が印象的。商売道具としてしかみてなかったH.Wも本当は凄く信頼してて、でも耳が聞こえなくなって、「血」が繋がってる兄弟が現れるとすぐ捨ててしまう、、ダニエルは唯一持ってない「家族」をどこかずっと求めてたんだろうね。ラストシーンも家族に近かったイーリスを撲殺して、本当に孤独になったのを表してるんだろう…。いやあ、全部見てタイトルの意味がわかるし、なんせ奥が深くてザワザワした。天才はみんな孤独なんだろうなあ、、。あと言うまでもなく、上級者向け映画です。
2.20世紀初頭のアメリカ西部。山師のダニエル・プレインヴューは幼い息子のH・Wを連れて、油田を探していた。ある日、ダニエルはサンデー牧場に石油が出る兆候があると、サンデー家の青年ポールから聞かされる。サンデー牧場を訪れたダニエルは、ポールの父・エイベルと、ポールの双子の兄・イーランと交渉し、採掘権を買い取る。仲間を呼び寄せたダニエルは早速、試掘に取り掛かり、数日後に油脈を見事に掘り当てられた。だが爆発炎上事故が発生し、採掘を見学していたH.Wは吹き飛ばされて聴力を失ってしまう。己の信念を貫き、一獲千金を狙うという選択。お金を優先した生き方。プレインヴューは完全に路頭に迷っていた。何が正しいかも分からず、交渉したり、人と関われば関わるほど、徐々に身が崩壊していく。とても痛々しくも感じるが、その堂々たる佇まいから油田と採掘に対する情熱が凄まじかった。彼は何だかんだで普通の家庭を望んでいたに違いない。ただ、お金を得る手段は選ばない。醜くても、ずる賢くても譲れないものがある。それが彼の生き方のスタンスであり、息子への愛情表現の仕方。生きるということに真面目になり過ぎた結果なんだ。泥臭い執念のある卓越した演技を見せたダニエル・デイ=ルイスに拍手したい。
3.ファントムスレッドでダニエルデイルイスの演技に魅了され鑑賞。彼の魂を込めた演技はやっぱりすごい。ポールダノも負けてなかった。
4.だからこの手の映画は映画館で観たい…と思いつつ。今回は割と集中して観てたけどそれでも箱に詰められて向き合いたかった。名作を家のテレビで見るもんじゃない。この人の映画は『ファントム・スレッド』しか観てなかった。最近見るもんないとか思ってたけど、見るもんは世の中ゴロゴロあるんよ…。正直話としてはそこまで驚けず。そもそもカンピオンの『パワー・オブ略』との比較の話が出て観たのだけど、確かに類似点がチラチラ。どちらも原作アリのものなので、そもそも原作が類似しているのか映像化の過程で似たのか。(調べたらこの映画は原作の150ページくらいしか組み込んでないらしいので後者かもしれない。)原作の『石油!』は1920年代に発行され、サヴェージの『パワー略』は1920年を舞台に描かれたもので発行は1967年。作者の生きた時代は全く同じではないけれど、重なる部分はあり。こちらは成り上がりで財産を築いた石油王の話に留まっているような印象で、あまり各登場人物の人間性に共感はできなかったかなあ…。(下手に比較しすぎたんだけど)富を手にして畏怖の存在になりながらも、ボロボロと大切なものが手元から零れ落ちてる。でもこれがアメリカン・ドリームの姿だよねと思ってしまう。いつの時代も、威厳を振りかざして抑圧する人って決定的な弱点がある気がする。ダニエル・デイ=ルイスの怪演は確かに凄い。
5.20世紀初頭、石油が今ほど目の敵にされていなかった、どころか一攫千金の手段として崇められていたころの話。たった100年ちょい前の話なんだよなあ。ダニエル・デイ・ルイス演じるプレインビューが井戸の中で一人、鉱石を掘っているシーンから始まる。最初の15分間一切セリフなし、掘る音と緊張を高める効果音のみ。井戸のハシゴから落ち、足を骨折するプレインビューだが、一人で這い上がり、一人で添え木をし、見つけた金だか銀だかを一人で交換所に持ち込む。交換所の床で換金を待つ間に床に寝転がってる(骨折しているので)が、めちゃくちゃふてぶてしい・・・。誰も頼らず、自分のことしか信じていない感じがよく出ていると思った。そのうち、オイル掘削を始めたプレインビューのところにポール(ポール・ダノ)と名乗る青年が現れ、オイルが出る場所を知っているからその情報を買ってくれと持ち掛ける。周辺ではのちのオイルジャイアント、スタンダードオイルが土地を買いかけているとの情報もあり、ポールに金を払ってその土地(ポールの実家)を見に行くと、ポールの双子、イーライ(P.ダノ二役)が家族と暮らしている。自分はクリスチャンで息子もいる家庭的な男だ、正直者だ、などと口八丁手八丁で土地を安く買いたたくプレインビュー。連れている息子はそのための小道具だ。そして、イーライが牧師をしている教会への寄付ももちろん約束するが、すべてはオイルが眠っている土地を買うための方便。結局オイルは眠っており、井戸もオペレーションも拡大するが、寄付を取りに来たイーライをぶん殴って約束を反故にするプレインビュー。
そこから人生をかけた二人の対決が始まる・・・DDLはもちろん、この童顔P.ダノや子役の配役が良かった。特にP.ダノは、悪魔祓いをパフォーマンスしては信者から崇められている預言者と自称するインチキ牧師で、見るからに童顔で気の弱そうなP.ダノと、宗教を隠れ蓑にした腹黒さの対比が抜群。「おれは人間が嫌いだ」というプレインビュー。その「人間」には自分自身も含まれているが、血のつながってない息子は別だったんじゃないかなあと思う。後半で息子に、「お前には俺の一部分も入っていないんだ!」と見下したように言い放つが、入っていないからこそ、息子のことは本当は愛してたんではないだろうか。事故で聴力を失った息子を車内に置き去りにして列車を降りるシーンや、その息子がろうあ学校から戻ってきて二度も長く抱きしめるシーンを見ているとそう思えた。
だからこそ、インチキだとはわかっていながらも、悪魔祓いをやるP.ダノが息子の聴力を戻すという奇跡を起こせないことからも、P.ダノへの嫌悪感が高まる・・・二人の対決シーンもなかなか強烈で、殴られたP.ダノは地面のオイルが混じった水たまりに引き倒され、頭からオイルまみれに。その後、教会の信者の土地をどうしても欲しいプDDLは、インチキクリスチャンだと見破っているダノから洗礼を受けることに渋々了承する。今度は、DDLの頭に水がかけられる(洗礼にしては水分多すぎ)。プレインビューには何のありがたみもない水、オイルのためだけの洗礼。最期のボウリング場のシーンは賛否両論あるみたいだけれど、かといって、他にどういうエンディングが良かったかと思うとなあ・・・絶縁した息子が帰ってくる?オイルマネーがすべて消える?ハッピーエンドも嘘くさいし、成金に罰が下るエンディングもどうかと思うし。監督がP.T.アンダーソン、このコンビでやった「ファントムスレッド」がめちゃくちゃわけわからんかったのだが、今回の映画はまだ理解しやすかったかな。
原題/別名:The Artist
上映日 | 2012年04月07日 |
製作国 | フランス |
上映時間 | 101分 |
ジャンル | ドラマ、恋愛 |
スコア | 3.7 |
監督 | ミシェル・アザナヴィシウス |
脚本 | ミシェル・アザナヴィシウス |
あらすじ
フランスで人気のスパイ・コメディ「OSS 117」シリーズのミシェル・アザナヴィシウス監督と主演のジャン・デュジャルダンのコンビが、ハリウッド黄金期を舞台に白黒&サイレントのスタイルで描き、みごと2012年のアカデミー賞作品賞に輝いた異色のロマンティック・ストーリー。
出演者
ジャン・デュジャルダン、ベレニス・ベジョ、ジョン・グッドマン、ジェームズ・クロムウェル、ペネロープ・アン・ミラー、ミッシー・パイル、ベス・グラント、ジョエル・マーレイ、エド・ローター、ビッツィー・トゥロック、ケン・ダヴィティアン、マルコム・マクダウェル、ベイジル・ホフマン、ビル・ファガーパッケ、ニーナ・シマーシュコ、スティーヴン・メンディロ
感想・評価
1.記録✍️これも書いて無かったか〰️?アカデミー賞モノだから観に行ったけど、これもそんなに好きで無かった。ジャンドゥダルジャンだか?名前が凄いインパクトあるなーってww#そっちかよ!(笑)
2.俺には良さがわからん。恋愛モノでハッピーエンド。サイレントだけどたまに音が聞こえたりする。
3.授業にてサイレントを現代に蘇らせるというなかなか挑戦的なことを見事にやってのけた素晴らしい映画だが、なんせこんなに不寛容で恐ろしい世界には合わなさすぎるくらい楽観的。
4.サイレントからトーキーへの変化期を見事に描いた作品!!まさに当時のサイレント映画を観ているような再現度の高さには驚いた!ストーリーとしても純粋に楽しめた。サイレント映画って下手な映画観るよりめちゃくちゃ深く読み解けて楽しめるから結構好きなんだよね〜▪2021年鑑賞99本目
5.FODで観ました。成功体験を脱ぎ捨てることの難しさだけど自分が主役でないことにいつ気付くかかな〜!
原題/別名:The Pianist
上映日 | 2003年02月15日 |
製作国 | フランス、ドイツ、ポーランド、イギリス |
上映時間 | 148分 |
ジャンル | ドラマ、戦争、伝記 |
スコア | 3.9 |
監督 | ロマン・ポランスキー |
脚本 | ロナルド・ハーウッド、ロマン・ポランスキー |
あらすじ
1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻したとき、シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストだった。ワルシャワ陥落後、ユダヤ人はゲットーに移住させられ、飢えや無差別殺人に脅える日々を強いられる。やがて何十万ものユダヤ人が強制収容所へ移されるなか、シュピルマンは奇跡的に死を免れ、ワルシャワ蜂起を目撃する。必死に身を隠し、ただ、生き延びることだけを考えるシュピルマン。だが、ある晩彼は遂にひとりのドイツ人将校に見つかってしまう…。
出演者
エイドリアン・ブロディ、トーマス・クレッチマン、エミリア・フォックス、ミハウ・ジェブロフスキー、エド・ストッパード、モーリン・リップマン、フランク・フィンレイ、ジェシカ・ケイト・マイヤー、ジュリア・レイナー、ワーニャ・ミュエス、トーマス・ラヴィンスキー、ヨアヒム・パウル・アスベック、ポペック、ルース・プラット、ロナン・ヴィバート、ヴァレンタイン・ペルカ
感想・評価
1.「戦場のピアニスト」といい「ジョジョラビット」といい「シンドラーのリスト」といい「ライフイズビューティフル」といい、第二次世界大戦中のドイツ??絡みの話は真実が重すぎるんよ。。。こんな事がつい最近起きてたなんて、どんなに素敵な映画でまとめても、辛い気持ちになる。単に映画が好きなだけで、歴史の点数もいつも悪かったけれど、映画を通して少なからず人間がどれだけ愚かで怖い生き物なのか学ぶ事ができる。現代もしかり。
2.芸術は教養がないと分からないものだと思った。あとショパンの曲は悲しくて切ない気分になる。
3.こういう作品を他と比べたりすんのだめだと思うけど、やっぱシンドラーのリスト最近観たからちょっとなんかね
4.主人公が第三者的視点(傍観者っていうのかな?)になるように表現されているような感じがあって見やすかった。エアピアノのシーンはかなりグッとくる。
5.„過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目である“吐き気を催すほどの現実。何故、こうならざるを得なかったのか。背中が熱くなる。苦しく、哀しい、虚しい世界に、何もできないものなのか。迫害を行う根底を、知識だけでは理解することは不可能で。かと言って加害者にも被害者にもなることは、かなり言葉にできないことでもある。心臓が痛いほどの出来事に、生きる力も失くしてしまいそうになる。何故なのか。本当に。何故。考えを止めてはいけない。そんな映画でした。
原題/別名:Milk
上映日 | 2009年04月18日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 128分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.7 |
監督 | ガス・ヴァン・サント |
脚本 | ダスティン・ランス・ブラック |
出演者
ショーン・ペン、ジェームズ・フランコ、ジョシュ・ブローリン、エミール・ハーシュ、ディエゴ・ルナ、アリソン・ピル、ルーカス・グラビール、ヴィクター・ガーバー、デニス・オヘア、ジョセフ・クロス、ハワード・ローゼンマン、ブランドン・ボイス、ケルヴィン・ユー、スティーヴン・スピネラ、ジェフ・クーンズ、テッド・ジャン・ロバーツ
感想・評価
1.Sean Pennがやばい。Rotten Tomatoes 93%
2.出会えてよかった!私にとっても、人生の中でとても大切な作品になりました☺︎
3.同性愛が市民権を得ていなかった時代にハーヴェイ・ミルクはゲイであることを公表し、同性愛者の公民権獲得や地位向上のために活動した。次第に黒人やアジア人、高齢者、児童、下級労働者等、様々な社会的弱者の救済のために活動した。支持者は増えるが社会からの強い反発があった。ミルクは身の危険を感じるようになり、テープレコーダーに遺言を記録し始めた、、、。ショーン・ペンによる至高の演技。完全に同性愛者になってましたね。レベルの高い演技作品を楽しみたい方は本作おすすめです。容赦ない社会からの攻撃を受けても立ち上がる人々は勇気を与えてくれました。例え理解されなくても平等に生きる権利がある。ショーン・ペン演じたハーヴェイ・ミルクはヒーローでした。最後は切なく感じたけど勉強になる作品。
4.世界の有名人を知る試み第9弾。ゲイをカミングアウトして同性愛者やマイノリティのために生きる権利を主張しそれを発信し続けたハーヴェイ・ミルクの話。LGBTQが注目を浴びている今だからこそ見てほしい。1970年代のアメリカでは同性愛が犯罪とされていたという。同性愛で逮捕。同性愛が理由で解雇。50年経った現在を生きる自分からするとなんじゃそりゃ!!と思うけど,キリスト教徒の多いアメリカでは敬虔な信者ほど差別意識は根強いんだろうし,それは現在もあるんだろうな。日本は武士の時代から同性愛が公のものとされてたし,宗教の縛りがない分,性に対して案外おおらかだったのかもしれない。そう思うと宗教というの大きな敵と闘ったミルクさんはますますすごい。とりあえずアニターーー!!と,顔が映るたびに怒りが湧いてきた。ダン・ホワイトもムカついたけど,彼は一体何を考えてたんだろう??何に追い詰められていたんだろう??私が常々思うのは,子供を虐待するストレートのカップルより,愛に溢れたゲイ・レズビアンカップルの方が,うーーーーーんといいってこと。
5.同性愛も選択的夫婦別姓も誰かの結婚に他人が文句つける権利なんかないことも、議論とかするまでもないように思えるし、おれの周りにはおれと似たような考えの人しかいない、だからどうしてこんなに世界は変わらないのかと思うけど、この「おれの周り」っていうのが本当に良くないんだよな、世界のことを考えて世界にコミットしていく
原題/別名:Dallas Buyers Club
上映日 | 2014年02月22日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 117分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.9 |
監督 | ジャン=マルク・ヴァレ |
脚本 | クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック |
あらすじ
ロン・ウッドルーフは、賭博と酒と女の日々を送るデタラメな男。ある日突然、「あなたはHIV陽性で、残された時間は30日」と宣告される。が、落ち込むどころか特効薬を求めて東奔西走。ある時は神父に成りすまし、ある時はパイロット、ある時はビジネスマンルックで世界中を飛び回り、最新薬を集める。薬を国内に持ち込んだ彼は、患者たちにさばき始めるが、ゲイ・コミニュティーに嫌悪感を持つロンが販路を広げるのは難しかった。そこで美しいトランスジェンダーのレイヨンを仲間に引き入れ、という組織を立ち上げることで、会費制で無料で薬を配り、多くの客を得て勢いづいていく。しかし、前に立ちはだかったのがAZTの投薬を推奨し始めた医師に製薬会社、そして政府だった。映画は、司法と孤軍奮闘し、「生きる権利」を訴え続けた一人の男の7年間の記録。マイナスから発するエネルギー溢れる姿は、見る人誰をも魅了し、勇気と希望を与えてくれる。
出演者
マシュー・マコノヒー、ジェニファー・ガーナー、ジャレッド・レトー、デニス・オヘア、スティーヴ・ザーン、マイケル・オニール、ダラス・ロバーツ、グリフィン・ダン、ケヴィン・ランキン、デニーン・タイラー
感想・評価
1.バイタリティに溢れている。30日の余命をを7年にまで延ばして、自分のためだけではなくて自分の嫌いだったコミュニティに属する人たちのために身を削る。そうやって常に生きる目的を探し、持ち続けることが長生きの秘訣だと思っている。何回も病院に運ばれているのに、そこから抜け出して自力で生きてやろうっていう心意気が凄すぎて引くくらい。馬鹿みたいに生きることに執着してみるのも泥臭くて悪くない。
2.実話を基にした、AIDS治療薬を巡る闘いを描いた作品。アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーとジャレッド・レトの痩せ方がとにかくすごい!登場した時から痩せてるけど、病気の進行と共にさらに病的に痩せていって、説得力しかなかったです。HIV陽性=死という当時の状況を考えれば、どんなにリスクがあっても、とにかく何でも治療薬を試したいっていう患者の気持ちは痛いほど分かるしウッドルーフはまさにアンチヒーローで救世主だったと思う。映画の中で世界初のAIDS治療薬AZTは完全に悪役。ただ成す術なく亡くなる状況で、少しでも効果のある薬が出てきたことは事実であり成果だし、救われた患者もいただろうから、その辺についても触れた方が良かったのではと思いました。コロナが流行して、ワクチンや治療薬の話を聞かない日はない今観ると、30年以上経って同じようなことが起きてることにビックリするし、作品への感じ方も変わったかも…。
3.諦めない男の生き様のような映画。政府と戦い、世界に貢献した男。
4.命に1番近く直接関わる医療に関して正直ほぼ受け身で医者や専門家の治療、処方を鵜呑みにするしかなく選択肢がないことがほとんどじゃないかな〜と気付かされる。マシューマコノヒーとジャレッドレトーの痩せ方が役作りを通り越して心配になるほどで脱帽…
5.マシューマコノヒーとジャレッドレトがとにかく良い。マシューのセクシー俳優イメージが完全に払拭された作品
原題/別名:Lincoln
上映日 | 2013年04月19日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 150分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.4 |
監督 | スティーヴン・スピルバーグ |
脚本 | トニー・クシュナー |
出演者
ダニエル・デイ=ルイス、サリー・フィールド、デヴィッド・ストラザーン、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ジェームズ・スペイダー、ハル・ホルブルック、トミー・リー・ジョーンズ、ジョン・ホークス、ジャッキー・アール・ヘイリー、デイン・デハーン、ルーカス・ハース、アダム・ドライバー
感想・評価
1. スティーブンスピルバーグ監督作品 南北戦争で揺れるアメリカで奴隷解放宣言を発表するため、合衆国憲法13条修正案を議会で可決させるため、エイブラハムリンカーン大統領率いる人々の物語。2時間半の上映時間中ほとんど会議のシーンだらけで普通なら退屈になってしまうシーンも動きまくるカメラと後ろの背景と群衆で面白くしてしまうとこに驚きました!!!南北戦争が舞台ですがあまり戦場のシーンはありません。ですがたまにある残酷シーンがすごくそこもスピルバーグだなと感じました。さすがスピルバーグの演出とヤヌスカミンスキーの撮影技術が光っています。南北戦争が舞台ですがあまり戦場のシーンはありません。ですがたまにある残酷シーンがすごくそこもスピルバーグだなと感じました。「アミスタッド」(1997)以来の奴隷解放と人々の自由、未来を描いた作品で名台詞や名演技が多いです。やはりアカデミー賞を受賞したダニエル=デイ・ルイスの演技です。リンカーン大統領にしか見えない容姿とジョーク好きなリンカーンの特徴を捉えていて素晴らしいです!妻役のサリーフィールドや民主党議員のトミー・リー・ジョーンズ、息子役のジョゼフゴードンレヴィット、ちょい役のアダムドライバーなどなど!これは未来の人類のために目の前のことをした人々の熱い物語です。#スティーブンスピルバーグ#実話#アカデミー賞
2.広義の意味での「政治」の本質に鋭く迫った、とてもスリリングな映画でした。どのスピルバーグ作品にも流れる異邦人性は本作では鳴りを潜めていて、また彼の手による他の歴史ものとは明らかにアプローチが異なる点に興味を惹かれます。政治とは何も国政に限らず、集団の目標や実施していく方針を定めるものとするならば、ある程度の規模の会社に勤めたりまたは取引関係にある人であれば、必ずと言っていいほど関係の深いもののはずです。そうした意味でこの映画はリンカーンを伝記的に描いたものではなく、彼が大統領として掲げた「合衆国憲法修正第十三条」をめぐるドラマを通して、政治が本質的に何を内包せざるを得ないかに主眼を置いた内容となっています。メイフラワー号に乗ってやってきた侵略者としてのオリジン(発祥)から、白人至上主義というネイチャー(資質)を積み重ねた末に、経済構造などに様々な矛盾を起こして発火した南北戦争。その引き金となった奴隷解放という理念は何もリンカーンが人道的な偉人として生み出したものではなく、時代の流れにそったやや凡庸なくらいのものとして描かれています。
むしろリンカーンが偉人であったのは、その理念を実現していくために行った売官・買収・脅迫・駆け引き・戦争の延長などの、血塗られた手腕にあったことがこの作品では語られています。その機微は、会社組織のなかで出世することや人脈作りや利害関係者間でのにらみ合い、商品開発や販路拡大などの意味を大小さまざまに体験した人ならば、身につまされるように感じられるものだろうと思います。そうしたある種ビジネスパーソンに通じるような政治家としての手腕が描かれるいっぽう、一人の人間としてのユーモアや実直さ、家族との軋轢に悩む姿などが上手く織り込まれていて、作品に厚みと生き生きとした息吹きが宿っています。リンカーンの真の思いがどこにあったのかはともかくとして、政治的に奴隷制廃止を恒久化するためには「奴隷解放宣言」だけでは法的拘束力がなく、「合衆国憲法修正第十三条」を議会に通さなければならなかった。そのために行われためまぐるしい政治劇は、戦争終結との綾(あや)を複雑に絡めながら緊迫した怒涛のラストへと向かっていきます。奴隷制度がいかに当時の経済構造を支えていたのかもよく分かる筋立てにもなっていて、一筋縄ではいかない現実社会の複層性も重厚に描き出されていました。戦争とはいつでも経済を背景としていますし、その利害をめぐっての覇権争いやパワーバランスの調整なんだろうと思います。つまり政治の本質はそこにしかありません。また政治家に清廉潔白さを求めるのがいかに筋違いであるかもよく分かります。スピルバーグ作品の特徴は監督自身のルーツや家庭環境などに端を発した、異邦人としての哀しみにあると僕は思っているのですが、こうした政治の本質に迫った作品を撮る際にも、どこか同様の感覚がただよっているように感じます。
3.フランス語話してるからリンカーンってフランス人だったんだって思ってたらそういえば、フランス行きの飛行機の中だったんだと吹き替え観てたことに気がついた思い出の映画
4.奴隷解放の父で覚えてたLincoln大統領かなり大変な活動だっただろうなとは思っていたけれど、Lincoln大統領も他の議員も頑張ったんだなと改めて感じた共和党に所属していたの知らなかったヨここらへんの歴史もっかい勉強しなおそDaniel Day-Lewisさん主演男優賞めちゃくちゃ取っててえぐいすごいたしかに髭とか髪の毛がもうLincoln大統領そっくりで、写真から出てきましたみたいな雰囲気だった
5.U-NEXT ポイント消化中!大好きなダニエルデイルイス、ジェイムススペイダー、アダムドライバーが出演しているのでずっと見ようと思っていた作品。ダニエルデイルイスの徹底した役づくり、素晴らしすぎる。見た目も似てるし、話し方も南部訛りらしい。そして大好きなジェイムススペイダー!まさかのデブキャラ笑お調子者やん笑やたらモグモグ食べてるし、汗かいて走り回って、、ほんとは彼はジェントルマンなんだからさ、勘弁してください!って正直思ってた笑アダムドライバーは暗がりで電報打つ役だったので出番少ない贅沢使いだった笑トミーリージョーンズって、歳とらないな笑奴隷解放の賛成、反対!の可決のあたりまで、正直真面目にかっこよく撮りすぎててちょっと退屈だったけど、反対を押し切って信念を貫く姿勢や、足踏みしてる人たちを味方につけて、どんどん味方を増やしていったりするところあたりから面白くなった。
原題/別名:Bohemian Rhapsody
上映日 | 2018年11月09日 |
製作国 | アメリカ、イギリス |
上映時間 | 135分 |
ジャンル | ドラマ、音楽 |
スコア | 4.2 |
監督 | ブライアン・シンガー、デクスター・フレッチャー |
脚本 | アンソニー・マクカーテン |
あらすじ
世界待望!伝説のバンド<クイーン>のフレディ・マーキュリーの華やかな成功と波乱万丈の人生を描く。クイーンのブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を務め、32もの不朽の名曲が主としてフレディの歌声で甦り、心臓に鳥肌がたつほどの感動を呼び起こす。11月、悩める者、弱き者に捧げる、ミュージック・エンターテイメント開幕!
出演者
ラミ・マレック、ジョセフ・マッゼロ、エイダン・ギレン、ベン・ハーディ、ルーシー・ボイントン、トム・ホランダー、アレン・リーチ、グウィリム・リー、アーロン・マカスカー、ミッチェル・ダンカン、エース・バッティ、マックス・ベネット、マイク・マイヤーズ
感想・評価
1.最強のバンド映画実際のバンドの生き様を元にした映画ですが、あまりに素晴らしい演技、演出、文句無しです。クイーンの名曲が沢山使われていて終始圧倒されます。作品全体を通してクイーンの愛に溢れてます。ラストシーンの話は私から言うまでもありません、ただただ最高なだけです。
2.いやー!なんで映画館で見なかったんだろう!!ライブシーンは見てるだけなのに、そこにいるわけではないのに、泣けてくる
3.配役が素晴らしかったです。本当にフレディが降りてきたのかと思うくらいの熱演に胸が熱くなりました。最後のライブシーンを何度も観たくて、劇場に何度も足を運びました。IMAXで観るこのシーンは、ホントに最高でした。他の観客の方たちと手拍子しながら観ました!
4.この作品の魅力は、決して単にクイーンとしてのパフォーマンスや楽曲だけじゃない。フレディ•マーキュリーの生き様、それにメンバーや家族、恋人たち、クイーンを取り巻く全ての人たちが『性』や『愛』のかたちについて問いかけてくる様に思う。性には本当に様々な種類があって、それも形容し難く、複雑な内面性を持っていると思う。フレディは劇中で自らをバイセクシャルと告白していたが、最終的にどんな区分付された名称であれ、彼は不特定の様々な存在の内面を愛す事ができる、強い情熱と広く大きな愛を持った人物だったのだろう。
5.文句なし。フレディ・マーキュリーを見事なまでに完璧に演じたラミ・マレックに脱帽。世代じゃない人もこの映画みればQUEENにハマるはず。
原題/別名:THE LAST KING OF SCOTLAND
製作国 | アメリカ、イギリス |
上映時間 | 125分 |
ジャンル | サスペンス |
スコア | 3.6 |
監督 | ケヴィン・マクドナルド |
脚本 | ジェレミー・ブロック、ピーター・モーガン |
出演者
フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マカヴォイ、ケリー・ワシントン、ジリアン・アンダーソン、サイモン・マクバーニー、デヴィッド・オイェロウォ、アダム・コッツ
感想・評価
1.面白かったが、リテラシーがいるな。どこまでフィクションか、ウガンダの歴史を知ってる前提。
2.最初は優しい独裁者にどんどん主人公が取り込まれていくところが恐ろしい。とはいえ主人公も愚かといえば愚かなので(妻を寝取るとか本当に自業自得すぎる……)可哀想感はあまりない。
3.フォレスト・ウィテカー/アフリカモンド映画好きとしては楽しみにしていたが....なんかイギリス人がグランドツアーよろしく「アフリカでハメ外しちゃったわーアフリカの独裁者ヤバ目だったわー」的で薄っぺらな無責任な終わり方でガッカリ。最後も梯子外された感が強くガッカリ。ウォティカーがんばってんのになぁ...。
4. フォレストウィテカーの金正日感が堪らないな。笑いと怒りの使い分けが上手すぎる。
5.外面の良さとそれをひっくり返した時に現れる凶暴さ。フォレスト・ウィテカーの目力に背筋凍った。見せしめの残虐さはトラウマもの。
原題/別名:Joker
上映日 | 2019年10月04日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 122分 |
ジャンル | ドラマ、クライム、スリラー |
スコア | 4.0 |
監督 | トッド・フィリップス |
脚本 | トッド・フィリップス、スコット・シルヴァー |
あらすじ
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに秘かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気溢れるジョーカーに変貌したのか? 切なくも衝撃の真実が明かされる!
出演者
ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、サジ・ビーツ、フランセス・コンロイ、マーク・マロン、ブレット・カレン、グレン・フレシュラー、ジョシュ・パイス、シェー・ウィガム、ブライアン・カレン、ビル・キャンプ、ダグラス・ホッジ、イザベラ・フェラーリ、デイビット・イアコノ、マンデラ・ベラミー
感想・評価
1.あまりに有名な問題作狂気と孤独と幸せを丁寧に、しかも残酷にリアルに描いた作品「あなたも今日からヒーローだ」のヴィラン版間違いなく大問題作
2.賞もたくさん受賞されたので当時、期待して観たけど…観終わったあとはなんだか気持ちが落ちるね。。でも役作りの為に体重減量したホアキンは、本当にプロだなあと素晴らしい?過去鑑賞#トキシラズ過去鑑賞記録
3.アーサーは何しても報われないだから社会を壊すしかないっていうのが見てわかった。また、人間の中で恋愛が最後の砦になってることもわかった。この人間社会で アーサーみたいな社会的弱者が犯罪を起こしてまうからやっぱり社会にとって弱者の救済はしなきゃいけないと思った。アーサーがコメディアンになれない原因として脳の障害が見てとれた。知能障害をもった人間はコメディアンになれず、変な人として扱われてしまうという大きな壁があった。やっぱり笑いって攻撃なんだな〜と思った。有名コメディアンがアーサーをスタジオに呼んだシーンでアーサーのことを有名コメディアンがいじるとアーサーが不機嫌そうにするのもそれが原因ではないかと思ったし何よりアーサーは笑われることが好きじゃないんだなーと思った。その笑われるシンボルであるピエロをモチーフにしてるのもバットマンに似てるなーって思った。でも最後のシーンでやっとみんなから賞賛してもらえるアーサーを見てやっと報われてよかったな〜って思ってしまった。社会的にはとんでもない人間だが。
4.貧富の差による分断が深刻なゴッサム・シティで、道化を演じる青年が変わっていく姿を描くサスペンス。オープニングで画面いっぱいに表示される「JOKER」のタイトル演出にワクワクさせられたものの、ひたすらアーサーという社会的弱者が翻弄されていく様を描いていてドラマとしての起伏は案外浅かったけど、ホアキン・フェニックスの怪演のおかげで苦もなく見ていられた。特にアーサーの笑いのような発作は凄まじく、見るたびに苦い気持ちになる。マレー役に『キング・オブ・コメディ』で主役を演じたデ・ニーロがキャスティングされているのも粋だよね。ところで事前にかなり暗い話だとは聞いててそれは確かにそうなんだけど、暗い話から得られる爽快感というものも存在していて、私にとっては『ジョーカー』がまさにそうだった。面白かったです。薬がもらえなくなり、仕事をクビになり、クラブの舞台では滑り倒し、血の繋がりなどなかった母親は精神病を患っていて「ウェイン家の息子」という淡い希望も砕かれ、同じアパートに住むシングルマザーとの関係も妄想でしかなく、敬愛していたマレーはアーサーを笑い物にする。そんなアーサーを見てきたからこそ、ラストでカタルシスに酔い痴れた後は晴れ晴れとした気持ちになった。覚醒したアーサーが踊りながら軽やかに長い階段を降りるところなんてもう最高。
ただ、頭脳明晰で倫理や道徳を嘲笑い、カオスを求め、奇襲を得意とする私の中のジョーカー像には重ならないんだよなアーサー。カリスマ性があるかと問われるとちょっと疑問が残るというか。それはそれとして、アーサーは魅力的な主人公だったので満足はした。あと幼いブルースが暴徒に両親を殺されて後にバットマンになり、ジョーカーが立ち塞がるのであれば年齢が噛み合わないけどそれもそれとして、バットマンがいればジョーカーが誕生し、ジョーカーがいればバットマンが誕生してしまうという二人の皮肉な運命めいた構図はとても好き。どちらも「シンボル化」を果たしているところも面白かった(アーサーは否定したけど最終的に彼は貧困層にとっての英雄にされている)。ラストが精神病院の中でのやり取りになっているし、主人公が信頼できない語り手であることが提示された以上は「すべてがアーサーの妄想である」と片付けてしまうことも可能ではあるけど、私は概ね事実だったと捉えてます。その方が好みなんだよね単純に。どのように解釈しても「ジョーカーの思うツボ」になりそうなのがずるいよなとも思うけど、元々そうした狡さを内包する存在なので納得してしまう。#kw_2021
5.この映画の感想は二極化しそう伝わらない奴には伝わらないだろう危険な映画なんて言う奴には伝わらないしかし、不満に思う人の気持ちもわからなくない社会的な空気感を読み、それが伝わる層に響くようにお膳立てしたようにも感じがしなくもないが、個人的に面白く見る事が出来た。
原題/別名:Darkest Hour
上映日 | 2018年03月30日 |
製作国 | イギリス |
上映時間 | 125分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.8 |
監督 | ジョー・ライト |
脚本 | アンソニー・マクカーテン |
メイクアップ | カズ・ヒロ(辻一弘) |
あらすじ
第二次世界大戦初期、ナチスドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、英国にも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に。ヒトラーとの和平交渉か、徹底抗戦かー。チャーチルは究極の選択を迫られる。議会の嫌われものだったチャーチルは、いかに世界の歴史を変えたのか。実話を元に、チャーチルの首相就任からダンケルクの戦いまでの知られざる4週間を描く感動の歴史エンターテインメント。
出演者
ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、ベン・メンデルソーン、スティーヴン・ディレイン、ロナルド・ピックアップ、チャーリー・パーマー・ロースウェル、ジョルダン・ウォーラー、ハナー・スティール、リチャード・ラムスデン、ニコラス・ジョーンズ
感想・評価
1.ダンケルクといえば。ウィンストンチャーチル鑑賞しました!なんだか気が荒いおじさんだわねぇ、とか思って見出して。最初ちょっと退屈したけど、途中からすごいのめり込んだ!色んな政治家がいますが、やっぱりまっすぐな人は気持ちがよい。しかしまぁ色んな側面ありますから、映画でみる素敵なチャーチル以外のチャーチルもちゃんといらっしゃったのでしょう。この映画だけでいくと、気難しいけど爽快なおじさんでした!
2.本作はメイクアップ部門でアカデミー賞を受賞していますが、それを手掛けたメイクアップアーティストが日本人だということで、本国でも当時話題になった作品です!!!ようやく観れた〜!!!英国において王族以外で国葬の扱いを受けた数少ない偉人の内の1人、ウィンストンチャーチルの戦いのお話し。といっても1940年のたった1ヶ月間の話なのだけれど。ナチス降伏までを描くのだと勘違いしていた今鹿は、あまりにもスローペースで進んでいくため、シリーズ2まで続くのかと思い、途中ハラハラしてました?地下鉄のくだりは99%フィクションなのだろうなとは思うけど、民意に耳を傾けるというその姿勢にはぐっときました!!!だけど、まあこれイギリス製作なので仕方ないとは思うんですけど、ファシズムの描かれ方には大いに疑問を抱いてしまいます?個人的に、ナチスや独裁者ヒトラーを生み出したことに対しての責任は、恐慌期に自国ばかりを優先し他国を顧みることのなかった各国にも課せられるべきだと思うので、、、。ホロコーストの歴史は絶対に正当化できないですけどね。ラストの国会演説のシーンは鳥肌ものでした!!!
3.遠い昔の話ではない。侵攻してくる独裁者に対するイギリス国民の誇りと反面、その恐怖を思うと胸が苦しくなりました。地下鉄のシーンがやはり好きです。
4.傲慢で礼儀知らずな英国の首相チャーチルが戦後76年以上経った今でも人気が絶えず、偉人として名を残しているのは皆が恐れたあのヒトラーに屈しなかったからと言われている。確かに映画を見てチャーチル以外にはヒトラーに立ち向かえる政治家など居ないと思った。彼の度胸と指導力が無ければイギリスは敗戦国になっていたかもしれない。
5.かっこよかった。心になんか響いた。自分の手に何千人、何万人、それ以上の命がかかっている。自分の一つの選択で守れる保証のない多くの命のために目の前の命を切り捨てる。自分の決断にどこまで自信をもてるか。チャーチル首相の葛藤が進めば進むほど痛いくらいに伝わってくる。言葉は武器だ。正直わたしも正解は本当にわからない。敗北を認めることは恥ではない、その結果何千人もの救える命があるならば、ただ、本当に考え方の違いだけなんだ。考え方、捉え方によって私たちは右にも左にも行く。その方向性を決める指導者の強さ。そして導く力。心に刺さって息苦しい。でも国王の言葉、友の言葉の心強さ。やっぱり人は一人ではいきていけない。成功も失敗も終わりではない。肝心なのは続けることだ。気を変えられないものは国を変えられない。
原題/別名:Mystic River
上映日 | 2004年01月10日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 138分 |
ジャンル | サスペンス、ドラマ、ミステリー |
スコア | 3.7 |
監督 | クリント・イーストウッド |
脚本 | ブライアン・ヘルゲランド |
あらすじ
川底に広がる闇が、あらゆる罪を覆い隠すー。
出演者
ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン、ローレンス・フィッシュバーン、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ローラ・リニー、エミー・ロッサム、ケヴィン・チャップマン、トム・グイリー、スペンサー・トリート・クラーク、アダム・ネルソン、キャメロン・ボーウェン、ジェイソン・ケリー、コナー・パオロ、ケイデン・ボイド、イーライ・ウォラック、ロバート・ウォールバーグ、ジェニー・オハラ、ジョナサン・トーゴ、アリ・グレイナー、ウィル・ライマン
感想・評価
1.悲しい...なんだろう綺麗にまとまってるのかもしれないけど胸糞悪い
2.終盤まで犯人が読めずミステリーとしてすごく完成度が高かった。また過去の3人のトラウマとなった事件とかが全てうまく繋がっていた。娘を殺した犯人が自分が過去に殺した男の息子で養育費を払っていたというのも重くてよかった。一つ一つのセリフとかがすごく重要な伏線になっていたのでめちゃくちゃ集中して見て疲れた
3.このお話の流れ、忘れそうなので全部書いておきたいのでネタバレ。面白いけど、なんで彼のお父さんを殺したのかイマイチわかってなかった。もはやジミーが悪人で、ジミーの娘が殺されたのは代償とでもとれるような映画にも思えた。小さい頃警察だと言ってきた偽警官を信じてしまった三人が、なぜか一人だけデイヴが車に乗せられてしまい、あとから親たちが騒ぐが自力で脱走できたもののデイヴはその男二人にレイプされていた(男→少年)そのことできまずくなって3人つるまなくなってもう随分大人になったとき、ジミーの娘が殺された。娘の知らないこともあった。娘がかけおちしようとしてたから。泣きじゃくる相手の彼氏を嘘発見器にかけても嘘は見つからず。そんなとき、デイヴは娘と同じバーでたまたま飲んでいて、たまたま血だらけで家に帰宅していたので妻が疑っていた。妻に過去自分がレイプされていたこと、その日レイプされかけてる子供を見つけ助けようとして相手の大人の男を殺してしまったかもしれないと話したが妻はもう何も信じられずジミーに「デイヴが血だらけであの日帰ってきたからおかしい」と伝えたりして家出してしまう。
ジミーは本当の事を言えとデイヴに迫り、妻にいったように本当の事を言うがジミーの思考ロックは解けず、本当の事を言えば殺さないと言われたデイヴは殺したと嘘の証言をするが殺されてしまう。後日警察が犯人を逮捕した、少年だった、近くに男の死体もあったと話した。(娘とかけおちする予定だった彼氏の弟であることは隠して話した。)デイヴは真実を語っていた。デイヴが殺したのは小児性愛者。ケイティを殺したのはまだ10代になりたてくらいの駆け落ち予定の恋人の弟とその友人。動機は兄の駆け落ちを阻止したいというもの。家庭環境が複雑だったのもあるし、兄に見捨てられてしまうと思っため。ジミーはデイヴ殺害について妻にも告白した。ジミーが今後どうするかまでは描かれてなかった。人の思い込みや先入観たるやすごいもので、日本でも本当は犯人じゃないのにネットでずっと犯人だと断定されてて大変な目に遭ってきたという人もいるよね。私も何かしら今の時代テレビじゃなくYouTubeとかででもいつのまにか誘導され思考ロックさせられ違う人を「この人はいじめてた人だ」「この人があやしいわ」と思ってるかもしれない。警察に任せてたら解決しないとかお決まりだけど、結局警察がしっかりしてたお話だった。
4.クリント・イーストウッド監督のミステリー映画。繊細なストーリーと緻密な脚本、そして何よりショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコンの演技が素晴らしく、全く目の離せない大作に仕上がっている。救いのないラストはアメリカ社会の闇を写しており、なんともほの暗い気持ちになる。
5.良かった。哀しい話。クリント・イーストウッドって感じ。事件の真相はあっけない。
原題/別名:The King's Speech
上映日 | 2011年02月26日 |
製作国 | イギリス、オーストラリア |
上映時間 | 118分 |
ジャンル | ドラマ、伝記 |
スコア | 3.7 |
監督 | トム・フーパー |
脚本 | デヴィッド・サイドラー |
あらすじ
アカデミー作品賞主要4部門など、世界各国の映画祭で賞を受賞した伝記ドラマ。吃音症に悩む英国王ジョージ6世が、言語療養士ライオネルの手を借りながら、ナチスドイツとの開戦に揺れる国民を勇気づけるスピーチ挑む。
出演者
コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、デレク・ジャコビ、ジェニファー・イーリー、マイケル・ガンボン、ロバート・ポータル、エイドリアン・スカーボロー、アンドリュー・ヘイヴィル、ロジャー・ハモンド、パトリック・ライカート、クレア・ブルーム、イヴ・ベスト、フライア・ウィルソン、ラモーナ・マルケス
感想・評価
1.観てみたいとずっと思っていたのをようやく視聴。立場が全く違う普通なら交わらない人たちがそんなしがらみ一切なしに対等な関係で事を進めるというのは鉄板だけどやっぱり面白いし好きだ。その中でどうしたって立場の違いも浮き彫りになる、という暗転の演出も鉄板だけど大好きだ。二人の関係性もよかったけど、奥様がとても素敵だったな。
2.やっとの思いで成功したスピーチが戦争のため、というのが悲しいけど、実話だから仕方ない。こういう時に、国王の言葉が国民にとってどれだけ大事なのかは想像できる。育ってきた環境や、国王としてのプレッシャーの中で、凄い努力だと思う。少し前にドキュメントを観たのでより楽しめた。コリンフォースの演技が素晴らしい。
3.英語の授業で観た。映画の後にYouTubeで本物みて泣いてしまった。
4.ブロマンスまではいかない男同士の友情。スピーチしなければいけない立場で吃音症って大変だよな…物語の緩急は緩やかめなんだけど、その中に確かに育まれていく友情!
5.ずーっと昔にみた、たぶん高校生のときめっちゃいい映画見つけたってお母さんに言った記憶がある
原題/別名:Training Day
上映日 | 2001年10月20日 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 122分 |
ジャンル | サスペンス、アクション、ドラマ、クライム、バイオレンス、ギャング・マフィア |
スコア | 3.7 |
監督 | アントワーン・フークア |
脚本 | デヴィッド・エアー |
あらすじ
一線を越えた犯罪者より危険なもの、それは一線を越えた刑事。
出演者
デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク、スコット・グレン、エヴァ・メンデス、シャーロット・アヤナ、トム・ベレンジャー、スヌープ・ドッグ、ハリス・ユーリン、レイモンド・J・バリー、クリフ・カーティス、レイモンド・クルツ、ドクター・ドレー、メイシー・グレイ、ニック・チンランド、ジェイム・ゴメス、ノエル・グーリーエミー、デンゼル・ウィッテカー
感想・評価
1.いやーデンゼルワシントンの演技力すご過ぎて、あっという間の時間でした。アロンゾは一体悪なのか正義なのか最後の最後までちょっとハテナやったけど、解説読んでなるほどってなった。まじで海外の治安悪いところってまじのまじで怖いな。自分やったらよう生きて行かれへん。。。であの街は実際のギャングたちがおるところみたいで。。。日本って平和やなーってつくづく思った。アロンゾに翻弄されてるイーサンホークは相変わらず垢抜けてなくて、なんか暗くて、精神疾患ある風やったな。ちょっと実話齧ってる部分もあるみたいで、海外の警察事情が黒すぎて人間不信になりそう。
2.デンゼルワシントンの演技が怖すぎる。後半アロンゾにハメられて殺されそうになったジェイクがトランプしてるシーンの流れが絶望すぎてなかなかキツかったです。
3.デンゼル・ワシントンの悪役はなかなか無いので良かった。イーサン・ホークも良かった
4.随分前に見たけど、再見。「なんて日だ!」という映画。やっぱりヤクザやギャングより、警察官が1番怖いんじゃないかと思わされる話。
5.-review-・けっこう好きな作品[★3.5]-labeling-・癖ある先輩捜査官と思いきやガチにヤバい極悪野郎にパワハラを受けながら長い長い1日を過ごす新米捜査官のお話-memo-・数少ない悪役デンゼルワシントンもたまにはいいねぇ
原題/別名:The Father
上映日 | 2021年05月14日 |
製作国 | イギリス |
上映時間 | 97分 |
ジャンル | ドラマ |
スコア | 4.0 |
監督 | フローリアン・ゼレール |
脚本 | フローリアン・ゼレール、クリストファー・ハンプトン |
原作 | フローリアン・ゼレール |
あらすじ
ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニーは記憶が薄れ始めていたが、娘のアンが手配する介護人を拒否していた。そんな中、アンから新しい恋人とパリで暮らすと告げられショックを受ける。だが、それが事実なら、アンソニーの自宅に突然現れ、アンと結婚して10年以上になると語る、この見知らぬ男は誰だ? なぜ彼はここが自分とアンの家だと主張するのか? ひょっとして財産を奪う気か? そして、アンソニーのもう一人の娘、最愛のルーシーはどこに消えたのか? 現実と幻想の境界が崩れていく中、最後にアンソニーがたどり着いた〈真実〉とは──?
出演者
オリヴィア・コールマン、アンソニー・ホプキンス、ルーファス・シーウェル、イモージェン・プーツ、マーク・ゲイティス、オリヴィア・ウィリアムズ
感想・評価
1.自分の老後でなりたくない状態の上位に入る認知症。その状態を体験出来る本作は、当人からすると『メメント』の様な、信じられるものを何に置くべきなのか、からかわれているのか、毎日毎日がストレスだろう事は用意に想像できる。どの立場から観るかでサスペンスにもミステリーにもヒューマン作品にもなるのが面白い名優二人の演技の良さもあるが、アンソニーを演じるのが同名のアンソニー・ホプキンスの為、現実と空想が入り交じって、よりいたたまれない気持ちに…。
2.アンソニー目線での描き方で、認知症の人ってこんな感じなのかなって思ったアンソニー・ホプキンスの演技本当にすごい
3.ずっとわけわからなさすぎてミステリーなんかと思ってみてた途中まで認知症のひとの頭ってこんな感じなのかな?って体験した気分になった
4.訳分からなくなりかねないストーリーを、分かりやすくキレイにまとめてあってすごいなぁと思った。さすがの演技!
5.仕事柄分かってしまうことも多い中、リアリティがあったのと、人の行く末を見た気がしてしまって涙が止まらなかった。
原題/別名:The Theory of Everything
上映日 | 2015年03月13日 |
製作国 | イギリス |
上映時間 | 123分 |
ジャンル | 恋愛、伝記 |
スコア | 3.8 |
監督 | ジェームズ・マーシュ |
脚本 | アンソニー・マクカーテン |
原作 | ジェーン・ホーキング |
あらすじ
1963年、ケンブリッジ大学で理論物理学を研究するスティーヴン・ホーキングは、中世詩を学ぶジェーンと恋に落ちる。やがて、スティーヴンは筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症、余命2年と宣告されながらも、妻となったジェーンと家庭を作り、子育てをし、そして、自分が生かされている意味を全うしようとする。予期せぬ試練。きれいごとではすまない夫婦の現実。ふたりが辿り着く先は...。
出演者
エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、エミリー・ワトソン、デヴィッド・シューリス、サイモン・マクバーニー、ハリー・ロイド、チャーリー・コックス、マキシン・ピーク、アダム・ゴドリー、エンゾ・シレンティ、カロル・スティール、ショーン・ルーカス
感想・評価
1.ALSを患いながらも、物理学者として様々な業績を残したスティーブン・ホーキング博士の愛と人生のお話。学生のときにALSを発症、余命2年といわれ恋人とも距離を置こうとするがそれを乗り越え結婚。3人の子宝にも恵まれる。その間にも病状は進行するが最終的には2018年76歳の生涯を終えるまで研究を続けた。兎にも角にも、ホーキングを演じたエディ・レッドメインが素晴らしすぎた。筋肉が萎縮していくことによる身体の使い方、歩き方、指先の強張り。動かなくなる身体とは反対に雄弁になる顔の表情や目の表現。どれもとても繊細に表現されていた。ジェーンと出会い恋をして結婚する。けれど着々と病状は進行してこれまでと同じような生活はどう考えたってジェーン1人では難しすぎる。ホーキングの身の回りの手伝いをしながら3人の子供を育てるなんて、、。正直しんどい。最終的には夫婦という関係は解消するわけだけど、2人が愛しあっていて別れてからも大切な存在であるとこには変わりないのだと思った。(ジェーンと別れたあと、看護師のエレインと再婚。しかし15年程共にしたあとに再度離婚したみたい。)
2.スティーブンホーキング博士の人生を基にした実話。終始エディ・レッドメインの演技に圧倒された。病と闘う過程で生じる綺麗事では済まされない決断も、隠すことなくきちんと描かれていて良かった。21歳で余命2年と宣告されたが、実際は76歳まで生きることが出来たというのは、医師にも予想出来なかったとのことである。ちなみにエディ・レッドメインはホーキングと同じケンブリッジ大学の後輩。
3.ホーキング博士2018年まで生きてたの知らんかった?もっと昔の人だと思ってた?
4.これは良いぞー。良いもの観たって思える作品。とにかくエディ・レッドメインの演技がすごい。どうなっとんねん。フェリシティ・ジョーンズもすごい。どうなっとんねん。所々難しい会話もあるけどそれも見所。勉強のやる気なくなったときとかに観るとやる気出そう。やっぱ天才は観てて楽しいわ。生きていれば希望はある。
5.エディレッドメインの演技がうますぎるほんまにすごいこんな壮絶な三角関係はないねやっぱは恋はするものじゃなくて落ちるものだね子供そんな産めるのね。
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